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2009.11.17
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テーマ: ニュース(96636)
カテゴリ: 環境問題
以前の日記に、地球温暖化問題について書いたことがあります。
その後、民主党が政権を取り、二酸化炭素(CO2)排出量を1990年比で25%削減すると表明する出来事がありました。基本的には当然の政策と私は思います。その反面、相変わらず温暖化懐疑論がネット上に満ちあふれています。いや、ネット上ばかりでなく書店でもその傾向の本ばかりが目に付く。また、米国では世論調査で地球温暖化に確かな証拠があると考える人が急減したという報道もあります。
そこで、改めてこの問題について考えてみたいと思います。

この問題を考えるには、地球の歴史と人類の歴史を振り返る必要がありそうに思います。

地球は、概ね46億年前に誕生したとされています。誕生したばかりの地球は、灼熱の大気をもつ星だったようです。それから現在まで、何度となく激しい環境の変動に晒されていますが、超長期的な傾向としては、おおむね気温が下がってきています。
ところが、その反面、太陽の輝きは、次第に強さを増してきているとされています。地球誕生直後の太陽の輝きは、現在の7割程度しかなかったと推定されています。計算上、現在の7割の輝きの太陽では、地球の平均気温は氷点下となり、地球全体が氷漬けになってしまいます。

この矛盾した現象を、「暗い太陽のパラドックス」と呼びます。
この矛盾を解くカギは大気にあったと考えられています。
つまり、地球の大気には、かつては高濃度のCO2が含まれており、そのため太陽の輝きが弱くても温室効果によって地球の気温は高い状態に保たれていた。その後太陽の輝きは増してきたものの、CO2の濃度が薄くなってきたため、温室効果が薄れて気温が下がってきた、ということです。

では、どうやってCO2の濃度は次第に減ってきたのでしょうか。

地球上に存在する元素は、地球が誕生して現在の大きさになったときから、それほど大きくは変化していません。つまり、CO2が増えた減ったと言っても、それは大気中からなくなっただけで、地球上のどこかにはあるわけです。では、どこに行ったのか。
一つには、CO2は水に溶けやすいので、海水中に相当量がとけ込んだと思われます。しかしそれだけではありません。CO2とはC(炭素)原子1個とO(酸素)原子2個よりなる分子です。そこからCが抜ければ、O2(酸素)になります。そう、植物の光合成によって、CO2が空気中から取り除かれ、O2が大気中に放出されるわけです。そして、残ったC(炭素)は、植物の体の一部になるわけです。それを食べる動物の体も、大部分が炭素でできています。それらの動植物の遺骸が何千万年、何億年と積み重なってできたのが、石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料です。
つまり、空気中のCO2は光合成によって酸素と炭化物になり、酸素は大気中へ戻り、炭化物は地上や海底に蓄積されていくわけです。何億年もに渡って生物の生と死が繰り返され、蓄積された炭化物と放出された酸素は膨大な量となり、その分空気中からCO2は減っていきました。

ただし、これは超長期的な全体の傾向であり、実際には気温もCO2濃度も、かなり激しく変動を繰り返しています。概ね、寒冷期(氷河期)には二酸化炭素が減り、温暖期には増えたと考えられています。
地球の歴史上、氷河期は何回かありました(現在も氷河期であることは以前に書いたとおり)。その中でも特に激しい氷期は、先カンブリア紀の終わり頃(6~7億年前)、スターティアン氷期とマリノア氷期という二度に渡る氷期で、赤道まで地球全体が凍結する全球凍結(スノーボールアース)の状態に陥ったのではないかと考えられています。

なぜそんなことが起こったのか。あくまでも仮説に過ぎませんが、以下のように考えられています。
この当時、まだ現代的な意味での植物はありませんが、光合成を行う藻類は30億年も前から存在していました。その活動によって、大気中のCO2濃度がどんどん減る。しかし、その当時はまだ太陽が現在より暗いですから、CO2が減って温室効果が少なくなると、現在より遙かに寒冷な気候になってしまいます。一度氷床が拡大すると白い氷河は太陽光を反射してしまい、熱を吸収しなくなるから、そらに寒冷化が進み、やがて地球は全球氷漬けになる。

ところが、地球全体が氷漬けになると、今度は生物の多くが死滅したり、活動が不活発になったりして、光合成が止まる。その一方、地中のマグマにもCO2は多量に含まれており、火山の噴火などで地中からCO2が噴出してくる。一転してCO2濃度はどんどん上昇し、その温室効果によって気温が上昇し、一挙に氷床が溶ける。再び光合成が活発化して、また大気中からCO2が減少し・・・・・・(以下、同じことの繰り返し)
全球が凍結しても生物が完全に死滅しなかったのは、火山の回りなど熱の発生源の周囲だけは凍結を免れたからと推測されています。

何とも過酷な出来事ですが、全球凍結を繰り返した時期が終わると、カンブリア紀に入って生物が爆発的に進化するので、この過程は生物の進化にとってはプラスだったのかも知れません。


二畳紀の氷期が終わると、それ以降長く温暖な時代が続きます。この時期はCO2濃度は現在の10倍近く、酸素濃度は逆に現在の7割程度だったようです。しかし、今から5000万年前頃を境に、その後は次第に気温が下がり、現在の氷河期に至ります。

地球の大気と気温、それに太陽の輝きの強さという3つの要素は、実に微妙な関係で維持されており、しかも時々そのバランスが崩れてきたことが分かると思います。

石油や石炭、天然ガスといった化石燃料は、植物(と、それを食べる動物)が営々と何億年もかけて大気中のCO2を取り込んで作ったものです。それを燃やすということは、地中に取り込まれたCO2を再び大気中に戻すことに他ならないわけです。
これら化石燃料の埋蔵量があとどのくらいあるのか、正確な数字は私は知りませんが、今のままの使い方で、あと2000年も3000年も化石燃料が保つはずがない、ということは言えるでしょう。人間の一生から見れば、2000年は途方もない長さですが、地球の歴史から見れば一瞬です。何億年もかかって生み出された化石燃料を、人類はその何万分の一の期間で使い切り、何億年かけて大気中から取り除いたCO2を、何百年か何千年かで大気中に戻そうとしているわけです。

化石燃料を使い切って、大気を数億年前の状態に戻したとき、その環境が人間(その他現生の生物にとって)にとって好ましいものであるはずがありません。

スノーボール・アースも、その当時の「自然な環境」ではありますが、そこに人間を放り込めば凍死します。恐竜時代の大気に人間を放り込めば、窒息はしませんがかなり息苦しいはずです。

重要なのは、今の大気であり、今の環境です。そして、それはきわめて危ういバランスの下に成り立っている。ちょっとしたことでそのバランスは崩れてしまうかも知れない。地球温暖化の問題を考えるときは、このことを忘れてはならないと、私は思います。

地球温暖化を巡る論争について その1
地球温暖化を巡る論争について その2
地球温暖化を巡る論争について その3
地球温暖化問題その4 では、何が問題なのか
地球温暖化問題 続編1 過去の気候変動を知る
地球温暖化問題 続編2 ヤンガードリアス期
地球温暖化問題 続編3 過去から将来を予測する





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最終更新日  2009.11.18 23:32:41
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