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2011.10.12
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カテゴリ: 人類学
「ロシアに雪男いる確率95%」 国際会議で結論

会議期間中、米ロやカナダ、スウェーデン、エストニアの専門家らが、雪男の目撃情報が相次いだ同州南部ゴールナヤ・ショリヤのアザス洞窟や周辺の山を探索。雪男のものとみられる生息場所や体毛を見つけたと報告した。ロシアメディアによると、洞窟にあった足跡の一つから12本の灰色の体毛が見つかり、科学鑑定されるという。
米国の研究者は会議で、米カリフォルニア州にいるとされる雪男「ビッグフット」の声だとする録音も披露した。参加者らは、ケメロボ国立大をベースに雪男の特別研究センターを創設するよう提案した。

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それって本当でしょうか?
確かにシベリアは日本などとは違って、人口密度がきわめて低いので、人跡未踏の地もたくさんあるでしょうが、雪男が未だに人間(現生人類)に知られることなく生きながらえている、と考えるのは、いささか無理があるように思います。
「灰色の体毛」だけだったら、そりゃクマの可能性を考えた方が現実的じゃないのかな、と思ってしまうのです。

まず、もし仮に雪男が存在するとして、それは分類的に見て何者ということになるのでしょうか。
当然、霊長目(サル目)ヒト科のいずれかの種類ということになるはずです。ホモ属のいずれかの種か、またはその祖先に当たるアウストラロピテクス属のいずれかの種ということになるでしょう。実際には、アウストラロピテクス属のヒト(化石記録はアフリカからしか見つかっていない)が酷寒のシベリアで生きていけるはずがないので、ホモ属のいずれかの種しかあり得ないでしょう。現実的には、ホモ・エレクトス(北京原人・ジャワ原人など)か、ホモ・ネアンデルターレンシス(ネアンデルタール人)のいずれかしかあり得ません。西シベリアのアルタイ山脈付近で、デニソワ人と呼ばれる、ネアンデルタール人に近縁なヒトが発見されているので、雪男がもし存在するなら、このデニソワ人の末裔というのが有力かも知れません。

だけど、ネアンデルタール人は、一説には「もし背広を着て地下鉄に乗っていたら、誰も気がつかないだろう」とも言われます。現生人類と、そんなに大きな違いがあるわけではありません。何より決定的なのは、ネアンデルタール人は毛むくじゃらではない(と推定されている)ということです。

現在推定されているネアンデルタール人の復元像
ネアンデルタール人の子ども

ネアンデルタール人の大人

デニソワ人の復元像というのは私は知りませんが、ネアンデルタール人に近縁なので、ほぼ同じような風体だったはずです。これを、「雪男」というのは、ちょっと無理じゃないかなあ。


だけど、ホモ・エレクトスがシベリアという酷寒の地に住むことができたか、というのは大いに問題です。
そもそも、サル目というのは熱帯起源の動物です。サル目の中で唯一、もっとも寒い地域まで分布しているのが我々現生人類(ホモ・サピエンス)です。それに次ぐのは、前述のネアンデルタール人(デニソワ人も)。彼等は北極圏には達しなかったけれど、最終氷期の寒冷気候の中でヨーロッパやシベリアに住んでいたのだから、能力的にはおそらく今のシベリアにも居住できるでしょう。
しかし、この2種以外では、日本の青森県下北半島に住むニホンザルが、サル目の分布の最北端です。
ホモ・エレクトスも、中国の北京あたりに住んでいた(北京原人)のだから、寒さに無抵抗ではなかったでしょうが、シベリアの寒さに耐えて生きていけるかというと、ちょっと無理じゃないかなと思うのです。

まあ、「雪男がいるかも」というロマンはあってもいいかもしれないですけどね。





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最終更新日  2011.10.13 00:53:36
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