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2012.07.04
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カテゴリ: 政治
原子力規制委 適材確保へ「国会同意」見直せ(7月4日付・読売社説)
原子力安全行政の立て直しの成否は、新設される原子力規制委員会の人選にかかっている。
政府には、適材の選考に万全を尽くしてもらいたい。与野党も国会同意人事のあり方を見直さねばならない。
政府は、原子力規制委の人事に先立ち、人選の要件(ガイドライン)をまとめた。
過去3年間に原子力事業者や関連団体の役員と従業員だった者を委員に起用しない。事業者から一定額以上の報酬を受けた者も同様に扱う、などとしている。
原子力安全行政の中立性と公正さを確保するため、事業者と癒着した人物の起用を避けようという狙いは、理解できる。
だが、原発事業に携わった人を過度に排除するようでは、適切な人材を確保できまい。原発などの現場の事情を熟知していることは重要な要素である。
委員長と委員には、事故時の危機対処に加え、事務局である規制庁の統率、政府内や自治体との調整の手腕も求められる。
そうした専門知識を併せ持つ実務家を選ぶことが望ましい。
規制委はエネルギー政策を議論する場ではない。過激な「脱原発」派を起用すれば、規制委内で原子力の是非を巡る対立が起き、原発の安全性確認など規制委本来の業務に支障が出る恐れがある。
政府が委員長と4人の委員を任命するには、国会で同意を得なければならない。
問題は、人事案が国会に提示される前に報道されれば、原則としてその人事を認めないルールがあることだ。2007年、野党だった民主党の要求で衆参両院の議院運営委員長合意に明記された。
規制委の人事は、国民の関心が高く、提示前でも報じられることは十分あり得る。実際、今年3月には、事前報道された日本銀行審議委員の人事案が撤回された。この規定は早急に削除すべきだ。
この規定を悪用し、報道機関に漏らして人事案をつぶすことも可能となる。政府が最善と考えた人事を、事前報道を理由に撤回させれば、人事が混乱し、原子力安全行政は停滞しかねない。
野党時代の民主党のように、同意人事を政争の具とすることは許されない。
国会同意人事である日銀総裁の場合は、衆参の議院運営委員会で候補の所信聴取と質疑を実施している。規制委の委員長と委員についても、その重要性を考えれば、国会の場で適格性をじっくり見極める工夫も必要ではないか。

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原子力規制委員 バランス欠く人選心配だ(産経新聞社説)
原子力の安全規制を担う新組織として9月までの発足を目指す「原子力規制委員会」の委員長ら5人を選ぶためのガイドラインがまとまった。
原子力規制委員会は、国家行政組織法第3条に基づく機関で、極めて高い独立性と強い権限を有する。それだけに、バランスの取れた委員の人選が何よりも重要だ。
選任される顔ぶれ次第で、日本のエネルギー利活用の将来が決まるといえる。エネルギーの安定確保は、国の安全保障や将来世代の生活の質を左右する問題だ。それほど重要な委員会であることを、共通認識としておきたい。
政府がまとめた委員人選のガイドラインは、直近3年間に原子力関連会社などの役員や従業員であった人物は不適格などとする除外条件と、任命時における情報公開の範囲を定めた内容だ。公開の対象は、原子力関連会社などから得た寄付額などで、期間は同じく直近3年間となっている。
大事なことは、このガイドラインの用い方だ。排除のための手段に用いられると、適任者の就任が阻まれ続けることになる。
そうならないためには、ガイドラインを人材登用のための手段として活用することだ。原子力規制委員に選ばれるには国会の同意が必要だが、その際に、3年以前の経歴などを理由に拒否されることがないことを保証するための指針として受け止めたい。
原子力規制委が立派に役割を果たせるかどうかは、5人の委員の資質にかかっている。
とりわけ過酷事故の発生時には、早期収束や健康被害防止のために原子炉制御や放射線管理の高度な知識と技術が求められる。大混乱と極度の緊張の中でもパニックに陥らなかった、吉田昌郎・前東電福島第1原発所長のような胆力も必要だ。
平時における原子力規制委員会の職務も事故時に劣らず重い。原子炉の新増設や廃炉に関わる高度な判断がその仕事だ。
脱原発志向の委員ばかりが多数を占めることになれば、規制のための規制に暴走しかねない。独立性が高いだけに、外部からの軌道修正は難しい。
電力会社の自発的な取り組みを促しつつ、安全性をより向上させていくことが肝要だ。それだけの器量と覚悟を備えた原子力規制委員会の発足を期待する。

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読売と産経が、そっくりの内容の社説を書いています。いろいろ長々とありますが、要するに核心部分は
「過激な「脱原発」派を起用すれば、規制委内で原子力の是非を巡る対立が起き、原発の安全性確認など規制委本来の業務に支障が出る恐れがある。」(読売)
「脱原発志向の委員ばかりが多数を占めることになれば、規制のための規制に暴走しかねない。独立性が高いだけに、外部からの軌道修正は難しい。」(産経)
という部分でしょう。本音が丸見え。脱原発派に発言力なんか与えるな、ということに尽きます。
だけど、脱原発派を排除した原子力ムラ内部の人間ばかりの「規制委員会」では、なんの規制にもなりません。そもそも規制委員会を何のために作るのかといえば、推進派が作り出した「安全神話」が誤っていたことが、福島の事故で露呈したからです。
津波による全電源喪失事故の可能性は、共産党の吉井議員が以前から指摘していたことが知られています※。それに対して、原子力安全・保安院長は「そういったことはあり得ないだろうというぐらいまでの安全設計をしている」と国会において答弁しています。
結果において、吉井議員の指摘が正しく、原子力安全・保安院の回答は誤っていたわけです。



つまり、推進派ばかりで固めた安全・保安院は、原発の安全と保安を守る役目を、てんで果たしていなかったということです。その反省に立って規制委員会が設置されるというのに、その人選は原発ムラの内部からなんてのは、仏を作って魂入れずの典型です。
常識的に言って、加害者の身内を検察官に任命したり、逆に被害者の身内を弁護人に任命する裁判なんかあり得るはずがないのに、規制委員会についてはそれをやれと読売新聞と産経新聞は臆面もなく主張しているわけです。言葉を換えれば、規制委員会なんて骨抜きにしろというわけです。
もう一度大きな地震で原発事故を起こしても構わないってことなんでしょうか。





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最終更新日  2012.07.05 00:58:52
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