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2012.07.19
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カテゴリ: 環境問題
エネルギー聴取会 多様な意見を封殺するな


野田佳彦政権は、エネルギーに関する多様な意見を封殺することがあってはならない。
政府のエネルギー・環境会議は平成42年の原発比率を「0%」「15%」「20~25%」とする3つの選択肢を示した。8月初旬まで全国11カ所で意見聴取会を開く。グループで議論する「討論型世論調査」を経て、来月末には新たなエネルギー政策を決める。
15日の仙台市と16日の名古屋市で開かれた聴取会では、電力会社社員が意見を述べた。「原発0%は(経済的に)破綻したシナリオだ」「原発比率は20~25%が望ましい」と主張した。
これに対し、脱原発派の批判が集まり、聴取会を担当する古川元久国家戦略相は、首相の指示を受けて「電力会社社員の意見表明はご遠慮願う」と新たに制限する方針を示した。次回から意見表明者に対し、事前に「電力会社社員かどうか」を確認するという。
しかし、意見表明は国民の応募を受けて政府が無作為抽選によって決めたものだ。出席した電力会社社員は自ら所属を名乗った上で意見を述べている。原発の安全性などについては技術的知識も必要だ。問題化した「やらせメール」とは全く次元が異なる。
政府は、意見聴取や世論調査を「国民的な議論」の一環と位置づけている。それならば、脱原発や反原発だけでなく、原発の維持・推進を求める意見も公平に聞く必要があるのは当然だ。
原発利用の3つの選択肢そのものにも、産業界の反発は強い。経団連は、「たとえ25%の原発利用が認められても、経済成長に必要な電力は確保できない恐れがある」と批判している。
電源構成は国の将来を左右する重要な問題だ。野田首相は国民の意見を聞きながら、最終的に安価で安定的な電力供給を確保できる道を選ぶ責任がある。

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また、例によってネトウヨ新聞いや産経新聞お決まりの原発ムラ擁護記事です。同様の主張は他にもあります。

聴取会、いろんな意見を=橋下大阪市長

池田信夫ブログ「電力会社の社員に表現の自由はないのか」


実に都合のよい主張だなと思いますね。電力会社の社員に表現の自由はないのか、ですって?
現実に、ないじゃないかというのが私の答えです。

東京電力思想差別事件 というものが、かつてありました。リンク先のウィキペディア記事に詳細がありますが、共産党員の社員に対して、東電が賃金や昇格について差別的な取り扱いをした、という事件です。裁判は原告側(共産党員の東電社員)の実質勝訴の和解という決着を見ていますが、東京電力という会社が、社の方針と異なる思想信条の持ち主に対してどういう扱いをするかが、実によく分かる出来事です。もちろん、これは東京電力の話ですが、中部電力や東北電力だって、実情は大同小異と考えて間違いないでしょう。
つまり、電力会社の社員は、社の方針と相反する言論の自由を事実上奪われているのに、そのことには目を閉ざしたままで、社の方針と一致する言論の自由だけは擁護しろなんてのは、ダブルスタンダードでしかないのです。
いくら口で「個人としての意見」と言ったところで、それは事実上会社の意見の代弁でしかありません。まして、所属会社名を名乗っての発言、それもいずれの例も管理職で、仙台の例に至っては役員だそうです。いったいどこが「個人としての意見」なんだと思います。実際、仙台の事例では、個人の意見ではなく「我が社の見解」を堂々と発表したと報じられています。

この意見聴取会は、さいたま市、仙台市、名古屋市の3回しか開かれていません。それぞれ、原発0%、15%、20~25%の3案を支持するものがそれぞれ3人ずつ、計9人が抽選で選ばれて意見を述べるという仕組みになっています。つまり、これまでの3回で27人しか意見を述べていないわけです。
そのうち、仙台では1人が東北電力執行役員、もう1人が元執行役員で現在は原発推進団体の理事、名古屋では1人が中部電力課長でもう1人が日本原子力研究開発機構の職員だというのだから、いったいどういう確率ですかと言いたい。


産経新聞は
「政府は、意見聴取や世論調査を「国民的な議論」の一環と位置づけている。それならば、脱原発や反原発だけでなく、原発の維持・推進を求める意見も公平に聞く必要があるのは当然だ。」
と書いていますが、今更何を言っているのかと思います。なぜなら、前述のとおり、この意見聴取会は3つの案それぞれを支持する3人ずつが意見発表すると決まっているからです。電力会社員が排除されると、その分は電力会社員ではない原発推進派(20~25%を支持する意見)に発言の機会が与えられるのであって、20~25%を支持する意見が排除されるわけではないからです。

「原発の安全性などについては技術的知識も必要だ」ともありますが、この意見聴取会はそもそも一般国民の意見を広く聞くという趣旨であって、技術的知識を持つ専門家の意見を聞く場として設けられているわけではありませんから、技術的知識は必要不可欠ではないのです。応募の要件にも、技術的知識を持っていること、なんて条件はないはずです。

人数制約のないパブリックコメントなら、どんな職業の誰がどれだけ意見を送るも自由です。もちろん、電力会社の社員が「組織票」で意見を送ったとしても仕方がない。だけど、たったこれだけしか発言者の枠がない中で、利害関係者である電力会社員の発言の機会を、ここまで優遇するってのはいったいなんなのかと思います。





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最終更新日  2012.07.19 21:28:44
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