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2012.10.24
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カテゴリ: 災害
昨日の記事へのコメント欄で書きましたが、気象庁は、地震予知の可能性について、このように書いています。


地震予知について


地震の予知はできますか?



東海地域にはどのような監視体制がとられていますか?


東海地震の前兆現象を捉えるため、東海地域及びその周辺に各種の観測機器が設置されています。これらの機器には気象庁が整備した地震計、地殻岩石歪計のほか、国土地理院、海上保安庁、独立行政法人防災科学技術研究所、独立行政法人産業技術総合研究所、東京大学、名古屋大学及び静岡県の各機関が設置したものがあり(地震、地殻変動、地下水等)、気象庁にデータが集められ、常時監視しています。

東海地震は必ず予知できるのですか?

必ず予知できるのかとの問いには、「いいえ」となります。
東海地域の観測網により前兆現象をとらえることができた場合のみ、気象庁は東海地震に関連する情報を発表してみなさんにお知らせすることができます。どのくらいの確率で前兆現象をとらえることができるのかは、残念ながら「不明」です。
東海地震予知の鍵となる前兆現象は、前兆すべりと考えられています。前兆すべりとは、震源域(東海地震の場合、プレート境界の強く固着している領域)の一部が地震の発生前に剥がれ、ゆっくりと滑り動き始めるとされる現象です。気象庁は、東海地域に設置した歪計(ひずみけい)で前兆すべりをとらえようとしています。
逆に、このような前兆すべりがとらえられない場合(前兆すべりの規模が小さすぎた、前兆すべりが沖合で発生した等、観測網でとらえられなかった場合。前兆すべりが生じるとする考え方が誤りであった場合。)や前兆すべりの進行があまりにも急激で時間的に余裕がない場合には、残念ながら情報発表がないまま地震発生に至ることになります。

---

私の記憶が確かなら、この文章は東日本大震災以前から掲載されていたと思います。
つまり、現状、地震予知が可能かも知れないのは、東海地震のマグニチュード8クラス以上だけなのです。それも、あくまでも可能「かもしれない」だけであって、必ず可能ではないし、どのくらいの確率で予知できるかも分からない、という程度です。
上記の文中に「それ以外の地震については直前に予知できるほど現在の科学技術が進んでいません」とありますが、本当のところを言えば、東海地震だけ予知できる(かも知れない)のに、それ以外の巨大地震が予知できないというのは、科学技術の問題ではないだろうと思います。つまり、東海地震の震源域には地震予知のための観測体制が組まれているけれど、それ以外の地域にはそのような濃密な監視体制がない、ということです。突き詰めれば、日本全国に濃密な監視体制を引くだけの予算がない、というところにたどり着くのでしょう。だから、一番可能性が高そうで、かつ政治・経済・交通面での影響が大きい東海地震に絞って監視体制を引いているのでしょう。

科学技術という面で見ると、現在の地震予知体制は前兆すべり現象を捉えるためのものですが、巨大地震の際に必ず前兆すべり減少が発生するかどうか、発生したとしても、それを事前に捕捉可能なのかどうかは、わかっていません。少なくとも東日本大震災では、前兆すべり現象の発生は確認されていません。

巨大地震の直前に前兆すべり現象が発生したとされるのは、1944年の昭和東南海地震です。地震の前日から当日にかけて、陸軍陸地測量部が静岡県の掛川から御前崎にかけての地域で測量をやっていて、いくらやっても異常に大きな誤差が出るし、水準器がどんどん狂っていく、おかしいぞと言っているうちに、地震が起きたのです。このとき、地震直前の前兆すべり現象によって、標高が動いていたためにちゃんと測量ができなかったのだ、ということが後になって分かったわけです。それが前兆現象だとリアルタイムで気がついていれば、地震予知に成功していたところだったわけです。

ただ、問題は前兆すべり現象が確認されたのはこのときの地震だけ、ということなのです。東日本大震災では前兆すべり現象は確認されていませんし、東海・東南海・南海地震でも、前兆すべり現象があったことがわかっているのは、昭和東南海地震だけです。それ以前の安政地震や宝永地震の時代には、前兆すべり現象があったかどうかなんて、分かるわけがありません。
つまり、昭和東南海地震というただ一度の前例を頼りに、それ以前の地震でも多分前兆すべり現象はあったのだろう、と当たりをつけて予知体制を引いているだけなのです。そう考えると、東海地震が予知できる可能性は、「運がよければ」程度でしかないだろうなと思えます。


私は、そうでもないと思っています。
地震の予知はできなくても、発生した地震と、その直前の観測データを付き合わせることで、地震の直前に何が起こったのか、後から検証することができます。そういったデータが蓄積されていけば、巨大地震の直前には何が起こるのかが、より具体的にわかってくる、つまり予測の精度が上がってくるだろうと思われます。
次の巨大地震は予知できなくても、次の次の巨大地震が予知できる確率が高まるなら、地震予知のための観測は、社会全体としてみれば有益であろうと私は思うのです。





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最終更新日  2012.10.24 23:29:44
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Re:地震予知とは何か  
進行性ブルー さん
今週土曜日29日に 琵琶湖震源の地震が起きる。の記事が週刊誌にありましたけど、あたりたすか? (2012.12.27 00:51:57)

Re[1]:地震予知とは何か(10/24)  
inti-sol  さん
進行性ブルーさん

当たりかどうかなんて、分かりません。
その話は
www.j-cast.com/2012/12/17158548.html

この話ですね?

電波による地震予測はある程度の実績もある話なので、可能性の一つとして、あり得ることとは思います。ただし、ほぼ1年前に、北大学理学研究院附属地震火山研究観測センターの森谷武男氏が、同じ手法で、昨年12月か今年1月に東北南部から関東で巨大地震が再発する(かもしれない)と予測し、そのことは当ブログでも紹介しましたが、結果として外れました。
当たらなかったからデタラメだ、ということではありませんし、一つはずれたから他もすべて外れる、ということでもありませんが、地震予知はそれだけ難しい、ということです。
もう一つ言えるのは、12月29日、琵琶湖などという精度で予知することは不可能だろうということです。
実際、リンク先を読むと、「早ければ12月29日に琵琶湖の周辺を中心とした近畿地方で」となっていますが、いつの間にか「早ければ」と「の周辺を中心とした近畿地方で」が脱落しているとすれば、これは伝言ゲームの怖さだろうなと思います。
結論としては「近いうちに近畿で大きな地震」という程度ではあり得る話ですが、確実かと言われると何とも、というところです。 (2012.12.27 08:23:21)

Re[2]:地震予知とは何か(10/24)  
おっちゃん さん
inti-solさん

>結論としては「近いうちに近畿で大きな地震」という程度ではあり得る話ですが、確実かと言われると何とも、というところです。

「何とも・・・」とは情けない。
私なら確信をもって「確実だ」と言いますね。
「近いうち」と「大きな」が政界用語(政治家の語法)でいいならば、ですが。
Inti-solさんは政治家にはなれませんね。
(2012.12.27 14:48:11)

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