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2013.03.31
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カテゴリ: 政治
生活保護費:パチンコなど浪費「通報を」 兵庫・小野市で条例成立 「監視日常化」の懸念
生活保護費や児童扶養手当などを受給者がパチンコなどに浪費することを禁じ、見つけた市民に通報を求める兵庫県小野市の「市福祉給付制度適正化条例」が27日、市議会本会議で可決、成立した。使途を具体的に規制し、通報を義務化した条例は全国でも例がなく、論議を呼んでいる。4月1日に施行される。
条例は受給者に対し、不正受給や、パチンコ、競輪、競馬、遊興、賭博などでの浪費を禁止した。市は「過度の飲酒や風俗関係も含まれる」と説明している。
「市民の責務」として、不正受給が疑われる受給者や、パチンコなどへの浪費で日常生活に支障が出ている受給者について、市に情報を提供すると規定した。罰則はなく、元警察官や専門家らを想定した「適正化推進員」が通報内容を調査し、市が必要に応じて指導する。生活困窮者を救済するため、困窮者に関する情報提供も求めている。
議会後、蓬莱(ほうらい)務市長は「議論が巻き起こり、無関心から関心へ、大きな成果があった。受給者の自立を支援し、不正や浪費を防ぎ、制度の信頼回復に効果を上げたい」と述べた。
同市は人口約5万人で、市内の生活保護受給世帯(2月末)は121世帯。保護率(昨年12月)は0・31%と全国平均1・69%より低く、条例の必要性に疑問の声は多い。しかし、市によると、2月27日に条例案を提案して以降、寄せられた電子メールや電話などは1958件で、賛成が60%、反対が39%となっている。
条例案を巡っては、県弁護士会が「差別や偏見を助長する」などと反対声明を出した。
貧困問題に取り組む小久保哲郎弁護士(大阪弁護士会)は「市民は常習的な浪費実態を分かりようがない。パチンコをしただけで通報されたり、監視が日常生活全体に及ぶ」と指摘。生活保護費の受給者らを支援するNPO法人ほっとプラス(さいたま市)の藤田孝典代表理事も「受給者は条例に不安を感じている。家計管理ができない人間とみなされかねず、見守りでなく監視と受け止める」と話している。

---

生活保護受給者がパチンコや競輪、競馬を行うことを、生活保護法は禁じていません。ただし、保護費で生活できる範囲内で留めるならば、ですが。実際には、そういう「健全なギャンブル」の範囲内に留めておくことができない人が、保護受給者にはとても多いことは疑いありません。
で、生活保護法は、パチンコや競輪、競馬を直接禁じてはいないのですが、以下のような条文があります。

第六十条  被保護者は、常に、能力に応じて勤労に励み、 支出の節約を図り 、その他生活の維持、向上に努めなければならない。

生活保護費を浪費して生活が破綻する行為は、明らかにこの条文に反しています。従って、必ずしも遊技、遊興、賭博に限定されるわけではありませんが、生活保護受給者の浪費を禁ずる条例は、生活保護法の趣旨に反しているわけではありません。

ただし、です。
条例で禁じれば受給者がパチンコをやめたり飲酒をやめたりするか?残念ながら、法律や条令がこうだからと言われて、それをきちんと遵守できる人なら、そもそも最初からそんな生活破綻は引き起こしていないわけです。
だから、この規定は、間違ってはいないけれど、実効性があるとも思えません。
まあ、「こういうことを許してはならないぞ」というある種の決意表明としての意味くらいはあるでしょう。

しかし、保護受給者の浪費を禁じるという以外の点では、この条例は看過できない問題を含んでいるようです。


もうひとつ、「市民に通報を義務づける」というのは、これは驚くべき内容です。だって、誰が生活保護を受給しているか、というのは、最高度の個人情報のはずです。現実には、誰が保護受給者か、近隣で知れ渡っているというのはよくある話かもしれませんが、そうだとしても、役所が「はい、その人は確かに生活保護を受けていますね」なんて認めることがあり得るのか?
どう考えても、あってはならないこととしか思えません。それを前提に「通報の義務」というのは、異常な条例としか思えません。





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最終更新日  2013.03.31 11:55:16
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Re[1]:色々と難しい問題ではあるが(03/31)  
inti-sol  さん
Bill McCrearyさん

コメントの趣旨は了解しました。
ただ、大変、大変申し訳ないのですが、今回のコメントは、色々事情がありまして、削除させていただきました。本当にごめんなさい。

>おどろくほど実効性がない条例ですね。ギャンブル依存うんぬんというのであれば、ギャンブル依存治療のための指導を密にするとかしたほうが、よっぽどよくありませんかね。

そのとおりです。もっとも、ギャンブル依存(薬物依存でもアルコール依存でも同じでしょう)の治療というのも、なかなか困難ではあるようです。

>>児童扶養手当などを受給者が

>ってのは、マジでおどろきますね。生活保護と児童扶養手当では、趣旨がぜんぜん違うのにね。

そのとおりですね。
生活保護は、受給者は福祉事務所の指導、指示を受けるわけですが、児童扶養手当受給者にそんな指導・指示はありません。
で、そこまでやるんなら、いっそのこと児童手当受給者も対象にしたらって思います。公費から手当てをもらっているという意味では児童扶養手当と同じでしょう。児童手当には所得制限が導入されましたが、扶養家族が2人(たとえば専業主婦の妻と子どもが1人)なら、収入900万でも制限内という、ゆるゆるの制限なので、ほとんどの親が受給しているはずです。私ももらっている。全員が監視と密告の対象になってみればいいのです。 (2013.03.31 19:44:50)

Re:色々と難しい問題ではあるが(03/31)  
おっちゃん さん
私は生活保護費は貸与制にして、立ち直ったときに返却する制度にすればいいと思っています。そんなことをすれば社会復帰の意欲をそぐと言われれば・・・現行の制度だってそういう側面はないとはいえない。堂々と胸をはって「借りる」ほうがずっと気持ちが楽になるのでは?
あるいは現物支給(食料、衣料、教育費などのクーポン券の支給)にシフトさせていくという方法もある。
(2013.04.01 09:44:50)

Re[1]:色々と難しい問題ではあるが(03/31)  
inti-sol  さん
おっちゃん

この場で具体的は論じるには、色々と不都合があるのですが、いずれの提案も現実には難しいんじゃないかという気がします。

結局、生活保護を巡る問題は、突き詰めれば「厳しくすれば飢え死にする人が出るが、緩いと不正が増える」(不正とは、必ずしも狭い意味での不正ではなく、「働けるのに仕事をせずに」みたいなものも含んでの話です)というジレンマがあるのだと思います。
もちろん、不正は許さず、本当の必要な人にはちゃんと生活保護を、というのが理想ですけど、現実にはそれは非常に難しいようです。 (2013.04.01 21:24:03)

コメントの件では  
Bill McCreary さん
ご迷惑をおかけしました。本当に申し訳ございません。コメントした後「まずかったかな・・・」と思っていました。以後気をつけます。

>結局、生活保護を巡る問題は、突き詰めれば「厳しくすれば飢え死にする人が出るが、緩いと不正が増える」(不正とは、必ずしも狭い意味での不正ではなく、「働けるのに仕事をせずに」みたいなものも含んでの話です)というジレンマがあるのだと思います。

これは哲学・人間観・社会観の問題ですから、片山とか世耕はまた違う考えなのでしょうが、どちらがマシかというレベルの話になれば、

>緩いと不正が増える

のほうがまだいいかなと思います。

片山もそうですが、とくに世耕のように世間の標準からすればとびぬけて恵まれている立場の人間が生活保護を批判するってのは何ともです。世の中そんなものでしょうが。 (2013.04.02 04:16:22)

Re:コメントの件では(03/31)  
inti-sol  さん
Bill McCrearyさん

>>緩いと不正が増える

>のほうがまだいいかなと思います。

理念としてはそうなのですが、財源が無限大にあるわけでもない、という問題はついて回ります。
このあたりもまた、難しい問題です。 (2013.04.02 21:12:22)

Re[1]:コメントの件では(03/31)  
おっちゃん さん
inti-solさん

>理念としてはそうなのですが、財源が無限大にあるわけでもない、という問題はついて回ります。

そのとおりなのですが、「不公平をただす」という視点は忘れないようにして欲しいものです。(本質はこの部分です)
それを「現実には難しい」で放置すれば世の中はますます乱れるでしょう。
「貧しさには耐えられるが不公平には我慢ができない」というのが人間です。これはご理解いただけると思うけど・・・ (2013.04.03 10:07:04)

Re[2]:コメントの件では(03/31)  
inti-sol  さん
おっちゃん

>そのとおりなのですが、「不公平をただす」という視点は忘れないようにして欲しいものです。

そうですね。でもそれはまた非常に難しいことでもあるのでしょう。何が「不公平」かということも、人によって大きく異なる場合がありますし。

たとえば、汗水たらして働いて年金保険料を納めて、やっともらった年金より、遊んで暮らして年金も払ってこずに生活保護になった人の保護費のほうが高いのは不公正だ、という人が少なからずいます。
しかし、では年金保険料を払ってこなかった人は、仕事がなくなって貯金も使い果たしたら野垂れ死にするのが公正なのでしょうか。そうではないだろうと考える人も多いだろうと思います。

まあ、「現実には難しい」の経緯と理由を説明するのはちょっと難しいので、これ以上は省きますけど、常に二律背反のジレンマに直面している制度ではあるようですね。 (2013.04.03 23:28:42)

Re[3]:コメントの件では(03/31)  
おっちゃん さん
inti-solさん

>たとえば、汗水たらして働いて年金保険料を納めて、やっともらった年金より、遊んで暮らして年金も払ってこずに生活保護になった人の保護費のほうが高いのは不公正だ、という人が少なからずいます。

あきらかに不公平です。

>しかし、では年金保険料を払ってこなかった人は、仕事がなくなって貯金も使い果たしたら野垂れ死にするのが公正なのでしょうか。そうではないだろうと考える人も多いだろうと思います。

手を差しのべないと野垂れ死にする人に対して年金のある人が何らかの理由で暮らせなくなった場合と同じ待遇の生活保護を受ける権利を保障することは公平と言えます。

そこまで難しい話ではないと思います。
(2013.04.05 16:42:50)

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