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2013.06.27
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テーマ: ニュース(96636)
カテゴリ: その他
辛坊さんを襲った9年前の「自己責任論」


〈辛坊がイラクで、民間援助にあたり拉致された高遠さんを追及した言葉を忘れるな! 自己責任! 自費で支払えと言ったことを〉〈貴方イラクで人質になった日本人を大上段で「自己責任」と切り捨ててませんでしたっけ?〉とケチョンケチョンである。
元外交官で評論家の天木直人氏も自身のブログで辛坊氏を批判している。
〈思い出すのがイラクで人質になった若者三人に浴びせかけられた「自己責任論」だ。当時辛坊氏は徹底的に小泉政権の肩を持つ発言を繰り返していた。その自己責任論者が自己責任を取らなくていいならこれほどの冗談はない〉
天木氏があらためて言う。
「正確な言葉は忘れましたが、あのころ辛坊氏はイラク戦争に反対している人々に厳しい態度を取っていました。人質になるというヘマをしでかすとはけしからん、と言わんばかりだったのです。彼は時の権力者側に立ちたがる人。だから弱者に厳しいのです。そもそも今回の航海については、万全の備えや訓練を積んで出発したかも疑問です。自己責任を振りかざした人が大勢の尽力によって、イラクの人質たちみたいに助け出されたとは皮肉で滑稽な出来事。辛坊氏は当分、自己責任論を語れないでしょう」
当然、海自や海保の救出費用は自己負担するのでしょうな。

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辛坊治郎は、維新の会の橋下とかなり近い位置にいる人物で、私はあまり好きではない、というよりかなり嫌いな人物です。イラク人実事件のときに人質になった3人を批判していたということは知りませんでしたが、事実とすればなおさら度し難い。
が、しかし、です。だからこそあえて言いますが、失敗した冒険を叩くべきではないし、救助費用の要求をすべきでもないと私は思います。

この種の論争は山岳遭難の救助時によく見られます。山の遭難の場合、話は非常に簡単で、民間のヘリが救助に出動すれば費用がかかりますし、遭対協の民間人が救助に出動した場合の費用ももちろん実費で請求されます。しかし、警察や消防のヘリ、山岳警備隊などが出動した場合は費用はかかりません。中には民間ヘリの出動を断って警察のヘリを呼んだ、などという話が流布され(それが本当に事実なのかどうかは知りませんが)、ネットで激しいバッシングの対象となる場合があります。
そういえば、救急車も軽症でも安易に呼ぶ場合があるというので有料化という意見があるようです。

私は、警察・消防などの公的な緊急出動を有料化することには反対です。自衛隊も、その延長線上で考えるべきと思います。確かに、安易な救助要請はあるかもしれません。しかし有料化は本当に必要な緊急要請を萎縮させる可能性があります。安易な救急要請のみ有料化する、という考えもあるかもしれませんが、何が「本当に必要」で何が「安易」か、その境目は曖昧で、そんなに簡単に区別できるものではありません。

前述のとおり、辛坊治郎は嫌いな人物である上に、今回の太平洋横断は、24時間テレビのための企画じゃないかという話もあります。でも、そうだとしても冒険は冒険です。失敗した冒険を褒め称えろとは言いませんが、バッシングすることはない。失敗する可能性が少なからずあるからこそ冒険なのですから、失敗したら叩かれるのでは、冒険に乗り出す人なんていなくなってしまいます。
誰もが無難に生き、危険度の高い冒険なんかやりたがらない社会、それが望ましい社会とは思えないのです。誰もが自爆的な冒険に手を染めたがる社会というのも、それはそれで問題かもしれませんが、安全と安定を求める人も、冒険を求める人も、それなりに居場所があるのが、自由で活気のある社会だと私は思っているので。

ただし、この台詞はそのまま、イラク人質事件の際に、人質になった3人の日本人をバッシングした辛坊治郎その人に対しても、向けるべき言葉でしょう。その頃は3人の人質をバッシングして、今はそんなことなどすっかり忘れて、「人質をバッシングしていた辛坊治郎」をバッシングしているネット住民に対しても、ね。



だからこそ、私は「自己責任」論など振りかざすべきではないと思うのです。人生の様々な場面で、無数の選択があります。その選択肢を選ぶと将来の人生がどうなるか、なんてことは、とても予測できるものではありません。予測できないものを全て自分で責任を取れ、なんてことは不可能です。

人間というのは、常に他人に迷惑をかけ、迷惑をかけられながら生きている存在です。いつも迷惑ばかりをかけ続けて生きるのはちょっと問題ですが、普通に生きているだけでも迷惑をかけたりかけられたりすることは、必ずあります。それは「お互い様」です。誰にも迷惑をかけもかけられずもせずに生きていくなんてことは不可能です。自己責任論を振りかざして「迷惑をかけられる」ことを拒否していたら、自分が迷惑をかけることも拒否される(まさに今回の例)事態に陥ります。





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最終更新日  2013.06.28 00:20:27
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