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2013.07.11
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カテゴリ: 災害
菅直人氏の見苦しい嘘
菅元首相が、今ごろになって「私には責任がなかった」とブログやツイッターで主張している。「反原発候補」を応援する立場上、自分の正当性を主張したいのだろうが、きょうのツイートは

明白な嘘である。

吉田所長に海水注入の中止を直接指示したのは東電の武黒フェロー。官邸からの指示と当時報道されたが、私を含め官邸の政治家は海水注入で廃炉になって海水注入は当然と考えており、誰も中止を指示してはいない。指示をしたのは官邸にいた東電の武黒フェローと東電上層部の。つまり東電内部の指示。

国会事故調の報告書にはこう書かれている。

官邸5階では海水注入が必要であると関係者の認識は一致していたが、18時過ぎごろ、菅総理は、再臨界の可能性等について、班目委員長が「ゼロではない」との表現で回答したことを受けて、「大変じゃないか」と懸念を示した。班目委員長、又は久木田委員長代理は、「再臨界は、まず起きないと考えていい」という趣旨の説明をしたが、菅総理から、「そうはいっても、ないと言っていた水素爆発が起きたじゃないか」と言われると、それ以上何も言うことができなくなった。

菅氏が「海水注入で再臨界が起こる」という奇妙な思い込みをもち、それを班目氏に問い詰めたことが、海水注入の指示が遅れた原因である。実際には吉田所長は、その指示を無視して海水注入をしていたが、これを今ごろになって「私は中止を指示してはいない」と嘘をつくのは、常人の神経ではない。

いま問題になっている原発の全面停止も、最初は福島瑞穂氏などが主張していただけだった。それを人気取りのために浜岡の停止を「要請」し、いったん海江田経産相(当時)が決めた玄海の再稼働をくつがえしたのも菅氏である。これが今日に至る法的根拠なき再稼働の「自粛」につながっている。このようにまともな判断力もないばかりか責任を他人に転嫁する卑劣な人物を、あのようなとき首相に選んだことが、日本人の最大の不幸だった。

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例によって例のごとく、原発推進派の池田信夫が嘘を書いています。
国会事故調の報告書には、確かに上記のような記載があります。けれども、どこにも菅首相が海水注入の中止を指示した、とはかかれていません。
事故調のホームページから、その部 分をさらに引用してみましょう。

3月12日15時20分ごろ、東電は、原災本部事務局等に対し、1号機について「今後、準備が整い次第、消火系にて海水を注入する予定」との連絡を行っており、福島第一原発の現場においても海水注入に向けた準備が進められていた。それにもかかわらず、17時55分に、海江田経産大臣から東電に対して、1号機原子炉容器内を海水で満たすよう、原子炉等規制法第64条第3項に基づく措置命令が発出された。この措置命令に至った理由は、東電が廃炉を懸念しているという東電への不信感と、前述のベントに関する命令と同様に「国による後押し」という曖昧な論理に基づくものであり、命令発出の必要性について政府内で具体的な検討が行われた形跡は認められない。そして、この命令発出によって、現場における海水注入に向けた作業が促進されたという事実も認められない。
さらに、官邸5階では海水注入が必要であると関係者の認識は一致していたが、18時過ぎごろ、菅総理は、再臨界の可能性等について、班目委員長が「ゼロではない」との表現で回答したことを受けて、「大変じゃないか」と懸念を示した。これに対し、海水注入の必要性を認識していたはずの者たちからは、その必要性について十分に菅総理に説明されなかった。班目委員長、又は久木田委員長代理は、「再臨界は、まず起きないと考えていい」という趣旨の説明をしたが、菅総理から、「そうはいっても、ないと言っていた水素爆発が起きたじゃないか」と言われると、それ以上何も言うことができなくなった。海江田経産大臣は、海水注入の措置命令発出について、菅総理に報告したと述べているが、その場にいた関係者の中で、そのことを認識している者はいない。結局、その場では海水注入につき菅総理の理解を得ることができず、注水準備作業に時間がかかることから、作業が完了するまでの間に再臨界の可能性等について検討を行うとして、議論は「仕切り直し」となった。こうして、海水注入の措置命令が既に発出されているにもかかわらず、事実上、政府としての海水注入の是非に関する判断は宙に浮いた形となってしまった。
菅総理が「再臨界」の懸念にとらわれて、海水注入の必要性を説明する声に十分に耳を傾けなかった面もあるが、その場にいた誰からも、菅総理に対し、既に現場においては海水注入の実施に向けて動いていることや、海江田経産大臣による海水注入の措置命令も発出済みであることを告げる動きは見られなかった。結局、宙に浮いた状態は、菅総理に対する説明事項を整理した上、再度説明をして、海水注入を納得してもらう19時55分ごろまで続いた。
この間、福島第一原発では、19時4分に1号機への海水注入が開始されていたが、この事実は官邸5階には伝達されなかった。武黒フェローは、菅総理の了解を得られなかったことを受けて、19時25分ごろ、吉田昌郎福島第一原発所長(以下「吉田所長」という)に対し、官邸で検討中であることを理由に、海水注入を待つよう指示し、東電本店も中断はやむを得ないと判断している。(以下略)

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確かに、「私(菅首相)を含め官邸の政治家は海水注入で廃炉になって海水注入は当然」と考えていたというのは、いささか怪しい。この報告書を読む限り、「海水注入が必要である」と考えていた関係者の中に、菅直人自身は含まれていなかったようにも読めます。がしかし、彼自身が「海水注水を中止せよ」と指示していないこともまた明白です。
「注水準備作業に時間がかかることから、作業が完了するまでの間に再臨界の可能性等について検討を行うとして、議論は『仕切り直し』となった。」つまり判断が先送りされていたわけです。ところが、実際には注水準備作業に時間がかかるどころか、現地では既に注水が始まっており、しかし、官邸ではそのことを誰も知らなかった。東電から官邸に派遣されていた武黒フェローも、そのことは知らなかったのです。

武黒は、官邸での会議が再開されるまでに、海水注入のためのポンプはあるのか、注入用の配管に破断はないのか、海水を入れて原子炉の制御は可能なのか-の3点について調べるよう求められていた。このときのことを福山(福山哲郎官房副長官)は、武黒が水を入れるかどうか分からないと危惧していた、と記憶している。武黒は吉田に問い合わせようと電話を入れた。
武黒 お前、海水注入は?
吉田 やっていますよ。
武黒 えっ。
吉田 もう始まっていますから。
武黒 おいおい、やってんのか。止めろ。
吉田 なんでですか?
武黒 お前、うるせえ。官邸が、もうグジグジ言ってんだよ。
吉田 なに言ってんですか?

大鹿靖明「メルトダウン」(講談社文庫P124-125)ただし、吉田と武黒の会話部分は国会事故調報告書からの引用。

日本最大の巨大企業の役員同士が、私用ではなく業務上の会話をしているのに、「お前、うるせえ」とは、まあずいぶんな言葉だなと思いますが、それはともかく、官邸にいた誰も、実際には海水注入が始まっていることを知なかった。実際には準備出来次第海水注入せよという措置命令は既に出ていたのに、その事実についての認識が関係者の間ですっぽり抜け落ちているようです。知らないうちに武黒の個人的判断で注水中止が命令されていた、というのが真相です。しかも、実際には吉田は武黒の指示を無視したため、注水は停止されなかったのですが。


「人気取りのために浜岡の停止を「要請」し、いったん海江田経産相(当時)が決めた玄海の再稼働をくつがえしたのも菅氏である。」ともあります。
浜岡原発の問題については過去に散々取り上げたし、 浜岡を停止するなという池田信夫の主張についても取り上げ たことがあります。 玄海原発の危険性についても取り上げた ことがあります。なので繰り返しませんが、相変わらず陳腐な原発推進論を叫び続けているんだなあ、と思うばかりです。

まあ、でも今回の選挙で民主党に票を投じる気はありませんけどね。





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最終更新日  2013.07.11 23:50:17
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