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2013.09.07
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カテゴリ: 食の安全
韓国が福島など8県の水産物輸入を全面禁止、日本側は「科学的根拠なし」―韓国メディア
2013年9月6日、韓国メディアによると、韓国政府は同日、東京電力福島第1原発の汚染水漏れ事故を受け、福島県など8県からの水産物輸入を全面禁止すると決定した。中国日報などが伝えた。
対象となるのは、福島県のほか、茨城、群馬、宮城、岩手、栃木、千葉、青森県。韓国はこれまで8県の水産物50種類の輸入を禁じていたが、汚染水漏れ事故を受けて全面禁止に拡大した。
これに対し、日本メディアの報道にょると、日本の菅義偉官房長官は同日、「わが国は水産物を含む食品について厳格な安全管理を行っている。韓国政府に科学的根拠に基づいて対応してほしいと求めていく」と語った。さらに、汚染水の影響について「福島第1原発の港湾内であっても、基準値を大幅に下回っている。まったく影響はない」と説明した。

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水産物輸入禁止対象の8県に海のない群馬県と栃木県が含まれているのはいささか意味不明ですが、福島周辺の魚介類を輸入禁止というのは、現状ではやむを得ないだろうと思います。「そんなことはするな」などと要求できるほど、福島産の海産物が安全とは思えないので。

汚染水の問題については、8月20日に 「24兆ベクレル」という記事 を書いた後は、続報については書いていませんが、そのとき検出された放射線量100ミリシーベルトは、その後2200ミリシーベルト(2.2シーベルト)まだ増えているのは周知のことです。ちなみに、2シーベルトの被曝では5%が死亡、4シーベルトで半数死亡、6シーベルトだとほぼ全員死亡ですから、この放射線量を3時間浴び続けたら、全員死ぬことになるわけです。
ただし、検出されている放射線はベータ線であると報じられています。ベータ線は透過力が弱いので、アルミ箔程度でも防護が可能だといわれます。その意味では、外部被曝の危険性は比較的小さい。

しかし、体の中に取り込んでしまった場合は、遮るものなど何もなく直接人体の内側から放射線を浴びせる(内部被曝)わけですから、危険性は充分にあります。
で、そのベータ線を出す汚染水が24兆ベクレルも漏出しており、かつその漏出は今も止まっていません。
で、上記の記事を書いた際に引用した報道によると、

東電は「現時点で海への流出はない」としている。

とのことでしたが、その翌日には早くも、東電は前言を翻し「海に流出した可能性がある」と発表しています。

福島第1原発:汚染水「海に流出の可能性」…東電発表


実際には、以下のような指摘もあります。

特集ワイド:福島第1原発の汚染水漏れ 食卓の魚は大丈夫か
◇放射性物質は減少傾向/サンマ、心配なし/じゃこ、海藻がお勧め
(前略)福島県沖では、昨年6月から比較的汚染が少ないとされる県北部の相馬双葉漁協が試験操業を開始。対象を16魚種に拡大し、海域も双葉町沖から広野町沖にまで広げた。取れた魚介類は放射性物質検査で検出限界値未満であることを確認したうえで、13府県の市場に出荷していた。
福島県では週1回、水産物のモニタリング結果を公表している。セシウム134と同137の合計、ヨウ素131についてコウナゴなど全部を食べる魚はそのまま、ヒラメなどは筋肉部分をゲルマニウム半導体分析器で測定。8月28日に公表された分では海産物55種158検体、川や湖の魚5種9検体、内水面の養殖魚5種7検体を調べ、国の基準値1キロ当たり100ベクレルを超えたのはコモンカスベ(エイ)のセシウムだけだった。
今年6月以降、汚染水問題は深刻化の一途をたどってきた。「後出しじゃんけん」のように相次ぐ東電の発表に不信感を強めるのは、魚を食べる消費者も同じだ。
福島沿岸で2011年夏から調査を継続中の東京海洋大の神田穣太(じょうた)教授は「汚染水漏れのニュースが出始めてから特に魚の汚染が悪化したわけではないと捉えています」と語る。しかし、だから安心という話ではない。「今、急に漏れたのではなく、海中の放射性物質のデータを見れば、原発事故当初から流出は続いていた。どの研究者も同じ見解を持っていました」(以下略)

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「海への汚染水流出の可能性」を東電が認めるよりはるか以前より、汚染水が海に流れ込んでいたのはほぼ確実なようです。それに、魚の放射線測定は、この記事によれば

「セシウム134と同137の合計、ヨウ素131についてコウナゴなど全部を食べる魚はそのまま、ヒラメなどは筋肉部分をゲルマニウム半導体分析器で測定。」

とのことです。つまり、ベータ線を主体とするストロンチウム90は測定していないわけです。そもそもベータ線の正確な測定は難しく、一般的な測定器ではガンマ線しか測定できないものも多いので、やむを得ない面はあるのですが、いずれにしても、今回の汚染水問題で問題になっているベータ線に関しては、ほとんど調べられていないように見受けられます。

結局、菅官房長官のいう「厳格な安全管理」は、実際には穴だらけと言うしかありません。したがって、外国が福島産の水産物の輸入に慎重になるのは当然の話で、それを批判できるような筋合いのものでもないと私は思います。
ただ、さすがに現実には福島沖では現在漁は行われておらず、福島産の水産物が市場に流通することも、国外に輸出されることも、実際にはないようですけど。





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最終更新日  2013.09.07 23:05:38
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