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2014.04.15
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テーマ: ニュース(96637)
カテゴリ: その他
袴田事件の「補償額」は2億円を超える? 「冤罪事件」の金銭補償はどうなっているか


日本でも、足利事件や布川事件など、無罪判決となるまで数十年もかかる「冤罪事件」が少なからず発生している。最近は、長らく冤罪だといわれてきた袴田事件について、再審を認める決定が出たのが記憶に新しい。では、無実の罪で収監されてしまった人の補償はどうなっているのか。刑事司法制度にくわしい星野学弁護士に聞いた。

●1日あたり「1000円から1万2500円」
――袴田事件は、まだ無罪判決が出たわけではないが、もし再審で無罪となった場合、補償はどうなるのだろうか。
「冤罪により有罪判決が下されたけれども、後日、再審により無罪であることが認められた場合、当人は補償を受けることができます。具体的には、身柄拘束された日数に応じて、1日あたり1000円から1万2500円の範囲で、国に対して補償を求めることができます(刑事補償法4条1項)」

――1日あたり1000円から1万2500円とは、かなり大きな幅があるが。
「補償額は、拘束期間の長短、精神上の苦痛や身体上の損傷、警察・検察および裁判の各機関の故意・過失の有無をはじめ、その他一切の事情を考慮して決定されます(同条2項)」

――袴田事件の袴田巌さんが無罪になったら、補償額は?
「足利事件や東電OL殺人事件など、最近の冤罪事件では、おおむね日額1万2500円が認められています。袴田事件は、警察による取調べの問題や証拠の捏造などが指摘されています。袴田さんの場合には、48年分で2億円超の補償が認められる可能性が大きいでしょう」(以下略)

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2億円と聞くと、すごい金額のように思えますが、実際にはこの全額が本人の手に渡ることはないだろうと思います。なんといっても裁判費用がかかる。こういった冤罪事件に取り組む弁護士は、ほとんど無報酬で、それどころか、諸費用持ち出しで取り組んでいる例が多いのです。どう考えたって、無実の罪でとらわれている人や、その親族が充分な金銭を持っているはずがないですから。
しかし、それだけに補償金が入った場合は、それに一切手をつけずに本人に、というわけには行かないでしょう。それに、今回の例では袴田さんのお姉さんの支援が大きかったわけですが、彼女も、一銭もお金を受け取らず、というわけにも行かないだろうと思います。
それでも、相当の額の補償金が本人の手元に残るであろうことは、間違いありません。

しかし、いくらお金を積んでも、48年という時と、健康な体を取り戻すことはできません。
5年前の足利事件の際は、補償金として8000万円が支払われたそうです。もちろん、菅谷さんの失われた時間は8000万円で取り返すことはできませんけど、それでもまだ60代前半の健康な体で社会に出てきて、足利市の臨時職員として就労したと報じられています(臨時職員では、給料は安いだろうけど)。講演会なども行い、それなりに自立的で充実した、かつ自由な生活を送っているようです。だから、完全とはいえないまでも、奪われた時間の一部は、取り戻すことができたと言えるかもしれません。

だけど、袴田事件はそうではない。本人はすでに78歳、健康状態は悪く、車椅子を要する状態で、しかも精神に障害を負っていると伝えられています(認知症でしょうか)。自由の身になったと言っても、好きなところに出歩くことも、自分で物事を決めて自由な生活を送ることは、もはや不可能な健康状態です。その状況で莫大な補償金をもらっても、もう何も取り戻せません。金に糸目をつけず、手厚い介護が受けられます・・・・・・って、あまりにむなしすぎる話です。

結局、釈放された日に姉と一緒にホテルに泊まって、ちょっと贅沢な食事を楽しんだ、それだけが唯一の自由な生活だった、ということになってしまいそうです。
つまり、袴田事件の場合は、冤罪が認められて釈放されるのが遅きに失したのです。飯塚事件のように、冤罪が疑われる中で処刑されたり、帝銀事件のように獄中で亡くなるよりは、それでも多少はマシですが。


もっと早く冤罪が認められて釈放されていれば、まだ失われた時間の一部は取り戻すことはできたかもしれない。しかし、何十年も拘束して、再審請求を却下し続けて、冤罪を冤罪と認めることを引き伸ばした結果が、健康を失った状態で釈放、という事態を招いたわけです。

袴田さんは補償金を受け取っても、それをまったく使い切らないうちに人生を終えることになるでしょう。
しかし、長期間拘留された冤罪被害者の老後は、経済的に困窮する例が多いのです。なぜなら、交流されていた間は年金に加入していないからです。かなり高額の補償金を受け取った人でも、裁判費用の返済などに消えて、晩年は生活保護になった人もいる。
足利事件の菅谷さんの場合は、年金受給権があるかどうかは定かではありません。逮捕当時44歳、それまでにずっと年金加入していれば、釈放後は支援者がそういう手続きはちゃんとやらせるでしょうから、年金加入歴25年に達するでしょう。しかし、もともと知的ボーダー※と言われているところから、年金未加入の期間があるかもしれない。年金に加入していなかった期間次第で、菅谷さんも無年金の可能性があります。そうすると、仕事が何歳まで続けられるかにもよりますが、最後は生活保護ということもあり得ます。

※知的障害ともいわれますが、愛の手帳が取れるレベルの完全な知的障害だと運転免許の取得は無理なので、おそらく健常と知的障害の境界線あたり、いわゆる知的ボーダーではないかと推測しています

こういう状況で、不幸にして無年金にならざるを得なかった人を救済する手段が生活保護しかない、というのも、何だかなー、と思います。冤罪ではなく犯罪を犯して服役した人も、釈放後は生活保護を受ける例があると言います。もちろん、再犯防止という観点から考えても、出所した人が生活保護を受給するのはやむを得ないことでしょうが、それだけに、本当の犯罪者も冤罪被害者も、最後は同じ制度、というのは、もう少し、その状態を避けるための別の制度があればいいのに、と思います。





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最終更新日  2014.04.16 07:36:18
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