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2014.12.09
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カテゴリ: 音楽
第1回 第2回 で、6/8拍子のスペイン系の舞曲をいろいろと紹介しました。
フォルクローレとしいう音楽は、スペイン系と先住民系の音楽的要素が混ざって完成した音楽です。ということは、先住民系の音楽には踊りはないのか、というと、もちろんあります。今回はそれを中心に紹介することにします。
先の記事で6/8拍子はスペイン系のリズム、ということを説明しましたが、それに対して、先住民系の音楽は、もっぱら2拍子系です。
フォルクローレの世界でもっとも一般的な2拍子系のリズムは、アルゼンチンでカルナバリート、ボリビアでワイニョ、ペルーでワイノと呼ばれているものです。カタカナで表せば「タンタタタンタタ」という感じになるでしょうか。エクアドルのサン・ファニートも、ほぼ同系列の音楽です。「コンドルは飛んでいく」の後半部分がこれにあたります。

もっとも典型的なの例は



これでしょうか。タイトルにBoliviaとありますが、この曲(花祭り)はアルゼンチンの曲です。ただ、ボリビアのワイニョも、おおむねこれと似たり寄ったりです。



こちらは、ペルーのワイノです。

フォルクローレの世界で2拍子系の音楽のうち、おそらく2/3くらいは、このワイニョ/ワイノ/カルナバリートの系統に属するのではないかと思われます。ただ、先に紹介したサンバやクエッカ、あるいはチャカレーラというのは、もともとの音楽の成り立ち自体が、最初から舞曲として成立している(だから、一部の例外を除いて、多くの曲がそのまま踊りの伴奏に使える)のに対して、こちらの系統の音楽は、全部が全部舞曲とは限りません。踊りの伴奏には使いにくいような曲も少なからずあります。

それに対して、カルナバリートやワイニョ(に限らず、2拍子系の舞曲は総じて)曲の構成の決まりごとが少なく、曲の長さだって自由自在。カーニバルとかだったら、何時間も演奏しっぱなしということもあります。その分、踊り手の自由度も高いのです。

ワイニョ系統以外にも、2拍子系の舞曲はあります。
たとえばティンクという踊りがあります。


ワイニョよりもっと単純な、ドンドンドンドンというリズムです。もともとは、タカナクイというけんか祭りの様子を模して作られた舞曲ではないかと思います。お祭りには長い歴史がありますが、こういう踊りには、それほど長い歴史はないかもしれません。

スペイン起源の舞曲と先住民起源の舞曲、アメリカ大陸に古くから住んでいたのは先住民で、スペイン人は後からやってきたわけですが、踊りの古さに関しては、必ずしも先住民系の踊りのほうが古い、とは限らないように思います。
先に紹介した、クエッカなど6/8拍子系の舞曲は、起源をたどると、18世紀末か19世紀はじめ頃までさかのぼることができます。クエッカの原型であるサマクエッカは、ペルーで1824年に生まれた、という記述がウィキペディアのスペイン語版にあります。
それに対して、先住民系の舞曲の歴史は、きちんと検証はしていませんが、それよりずっと新しいはずです。たとえばこのティンクという踊りは、多分ここ50年か60年程度の歴史しかないと思います。だいたいは、カーニバルの中で生まれては消え、生まれては消えしてできた踊りが多いのではないかと想像しています。


クジャグァダの踊り。なんか、伴奏がバンダ(吹奏楽)になるだけで、私の知っているクジャグアダの曲調と、まるで違う音楽になります。


ドクトルシート。これは、踊りが特殊なだけで、リズム的には冒頭に紹介したワイニョの一種です。ドクトル(ドクター)と呼ばれるような、スペイン系の上流階級の人たちの様子をいささかコミカルに皮肉った踊りです。


アウキアウキ。老人の踊りです。老人が踊るという意味ではなく、老人の様子を踊りにした、という意味。


モレナーダ。先住民が黒人の様子を模して作った踊りだといわれます。男性の衣装はやたらと仰々しくて重い。女性の衣装は露出度高いのですが、標高の高いアンデス仕様なので、実は、生地はとっても分厚かったりします。



数あるフォルクローレの踊りの中でも、一番女性の露出度の高い踊りではないかと。近年のボリビアでは、この踊りが一番人気があるかもしれません。一説によると、カーニバルのたびに女性のスカートの丈が短くなって行くそうです。(男性というのは正直なものですねえ)

他にもいろいろな舞曲がありますが、全部は紹介し切れませんし、そもそも私も全部は知りません。おそらく、踊りの種類自体は、6/8拍子系より多いのではないかと思います。ひとつの村に1種類の踊りがある、とか、そういう世界ですから、多分数え上げたらきりがないだろうと。

いろいろ紹介してきましたが、実は私、踊りの伴奏はずいぶんやりましたが、踊りそのものは、あまり得意じゃない、というか、かなり苦手な部類でして、かつて「inti-solくんって、でくの坊みたい、音楽が得意でも踊りが得意とは限らないのね」なんてことを言われてしまったこともあるくらいなのでした。





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最終更新日  2014.12.10 07:21:47
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