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2018.09.15
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テーマ: ニュース(96636)
カテゴリ: 戦争と平和
イージス・アショアが吹っかけられた「高い買い物」に終わる理由

小野寺防衛相は昨年11月「一般的な見積もり」として「1つ大体800億円」と答弁していた。
2基で1600億円程度のはずが本体2基だけで2680億円、維持費などを入れると4660億円になる。
これには1発約40億円とされる迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」24発ずつ2ヵ所(計約2000億円)や一部の用地の取得、整地、隊員宿舎、教育訓練費などは含まれていない。トランプ政権の言うまま、「イージス・アショア」は安上がりと信じて、自衛隊が求めてもいない装備の導入を急遽政治主導で決めたのが誤りだったのだ。
これまでも米国政府を通じた「有償軍事援助」(FMS)では当初の米側の見積もりより価格が後になって高騰するのが常だった。
米国側が当初は低い見積もりを日本側に示し、政府がそれを元に採用を決めて、一部の予算が付き、後もどりしにくくなったのを見計らうように米国が価格をを吊り上げた例は枚挙にいとまがない。
現在、日本の弾道ミサイル防衛は、イージス・システムと迎撃ミサイル「SM3ブロック1A」を搭載する「こんごう」型護衛艦4隻、および航空自衛隊の「パトリオット・PAC3」移動式発射機34両から成り立っている。
「こんごう」型は計90発の各種ミサイルを縦に入れる「垂直発射機」を持っているが、各艦はミサイル迎撃用の「SM3ブロック1A」を8発ずつしか積んでいない。
これに対して、北朝鮮が持つ核弾頭は「約12発」から「60発以上」と推定には大きな幅があるが、弾道ミサイル300発程度はありそうだ。
イージス艦が破壊できなかった弾道ミサイルは「パトリオット・PAC3」で迎撃することになっている。1地点に各2両の移動式発射機を配置、首都圏と米軍基地を守る構えだ。
その発射機には16発の迎撃ミサイルを入れられるが(引用者注:M902発射機の場合、1両で16発)、各々4発、2両で8発しか積んでいない。「PAC3」は不発や故障に備えて1目標に2発ずつ発射するから、4目標にしか対抗できない。
イージス艦やPAC3で装備されているミサイルが少ないのは、ミサイルの値段が高いためだ。イージス艦用の「SM3ブロック1A」は1発約16億円、「PAC3」は1発約8億円だから多くは買えないのだ。
「こんごう」型は1隻約1400億円、「PAC3」の発射装置は1セット約120億円だから、そのシステムの価格に対し、搭載する迎撃ミサイル数が不釣り合いに少ない。
「イージス・アショアに何千億円も投じるよりは、イージス艦やPAC3が保有する迎撃用ミサイルの弾数を増やす方が合理的ではないか」とミサイル防衛関係の自衛隊上層幹部達に言うと、ほぼ例外なく「仰言る通りです」との答えが返ってくる。(要旨)

---

イージス・アショアの配備が問題となっています。
当初の「セールストーク」では1基800億円だからイージス艦(1隻1400億円)より安上がり、と言っていたのが、蓋を開けたらどんどん値上がりした上に、なんと、ミサイル本体代(1発40億円)は別、ときたもんです。
ということは、海上自衛隊のイージス艦の価格も、ミサイル代込みだと、本当はもっと高価なのか、と思いきや、こちらはなんとPAC3ミサイルは8発しか積んでいません、と。(8発だけでも300億円以上になり、それは当然艦の建造費には含まれていないのでしょうが)
イージス艦の垂直発射機には、対潜ミサイルや個艦防空用の短距離対空ミサイルも搭載できますが、その対潜ミサイルも定数は16発とされるけど、全部積んでいるかどうかは怪しいし、日本のイージス艦は短距離対空ミサイルは搭載していないようです。つまり、90セル、あるいは96セルの発射機のうち、少なくとも2/3以上、下手をすると8割以上は空っぽ、というのが実態、ということです。
パトリオットミサイルも、実は発射機の1/4しかミサイルを積んでいない、と。
自衛隊には、「たまに撃つ、弾がないのが、玉に瑕」という川柳があるそうですが、まさにそのとおり、これでは張子の虎と言われても仕方がありません。

わたしは、重武装を主張する人間ではなく、自衛隊の規模は縮小すべき(廃止ではない)と思っている人間ではありますけど、いくらなんでもこれはあまりに酷いのでは、と思います。
この状態で、ミサイルという中身が入っていない器(発射装置)を増やす意味なんかあるのか、とてもあるようには思えません。イージスアショア導入などやめて、その代わり、予算の一部を、ミサイル本体の購入に(もちろん維持・整備費用にも)振り向けるべきじゃないでしょうか。


そのイージス・アショアは、特に秋田で配備に反対の動きがあります。配備場所が市街地から1km未満の近距離であり、特に学校が至近距離にあるためです。イージスアショアがあると、そこが相手からの攻撃目標となり、いざというときに周囲が巻き添えになりかねないことが1点と、もう1点は電磁波の問題です。
イージスシステムに限ったことではありませんが、大出力のレーダーは強烈な電磁波を出します。イージス艦は、搭載するSPY-1レーダー作動中は乗組員が甲板に出ることを禁止、港内や陸の至近距離では作動を停止しているそうです。電磁波の影響が強烈だからです。そんなものを何故市街地の至近距離に配備しようとするのか。まったく理解に苦しみます。

そもそも、陸上固定式のイージス・アショアは船であるイージス艦に比べて、いかにも使い勝手が悪いものです。何らかの事情で場所を移動したくても、容易なことではないからです。船のほうが、はるかに使い勝手がよいのです。
そのイージス艦は現在は6隻ですが、2隻が建造中で、近く8隻になります。それでもなお、これほどの巨費を投じてイージス・アショアを導入しようという意味が、わたしにはまったく理解できません。予算の無駄遣いとしか思えません。

※もっとも、イージス艦1番艦である「こんごう」は就役から25年経過しており、あと十数年後には退役ということになりそうです。その際は、代艦ということになるのでしょうが、船体のみ新造してイージスシステム他の武装は移設、かつ船体の性能は大幅に落とせば、建造費用は大幅に安上がりになるのではないかと思います。船として高性能なイージス艦が8隻も必要とは思えないのです。弾道ミサイル迎撃に特化した「移動可能なイージスアショア」と捕らえるならば、ディーゼル機関で最大速度15ノット程度、イージスシステム以外の武装は皆無か、最低限の防御火器のみで充分でしょう。普段は海上に停泊し、悪天候のときだけ港に逃げるとか、いっそのこと、乗組員はランチで出勤という体勢にすればよいかも。





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最終更新日  2018.09.15 10:07:33
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Re:イージスアショア(09/15)  
maki5417  さん
憲法違反の自衛隊に無駄金をつぎ込むのはどうかと思います。
パック3で十分でしょう。 (2018.09.15 11:31:50)

Re[1]:イージスアショア(09/15)  
inti-sol  さん
maki5417さん

本文に書いたように、私は自衛隊は(最低限度の規模で)必要だと思っており、したがって憲法違反とは考えていないのですけれど、イージスアショアが不要、という点に関しては意見が一致するようですね。
(2018.09.17 18:19:44)

Re:イージスアショア(09/15)  
Bill McCreary さん
まあほとんど政治家のおもちゃに近いものがありますね。この件に限らず、装備を輸入してコストを安く抑えるとか、そういう思考が驚かんばかりに欠如しています。 (2018.09.17 22:21:12)

Re[1]:イージスアショア(09/15)  
inti-sol  さん
Bill McCrearyさん

そうですね、例によって、自衛隊が必要と判断したのではなく、政治家主導で導入が進められているようです。オスプレイもそうでした。 (2018.09.17 23:05:34)

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