inti-solのブログ

inti-solのブログ

2021.06.24
XML
テーマ: ニュース(95880)
カテゴリ: 政治
「あと1世紀は無理」 夫婦別姓、25年前に自民党の壁

改正案は、法相の諮問機関・法制審議会の同年の答申をもとにまとめられた。結婚時に夫婦が同姓にするか別姓にするかを選べる「選択的夫婦別姓制度」を導入し、別姓を選んだ場合は子の姓をどちらかに統一するとの内容だ。既婚の夫婦については、法施行後1年以内であれば合意に基づき別姓に戻すことを認め、その場合の子の姓は同姓時のものとするとしていた。
ただ、改正案の国会提出は、自民党内の反対意見を受けて断念された。当時、法務省の参事官として法制審の幹事を務めた小池信行弁護士は「予想もしない壁の厚さだった」と振り返る。
法制審内部では、制度の導入に積極的な意見が「圧倒的だった」。小池さんは楽観していたが、与党議員らへの説明を始めると風向きが一変したという。「自民党の法務部会や神道政治連盟の勉強会、色々と呼び出された。ほとんどが反対意見だった」
小池さんによると、導入に慎重な議員らは「夫婦別姓で家族の絆が弱まる」「通称として旧姓を認めれば足りるではないか」といった意見が多かった。「夫婦同姓が日本古来の伝統だ、という雰囲気が強かった。『日本社会の背骨、この国の形だ。憲法は変えられても、夫婦同姓は変えられない』という声さえあった」
結局、答申から25年が経った今も、改正に向けた議論は進まないままだ。国会提出を断念した当時、「すぐに捲土重来を期すのか?」と記者に問われた小池さんは「あと1世紀は無理なんじゃないか」とこぼしたという。

---

さすがの自民党といえども、全員が選択的夫婦別姓制反対派ではありません。「選択的夫婦別氏制度を早期に実現する議員連盟」という自民党内の議員連盟もあるくらいです。ただし、近年「わが世の春」を謳歌する「保守系」(ネトウヨ系)議員が押しなべて「絶対反対」なので、まったく実現の気配がない、というところです。
それにしても、夫婦同姓が日本古来の伝統だ」「日本社会の背骨、この国の形だ。憲法は変えられても、夫婦同姓は変えられない」という事実認識には、唖然とします。言うまでもなく夫婦同姓は明治以降に導入された制度であり、それまでの日本には、そもそも一般庶民には姓が公式にはなかったし、姓のある階級では夫婦別姓でした。

法制度的には、引用記事にあるように、いつでも法改正スタンバイの状態のまま25年が経過し、未だ塩漬けのままです。
何度も書いていることですが、「選択的夫婦別姓」ですから、引き続き同姓を希望するなら、そうできます。それなのに、別姓の選択肢を用意することすら拒否する人たちというのは、いったい何なのでしょうか。
結局、自分たちの価値観にあわない、というだけの理由で、他人の選択肢すら奪おうとする人たちのでかい声に圧されて、なにも進まないのが現状です。

以前より何度も書いていますが、我が家的には、相棒は夫婦別姓にする(つまり旧姓に復する)意志はありません。もちろん、相棒が望めば私はまったくOKなのですが、相棒が旧姓を名乗ることを希望しないので。
でも、私の周囲には、夫婦別姓の実現を心待ちにしている夫婦は大勢います。その大半は、主義主張などの理由によるのではなく、職業上の都合です。
今の時代、結婚したから専業主婦になりたい、なります、という女性はそう多くはありません。結婚後も引き続き働く女性が大半です。その人達にとって、姓を変えることに利益はなく、不利益ばかりです。結婚の阻害要因、ひいては少子化の要因の、最大のものではないでしょうが、その一つにはなっていることは確実だと私は思います。



もちろん、夫婦同姓の強制は、少子化の多くの要因の一つでしかありませんから、それが解決すれば少子化が大幅改善する、というものではありません。しかし、ある問題を一気に解決する魔法のような策などこの世にはありませんから、そういう小さな策の積み重ねでしか物事は解決しないでしょう。
結局、ネトウヨ層と彼らに媚びる自民党保守派は、彼らが理想と考える「古き良き美しき日本」(その実は、古くも良くも美しくもないのですが)の姿を守って、日本沈没、ということになるのでしょう。引用記事の「あと一世紀は無理」という言葉、非常に残念だけど、そうなのかもしれない、と私も思ってしまいます。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2021.06.24 19:00:07
コメント(0) | コメントを書く
[政治] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ

利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: