2009/01/09
XML
カテゴリ: 四海同胞


【東方のキリスト教】

アラブ人の多数は、よく知られている通り、ムスリム(イスラム教徒)である。

また、アラビア語はイスラムの勢力拡大にともなって普及したため、アラビア語圏に住んでいる人々は、宗教には関わりなく、アラブ人とみなされている。

イラク共和国内の非ムスリムも同様である。

しかし、ネストリウス派として知られるキリスト教徒は「アッシリア人」の末裔であると自己紹介している。

アッシリア東方教会という宗派であるが、古代に、キリストの母(マリア)を「神の母」と呼んでも良いか、などを巡ってローマ帝国内の教会指導者と決裂した。431年、エフェソス公会議のことである。

その後、帝国東半部のギリシャ語圏における教会(東方正教会)と、西半部ローマ語圏のローマ教会とが決裂した。帝国の分裂に伴う動きである。

1994年に、ローマ教会(カトリック)とアッシリア東方教会は、バチカンで対話を開始し、二性論については当初から一致していたことがローマ側に認められ(笑)、1500年を超える期間、「単性論の教会」とみなされていた誤解が解かれた。

【宗派対立の内実】

対立の内実は、教理そのものではなく、信者の取り合いである。

ローマ帝国の領域および勢力が興亡するに伴って、境界域では宗派間で信者の改宗が起きる。帝国と教会が一体化しようとすることにより、避けられない事態だったといえる。


カトリック(天主教)はポルトガル、スペインの植民地支配の拡大に乗じて宣教師を送り出した。

【多様性の弱点】

東洋の2つの国は鎖国して禁教令を布いたが、米国および隣国の圧力により開国した。この結果、キリスト教のさまざまな宗派が先を争って乗り込んできた。

ニューギニアには多数の部族がそれぞれ異なる言語を使用しており、宣教団はそれらの膨大な言語と格闘しているようだが、加えて、全世界の大小さまざまな宗派からそれぞれの宣教師が送られて、ひしめきあっている。

大型の専門店に行くと、似たような商品が際限なく並んでおり、選ぶまでに疲れきってしまうが、どうだろうか。もう少し待てば、もっと気に入るものが棚に並ぶようにも思われる。

終着駅では傘の忘れ物が山積みになるように、文物が国を超えて往来する道筋の終着点では、多様な宗派がごった返しているのである。

このような土地では、「キリスト教は四分五裂している」という印象を与えるのは、避けられない。宣教の目的も、宗派間の競争に勝つためと見られ、あるいは、外国政府・財閥の別働隊として利用されていると疑われるだろう。

そこで、このような「未開の」土地では、「文明人」の宗教的な間違いを正してやろうという先住民も登場する。混合の新興宗教といえばそれまでだが。

【宗派対立の要否】

地域住民の共同体が成り立っている土地では、宗派間の競争は迷惑千万であろう。

古くからの社には、教理を説かない神職や当番がいて、儀式や祭りだけが行なわれ、村に一つだけの寺では、意味不明の長い読経と、勧善懲悪の説法をするだけの僧がいる。

安定した「神国」であり「仏国土」であるともいえるだろう。

【日本周辺の景教】

さて、中国に景教(つまりネストリウス派)が伝わり、 大秦寺が建てられた。

そのような時代から、日本列島は海外に門戸を開いており、渡来氏族が活躍し、また、西域の多様な文物が届く状況にあった。朝鮮半島南部の仏国寺では、古代の景教の十字架が発掘されたとも聞く。

しかし、
日本には目立つ痕跡を留めていない。知られていないだけである、という説もあるが、どうだろうか。
シルクロードの道中で木っ端微塵に砕かれたものが、列島に吹き寄せられたのではないか。

空海が持ち帰った密教は景教の影響を受けており、いや、景教などの要素も取り込んでおり、需要を満たしていたともいえる。

空海は官費で留学させてもらったのであり、もともと、朝廷の政策として大陸から新しい宗教を輸入しただけである。

【自給自足】

日本では帰化人・渡来氏族の時代が過ぎ、平安朝も終わる。やがて、中央アジアではモンゴル帝国が興り、その帝室にキリスト教徒の后が迎えられ、フビライ帝の母になったが、日本では、国内で新しい宗派が生まれて磨きが掛かり、自給自足ができ、もはや、大陸から輸入する余地は無くなっていた。

モンゴルではキリスト教を旗印とする叛乱があり、撃破された。日本では天主教が伝えられた後、鎖国し、その後に叛乱があったが、ヨーロッパでも農民反乱と小宗派が結びついていた。


日本の農民一揆には「一味神水」というある種の「共餐の儀式」があった。

いわゆる「水盃」であり、神道風の儀式である。
地域の団結 は、生命・生活がかかった特に大切なものであり、宗派間の対立によって乱されてはならない。

中東の平和回復のために、マル・ディンハ4世総主教(イラク出身で、現代の景教を率いる指導者) をはじめ、関係者の皆様にとって、日本の経験が参考になれば幸いである。

※ 参考文献「隠された十字架の国・日本」または「隠された聖書の国・日本」 ケン・ジョセフ父子共著 徳間書店






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2009/01/19 09:07:38 AM
コメント(6) | コメントを書く
[四海同胞] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

コメント新着

聖書預言@ Re:密出国の冒険を楽しむ暇な青年たち(07/12) 神の御子イエス・キリストを信じる者は永…
ヨシュア1517 @ Re:無垢の宝刀(02/07) お久しぶりです。 またブログを再開しよう…
人間です@ Re:古い農家の日本刀(02/06) あ~ 農民が秀吉の刀狩りによって武装解除…
福田大将軍@ Re:ミン・ホング被告自殺(04/04) o田さんが悪い! 宇都宮で、暴けさせて! …
http://buycialisky.com/@ Re:老朽原発の温存に拘泥した(03/14) buy generic viagra and cialiscomprar ci…
http://cialisbuys.com/@ Re:老朽原発の温存に拘泥した(03/14) cialis makes you last longercheap ciali…
じじい50@ Re:真実に迫る その2 戦時下の旗 アスペクト編集部ご担当者様 本ブログ管理…
アスペクト@ 掲載許可のお願い お世話になります。アスペクト編集部です…
じじい50@ Re:年頭の御製とご感想 ご指摘ありがとうございます。 なお、ヘイト…
再臨のヒトラー@ ヴィア・ドロローサ Albert Einstein said about " World…

バックナンバー

2026/05
2026/04
2026/03
2026/02
2026/01
2025/12
2025/11
2025/10
2025/09
2025/08

キーワードサーチ

▼キーワード検索

フリーページ

カルトにこだわる事情


わたしのコリア見聞録


続・コリア見聞録


中島教授の「対話の原則」


精神を正す


カルトの暴走は防げないのか


近代民主主義のカルトな過去


前近代的な革命結社 in Korea


いろはカルタ DE 謎掛け


いぬもあるけば・・・


ろんより・・・


はっても・・・


はなより・・・


にくまれっこ・・


ほねおりぞん・・


へをひって・・


とうふに・・


ぢごくの・・


りちぎものの・・


ぬすっとの・・


るりもはりも・・


をいては・・


わかいときは・・


かえるのつら・・


よしのずい・・


よめとおめ・・


たびはみちづれ・・


れうやくは・・


そでの・・・


つきよに・・・


サヨク用語の基礎知識


列伝 野坂参三(再訂)


列伝 幸徳秋水(改訂)


列伝 安部磯雄


列伝 松下幸之助


列伝 菊村 憂


列伝 ゴルバチョフ


列伝 金正日


列伝 ゴルバチョフ(年表)


社会主義リアリズム


明治天皇


井上円了・三宅雪嶺


ウヨク用語の基礎知識


列伝 岸信介


列伝 小泉信三(改訂)


勤皇平和主義


武士道平和主義


国益平和主義


勤皇非核運動


武士道東京裁判論


自然弁証法


柳田國男


清沢満之


皇統必滅論


このはなさくや姫とかぐや姫


夫婦同姓亡国論


反帝国主義 DE 神道家


民主集中制 DE 聖徳太子


駕篭に乗る人


桃の種


政治コンパス 和訳と模範回答?


13日の金曜日は不吉な日?(笑


西暦26~29年


1935年4月17日


参照資料「神の召命」


Matzにっき 2/15


日にちと曜日


別の推理で


「へ」の大研究


南蛮語、変遷す


アキハバラ


プロフィール

真の伯父/じじい50

真の伯父/じじい50

カレンダー


© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: