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ツミのペアの様子を見に林に立ち寄りました。昨日、変化が見られました。雌が巣の中で立ち上がる光景を目撃しました。しかも、腹周辺をさかんに気にしている様子でした。このため、短時間で現地をあとにしました。あらためて今朝、林に立ち寄り、ブランドからペアの様子を観察。到着直後は雌が巣に腰をおろしていたのが、ほとんど鳴き声を出さずに巣に垂直方向から瞬時に入り雄に交代しました。雄も体の向きをゆっくりと変えたり、腰を浮かしたりしていました。ヒナが誕生した可能性が高いと思われます。どの程度の時間で抱卵(育雛?)を担当しているのか確認したかったのですが、蒸し暑い気温の影響で脱水症状を発声しそうなので退散しました。産卵したと思われたのが5月10日でしたから、25日程度の抱卵での誕生となりました。今年のペアはこれまで観察した中でも雄が抱卵している時間が長く、雌が林の外に出かける時間も多いのが特徴です。なお、ブラインドからの撮影のため、枝が被ってしまったり様子が十分確認できないことが予想されますが了承ください。(写真)1枚目:2024年6月5日、2枚目、3枚目:2024年6月8日、4枚目、5枚目:2024年6月7日撮影
2024.06.08
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コマドリの姿と雄同士のディスプレー、雌への求愛ディスプレーを期待して上高地に出かけてきました。パスタ新宿から夜行バスで現地に向かい、朝5時20分到着。往路は梓川左岸(河童橋から明神橋)、復路は梓川右岸(明神橋から河童橋)を探索しました。コース毎の観察種は下記をご覧ください。なお、コマドリのディスプレーに遭遇するのはかないませんでしたが、復路の小鳥の鳴き声、個体数の多さを堪能してきました。(往路)途中、3年前にコマドリの鳴き声を聞いたエリアは、土砂が流入した痕跡があり面影がなく環境が一変していました。それでも、鳥影の気配を感じたので待機していたら目の前にホシガラスが登場。木の枝に飛来した後、地面に降りて採餌している模様でした。その後、コマドリが合計6羽、ホトトギス、アカゲラ、コガラ、ヒガラ、シジュウカラ、ウグイス、ゴジュウカラ、ミソサザイ、アカハラ、クロツグミ、ヒタキ科、キビタキ、オオルリ、キセキレイ、アオジを観察。(復路)往路とは違い、コースはアップダウンがあるのと複数の遠足のお子さんたち、観光客がひっきりなしでしたが、小鳥の鳴き声は多く往路の比ではありませんでした。アカゲラ、コガラ、ヒガラ、ウグイス、メボソムシクイ、ゴジュウカラ、ミソサザイ、アカハラ、コマドリ、ホオジロ、ノジコを観察。(小梨平)散策路を探索した後、河童橋の明神寄りにある平坦地である小梨平内を探索。マガモ、イカルチドリ、イソシギ、ホトトギス、ヒガラ、ウグイス、メボソムシクイ、センダイムシクイ、ミソサザイ、カワガラス、アカハラ、コマドリ、キビタキ、オオルリ、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイを観察。(写真)2024年6月6日撮影アップしたのはホシガラス、コマドリ、キビタキ、ウグイス、セグロセキレイ、イカルチドリ、イソシギ、キセキレイ。(コマドリは胸の境界線が明瞭で黒いので雄)
2024.06.07
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あこがれのコマドリに出会うため、5日夜から6日に長野県上高地へ出かけてきます。この記事は予約配信でしています。7日に観察リポートを配信する予定です。亜高山帯に生息するコマドリは、蒲谷(1995)が「雄同士のディスプレーは胸をそらし喉や胸を見せルルルルと強く鳴きくのに対して雌に対しての求愛ディスプレーは尾羽を扇子のように開いて下げ、翼を半開きにして羽ばたきルルルと鳴く」と報告されています。前者については、長野県上高地や長野県白駒池、福島県と山形県境で目撃したことがあります。今回の上高地行でも期待しています。駒鳥の名の由来について、蒲谷(1995)は、和漢三才図会にコマドリの囀りを必加羅加羅と聞き、この声を馬が走るときに鳴る口輪の金具の鳴る音に聞こえること、または頭を左右に振って鳴き姿が馬の走るときに似ているので駒鳥となったと記していることを紹介しています。(引用)蒲谷鶴彦.1995.日本野鳥大鑑下巻.p38-39.小学館.(写真)2021年6月29日長野県松本市上高地で撮影
2024.06.06
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今シーズン、手賀沼・印旛沼沿岸の水田地帯や茨城県南部の水田地帯でサギ科アマサギの姿をほとんど見かけません。なにかの要因で飛来が遅れているのか、それとも採餌環境が悪化して他地域に滞在地を移したのか、気をもんでいます。かつて、2001年春までは手賀沼沿岸の水田地帯で100羽前後の群れ、2008年8月に63羽の群れが見られていましたが、以降2011年から2019年の間は姿が見られず、2020年以降最も多かった2022年6月でも20羽前後の群れが観察されるのみと減少しています。バードリサーチ(2021)が、全国鳥類繁殖分布調査の結果から、アマサギ、コサギ、ゴイサギは、1970年代から1990年代にかけて確認メッシュ数が増加したがその後減少したと報告しています。減少の原因について、バードリサーチ(2019)は、湿地など開けた環境の悪化、食物の減少(畑の昆虫が減少)、大型のサギ類が増加し,小型のサギが減っている傾向があことからコロニーでの巣場所を巡る競争で小型のサギ類が大型のサギ類に負けてしまっていたなどが要因として考えられると指摘しています。(写真)1枚目:2014年4月20日印西市(夏羽:頭から胸にかけて橙黄色で背にも橙黄色の飾り羽があります)2枚目:2018年6月16日手賀沼沿岸(右側の個体が夏羽、左側の個体は頭が白色なので若鳥と思われますが、嘴が朱赤色になっていて婚姻色となっています)3枚目:2020年6月21日茨城県土浦市(頭にオレンジ色がまだらにあり、胸が橙黄色を帯びており、成鳥冬羽が夏羽に換羽中の個体と思われます)4枚目2018年6月16日手賀沼沿岸(嘴の色は成鳥に比べて淡く額にオレンジ色がないことから若鳥と思われます)5枚目:2019年9月14日印西市(頭から胸にかけての橙黄色と背の橙黄色が色あせてきており、夏羽から冬羽に換羽中の個体)
2024.05.28
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サシバのペアが暮らす複数の谷津田を訪ねました。今シーズンは、まだ水田脇の電柱に止まる姿が観察できますが、地上に降り餌を捕獲した後、巣に持ち帰るとなかなか再登場してくれません。おそらく、ヒナが誕生しているか、抱卵中の雌に餌を食いちぎり与えているのかもしれません木陰で待機していると、比較的近い距離まで鳥たちが接近してきます。田んぼに餌を探しに飛来したカルガモ、農家の方と勘違いしているのか私の方に接近してきました。そして、なんだ違うおばちゃんかとばかりに鳴き声を一声。次に登場したのは、チュウサギ。まったく視線に入っていないようで忍び足で水田の中を移動し、餌探しに没頭。最後は、道にできた小さな水たまりに接近してきたカワラヒワ。雄のほうは頭がオリーブ色がかっていました。また、雌は全体的に緑色が乏しい感じがしました。雄の頭部の色から亜種カワラヒワと思われます。(亜種オオカワラヒワは頭部が褐色)いつの間にか、亜種オオカワラヒワが多かったのが、亜種カワラヒワに入れ替わっていました。(写真)2024年6月4日撮影
2024.06.04
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鳥友からセイタカシギ雌は、大半が雄とヒナを残して立ち去ると聞いたと質問をもらいました。先月茨城源稲敷市で観察した際にもセイタカシギ成鳥雄と若鳥の姿を観察しましたが、そういえば雌の姿が見当たりませんでした。文献を紐解いてみると、北川(1991)が「育雛の途中でつがいの雌の半分ほどが雄と雛を繁殖地に残して立ち去ってしまう」と報告しているのを目にしました。また、「雛を育てる環境が排泄物で汚染されるのを減らしたり、雛をめぐる家族内の争いを少なくする利点がある」とも記しています。さらに、「早い時期に家出した雌は、行先で別の雄とつがい関係をむすび2回目の繁殖を行っている可能性もある」と述べています。セイタカシギは一夫一婦制が基本の婚姻形態と述べているものが多いのですが、実際はそれほど強固なものではないということになります。(引用)北川珠樹.1991.家族を基本とした群れ生活 セイタカシギ 雌の家出.動物たちの地球.通巻825号.6-198、6-199.朝日新聞社.(写真)2024年5月17日茨城県稲敷市浮島で撮影
2024.06.05
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昨日の雨がうそのように青空が広がる朝となりました。ツミのペアの様子を見に林に立ち寄りました。雌は巣の中で抱卵しておりに巣の外観にも異常は認められませんでした。雄は、営巣木の近くの木の枝にとまり、日光浴と羽づくろいをしている最中でした。それでも巣にカラスが接近した折には、すぐに枝から飛び立ちカラスを追尾。そのスピードはすさまじいものがあります。羽つくろいは、扇子のように尾羽を広げた後、翼を広げて内側・外側の順でメンテナンスをしていました。前日が雨で朝から晴れとなり、雌への餌のプレゼント後に羽づくろいを見ることができます。いつ外敵が襲来してもフルスピードで飛翔できるようにスタンバイしているのがよくわかります。ツミを観察した後は、近郊の砂利が敷いてある駐車場で抱卵中のコチドリの様子を見に移動しました。じっと抱卵しているのかと思いきや、短時間ですが巣を離れテリトリー内を巡回した後再度巣に腰を下ろす光景を観察。腰を下ろした際、嘴を少し開けて鼻歌を歌うのような感じに見えたのがチャーミングでした。(写真)2024年6月1日撮影
2024.06.01
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昨日、印旛沼でヨシゴイを観察しました。雄個体が時間あたり29回の出現するのを目撃。その後、ウーッウーッと鳴き声が聞こえました。しばらくすると、その光景は見られなくなり、何もなかったように静けさに戻りました。鳴き声はどんな意味あいを持つのかと鳥友から質問をもらいました。(オス同士の追い払い行動と鳴き声)上田(1996)が、埼玉県での調査結果を報告しています。その中で「渡来当初、アシやヒメガマの群落に定着したヨシゴイは、特に夕方から早朝、「ウ-ッ,ウ-ッ」という低い声で鳴き続けている。この声は配偶者を引き寄せる意味に加えて、オス同士の,巣を中心としたなわばり宣言にももちいられているものと思われる。事実,はじめにアシ原やヒメガマの特定の場所に定着したオスが、近づくほかのオスを追払う行動がよく観察された」と記しています。印旛沼での頻繁に葦原の上を飛翔する姿は、オス同士の追い払う行動ではないかと思います。一枚目の写真は、昨日葦原の上に移動した後、喉を膨らませて鳴いていた時の様子です。(擬態)ヨシゴイは擬態を行うことが知られています。蒲谷(1996)が、敵が近づくと首を上に伸ばし枯れた葦が風にそよぐように体を振ると述べているもの、佐原(2013)が警戒時にヨシゴイがとる体をまっすぐ立ててクチバシを上に向けヨシに擬態すると記している報告があります。二枚目、三枚目の写真は、印旛沼で観察したヨシゴイの擬態です。いずれも嘴は上には向けていませんが、ヨシと同化しているように見えました。(引用)上田恵介.1996.ヨシゴイはなぜ集団で繁殖するのか:巣場所選びと繁殖成功.Strix.第14巻.pp. 55-63.(財)日本野鳥の会.蒲谷鶴彦.1996.日本野鳥大鑑.上巻.p34.小学館.佐原雄二.2013.ヨシゴイ 警戒態勢.Bird Research News Vol.10 No.1.p4-5.(写真)2024年5月30日、2021年6月26日、2022年7月7日いずれも印旛沼で撮影
2024.05.31
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柏の葉キャンパス駅近郊では、ツバメ、イワツバメ、ヒメアマツバメ3種のツバメ類が観察できます。このうち、ツバメ、イワツバメは商業施設前の調整池を囲む斜面の土を採取しに飛来し、ヒメアマツバメは池の空中で羽毛や植物の葉、茎などを採集し、唾液で貼り付けて少し離れた場所にある橋梁下のコンクリートにくっつけて巣をつくっています。この巣は、ツバメ、イワツバメと違って塒としても使っています。3種の様子を把握するとともに商業施設に営巣したツバメが巣立つ頃なのでその様子を見て回りました。すでに巣から巣立ったヒナは電線に止まり、全身でアピールし親鳥から餌を受け取っていました。ヒナは、成鳥に比べると下面に赤味が目立つような印象がありました。ツバメ類のほか、調整池の草むらに営巣中のバンが巣材を運搬する姿やアオサギが雨のやんでいる間に羽つぐろいし、その後ダイナミックに羽毛全体をばさばさとしていました。(写真)2024年6月2日(ただし、ヒメアマツバメとイワツバメの姿の写真は昨シーズン撮影のもの)
2024.06.02
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かつて水戸街道の宿場町として賑わった街の橋梁で長年チョウゲンボウが営巣・子育てをしています。様子を見に出かけました。東南東の風が強く吹き抜け、橋梁の穴に入り抱卵している関係で姿は見られませんでした。30分ほど経過した時、雄がフックのような場所にとまり羽づくろいをはじめました。このほか、かなり離れたところに別ペアの雌が強風を避けて羽を休めているのを発見。その後、多くのペアが巣として使っている横方向の穴ではなく、上方向に空いている穴から一羽の雄が姿を現しました。その飛翔、ホバリングをする姿を観察。いくらホバリング(*)の名手である鳥でも縦方向に上昇し穴に入るのは至難の技なはずです。風上に向かってはばたいて、尾を制御しながら上方向への揚力を得るのかしらと頭の中で想像。今日はかなわなかったのですが、次回の宿題となりました。(*)ホバリングチョウゲンボウは、風上に向かってはばたき、速度を得ながら翼のまわりに空気の流れをつくるウィンドホバリングを行い揚力を得ています。1点にとまっているような動きとするために尾を使い制御します。(写真)2024年5月25日撮影
2024.05.25
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野田市生まれのヤマト(雄)と渡良瀬生まれのひなた(雌)が野田市で造巣、営巣、抱卵しジュニア2羽が誕生し、成長しています。昨日の土砂降りの雨で心配になり現地に出かけました。現地に到着した12時30分すぎは、気温25℃前後で、前回5月18日のような高温で直射日光が降り注ぐような条件ではなく、雌のひなたと幼鳥2羽の姿が巣にありました。地元の方によると、雄ヤマトは11時頃に出かけたまだ帰還していない由。ファミリーが勢ぞろいしたのは、14時30分すぎ。北西方向からコウノトリの姿が登場し巣に降り立ちました。リングの色から雄のヤマトでした。ヤマトが降り立つとひなたがクラッタリングをして大歓迎。今度はひなたが巣を離れて上空高く旋回。ヤマトが幼鳥に給餌しているので外敵の有無を上空から確認しているようにも見えました。その後、木野崎方面に渡去。2羽の幼鳥には左右の脚に黒いリングが装着されているのを観察しました。一羽はJ0760、もう一羽はJ0761と刻印されていました。コウノトリのほか、チュウサギ、アオサギ、そして林縁にサシバの姿もありました。アオサギもサシバもこの谷津田が子育ての拠点となっています。(写真)2024年6月3日撮影
2024.06.03
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ツミのペアの様子を見に林に立ち寄りました。ブランドから観察していると、巣には雌が座り込んでいました。時折、雌が鳴き声を出すと瞬時に雄が抱卵を担当する光景が見られます。今シーズンのペアは雄が巣の近くで雌の合図を聞き漏らさないように待機しているのが特徴です。抱卵を雄が担当した後、再び雌に交代すると、今度は雄が巣を見下ろす近くの木の枝に止まり、外敵などを監視するポジションについていました。成鳥雄の姿を観察していると、喉に1本の縦斑があるのに気づきました。若鳥の喉に縦斑があるのは観察していましたが、あらたな発見でした。くわえて、魅了されるのが雄の虹彩の暗赤色、鋭い爪。(写真)2024年5月26日撮影
2024.05.26
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夏鳥のヨシゴイと出会える時期となりましたので、印旛沼沿岸を訪ねました。葦原を南東の風が吹き抜け、探索にはつらい条件でした。それでも5羽前後のヨシゴイが13時から14時の時間帯に29回/1h登場してくれました。2羽で広大な葦原を追いかけっこをしているように飛翔するもの、沼の縁で捕獲してきた獲物を巣の雌にプレゼントするものと実にいろいろでした。このほか、沼の入り江で巣をつくり座り込んでいたアオサギ、葦原のあちこちでテリトリー争いや宣言をしているオオヨシキリの姿、葦原の中からヒクイナの鳴き声が聞こえたり楽しい時間を過ごしました。(写真)2024年5月30日撮影(ヨシゴイの写真はすべて雄。頭上が濃紺、雨覆が黄褐色、上面が茶褐色)
2024.05.30
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5日に造巣したポイントに雌が座り込み、10日には雌が長時間座り込んだ姿を観察。今日、ブランドの中から観察していると、到着直後は雄が巣に座り込んでいました。雌の姿を探すと巣の高さの3倍程度の少し離れた木の枝で巣を凝視していました。その後、鳴き声がしたと思ったら今度は雌が巣に移動し、今度は雄が雌が止まっていた枝に移動し見張り役を担当していました。体に小さい雄がしっかり体を伏せており、雌も深く巣に腰をおろし、抱卵しているものと思われます。今シーズンのペアは、ピョーピョーという尻上がりの捕食者への威嚇の声はほとんど出さず、ペア間で餌をねだったり、巣の交代の時にクウクウとコミュニケーションをとる声のみです。(雌雄の虹彩の違いなど)雌の虹彩は黄色、雄の虹彩は暗赤色です。また、アイリングの黄色は雄のほうがはっきりとしている印象があります。(写真)2024年5月19日撮影
2024.05.19
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未明までの雨と強風がなくなり快晴の朝となりました。ササゴイを観察するため都内に出かけました。到着して北側エリアにササゴイ似のサギ科の鳥が羽をやすめているのを発見。虹彩が赤く、頭上と背が藍色のように見え、体下面が白く、顔、頚が白色で、ゴイサギ第二回夏羽と思われました。さて、お目当てのササゴイは、巣のあるエリアの高い木の枝に止まっていた後、餌を探しに池の工作物に移動したり、杭にとまり喉を膨らませてゴウという声を何回も出していました。ペアリングの時に出す声と思われました。ペア誕生後、巣作り、産卵、子育てがスタートするものと思います。ゴイサギ、ササゴイのほか、カイツブリの親子、バンの姿も観察できました。(写真)2024年5月29日撮影
2024.05.29
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先日、鳥類の構造色の話題を提供したところ、野外で観察できる野鳥を見ながら教えてほしいと有志から要請があったので松戸市の21世紀の森と広場を探索しながら個人セミナーを開きました。千駄堀池には、4日に姿が見られなかったオカヨシガモ、ホシハジロの姿がありました。このほか、マガモ、カルガモ、コガモ、カイツブリ、オオバン、ノスリが斜面林の枝と止まっている姿を発見しました。さらに、林縁の一角ではルリビタキ成鳥雄ともう一羽が移動していました。さて、構造色をテーマに観察した鳥類はカワセミとしました。これまでは、レイリー散乱と呼ばれる光散乱現象で言われ、光散乱が青さを生み出していると記されてきました。とこが千駄堀池には、青色と緑色のニ種類の羽色のカワセミが登場。光散乱で青色を生み出しているならば、緑色は?と参加メンバーからの声。先日、吉岡(2007)が指摘している光の干渉が関係して反射光がもつ偏光の性質など未解決な発色が存在することを紹介しましたが、その後、岡﨑(2021)がカワセミなどの鳥類の羽毛にたくさんの空洞を有するスポンジ層が確認され、この部分に反射することで青色に見えることが判明したと報告しています。また、カワセミの羽が緑色に見えるのは、スポンジ層の青色構造色と羽毛の皮質の黄色色素色の融合で羽毛の緑色が形成されていることによると述べています。要は、単純に角度や光の条件で緑色に見えるわけではないということです。(引用文献)吉岡伸也.2007.鳥の羽根の構造色とその分類.Bird Research News Vol.4 No.2.p2-3.岡﨑登志夫.2021.鳥の進化に伴う構造色発現部と羽毛断面の形の変化形の科学会誌 第36 巻 第2号.p67-73.(写真)2023年2月11日撮影
2023.02.11
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群馬県館林市城沼のほとりにサギのコロニーが形成されており、その様子を観察しに出かけました。来週10日から8月にかけて夏の城沼花ハスまつりが開催されます。ハスにヨシゴイが飛来する光景を目撃できたらと思っていましたが、探索した範囲ではその姿は目撃できず。それでも、館林市市役所近くの林には、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、アマサギ、ゴイサギ、アオサギといったサギ類が集団で営巣し、子育てに大忙しでした。ハスの花はまだ咲いていないエリアが圧倒的でしたが、開花とサギ類、カワセミとのコラボ、楽しみです。(写真)2023年7月5日撮影
2023.07.05
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ツミのペアが暮らす林を訪ねました。造巣してしばらくは雌雄交代で巣に座り込む光景が観察されましたが、16日以降は雌のみが座り込んでいます。時折、座っている方向をかえたりしているのがブランドから垣間見ることができます。一方、雄は巣を見下ろすことができる少し離れた枝から営巣木の枝から監視をしています。カラスなどの巣に接近した場合猛スピードで降下し追い払っています。外敵が接近しない時間帯は、尾羽単独または翼と尾羽を同時に広げたり、重なりを整えたり、ほつれを直したりする行動が見られます。限られた時間内で観察の楽しみ。今朝は、ツミの様子を観察した後、近郊の砂利が敷いてある駐車場で営巣しているコチドリの様子を見に立ち寄りました。駐車が入ってくると警戒して巣を離れますが、それ以外は抱卵している模様です。こちらも長時間の居候ができませんが、見守りを続けています。(写真)2024年5月23日撮影(4枚目、5枚目のツミが翼を広げた2枚は昨年5月撮影)
2024.05.23
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鳥友からカイツブリは双眼鏡を向けるとすぐに潜水してしまう。環境によって観察しやすいフィールドがあるのかと質問をもらいました。都内の公園でも釣人が多く見られるところとそうでないところでは潜水に違いがあります。釣人が多いところでは釣り糸に接近する動きが見られたり、水面をゆったり移動しているように感じます。この件で、文献を調べてみました。前田(2017)が滋賀県で行ったカイツブリの個体数や子育て、行動に関する調査結果を報告しています。その中で、「調査の結果からカイツブリには「人見知りが強いタイプ」と「わりあい人に慣れたタイプ」の 2 タイプがあることが見えてきました。人の近くで生息するカイツブリは、人の各種の行為が自分に利害を及ぼすものかどうかを学習するのではないでしょうか。「 釣り人の竿先から 10 mほどのところに近づき、そこで潜って採餌をした。釣り針付近に魚がいることを承知して、意図的に近づいているように見えた」という報告からカイツブリが人を利用している様子が伝わってきました」と記しています。報告の終わりに「調査地で地元の人に話しかけるとほぼすべての人がカイツブリという鳥を知って いて 、どこにいるか までご存知の方が 結構 いらっしゃいました。春から夏にかけては鳴き声が聞こえてくるからでしょうが、 漁業者や農家 の人 釣り人水辺に住む人 など 、普段自然に接する機会が多い方たちの目には留まっているということです」とむすんでいる点が印象的でした。(引用)前田雅子.2017.琵琶湖博物館フィールドレポーター2017年第1回調査「カイツブリに会いに行こう 」調査報告.pp22.滋賀県琵琶湖博物館.(写真)2021年8月5日柏の葉キャンパス駅近郊、2020年9月19日同左、2023年6月13日都内で撮影
2024.05.27
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今朝もツミのペアが飛来している林に出かけました。到着直後は造巣しているスポットに雌の姿がなかったのですが、雄が雌を呼ぶクゥクゥという声がしたと思ったら雄と雌が同じ枝にとまり餌の受け渡しを行った模様です。その後、雌は造巣場所に移動し座り込みました。昨日も雄から餌を受領した後、座り込んでいましたので産卵した可能性もあります。造巣場所周辺は複数のオナガが巣材をくわえて移動する光景も見かけたり、地面に降りて餌を物色する姿を見かけたり、生き物の暮らしを垣間見る時間となっています。(写真)2024年5月16日撮影なお、ツミの巣の写真は、ブランド内から撮影したものです。
2024.05.16
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秋の渡りの時期、カッコウ科の鳥類が公園、霊園などに立ち寄る姿を見かけます。識別ポイントは、鳴き声、大きさ、上面の色、体下面の横斑、下尾筒の色と横斑、初列風切の横斑、虹彩の色です。(1)腹の横斑カッコウ科のジュウイチ、カッコウ、ツツドリ、ホトトギスのうち、腹の白地に黒色横斑があるのはカッコウ、ツツドリ、ホトトギスです。カッコウの黒色横斑は細い11~13本、ツツドリは間隔の広い太めの横斑が9~11本、ホトトギスは太めで間隔のある黒色横斑が7~9本です。なお、ジュウイチには横斑はありません。なお、カッコウは後頭に白斑があります。一枚目の写真は昨日八柱で観察したツツドリ、二枚目の写真は2022年9月7日に都内で観察・撮影したツツドリです。三枚目、四枚目は2017年9月2日野田市で観察・撮影したカッコウです。(2)下尾筒の横斑と色下尾筒に注目してみると、ジュウイチ、ホトトギスには横斑は見えず、カッコウ、ツツドリには黒色横斑があります。また、カッコウでは白地に細かい黒色横斑、ツツドリでは淡いバフ色にはっきりとした黒色横斑があります。一枚目も二枚目のツツドリと三枚目、四枚目のカッコウを比較してみると、違いがおわかりいただけるものと思います。
2023.09.06
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先週、成田市の一角でフクロウの幼鳥が巣から出たとニュースをもらいました。どんな具合だろうと想像しながら、現地に向かいました。到着すると二羽の幼鳥が枝に並んでいました。しかし、歩道のほうにお尻をむけているので顔がわからず。そこで、反対側に回り込んでその姿を探索。全身を記録におさめるのは無理でしたが、二羽のうち一羽の顔を観察できるポイントがありました。しばらく、その動きに注目していると、空の方向に顔をあげておひさまが眩しいよとばかりのポーズ。その後、短時間だけ目を開けてくれた瞬間を記録できました。ウィンク、そして両目をあげたシーンを披露。このあと、近郊の印旛沼に移動し、ヨシゴイの観察ポイントで待機。5羽のヨシゴイが飛翔する姿、葦原の中での鳴き声を観察できました。くわえて、クロハラアジサシ9羽が沼の水面上空を飛翔する姿も発見。(写真)2021年5月24日撮影
2021.05.24
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JR武蔵野線吉川駅北側に広がる水田地帯と市内から観察できるサギのコロニー、越谷レイクタウン駅北側の調整池を訪ね、サギ、アジサシ類などを探索してきまた。(1)吉川駅北側の水田地帯の鳥武蔵野線沿いにある水田は、市内にあるコロニーで子育てをしているサギたちの餌を捕獲するエリアのひとつです。写真は、カルガモ成鳥、コサギ、アオサギです。カルガモの淡色羽縁は羽先で途切れていないので成鳥とわかります。(幼羽は淡色の羽縁は羽先で途切れています)(注)水田地帯には駐車スペースがまったくありません。駅から徒歩のみです。(2)吉川市内のサギたちコロニーは中世以前から稲作地帯として発展してきた町に隣接する河川沿いにあります。道路沿いの河川敷から見える範囲で約250羽前後が羽を休めていました。写真は、ゴイサギ、アマサギ、アオサギ、チュウサギです。うち、チュウサギは親鳥が生まれたばかりのヒナを翼でおおうように保護していました。(注)コロニーが見られる道路沿いには駐車スペースがありません。アクセス方法は吉川駅から茨急バスを利用し吉川市保健センター前で下車し徒歩のみです。(3)越谷レイクタウン北側の大相模調整池の鳥北側のゾーンにはカワウやヨシゴイが生息していますが、ヨシゴイの姿は確認できず。それでも、池の水面をコアジサシが飛翔する姿がありました。上面が一面グレーの成鳥夏羽、成鳥ですが上面に白い羽が少し残っている個体とよく見ると少しずつ違いがありました。(写真)2022年7月5日撮影
2022.07.05
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流山市下花輪の流山クリーンセンターから同市西深井までの水田地帯には、秋から冬、小鳥、カモ、猛禽類が飛来し羽を休めています。ハイキングを兼ねて水田地帯を探索してみました。スタートした地点の下花輪周辺では、水田の二番穂の間にタシギが休んでいました。前回はなんと17羽ものの個体が羽をやすめていましたので、こちらの気配を察知されないように忍び足で歩行。離れたところにいた方々からは不審者にも見えたに違いありません。でも、その甲斐あって飛び出されたタシギはゼロ。その近くには、アオサギ、ダイサギ、チュウサギが餌探しに余念がなく、私の方には全く関心なし。チュウサギがイモムシをゲットする光景を目撃。さらに北方向にむけて散策していくと、モズがトカゲのようなものを捕獲し、解体中。くわえて、そばではシオカラトンボがキチョウを捕獲し、嘴でくわえている光景も発見。生き物たちの食欲の秋を実感。帰り道には、クリーンセンター近くにある小さな池でカルガモ、コガモ、カイツブリの姿。コガモは上面が黒っぽい若鳥が大半を占めていました。あわせて、池の縁にあるエゴの実にはヤマガラがひっきりなしに飛来。(流山クリーンセンターへのアクセス)東武バス:休日は20分に1本程度で運行。行き:流山おおたかの森駅西口からクリーンセンター帰り:クリーンセンターから南流山駅・流山おおたかの森駅西口(写真)2022年10月1日撮影
2022.10.01
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4月に入りそろそろキビタキの雄の姿を期待できる時期となりました。岡久雄二さんがキビタキの繁殖について知見を整理し報告しています。キビタキ雄は、縄張りに雌がやってくると雄はディスプレイフライトとダンスで迎えると述べています。私は目撃したことがないので遭遇できないかと毎年注目しています。このほか、雌雄で巣場所を決め、メスが造巣、抱卵し雄は繁殖期間を通して縄張りを防衛しすること、卵が孵化すると雄雌でヒナへ給餌して子育てするにもかかわらず、翌シーズンは雄は元の場所への帰還率が高く毎年同じ場所に縄張りを形成するのにメスは分散し同じ場所に戻ることはほとんどないと報告している点も興味深い内容です。(引用)岡久雄二.2015.キビタキ 生活史.Bird Research News Vol.12 No.6.p4-5(写真)私のライブラリーから2016年4月24日松戸市、2018年10月20日柏市、2019年10月27日柏市、2018年10月13日柏市で撮影
2023.04.01
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茨城県と埼玉県、群馬県の県境にある渡良瀬遊水地を訪ねました。広大な遊水地には、うさぎのような長い羽角を持つ猛禽類トラフズク、セイタカアワダチソウの実を食べるベニマシコ、白黒ツートンのアカゲラ、カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリ、ミコアイサ、カワアイサなどの水鳥の姿をたっぷり観察できました。(写真)2024年1月29日撮影(備考)トラフズクについては、観察地は撮影者が集中し影響を与えるので非公開とします。
2024.01.29
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近年は都市で繁殖しているイソヒヨドリ、興味深い給餌行動が知られています。井澤・松井(2011)はイソヒヨドリの調査結果から親子関係等などについて報告しています。給餌行動についてては、巣の中に雛がいる間は区別せず雌雄で餌を行う与え、巣の中の糞の処理などの世話をします。ところが、ヒナが巣立ってからは給餌行動が変化し、雄だけが雛に餌を与える、雌だけが雛に餌をやる、ヒナにより雄の専属給餌を受ける個体と雌による専属給餌を受ける個体の3タイプの行動が見られる旨を述べています。また、ヒナ分けを行っているペアでは、自分が世話をしていないヒナから餌ねだり行動を受けた親は高い割合(80%以上)でヒナを威嚇すると記しています。(引用)伊澤雅子・松井 晋.2011. イソヒヨドリ.多様な親子関係.Bird Research News Vol.8 No.8.p4-5.(写真)私のライブラリーより2022年4月柏市内、2021年1月茨城県内で観察・撮影
2023.07.08
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夏鳥到来のシーズンとなり、都内水元公園内を探索しました。林の一角でキビタキ、複数のセンダイムシクイ、オオルリが登場。このうち、枝にとまり姿を披露してくれたのはキビタキのみでしたが、橙色の喉の色が艶やかな雄の姿に見惚れてしまいました。このほか、ユリカモメの頭巾をかぶったような夏羽、冬羽から夏羽に換羽中の個体、コサギの婚姻色個体(目先がピンク色、趾が赤味を帯び、飾り羽の先も黄金色)、あちこちの芝生エリアで群れとなっていたツグミは、下面が真っ黒な個体、黒色斑のある個体、上面の褐色が淡い雌個体と実にいろいろでした。(写真)2024年4月18日撮影(参考:黒い部分の多いキビタキと褐色の個体)岡久(2015)はキビタキの生態などの知見を整理し紹介しています。越冬地で多くの羽を換羽した黒色の個体は体重が軽く、一方あまり換羽していない褐色の個体は体重が重い傾向にあると述べています。また、繁殖地では褐色の割合が高い個体ほど攻撃性が低く激しいオス間闘争を回避する傾向にあると記しています。(引用)岡久雄二.2015.キビタキ.Bird Research News Vol.12 No.6.p4-5.
2024.04.18
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アカアシシギが渡来したと便りをもらったのと夏鳥たちが立ち寄る時期なので葛西臨海公園に出かけました。アカアシシギの姿があったと聞いていた下の池にまず立ち寄りました。コチドリ、チュウシャクシギを観察できたのみでしたが、対岸の林の中でサンコウチョウ、キビタキの囀りを聞くことができました。このほか、上の池では浮巣をつくる場所探しをしていたカイツブリペアも観察。その後、東渚を一望できるエリアに移動し、ススガモの雄生殖羽、雌、耳羽にパッチが出ている雄個体が夏羽の換羽がはじまった個体を観察できました。くわえて、干潟が露出しており、そこで餌探しに余念のないキアシシギ、イソシギ、ソリハシシギの姿を楽しみました。(写真)2024年5月8日撮影
2024.05.08
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ツミが造巣している林を訪ねました。到着直後、雄の鳴き声がしたとおもったら雌が登場しペアリングを目撃しました。その後、雄は林の外に渡去、雌は造巣した場所に座り込み一時間以上そのまま静止。ペアリングを目撃後、約1時間をした時、雄が足に小鳥をぶら下げて帰還しました。何度か雄が鳴き声をあげ雌に合図。雄は周辺にいたハシブトガラスを追い払い、雌に餌を渡したようでした。雌が巣に帰還するまでの時間を使い、営巣木周辺の地面を確認すると、キジバトの羽が複数散在しているのを発見しました。昨日までの天気がよくなかった際、周辺にいたキジバトを捕食したものと思われました。(写真)2024年5月10日撮影(雌が座り込んでいる光景はブラインドから撮影したもの)
2024.05.10
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最近、いくつかのブログでオオアカハラの観察報告がアップされています。鳥友から亜種アカハラと亜種オオアカハラの違いについて質問をもらいました。違いについて整理してみました。(1)水元公園の亜種アカハラと亜種オオアカハラ一枚目の写真は2019年12月16日に観察した亜種アカハラです。これに対して二枚目、三枚目の写真は2022年2月4日に観察した亜種オオアカハラです。亜種アカハラは、頭部がオリーブ色がかった褐色で、顔と喉に黒みがあります。胸から脇腹にかけて橙色です。これに対して亜種オオアカハラは、亜種アカハラに比べて頭部全体が強いのが特徴です。(2)国内に飛来している冬のアカハラは亜種オオアカハラ?冬、国内に飛来しているアカハラは亜種オオアカハラの可能性が高いと指摘している文献があります。四枚目の写真は2013年1月28日千葉県柏市で観察・撮影した個体です。2022年2月水元公園の個体と同様に頭部全体が黒く、以前から飛来していた可能性があります。ただし、冬期の亜種アカハラと亜種オオアカハラの飛来している数が把握された上で、結論を出す必要があると思います。(3)冬以外の亜種アカハラ私共夫婦が出かけたフィールドで観察した個体の記録写真を紹介します。繁殖期でも亜種オオアカハラを見かけています。五枚目の写真は2019年7月に長野県戸隠で観察した亜種アカハラです。頭部の色はオリーブがかった褐色に見えます。六枚目の写真は、2009年5月に栃木県日光市湯滝で観察した亜種オオアカハラです。頭部全体が黒いのがおわかりいただけるものと思います。七枚目の写真は、2014年7月に長野県佐久穂市で観察した亜種アカハラの雌夏羽です。上面が雄に比べて淡い褐色です。
2022.02.20
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バードリサーチ(2022)が述べているように、セイタカシギは日本国内では繁殖期は5~7月,一夫一婦制で繁殖すると記載している文献がほとんどだと思います。ところが、北川(2000)が1985年以来行っている調査・観察結果から1羽の雄と2羽の雌からなるトリオが生じることが判明し、雌と雌つがいが形成され、繁殖期にむけて共同的一夫ニ妻に発展する可能性が見つかったと報告しています。興味深い報告なので情報提供します。(トリオ形成の3つのタイプ)(1)雌、雌のつがいに雄が参入両雌が雄を受け入れる場合はトリオが形成されることになるが、繁殖期が近づき雄が2羽の雌のうち1羽に対し、あるいは雌同士の敵対関係が強くなると雌同士のつがいは解消し通常のつがいが形成される。このタイプは、非繁殖期に一時的に形成される。(2)両雌が雄に敵対し雄の参入を許さない場合両雌が雄に対して敵対し雄の参入を許さない場合、雌、雌のつがいが維持される。1996年から1999年にかけて4年間継続された。(3)両親に娘が参入する場合繁殖地から親子で越冬期間を過ごし、繁殖地へ前年の子を伴って移動してくる。親がなわばりを形成し営巣すると親鳥は若鳥に対して攻撃的になるが若鳥に対する敵対行動が強くないと若鳥は親の産卵後もなわばりにとどまり、娘が両親の巣に卵を生む機会ができ、共同的一夫ニ妻に発展する。(引用)北川珠樹.2000.セイタカシギとその繁殖地・越冬地としての湿地・干潟の保護・保全に関する研究.2000年度宝ホールディングス ハーモニストファンド 報告書.p5-11.https://www.takara.co.jp/environment/fund/aid/h12report.htmlバードリサーチ.2022.Bird Research News.2022年6月.p1-2.
2022.09.20
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午後、短時間ですが、ホームグランド手賀沼とその沿岸を探索しました。到着し観察と撮影ツールを整えていたら、すぐ脇の田んぼからコミミズクがカラスに追尾されて飛び立ち、ふわふわと飛翔し移動していきました。このほか、沼の浅瀬ではコサギが中国武術の舞いのように水面を移動しながら餌の魚を追尾している姿、水面の工作物に餌の魚を持ったミサゴがカラスと睨んでいる光景、浅瀬で弁足を披露しながら移動するオオバンの姿を観察しました。(写真)2022年11月28日撮影(なお、コミミズクは2021年2月撮影もの)(備考)2021年冬まで手賀沼沿岸に滞在していたコミミズクを巡って地元の農家の皆さんと撮影者の間でのトラブルがあった模様で、現在は沿岸の水田地帯への車両侵入ができなくなっています。このような関係で本日の観察箇所については、お問い合わせをいただいていもおこたえをいたしかねます。あしからず。
2022.11.28
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夏鳥のヨシゴイ、サンカノゴイと出会える時期となりましたので、印旛沼沿岸を訪ねました。葦の中からヨシゴイのオーオーと鳴き声が聞こえましたが、南南西の風が吹き抜けヨシゴイがうまく葦にとまれず、飛翔してはすぐに葦の根本に下がっていきました。真っ赤な口内を見せてにぎやかにさえずるオオヨシキリは、葦原のあちこちでのど自慢。多くの図鑑には、喉が白と記されていますが、羽の下地が時々見えてベースは黒なのが見えました。また、上空をホノルルから成田間のANAの運行便FLYING HONU(フライングホヌ)が通過していく見られるスポットで、ヨシゴイファンのみならず、航空機ファンも注目されているようです。(写真)2023年5月26日撮影(ヨシゴイは昨シーズン撮影のもの)
2023.05.26
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ツミが抱卵してから29日目となりました。朝から雨が断続的に降っており、雨宿り可能な木々のポイントから巣の様子を確認してみました。雌は巣の中で座り込んでいますが、その位置は少し移動していてジュニア誕生の可能性が益々高いと考えています。到着直後は雄の姿がなかったものの40分程度経過したときに一回鳴き声が聞こえ、さらにその15分後は甲高い声と共に雄が足の獲物をぶら下げて帰還。何度か林の中を移動するうちに、獲物がなくなっており巣の近くに運搬した可能性も考えられました。(これまでの記事)3月9日に今シーズン初認のあと、姿を目撃できたのは19日、22日、24日、29日、4月8日。前回、4月13日に雌雄が林に揃い、ペアリング。16日は雄が餌を足にぶらさげて出現。19日は雌が巣材をくわえて入り補強する動きを観察。21日は雌は確認できず、雄のみ見張りの枝に止まっている姿。5月1日雌が長時間、巣に座り込んでいる姿を観察。3日雌は抱卵、雄は見張り台で監視中。6日は強風が抜きぬける中、雌は抱卵中、雄は見張り台で巣と雌を監視中。8日午後は前日の強風、強雨、明け方の低温の条件下ペアともに健在。12日は雄が獲物を捕獲し帰還後、半分程度餌を食べた後、雌への受け渡し場所の枝に餌を置いて自分は別の枝に移動。14日、雄が獲物をもって帰還後、雌に渡した後、抱卵を交代。19日雄が抱卵していたと思われました。21日には産座の杉の生葉が新しいものが追加されていた。26日には雌の座っている位置が移動しておりジュニア誕生かとも思われました。29日も雌が座り込んでいる位置が移動していました。(写真)2023年5月29日撮影(巣はブラインドから撮影)
2023.05.29
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久しぶりに埼玉県川越市の伊佐沼を訪ねました。距離が近くしその特徴を思う存分観察できるのがお気に入りです。6月2日の線状降水帯での大雨で水位が上昇し、ヨシゴイとて営巣中だったところがかなりの被害が出た模様で、再び営巣、産卵、抱卵となっているようです。抱卵中の雌に何度も小魚などの餌を運搬する雄の姿を何度も目撃。中には豪快に水中に首をダイブさせて捕獲するものも目撃。このほか、今ではなかなか見かけなくなった浮巣に座り込んでいるカイツブリ親鳥、水面をすいすいと移動するカイツブリのヒナ、水面の杭にとまり、舞を披露していたダイサギ、コサギなど、見どころの多い伊佐沼でした。(写真)2023年6月25日撮影
2023.06.25
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10日ぶりに水元公園を訪ねました。小合溜の水面には、マガモ、ヒドリガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、カイツブリといった水禽の仲間を見ながら林エリアに向かいました。林に入ると、すぐ近くの枝にヒタキ類と思われる一羽が登場。上面はオリーブ色で下面は汚白色で鱗模様があり、喉は白っぽく、翼に白斑はなくキビタキの第一回夏羽かとも思われました。(オオルリ雌であれば、上面は赤褐色、翼、腰から尾に赤褐色があり)しかし、逆光の条件下でキビタキと同定できず。林をさらにすすむと、今度は実のなる木の上部にハト大の鳥が動くのを発見しました。下尾筒に緑色の横斑、雨覆に赤褐色はないことから雌個体と思われました。その後、開けた空間の木々に目をやると、3羽のカッコウ科の姿を見つけました。うち、1羽は下尾筒に横斑があり、後頭には白斑がないことからツツドリでした。帰り道、小合溜の水面で羽をやすめるカモたちを観察。コガモ、マガモ、ヒドリガモ、ホシハジロ、キンクロハジロの姿があり、出会いを楽しみました。中でも、ヒドリガモの羽色は実にいろいろ。頭部、脇の赤褐色がより赤みりの強い雄エクリプス、雨覆の羽縁が目立たず一様な感じのする雌幼羽、雄エクリプスが生殖羽に換羽している個体と水元ならではの観察の醍醐味でした。(写真)2023年10月27日撮影
2023.10.27
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先週読書会を開催した後、山階鳥類研究所のおもしろくてためになる鳥の教科書(以下、山階2023)に所蔵されていたオナガの件で質問をもらいました。内容は、柏市の鳥がオナガと選ばれた経緯についてでした。ホームグランド手賀沼沿岸の千葉県柏市の鳥は、1994年11月に市制施行四十周年を記念して市民から募集し身近に見られる鳥であるなどの理由で市の鳥に制定されました。(オナガの世界的分布)茂田(2023)は、オナガが東アジアとイベリア半島のスペイン、ポルトガルに隔離分布している件を紹介しています。東西に分かれた分布は、人間によって持ち込まれた人為的なものと元々ユーラシア大陸に広く分布していたが両端を残して消滅してしまった自然分布なものという二つの説が存在していた件を記しています。その後、1997年にイベリア半島南端のジブラルタル付近の三ヶ所から約4万4000年前のオナガ4個体の化石が出土し自然分布であることが判明したと報告されしています。さらに、DNA解析によると100万年から120万年前にはユーラシア大陸東西の端に分布するようになったと推定され、イベリア半島に分布しているオナガは亜種ではなく独立種として扱われるようになっていると述べています。(国内の分布)原田(2009)は、オナガの分布、生態などの知見について整理し報告しています。分布については、「日本、朝鮮半島、中国北東部、アムール川流域の極東アジアとヨーロッパ西端のイベリア半島に隔離分布する。日本では、福井県、岐阜県、愛知県以東、青森県までの東日本に分布する」とし、「九州北部では1960年代まで生息し、島根県、兵庫県、和歌山県、愛媛県でも記録がある」とも報告しています。西日本に分布しなくなった理由については、言及されていないがカササギと競合していたことで消滅したなどの説をしていますが、定かではありません。(引用)原田俊司.2009.オナガ.Bird Research News Vol.6 No.6.p2-3.茂田良光.2023.山階鳥類研究所のおもしろくてためになる鳥の教科書.p243-244.ヤマケイ文庫.(写真)私のライブラリーより
2023.10.29
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今朝、オフィスのある千葉県柏市を探索していたら駐車場の一角でコチドリが座り込んでいる姿を発見しました。また別の一羽が移動しているのも見つけました。一羽は胸元の黒い帯が黒味が強くて太く、目を縁取る黄色い皮膚の輪(アイリング)が太い雄個、もう一羽は帯や耳羽に茶色や白色が混ざる雌でした。中核都市でありながら、住宅地の間に小砂利が敷かれた環境が点在してします。ぽっかりとあいたような植生のない駐車場のような場所では捕食者に対して巣が目立つと思われますが、茂ったところでは巣が作れないうえに植生により地表が見えなければ礫での隠蔽効果もないと思われ、周囲に溶け込むような環境に営巣したほうが繁殖成功率が高くなると考えられるのでコチドリが選択したとも考えられます。これから、散歩の楽しみが増えました。(写真)2024年4月29日撮影(参考)笠原里恵.2020.コチドリ.Bird Research News Vol.17 No.4.p1-2.
2024.04.29
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渡良瀬遊水池周辺のフクロウとアオバズクの飛来地を複数訪ねました。うち、アオバズクが飛来しているポイントでは到着直後は寝込んでいたものの、薄目をあけその後片目をあけたと思ったらホッホッ、ホッホッと10声ほど鳴き声を披露。喉のあたりが襟巻状になっているのもはじめて観察できました。(写真)2024年5月11日撮影
2024.05.11
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昨日に引き続き南南西の強風が吹き抜ける一日となりました。先週まで巣作りをしていた場所が雌には気に入らなかったようで場所を変更した模様です。このためか雄が小鳥を捕獲して帰還してククッと鳴き声を出して雌に餌を持ってきたよと読んでも雌は登場せず。なんだ君はいないのかと雄が地団駄を踏むような仕草をした後、わしわしと食べ始めました。午後、所用で同地を通過した際に雌がムクドリを捕獲し足にぶらさげて林に帰還する姿を目撃。(写真)2024年5月12日撮影
2024.05.12
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お盆明けから9月にかけて桜の木にカッコウ科の鳥類が飛来します。過去、千葉県内で出会ったカッコウ、ツツドリ、ツツドリ赤色型の画像を復習してもみました。一枚目、二枚目は、カッコウです。後頭部に白斑が目立ちます。上面は褐色色がかったグレー色です。三枚目から五枚目はツツドリです。虹彩は赤褐色で下面の黒帯は荒く太い傾向です。四枚目、五枚目は胸から腹に褐色味のあり、雌と思われます。六枚目、七枚目はツツドリ赤色型です。頭にはっきりと黒い横縞があります。ホトトギスにも赤色型が存在しますが、頭の黒班は無班か不明瞭です。(写真)カッコウ:2017年9月撮影、ツツドリ通常型2016年9月撮影、ツツドリ赤色型2015年9月6日撮影
2019.08.05
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昨日訪ねた柏の葉キャンパス駅近郊で生息しているヒメアマツバメ4羽が上空を活発に飛び回っていました。そのうち1羽が中に入って休憩していた巣と羽だけを集めて作った休憩場所とも思えるものがもう一箇所ありました。抱卵していた光景を確かめていませんが、地元の方のブログを拝見していると産卵し孵化し巣立ちをしたのではと思います。このほか、池ではバンの親子づれの姿があったり、ハクセキレイのいろいろな羽色の個体が見られたり、アオサギがずっと池の水面に入り餌を捕獲しようと水面を凝視していたり、ダイサギとチュウサギが餌探しに余念がなかったり、いろいろな出会いのある素敵なエリアです。なお、ハクセキレイの写真では最初のものが耳羽が黒色で頭頂から上面が真っ黒な成鳥雄、二枚目のものが背と肩羽は成鳥雌に似ていますが黒色の羽が多い成鳥冬羽、三枚目は上面に黒色部分がない若鳥です。(写真)2020年8月2日撮影、ヒメアマツバメの姿は2018年8月撮影
2020.08.03
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千葉県の鳥友nankashibirdさんが住む街のチョウゲンボウの様子を見に立ち寄った後、鳥友K-tsuminetさんと合流しツミの林に立ち寄りました。ツミの雄がいつもの見張り台の枝で林全体ににらみを効かせている姿を見ながら、ブランドに入れていただき巣の様子を観察させてもらいました。タイミングよく巣の中から綿羽に包まれたヒナが登場しました。その後ろでは、母さんツミが周囲を厳重警戒している姿。ブラインドに入っているとはいえ、視線が合うと緊張します。短時間で観察はきりあげ、林の一角に移動しました。(写真)2022年6月12日撮影
2022.06.12
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ホームグランドの手賀沼沿岸や茨城県稲敷市周辺、河川敷や埋立地などで見かけるウグイス科のセッカの雌雄の識別について質問をもらいました。ある図鑑を見ると雌雄同色で尾羽は丸尾で軸斑が黒く、先端は白いと記されていたとのことでした。上田(2006)は、セッカの生態、生活史、羽色、生態について知見や文献で記述されている内容を整理し報告しています。その中で雌雄については、つぎのように述べています。「繁殖期のオスの頭部上面は一様な褐色であるのに対し、メスの頭部上面は淡い褐色の地に黒褐色の縦班が存在するため、一見してザクザクした感じになる。この縦斑はメス幼鳥ではよく目立つが、成鳥ではいくぶん不鮮明になるので注意が必要。またセッカでは中央の2枚を除く、10枚の尾羽の先端部に白色部があらわれるが、この白色部分がオスでは鮮明であるのに対し、メスではかすかに褐色がかっている」茨城県稲敷市浮島で2020年5月に観察した個体を見ると、たしかに尾羽先端部に白色が現れています。これに対して、2016年7月に浮島で観察した個体の尾羽先端部をみると褐色がかっています。(引用文献)上田恵介.2006.生態図鑑.セッカ.Bird Research News Vol.3 No.5.p2-3.バードリサーチ.(写真)2020年5月3日茨城県浮島で撮影、2016年7月10日茨城県浮島で撮影
2022.06.25
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鳥友から子どもたちが鳥類の嘴について文献を調べていて質問をもらったと問い合わせをもらいました。内容は、シャモジ型のヘラサギとハシビロガモについて採餌方法が同じと書いてあったけれど、実際観察していると違うのだけれどと聞かれた由。下記の採餌について整理してみました。(ヘラサギの採餌)ヘラサギは、嘴を半開きにして水中で左右に振りながら魚やカエル、カニなどを採餌することが知られています。(ハシビロガモの採餌)水面に平たい嘴を浸けて水面を進み、取り込んだ水からプランクトンだけを濾し取ります。(ヘラシギの採餌)波打ち際の砂泥地や干潟でヘラ状の嘴を少し水につけ、左右に振りながら、昆虫、甲殻類などを採食します。(ハシビロガモとヘラサギ、ヘラシギの違い)ハシビロガモは水面に嘴を浸けて取り込んだ水からプランクトンだけ濾し取る点がヘラサギ、ヘラシギとの大きな違いです。ヘラサギとヘラシギは、嘴を左右に振りながら採食する点は同様です。まったく違う種類が同じような嘴に進化し、同様の動作をすることはたしかに興味深い点です。それで、ヘラサギは魚、カエル、カニを採食、ヘラシギは昆虫、甲殻類を採食するので餌の内容は異なっています。(写真)ハシビロガモは2018年1月、2021年1月市川市中国分で撮影ヘラサギは2013年12月埼玉県川越市で撮影
2022.08.18
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毎年、観察を続けているフクロウ、アオバズク、トラフズクに会いに出かけました。最初に立ちよったフクロウのジュニアが誕生した栃木県神社では巣穴からジュニアが顔を出すのが遅れていて観察がかなわず。でも境内でキビタキの姿を発見。し二番目に立ち寄った茨城県の神社では眼下を猫が通過した際にホーホーと鳴いてくれたのでその居場所を発見。最初はうとうとと居眠りしていたので観察していたのですが、こちらの気配が伝わったららしく起こしていまいました。ゴメン。三番目に立ちよったトラフズクの羽をやすめているエリアでは2羽の姿を発見。木の枝で全身がよく観察できない状況でしたが、羽づくろいの際に顔を少しだけ観察できました。(写真)2023年5月10日撮影
2023.05.10
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朝から雨でしたので、夏鳥の画像や鳴き声などを予習。そのうち、長野県戸隠、飯縄高原、白馬、福島県五色沼などで堪能したノジコについて観察したフィールドは、いずれも豪雪地帯として知られる場所であることに気づきました。どうしてと思い文献を調べてみました。出口(2017)が、ノジコの分布や生息環境などについて知見を整理し報告しているのを見つけました。日本では冬にはいないが、繁殖地は豪雪地帯の新潟県と重なっていることを紹介しています。そして、ノジコが多雪地特有の低木を中心とする雪崩植生が存在し、豊富な雪解け水により湿潤な環境が形成されやすいという点が可能性として考えられると記しています。あわせて、残雪のある頃に繁殖地に渡来し、限られた利用可能な環境でつがい形成を行った後に雪解けによる利用可能環境の拡大に伴ってなわばり分散を行うのではないかと報告しています。雪解け水による湿潤な環境があるかどうか、フィールドに出かけた折、注目してみようと思います。(引用)出口翔大.2017.ノジコ 雪国育ち.Bird Research News Vol.14 No.6.p1-2.(写真)2020年7月2日長野県戸隠で撮影
2024.05.20
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昨日、三番瀬にシギ・チドリを見に出かけた際、防波堤に付着している藻をウミネコ幼鳥だけが懸命についばむ光景を目撃しました。淡水性の沼や池で見られるアオコ(ラン藻)と同じ仲間ではとも思われますが、なぜ幼鳥たちだけがついばんでいたのか、藻ではなくその下に存在していた小動物を捕食していたのかは不明ですが、興味深い光景でした。(写真)2019年8月12日撮影
2019.08.13
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秋になると姿を見せる小型のカモは羽色もいろいろを復習していました。一枚目は2010年4月に柏市内で撮影したシマアジのペアです。雌はコガモの雌に似ていますが、眉斑と眼の下の白っぽい線が特徴です。二枚目、三枚目はヨシガモの雌です。2018年2月に千葉県印旛沼、2017年11月に都内水元で撮影した個体です。嘴は黒く羽は他の小型カモ類よりも長めです。二枚目の個体は三列風切の黒褐色が目立ち幼羽、三枚目の個体は頭部が一様に暗色で肩羽は斑が目立たないなどから雄のエクリプスではと思いました。四枚目は手賀沼で2018年1月に撮影したトモエガモとコガモです。写真奥のトモエガモ雌は、嘴は黒く嘴基部の白斑が目立ちます。目の下に黒条の痕跡が残っています。
2019.08.23
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