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今シーズンの初認は3月25日で、39日目の朝となりました。雌が二か所のカラスの古巣に入る姿と新たに枝を運搬している姿を見かけます。今朝は、新しい木の又に何度も枝を運搬していました。やはり、子育て期間内でずっと使うので新築が最善なのでしょう。(造巣期は枝を運搬している以外は、巣が見える別の枝から監視する雌)造巣期は、雌はほとんどが林内に留まっています。巣が整うといよいよ産卵となりますが、産卵前は雌雄ともに林の中に留まる姿が見られます。これは、植田・平野(2003)が「産卵前の妓後の交尾が賎も受精に影響するので、この期間は最も受精に影響する期間にあたる。この時期に雄が雌と一緒にいる時間が長いことは、多くの種でみられており、つがい相手をつがい外交尾(*)から守るために行なっている行動と考えられる」と記している行動と考えられます。(*)採食地と鴬巣地が離れており、雄が採食のためなどに雌を営巣場所に残して遠くに離れる必要があり、雌を常時ほかの雄から防術することができない。そこで、つがい外交尾がおきる瀕度がほかの烏に比べて高くなると考えらると解説が付されています。(産卵前のディスプレー)平野(2005)は、ツミが産卵前にディスプレイに関して「産卵前の雌雄間のディスプレイには尾上げディスプレイと翼震わせディスプレイがある」と報告しています。一度観察してみたいとひそかに期待しています。(引用)植田睦之・平野敏明.2003.ツミの交尾行動一多数回交尾の適応的意義の検討一.Strix第21巻.p131-139.日本野鳥の会平野敏明.2005.ツミ Bird Research News Vol.2 No.2.p2-3.(写真)2026年5月3日撮影
2026.05.03
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国道356号線沿いに広がる水田地帯をシギ・チドリの姿を求めて探索しました。1998年から今シーズンで28シーズン目となりました。かつては、キョウジョシギ150羽前後、ムナグロ250羽前後、タシギ、キアシシギ、チュウシャクシギ20羽前後などが水田で採餌していたり、畔で休む姿を見かけましたが、2011年以降はチュウシャクシギ10羽未満の姿を見かけるのみとなっています。北西の風が強かったのですが、ホィ、ピピピピヒと鳴き声でその存在に気がつきました。(チュウシャクシギの渡り経路)5月連休前後からその姿を観察できるチュウシャクシギ、図鑑によっては春の田んぼで大群になるとか、ユーラシア北部、北アメリカ北部で繁殖し、アフリカ、中東、インド、東南アジア、オーストラリア。北アメリカ南部、南アフリカで越冬し、日本には旅鳥として飛来と解説されています。ところが、細谷ほか(2024)が指摘しているように、繁殖地、越冬地、中継地の生息場所詳細が解明されておらず、日本での移動情報は限られたのみで、標識調査での確認も6件のみです。にもかかわらず、多くの図鑑類に解明されているような記述がするのは摩訶不思議です。(本日見かけたチュウシャクシギ)国道356号線沿いの水田地帯で観察したチュウシャクシギの写真をアップしました。写真一枚目のような整った羽衣の成鳥、雨覆・三列風切が摩耗している第一回夏羽と思われる個体と実にいろいろでした。これらの個体がどこから来てどこへ向かうのか興味のあるところです。(その他)水が張られた田んぼの一角でツグミの姿を複数見かけました。(写真)2026年5月1日観察・撮影(引用)細谷淳・田谷昌仁・井上遠・仲村昇.2024.春を告げる渡り鳥、チュウシャクシギの命をつなぐ渡りルートを探る.バードリサーチ調査研究支援プロジェクト 2024年度.pp2.
2026.05.02
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橙色の喉とヒコリと一声出した後に長い節で囀るキビタキは、夏鳥の代表で、5月上旬にかけて飛来します。その囀りを聞くと初夏の訪れを実感します。雄成鳥と雄第一回夏羽の羽衣の違いし、齢と攻撃性、雄と雌の採餌行動に関するの報告の一部を紹介します。(雄成鳥と雄第一回夏羽)キビタキ成鳥は喉は橙色、眉斑、胸から腹、腰は黄色であるのに対して、キビタキ雄第一回夏羽(*)は喉の橙色は淡く全体的に淡く後頭と翼に褐色部がある点で異なります。また、光彩の色の変化について、岡久ほか(2011)がキビタキの羽衣の経年変化を調査し報告しています。報告では「虹彩の色は雄の齢によって有意に異なっていた(中略)第1回夏羽では全ての個体が灰色みを帯びた灰褐色の虹彩であった。また、第1回夏羽では全ての個体が褐色の虹彩をしていた。さらに第3回夏羽以降では強い赤みを帯びた赤褐色の個体が認められ一部は赤みの弱い褐色の個体があった」と述べています。(*)キビタキの雄では体羽が換羽し、初夏に見かけるあの鮮やかな色彩になります。初夏に見かける前年に生まれた鳥は第一回夏羽と表現されます。(齢による攻撃性)岡久(2015)が「越冬地で多くの羽を換羽した黒色の個体は体重が軽く、一方あまり換羽していない褐色の個体は体重が重い傾向にあることが分かってきた。若い個体にとって黒い羽を身にまとう事は換羽のためのエネルギー消費とった不利益がある(中略)褐色の割合が高い個体ほど攻撃性が低く、激しいオス間闘争を回避する傾向にある」と述べています。(キビタキの採餌行動での性差)岡久ほか(2012)は、山梨県で行ったキビタキについての調査結果を整理し報告しています。報告には「繁殖期におけるキビタキの採餌高は雌雄で異なり、かつ、植生に応じて性差の傾向が変化する」「キビタキの雄は植生に関わらず樹冠下部で囀り、なわばりの防衛のためにソングポストに留まっていた」、雌では「常緑針葉樹林では落葉広葉樹林より高い場所で採餌を行った」と記されています。つまり、雌は雄に比べて柔軟に環境に対応しているということになります。(引用)岡久雄二・小西広視・高木憲太郎・森本 元.2011.キビタキの雄の齢査定法の検討.鳥類標識誌第23巻.p12-18.岡久雄二1・森本 元・高木憲太郎.2012.キビタキFicedula narcissina の採餌行動の性差.日本鳥学会誌第61巻.p91-99.岡久雄二.2015.キビタキ Bird Research News Vol.12 No.6.p4-5.(写真)雄成鳥、1枚目:2024年4月18日都内、2枚目:2019年6月1日栃木県奥日光、雄第一回夏羽、3枚目:2015年5月23日栃木県奥日光、4枚目:2024年4月18日都内で観察・撮影
2026.05.01
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朝から曇りで肌寒い日となりましたが、手賀沼沿岸をシギ・チドリの姿求めて探索しました。耕起されていた田んぼにムナグロ、チュウシャクシギ、キョウジョシギ、キアシシギの姿を見つけました。帰り道、谷津田に立ち寄り、木のてっぺんに止まり田んぼの餌の動きを凝視していたサシバ雄成鳥の姿を見つけました。(ムナグロの羽衣)最初は群れのすべてが耕起してある田んぼに座り込んでしましたが、待機していると起き上がり餌探しをはじめたので記録写真をとらせてもらいました。全体的に黄色味が強く頭部が小さめの印象のある幼鳥、下面に黒い羽(夏羽)が点在する冬羽から夏羽に換羽中の個体、下面が真っ黒になっている成鳥夏羽個体といろいろでした。(チュウシャクシギの羽衣)ムナグロが休んでいた田んぼに飛翔してきたチュウシャクシギが降り立ち、餌探しをスタートした光景を記録写真をとらせてもらいました。明瞭な眉斑と側頭線、喉から脇にかけて褐色斑があり、雨覆・三列風切の摩耗がないように見えるので成鳥夏羽と思われました。(キョウジョシギの羽衣)キョウジョシギは、ムナグロの群れの外側をせわしなく移動し餌探しをしていました。上面の暗色部が残り、雨覆の羽縁に白っぽさがあり幼鳥または第一回冬羽と思われました。(キアシシギの羽衣)キョウジョシギ以上の忙しそうに水田を動き回るキアシシギを見つけました。頭部から体上面が灰色で眉斑が見られたので成鳥夏羽と思われました。(幼鳥は上面が灰色で小さな白斑があります)(その他)ムナグロなどの姿があった田んぼでキジバトが餌探しをしていました。普段は地面で餌探しをしている姿を見ることか多いので、シギ・チドリと思って注目してしまいました。(キジバトさん、失礼)(写真)2026年4月30日撮影
2026.04.30
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今シーズンの初認は3月25日で、35日目の朝となりました。26日から本日まで一日ごとに晴れ、雨・曇り、暖かかな日、肌寒さと目まぐるしく変化しています。今朝は、雌成鳥が林で外敵カラスを警戒する姿がありました。さて、ツミの造巣であらたな動きを目撃しました。雌が直立している木の枝に止まり長い枝を折り、木の又に運搬していました。その間、雄はその間は林全体が見通せる枝に止まり外敵カラス襲来を警戒していました。(今シーズンは雌主導で巣作り?)ツミが新しい巣づくりをはじめる際は、雌が細めの枝を、雄が太目の枝を雄が運搬し分担をしているようです。天気のよい年は集中して造巣が行われますが、今シーズンのような年では途切れ途切れになる傾向があります。今シーズン目撃した雌の枝折りの光景と過去の記録画像を復習してみました。四枚目から七枚目がその光景です。バランス感覚に優れた雌成鳥では細くて長い枝をパチンと折りますが、若鳥の場合は枝の折り方がぎこちないようで短いサイズのものが多い印象があります。(どの巣を使うかはまだ不明)ツミのペアの動きを観察していると、林に飛来するとカラスの古巣2か所程度の雌が入って居心地を試すような動きを目撃します。そのまま、古巣を自分たちの巣とする場合や新しい巣づくりに着手する場合があります。最終的には雌がその中に入り、座り心地などを確かめた後決定するようです。(写真八枚目、九枚目はカラスの古巣を利用した年、写真十枚目は新しく造巣したもの)(写真)一枚目・二枚目:2026年4月29日、三枚目:2026年4月27日、四枚目:2026年4月26日、五枚目:2012年4月28日、六枚目:2014年4月20日、七枚目:2018年5月3日、八枚目:2022年5月14日、九枚目:2011年4月24日、十枚目:2019年5月3日、いずれも千葉県内で観察・撮影
2026.04.29
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4月もあと少しで終わりを迎えます。JR三郷駅から土手下のグランドを探索しました。(ツグミは餌の捕食に熱中)渡去の時期を迎えるツグミのクロツグミ似の囀りが聞けないかとこの時期に足を運びます。しか、いつものケッケッという鳴き声を出すことはなく、地面で虫を捕食するのに熱中していました。ツグミの名前の由来は噤みと聞いていますが、囀る前はほとんど鳴かなくなるのかと想像をめぐらしました。囀りは次のお楽しみとなりました。(ヒバリの囀りと複数羽でのまちぶせしての狩りを目撃)ヒバリの英名はSKy Larkでほとんどの方が空高く上昇しながら囀るイメージを持っているものと思います。ところが、三郷市の江戸川では90%程度が地上で囀っています。今日の発見は、複数のヒバリが獲物の昆虫類を取り囲むようにして待伏せする光景を目撃しました。写真1枚目がその光景です。このほか、写真2枚目から4枚目は正面、後ろ姿を記録したものです。上面は淡赤褐色で黒い縦斑がありますが、個体によって少しずつ違いがありました。(イソヒヨドリの嘴に注目)オフィスの最寄り駅近くで嘴に奇形のイソヒヨドリ雄を見かけて以来、出会う都度嘴に注目しています。三郷駅近くで雄がピーチョヒーシーと涼やかな声で囀っていましたが、嘴は長め印象がありましたが奇形はなしでした。(写真)2026年4月28日撮影
2026.04.28
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サンショウクイ科サンショウクイとリュウキュウサンショウクイは、サンショウクイが夏鳥として主に本州から九州で繁殖している種類、リュウキュウサンショウクイは南西諸島で繁殖し、九州南部等でもまれに繁殖、越冬している種類です。ところが、2012年以降、もともと南方系の亜種リュウキュウサンショウクイが越冬期に大阪府、静岡県、神奈川県で観察されてその後、都内水元公園でも2020年前後から姿が目撃されています。越冬してきた個体がそのまま繁殖にいたる可能性も考えられることから動向が注目されています。(1)全国的な分布傾向奴賀・森本(2022)は全国規模で行っている陸生鳥類調査の結果を報告しています。報告では「近年,亜種リュウキュウサンショウクイは分布が拡大傾向にある(中略)亜種リュウキュウサンショウクイの過去6年間(2016~2020年)の出現率は増加傾向にあり、2018年度以降は10%前後で推移しています。2019年度までは,沖縄県,九州,四国での確認でしたが、2020年以降は,関西,関東でも記録され、2016~2021年度で記録のある都道府県は,沖縄,鹿児島,熊本,宮崎,佐賀,福岡,徳島,高知,愛媛,岡山,大阪,和歌山,三重,東京です」と報告しています。(2)西日本における分布拡大三上・植田(2011)はアンケートや文献調査から,亜種リュウキュウサンショウクイの西日本における分布拡大状況を把握し「1970 年前後には既に九州南部に生息し,繁殖していた。1980 年代後半から 90 年代後半にかけて九州南部から北部へと確認地点が増加したが、福岡よりも早く四国で確認され、2000 年代には高知,広島,奈良などで記録されるようになった」と報告しています。(3)リュウキュウサンショウクイの関東地方における動向現時点では、関東地方での繁殖は認められていないものの、営巣しようとした事例も耳にします。越冬したリュウキュウサンショウクイがそのまま繁殖する可能性も捨てきれないことから注目されています。関東地方各県ではじめて観察された記録を整理してみると、つぎのとおりです。(なお、茨城県は確認できず)(1)神奈川県八木(2020)の報告では、2012年12月に松田町、2015年 3月に秦野市で観察したと記されています。(2)東京都(ユリカモメ No.749 2018.3)ゆりかもめ(2018)に2017年1月11日に都立野川公園の小金井市内、同公園で同年2月17日に観察記録があると記されています。(3)埼玉県(そうかいきものだより 2020年2月 p6草加市(2020)に2019年11月2日、そうか公園で観察されていると記されています。(4)千葉県(千葉県立中央博物館 しいむじな p2.2018年5月26日に鴨川市清澄寺で観察されたと記されています。(5)群馬県(群馬県立自然史博物館研究報告(29):124)深井(2025)2021年1月8日に高崎市寺尾町で観察されていると記されています。(6)栃木県(日本野鳥の会栃木県支部の調査研究報告書(Accipiter Volume 24)2019年11月4日および6日宇都宮市内で観察されたと記されています。(2)リュウキュウサンショウクイとサンショウクイの識別についてa.声による識別三上・植田(2016)が鳴き声を解析した結果を報告しており、その中で「言葉で表現すると「尻上がり調子なら亜種サンショウクイ,フラットか尻下がり調子なら亜種リュウキュウサンショウクイ」といえるだろう」と報告しています。b.観察での識別五百沢(2000)は、リュウキュウサンショウクイについて「胸が黒っぽい、正面の灰色が濃く、黒味を帯びる、額の白色部は狭いなどの点でサンショウクイと異なる」と報告しています。永井(2014)は、リュウキュウサンショウクイ雄は額の白色部はわずかで、サンショウクイ雄との識別点であり、上面は黒灰色、下面は黒味のあるものが一般的だが白い個体もいる。雌は頭が黒灰色で上面はサンショウクイに似るがより暗色、胸や脇に黒色味があると記しています。(引用)ゆりかもめ.2018.日本野鳥の会 東京支部報.第749号.しいむじな.2018.千葉県立中央博物館 ニュースレターしいむじな.p2.平野敏明・戸室由美.2019.日本野鳥の会 栃木県支部研究報告書Accipiter.第24巻.五百沢日丸.2000.日本の鳥550山野の鳥.p142.文一総合出版.永井真人.2014.比べて識別 野鳥図鑑.670.p78.文一総合出版.八木 茂.2020.神奈川県秦野市におけるリュウキュウサンショウクイの造巣から巣立ちまでの観察.日本野鳥の会神奈川支部研究年報 BINOS vol.27.p1-10.草加市.2020.そうかいきものだより.2020年2月号.p6.(写真)1枚目、2枚目:2024年1月3日都内で観察・撮影、3枚目、4枚目:2025年5月22日長野県で観察・撮影
2026.04.27
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茨城県の広大な蓮田エリアにシギチドリの姿を探索しに出かけました。(ツルシギの劇的変化)今月8日に観察したツルシギの羽衣やオジロトウネンの羽衣の変化を楽しみでその姿を探しました。ツルシギは蓮田の一角に姿があり全身黒色で背と翼に白斑が点在する夏羽に変化していました。8日に出会った個体の画像を参考としてアップしておきます。(ツルシギの換羽は頭部から上面、下面が黒くなり、その後真っ黒となります)(オジロトウネンの羽衣)蓮田の一角に7羽の姿を見つけました。うち1羽は撮影はかなわなかったものの、頭・胸・上面が灰褐色で、赤褐色と黒色の斑のある夏羽でした。このほか雨覆・三列風切の褐色で黄橙色の羽縁が出ていた成鳥夏羽に換羽中の個体、上面が灰色味が強く風切・雨覆が褐色の夏羽に換羽中の個体を観察しました。目立つ羽衣ではありませんが、1羽ずつ見ていくと微妙に違いがあるのもオジロトウネン観察の醍醐味です。(その他)ツルシギ、オジロトウネン以外では、セイタカシギ、上空を移動していたムナグロ20羽強、イソシギ、婚姻色となっていたアオサギ、ダイサギの姿を観察できました。(写真)2026年4月26日撮影
2026.04.26
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今シーズンの初認は3月25日で、31日目の朝となりました。(ツミの造巣は案外気まぐれ)昨日はツミ雄成鳥、雌成鳥が林で巣作りに没頭し、それぞれが枝を折り巣の候補ポイントに何度も運搬する光景が見られました。その様子からは月内に巣が完成することだろうと思っていたら、今朝は雄が餌探しで林の外に出かけていて、雌の姿は枝にあるもののまったく枝を運搬する仕草も観察できずでした。先週から出入りしていたポイントは二か所がカラスの使った巣、一か所は昨日枝を運び入れていたところです。どれを巣として使うつまりかはまだ不明です。(ツミの獲物はエナガ)昨日、雄成鳥が捕獲し林の持ち帰り、雌にプレゼントしたのはエナガと思われました。繁殖期を通してスズメがほとんどで、ヒナが誕生してからシジュウカラを捕獲して持ち帰るのを目撃していましたからそれが普通と思っていました。調べてみると、植田(1993)が都内で調査をした結果を報告している中にコジュケイ、キジバト、ドバト、コゲラ、ヒヨドリ、モズ、ノゴマ、メボソムシクイ、キビタキ、オオルリ、エナガ、シジュウカラ、メジロ、カワラヒワ、イカル、シメ、スズメ、ムクドリ、オナガ、アブラコウモリ、ハツカネズミ、トブネズミ、モグラ類、アブラゼミと24種にのぼると報告がありました。ただし、スズメ、シジュウカラで全体の80%を占めていたと記されていました。今シーズン、まだスズメが抱卵中で近隣で捕獲できず、その代替としてエナガを捕獲した可能性があります。どんな種類を捕獲し雌にプレゼントしたかを丁寧に観察していきたいと思います。(引用)植田睦之.1992.ツミが繁殖期に捕獲する獲物数の推定.Strix第ll号.p131-136.(財)日本野鳥の会.(写真)2026年4月24日・25日撮影(5枚目、6枚目は25日撮影)
2026.04.25
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20日に姿をみつけたカモ科シマアジをもう一度観察したいと思い、手賀沼沿岸に出かけました。ほとんどのカモ類が北帰行となった後ですが、シマアジのほか、コガモ、ヒドリガモ、カルガモの姿がまだ観察できました。このほか、遊歩道脇の荒地ではコチドリ雌雄が鳴きながら移動。産卵できる場所探いで忙しい模様でした。(シマアジ再会)非繁殖羽の期間が長いと言われているシマアジ雄生殖羽をじっくり観察できる機会はなかなかありません。もう一度観察して気が付いたのが、目の上から後方にかけて眉のように走る模様が眉斑と呼ばれますが、シマアジを前方向から見ると意外と立体的でした。また、脇から下腹にかけて白地に波状の黒いさざ波のような模様が入っているのも発見でした。このほか、雌の姿も発見。羽縁の幅広で羽衣が明るく見えるのが特徴です。(コガモ雄成鳥生殖羽の翼)コガモは尖翼中腕型の翼は、翼面荷重が軽く狭い空間でも離着陸が可能です。このおかげで天敵が登場しても水面からすぐに飛び上がり、狭い空間を逃げ延びることが可能です。雨の翌日、浅瀬で翼を広げて羽づくろいを余裕たっぷりに行うのもコガモのなせる業です。(草地を威風堂々と移動するキジ雄成鳥)手賀沼遊歩道脇には草地があります。ここを縄張りにしているのがキジ。ケン、ケーンし鳴き母衣うちを披露しながら雌を呼ぶのがキジの雄。縄張りを移動して餌を探す光景をよく見かけます。(ツバメの採餌)畑地の地面に何度もツバメが降り立ち、採餌する光景を見かけました。飛翔性昆虫を採食することが知られていますが、畑地で虫を捕食する光景を目撃しました。(遊歩道脇のベニシジミ)ハルジオンの花蜜を吸いにベニシジミが登場。草地があると姿を現すシジミチョウ科の蝶です。白い花に飛来するその姿のコラボが素敵でした。(写真)2026年4月24日撮影
2026.04.24
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日本に飛来したツバメ、みなさまの街でも姿を見かけているものと思います。みなさまの知識の引き出しを増やす話題としてご覧ください。1.ツバメとコシアカツバメの巣の比較亀岡高校(2023)は、巣が自重と雛を十分支える強度で接着されているが、ツバメの巣には藁がふくまれているが、コシアカツバメの巣には藁が含まれていないことが判明したため、巣のサイズや巣材に混ぜる材料を調査した結果を報告しています。(報告の概要)a.2種は同じ場所で採泥しているが、巣に使用されている泥のサイズに違いはない。b.両種の巣に唾液由来のムチンが含まれており、巣作りに唾液を使っている。c.ツバメは藁を混ぜることで接着強度を確保しているのに対して、コシアカツバメは唾液を多く分泌して接着強度を確保している。2.ツバメの離婚と雌雄の到着時期の差神山(2010)は、新潟県上越市で2005~07年の3年間に168組のツバメ夫婦にカラーリングを付けた結果を紹介しています。内容によると、越冬のために南へ去ったツバメがオス・メスともに翌年も生存していたのは168組のうち26組で, その中で離婚した夫婦は65.4%(17組)だったと報告しています。さらに、原因について、「オスがメスより早く到着していて、オス・メスの到着日の差が10日以内なら両者はふたたび夫婦になる場合が多いのに対して,オスの到着がメスより1日でも遅 れれば、メスは別のオスと夫婦になってしまっていたツバメが離婚するのは両性の到着日の差が原因」と述べています。3.ツバメのもてるのはどこが決め手藤田(2008)が「ヨーロッパのツバメでは尾の長いオスがつがい相手としても浮気相手としてもメスに好まれる。しかし、「北米には尾羽の長さではなく、オスの喉の赤さがメスの選り好みの対象になっている地域がある(中略) 日本でもヨーロッパほど尾羽長が重要でないことが明らかにされ始めている」述べています。ツバメの雌が相手を選ぶ基準として燕尾の長いオスはつがいになるのが早く、短いオスは日数がかかる」という内容は複数の図鑑類で記されています。しかし、藤田(2008)が「ヨーロッパのツバメでは尾の長いオスがつがい相手としても浮気相手としてもメスに好まれる。しかし、「北米には尾羽の長さではなく、オスの喉の赤さがメスの選り好みの対象になっている地域がある(中略) 日本でもヨーロッパほど尾羽長が重要でないことが明らかにされ始めている」述べおり、選り好みの地域差を指摘しています。(引用)藤田 剛.2008.ツバメ Bird Research News Vol.5 No.4.p4-5.神山和夫.2010.ツバメの離婚と雌雄の到着時期の差 ~なにがツバメの夫婦を別れさせるのか?~.Bird Research News Vol.7 No.3.p2.京都府立亀山高等学校.2023.ツバメ類の巣に含まれるムチンは巣の強度の向上に寄与しているか ~ツバメとコシアカツバメの巣材の比較~.公益財団法人中谷医工計測技術振興財団 加科学教育振興助成2023年度成果報告書.p161-164.(写真)1枚目:2026年4月14日柏市、2枚目、3枚目:2026年4月13日野田市、4枚目、5枚目:2023年5月24日茨城県で観察・撮影
2026.04.23
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一か月ぶりに吉川市吉川美南駅西口と東口の調整池を探索しました。新緑の美しい時期となり、滞在している鳥たちにも変化が見られます。(カモの仲間の変化)カルガモ、コガモは水際で草の種子、水生昆虫、藻類なども嘴ですくい取って食べる水面採食を披露していました。カルガモは淡色の羽縁が羽先で途切れない成鳥個体がすべてを占め、コガモは全体的に褐色味の強い羽色に変化していました。雌個体は胸から腹にかけて比較的大きな斑も目立っていました。(コチドリの羽衣のいろいろ)黄色のアイリングは雌雄とも一緒ですが、雄は前頭部と胸が黒色ですが、雌はその部分に褐色味があります。ところが胸のリングは雌雄ともに太い個体、細い個体が存在します。あれっ、これもコチドリ!という具合でした。その特徴で個体識別が可能かもしれません。(カワウの婚姻色の期間は短くて)繁殖期の成鳥では皮膚の裸出部が黄色から黒ずんだ色に変化し、目の下に紅色の斑紋がでます。3月14日には紅色の斑紋を観察しましたが、すでに見られなくなっていました。地元の方の話しを聞くと1~2週間程度の期間だったようです。(小鳥の変化)・電線に止まってキリリ、コロロと鳴いていたカワラヒワの羽は緑色が強く感じました。冬には緑色味が乏しいのに変化していました。・吉川美南の戸建てエリアで姿を目撃したスズメ、嘴が黒色の成鳥で、淡色から黄色の幼鳥は見かけませんでした。幼鳥の行く先はどうなったかと興味を持ちました。・ハクセキレイの上面が黒色で一見するとセグロセキレイのように見えました。しかし、セグロセキレイであれば耳羽が黒色ですが、そうではありませんでした。(写真)2026年4月22日撮影
2026.04.22
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昨日手賀沼でカモ科シマアジを観察できました。観察した個体の特徴を整理するとともに18日柏の葉キャンパス駅近郊で観察したシマアジ雌似のコガモとの違い、シマアジの齢の特徴などを整理したものを提供します。(昨日観察した個体の特徴)写真1枚目から3枚が昨日手賀沼沿岸で観察した個体です。・写真1枚目の奥に移っているのが雄成鳥、手前が雌成鳥です。(1)シマアジ成鳥雄は、海老茶の頭部と白く幅広の眉斑が目立ちます。雌は眉斑はコガモに比べてはっきりしています。脇と腹の模様は褐色の地にクリーム色の羽縁があります。(コガモ雌は脇・腹の色模様がクリーム色の羽軸があります)雌雄共に虹彩は赤味が強いのが特徴です。(幼鳥の虹彩には赤味はありません)(2)シマアジ雌とシマアジ似のコガモ写真4枚目は18日に観察したコガモです。嘴基部に白い斑があり、雰囲気はシマアジに似ています。しかし、コガモ雌は嘴基部側面に黄色味があり、シマアジ雌には黄色味はありません。さらに嘴基部に着目すると、シマアジの基部はがっしりとしている印象があり、コガモより長い印象があります。(3)シマアジの齢a.幼鳥:写真7枚目、8枚目は2019年にさいたま市で観察・撮影した個体です。虹彩に赤味がなく暗色です。b.成鳥:(1)で述べたように虹彩は赤味が強いです。(4)近似種との違いシマアジ雌とトモエガモ雌を比べると、ともに嘴基部に白い斑があります。しかし、トモエガモ成鳥では喉から頬にかけて白色部があります。(写真7枚目、幼鳥や雄エクリプスでは喉から頬の白色部ははっきりしていません)写真6枚目の個体は、喉から頬の白色部ははっきりとせず、上面ら換羽した新羽と思われる羽が認められるので幼羽から第一回生殖羽に移行中の個体と思われます。(写真)1枚目から3枚目:2026年4月20日手賀沼沿岸で観察・撮影4枚目:柏市内で2026年4月13日観察・撮影のコガモ5枚目:印旛沼で2026年2月1日観察・撮影のトモエガモ6枚目:印西市で2020年11月8日観察・撮影のトモエガモ7枚目、8枚目:さいたま市で2019年10月7日観察・撮影のシマアジ
2026.04.21
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手賀沼沿岸の柏市側、我孫子市側を探索して歩きました。(シマアジとの出会い)白くて太い眉斑が目立つシマアジ雄、過眼線を挟む2本の線と嘴基部の白斑が目立つ雌を観察できました。非繁殖春羽の期間が長く2月頃にようやく生殖羽が完成すると言われている種類で、写真のような羽衣はなかなか出会えないことが多いので貴重な出会いとなりました。類似種のコガモ雌の写真もアップしておきます。(沿岸の水田にはムナグロが登場)耕起してある田んぼにムナグロの姿を見つけました。最初に飛来する個体はほとんど鳴き声をあげず、じっとしているので気がつかないも多く、目を凝らして注目していて発見できました。(サシバの新しい髪形?)強風とうほどではなかったのですが、時折風が吹き抜けるときにサシバが電柱に止まっていて、頭部の羽毛がふっくらして今までまた事のない新鮮な姿を観察。(春を実感する鳥たちの姿、声)沼の浅瀬で採餌しているダイサギの目先は緑に変化し、カワラヒワはキリリ、コロロと鳴き声を披露、ホオジロも天を仰ぐようにして囀っていました。(写真)2026年4月20日撮影
2026.04.20
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初認から25日目となりました。ツミが飛来している林に出かけました。到着から20分程度はその姿がなく、林の外に餌探しに出かけているようでした。不在の間に複数のハシブトガラスが林に飛来し、鳴きながら周囲を移動したり以前に作った巣の様子を見てみたりを繰り返していました。そこにも、ツミ雌成鳥が帰還。(カラスを捕捉する時のツミの瞳孔の動き)林の上層部に止まっているハシブトガラスの姿を捕捉する時には縮瞳(瞳孔を小さく)、比較的暗い場所にいる姿を捕捉する時は散瞳(大きく)し、追い払い行動を繰り返しました。林上層部に止まっている場合、林の中層部に止まっている場合、地面を移動していた時にも藻スピードで襲撃をしていました。一度だけ、観察で待機していた場所の近くにカラスが移動してきた時にはこちらを凝視しているのがわかりましたのですぐ移動しました。これに気がつかないと、襲撃される恐れがありますのでその視線がどこを向いているかは大切なポイントです。(ツミの武器の鋭い湾曲した爪と細長い足)獲物を捕らえるのに最適な鋭く湾曲した爪を持ち、狭いポイントにいる獲物を捕らえるのに最適な細長い足が特徴です。(ツミのカラスに対する追い払い行動)ツミとカラスが同所に造巣し繁殖している場合に追い払い行動が観察されます。カラスが先に林に飛来し、営巣し複数のカラスが行動している場合には繁殖を断念するケースがほとんどです。(写真)2026年4月19日撮影(ハシボソガラス、ハシブトガラスは3月に観察・撮影)
2026.04.19
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東京近郊の複数かの公園にキビタキ、コマドリが飛来したと耳にして、オフィスのある柏市近郊の市川大町自然公園に出かけました。市川大町駅から徒歩で公園入口から探索をスタート。入口近くの池では複数のカルガモが嘴を土の中に突っ込んで餌を物色中。雑食なので植物の葉や実をついばむことがありますが、何を摂っていたのかは不明でした。(モズの嘴)散策路を動物園方向に進むと、草地でモズを発見。ところが、嘴の形状が何か変なのです。第一印象がクワガタムシのような印象があり、上嘴が長く、下嘴がそれより短いものでした。帰宅後、モズの嘴を復習してみると、嘴縁突起(しえんとっき)であることが判明しました。ハヤブサやモズの上嘴縁に見られる突起でした。この突起に対して下嘴縁に見られる凹みは嘴縁欠刻(しえんけっこく)と呼ばれることがわかりました。しかし、この冬に観察したモズ雌でも嘴縁突起、嘴縁欠刻があまり目立たない個体なのでしょうか。成長の度合いで違いがあるのか学習のテーマです。(写真3枚目から5枚目と6枚目の個体を比較すると違いがおわかりいただけるものと思います。(肝心の夏鳥は)キビタキは1羽が林の中でコジュケイ似のピッチュコイと声を出したので待機してみましたが姿は観察できず。このほか、ウグイスは複数が囀っていましたが、こちらも姿を観察できずでした。(写真)2026年4月18日撮影(6枚目モズは茨城県で撮影、7枚目ウグイスは同地で過去撮影したもの、8枚目キビタキは同地で撮影したもの)
2026.04.18
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干潮が11時前で穏やかなお天気で春の三番瀬を探索するのに絶好の条件でした。(三番瀬のカモたち)水面にはススガモ、ビロードキンクロの姿を発見。ビロードキンクロは浅瀬で寝入っていましたが少し経つと水面に出て移動をはじめました。全身黒っぽく、眼の後に吊り上がった三日月型の白色部、嘴上部基部の瘤状突起があり、嘴前半は紅色で外縁に沿って黄色部があり、翼を広げた時に次列風切の白色部が目立ちました。(三番瀬のシギ・チドリ)浦安側の干潟からスタート。ダイゼン夏羽の頭が白くなっている個体、上面の各羽の羽縁は白色ですが、遠目では黄色味があるように見えましたが胸に細かい斑があった第一回冬羽、背や翼の各羽に黒い軸斑があった幼羽個体と実にいろいろなバリエーションを観察しました。続いて出会ったオオソリハシシギ、下面の橙色。上面の黒い軸斑と橙色の羽縁の夏羽、背と翼の羽縁が白っぽい幼羽個体を観察しました。このほか、近年激減したと言われているハマシギも群れで降り立ってくれて頭と背の赤褐色の地に黒褐色の斑を堪能しました。なお、サルハマシギはハマシギの群れの中に1羽で下面は赤褐色で、背と翼は黒、赤褐色、白の斑がある夏羽でした。記録撮影はかなわず、残念。(その他水鳥)14時前後から潮が満ちてきて、水面のあるか遠くに姿のあったユリカモメが近くに降り立ち、姿を観察することができました。頭部が褐色味のある黒の成鳥夏羽、雨覆や風切に褐色の斑が残っている第一回冬羽と出会えました。このほか、波打ち際を餌を探して忙しく動き回っていたコサギ。こんなに長かったのと思うくらいの冠羽が目立ちました。(写真)2026年4月17日撮影
2026.04.17
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水戸街道の宿場町として賑わった街の橋梁で長年チョウゲンボウが営巣・子育てをしています。日中は北よりの風が吹き抜けていました。チョウゲンボウは、風上に向かってはばたき、速度を得ながら翼のまわりに空気の流れをつくるウィンドホバリングと呼ばれる動きで揚力を得ています。しかし、風速20m前後の中では巣に出入りするのもままならない状態でした。それでも、外敵であるカラスの接近がないように追い払う行動を何度となく見せていました。風に飛ばされないように尾を下方向に向けて見張りポストで見張る姿はさすがでした。(タヒバリの羽衣のいろいろを観察できる醍醐味)前回訪ねた際には、20羽以上のタヒバリの姿がありましたが、その数は半減していました。しかし、ほぼ夏羽に換羽している個体、冬羽から移行中の個体と1羽ずつ違いがあり、見ごたえがありました。(1)夏羽に近い個体7枚目、8枚目の個体は、下面がバフ色で縦斑は冬羽(写真10枚目)に比べると少なめでした。この個体では眉斑は不明瞭と言われていますが、白くはっきりとしていました。(2)冬羽から夏羽に移行中の個体写真9枚目の個体は、眉斑が不明瞭で、下面の縦斑は冬羽より不明瞭でした。(3)冬羽個体写真10枚目の個体は、眉斑が短く目の後方あたりからありました。下面の縦斑がかなりありました。(ツグミのだるまさん転んだの姿勢)草地で餌を探していたツグミ、胸を張ったと思ったら背を伸ばし、翼を下げた姿勢で立ち止まりました。近くで遊んでいたお子さんがだるまさん転んだを知っているんですねとその姿を見てコメント。その探索は、聴覚を使って採餌をしているとも言われています。(地中のミミズは動く際に6400~7920ヘルツ(Hz)程度の非常に微弱な音を発すると言われており、突然立ち止まるのは、その音を察知していると考えられています)(写真)2026年4月16日撮影
2026.04.16
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今シーズンの初認は3月25日でした。過日、報告したように求愛期のステージにありますが、造巣場所はまだ決まっていないようで雌成鳥が比較的長い時間を林で過ごす姿が観察されています。雄成鳥の方は林に登場する頻度は限られた回数に留まっています。(これから造巣期に)造巣期に入ると、雄が巣に敷く青葉のついた枝を折って巣に運び入れる行動が見られるようになり、雌雄揃って林で過ごす時間が増えて雄が林に接近してくるハシブトガラス、オナガを追い払う頻度が高くなります。そして、抱卵期を迎えます。(ツミの視線の先)林の枝に止まっていた時、ツミの散瞳して瞬時にしてキジバトを追尾していました。明るい場所を凝視する時は縮瞳(瞳孔を小さく)、暗い場所を凝視する時は散瞳(大きく)して網膜に届く光の量を調整していますが、その速さにびっくりします。帰宅後、ツミをはじめとする猛禽類の目と視線がどうなっているかと獣医師の友人に質問をしてみました。紹介された狩野(2019)を閲覧してみると、タカやハヤブサなど猛禽では、両眼が前方につき、各眼球の網膜には中心窩が2つある。そのうち1つの中心窩は、もう1つよりも後頭側にあるため前方を向いている。つまり、より両眼視に適している」と記されていました。獲物を両眼視野の中心にあわせた後、その方向に追撃できるということがわかりました。(引用)狩野 文浩.2019.空飛ぶ鳥は何を見ているのか? 最先端センサー技術を用いた鳥の視線研究への挑戦.動物心理学研究 / 日本動物心理学会 編第69巻第2号.p1-15.(写真)2026年4月15日撮影
2026.04.15
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オフィスの最寄り駅周辺と隣駅周辺でイソヒヨドリの鳴き声を耳にしていたので、久しぶりに都市探索。まずは隣駅の1km圏内では、2羽のイソヒヨドリ雄成鳥がそれぞれ別の場所アンテナに止まり囀っている様子でした。姿を消したと思っていたツバメが消防署近くの電線に止まっているのを見つけました。続いて、オフィスの最寄り駅へ移動し姿を探すと、改修工事中の商業施設の一角で囀っている姿を見つけました。オオルリ似の「ホイピリーチョチョ」と聞こえる囀り、「ヒィーチョイ」と聞こる短い声を出していました。くわえて、嘴の長さがいつも見ている個体より長く、上嘴が下嘴よりも長く先端が下方向に垂れていました。参考までに昨シーズン同じ場所で繁殖していた雄成鳥の画像をアップします。(イソヒヨドリの鳴き声のレパートリー)今日聞いた鳴き声が伊澤・松井(2011)が「短いsongと長いsongでは使われる場面や機能が異なる。長いsongは他個体に対する直接的ななわばり防衛や求愛など実際に個体間のコンタクトの場面で使われ、短いsongは対象を特定せずに発するなわばりの宣言等につかわれる」と述べているようなものかどうか、観察を積み重ねていきたいと思います。(上嘴と下嘴の長さが違うイソヒヨドリ)上嘴が下嘴よりも長く先端が下方向に垂れているイソヒヨドリと同様の報告がないかを検索してみると、しらこばと(2020)に2020年4月16日の行事報告の中に「電線にイソヒヨドリ♂1、下の手すりや草地に降りたりしたが、一声も鳴かず。細長い虫をずっとくわえているのかと思ったが、よく見たら、クチバシの奇形。上下とも長く伸びて、イスカのようにクロスしている」と報告があります。林(2005)は、2000年代に入って嘴が奇形の野鳥に出会うことが増えたとし、国内での標識調査での記録写真を掲載し紹介しています。いつ、どんな種類で、奇形の内容などのファクトの積み重ねが必要だと思っています。(写真)2026年4月14日千葉県で観察・撮影(5枚目のみ2025年5月2日千葉県で観察・撮影)(引用)林 吉彦.2005.気になる野鳥のくちばしの奇形.Bird Research News Vol.2 No.3.p2-3.伊澤雅子・松井 晋.2011.イソヒヨドリ Bird Research News Vol.8 No.8.p4-5.しらこばと.2020.日本野鳥の会 埼玉 支部報.p7.
2026.04.14
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(コウノトリの里を訪ねて)今シーズン初めて野田市のコウノトリの里を訪ねました。田んぼの耕起がスタートしており、掘り起こされて登場する小動物などを目当てにアオサギ、ダイサギ、コサギがいろいろな角度から集まっている光景を見ながら、巣台に注目するとコウノトリの姿を発見。最初に巣台にいた個体と地面に姿があった個体が交代すると、地面に降りた個体がカエルと追われる獲物を嘴にくわえている光景を観察しました。このほか、林に止まって畔を動く獲物をゲットした後に上空を旋回していたサシバ、獲物を探しに出かけていたチョウゲンボウが帰還する姿、田んぼで餌探しをしていたコチドリをみつけたり楽しい時間を過ごしました。(柏の葉キャンパス駅近郊でカモの羽色のいろいろ)コウノトリの里を訪ねた後、近郊の柏の葉キャンパス駅近くの湿地に立ち寄りました。先週から今週にかけての雨で湿地の水位が上昇していたため、シギ・チドリの姿を間近に観察できませんでしたが、全体に明るい色調となっているハシビロガモ雌、頭部が光沢のある群青色に見えたハシビロガモ雄、一見するとトモエガモ雌やシマアジ雌に似たコガモ雌個体を観察しました。コガモ雌は嘴基部側面に黄色味があり、トモエガモ雌、シマアジ雌には黄色味はありません。また、顔つきにも違いがあります。この点については、後日改めて復習編を整理して提供したいと思います。(写真)2026年4月13日撮影
2026.04.13
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出先からオフィスに戻り、昼食をとった後にツミが飛来しいるフィールドにでかけました。昨日、ツミが上空を旋回していた折、ツバメから何度もホバリングをされていました。同様の光景が目撃できるのでは期待していましたが、かないませんでした。かわりにツミ雌成鳥の羽づくろいをしっかりと観察させてもらいました。胸から腹の羽毛をふっくらと膨らませ風を通し、続いて翼、尾羽の手入れ。ただし、今日は日光の具合でアップできる画像がないので画像は昨日のものをアップしました。ツバメのモビングで思い出したことがありますので、紹介しておきます。植田(2014)は、「コシアカツバメの縦縞は速さ擬態?~ ツミは縦縞のあるツバメを襲わない」と題して報告しています。内容は、ツミの繁殖地にツバメとコシアカツバメの剥製を設置し、それをツミが襲うかどうかを記録したとするものです。そして、「ツミはツバメの場合でもコシアカツバメの場合でも胸に線のないものは襲うけれども線のあるものはあまり襲わない」、「縦線で速く見せることによって獲物があきらめてくれる」、「スピード効果線は実際にツミが襲うかどうかの判断に影響しているよう」とフィクションと断り記しています。しかし、後述するように、ツミが樹冠に止まっているところをマヒワがモビングしていたとの観察報告があり、縦斑のある種類を襲わないという仮説は現実味を帯びています。(マヒワがツミにモビング)しらこばと(2011)が2011年2月に「ツミ1羽が樹冠にとまっている所をマヒワがモビング」していた観察記録を紹介していました。マヒワ雌の下面には褐色の縦斑があります。このため、ツミはマヒワを襲わないという仮説を考えられます。下面に縦斑がある小鳥では、エビビタキ、タヒバリ、マヒワ雌、カシラダカがあげられますが、これらはツミに襲われることがないのかどうか注目してみるのも一興ではないかと思います。(そもそもモビングとは)小鳥のモビングは擬攻撃とも呼ばれ、タカやフクロウ、カラスに対して集団で体当たりをしたり、泣き叫ぶなどの追い払い行動が知られています。ただし、カラスは猛禽類が接近してくると鳴きたてて追い払う行動を見せます。これもモビング行動と言われています。(引用)しらこばと.2011.野鳥情報.p6.日本野鳥の会埼玉 支部報.植田睦之.2014.コシアカツバメの縦縞は速さ擬態?~ ツミは縦縞のあるツバメを襲わない ~.2014年4月1日号.pp1.(写真)1枚目から4枚目:2026年4月5日撮影、5枚目2021年5月30日千葉県、6枚目:2023年5月24日茨城県
2026.04.12
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使う巣の場所が決定した模様のサシバペアの様子を観察しに出かけました。到着してからのルーティンは、ペアの姿の位置関係を把握することから始めます。そうでないと、営巣した場所に出入りしなくなったり影響を与えてしまうからです。(テリトリー防衛と餌探しに全力投球のサシバ雄)雄の姿は谷津田を見渡せる最も高い木のてっぺんにありました。その後、田んぼ脇の電柱に止まり、畔を移動する小動物の動きを凝視し捕獲。(写真1枚目、2枚目を参照)途中、上空にオオタカ、トビが出現し飛翔し追い払うために一時的に渡去しました。(この2種は、サシバと同様に見晴らしのよい場所に止まり待伏せ型の狩りをしますので餌場が重ならないように防衛しています)(営巣場所の近くの電柱で雄の帰りを待つ雌)雄が狩りに出かけている間、雌は羽根の手入れに没頭。前日の雨で手入れができなかったのでいつもより念入りの印象を受けました。雄が出かけて30分弱経過した時、ピークィーと鳴き声をあげたのでどうしたのかと待機場所から確認すると、雌の止まっている電柱に雄が飛来し小さな虫をプレゼントした模様でした。(写真6枚目、7枚目)その後雌は、電柱の直下の畔に動く小動物を発見した模様で凝視している様子を観察し、谷津田を後にしました。(写真)2026年4月11日撮影
2026.04.11
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鳥友から東京湾沿岸にサルハマシギが飛来したとニュースをもらいました。頭から胸にかけてバフ色で上面が褐色味があったとのことですから冬鳥または幼鳥個体と思われます。朝から荒天となり観察がかないませんが、サルハマシギの撮影画像を復習していました。(サルハマシギと類似種ハマシギ)サルハマシギとハマシギは、上面が灰褐色で下面が白い冬羽、第一回冬羽では識別が難しいといわれます。嘴が長くて下方に湾曲しているなど、似ている印象がありますが、嘴の形状の違い、足の長さに着目して観察することをおすすめします。(1)嘴の形状についてサルハマシギの嘴はハマシギよりも緩やかに湾曲し、先端が細いのが特徴です。(2)嘴峰長について(*)(嘴の先端から基部の長さ)サルハマシギの嘴峰長は43-38mm、平均41mm、ハマシギは42-31mm、平均31mmです。(*)榎本佳樹.日本産鳥類測定表.野鳥便覧下巻.pp170野外で観察していると、ハマシギと同じ程度の嘴の長さの個体も見かけますから、目安のひとつです。(3)餌の取り方の違い観察していると、サルハマシギはハマシギに比べて嘴を細かく動かす傾向があるように思います。(写真)サルハマシギ、1枚目、2枚目:2014年4月29日習志野市、3枚目:2014年5月4日習志野市、いずれも第一回冬羽ハマシギ、4枚目:第一回冬羽、2014年9月14日船橋市、5枚目:第一回冬羽、2024年9月20日茨城県で観察・撮影
2026.04.10
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昨日、茨城県の蓮田エリアを訪ね、オジロトウネンほかを観察してきました。オジロトウネンは、夏羽を除くと上面の灰褐色味が強く、体が小さいので識別が難しいと言われます。昨日の観察個体とおもな羽衣を整理してみました。(昨日の観察個体)上面が灰色で目立つ斑はなく、胸から腹が白色でした。(写真1枚目、2枚目)肩羽に褐色の新羽が認められ、雨覆にサブターミナルバンドと思われる羽があり第一回冬羽と思われます。(1)成鳥冬羽写真3枚目、4枚目は同じ日の姿を観察した個体です。3枚目の個体は上面が灰色で、頭部は無斑で眉斑は認められません。4枚目の個体は、上面が灰褐色で、全体はのっぺりした印象があります。(2)成鳥夏羽写真5枚目は、肩羽の軸斑が黒く、一部淡い橙色の羽縁が認められる夏羽個体です。(類似種との識別)・オジロトウネンは、短くて黄色(光線や角度によって黄緑)の足です。トウネンは黒いので姿をみつけたら確認したいポイントです。(写真)1枚目、2枚目:2026年4月8日撮影、3枚目、4枚目:2020年3月1日撮影、5枚目:2024年8月8日撮影、いずれも茨城県。
2026.04.09
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茨城県の広大な蓮田エリアにシギチドリの姿を探索しに出かけました。隣接する川にはコガモ、カルガモ合計で120羽前後が羽をやすめていたと思ったら、蓮田エリアではセイタカシギ、ムナグロ、オジロトウネン、タカブシギ、ツルシギ、クサシギ、タシギの姿を見つけました。(シギ・チドリの観察メモ)・ツルシギは泳ぐことを厭わないふうで泳いで移動し餌を探していました。下嘴基部の赤さ、羽が白い部分と羽軸の灰色でまだら模様に見え、腰が白さを観察しました。・セイタカシギは、頭の黒色部が淡色で上面が成鳥に比べて淡色の第一回冬羽、頭が黒色で上面が青黒色の成鳥個体を観察しました。・ムナグロは、上面に黄色味があり、下面に黒い羽がまじる冬羽から夏羽に移行中の個体を観察しました。・オジロトウネンは、上面が灰色で目立つ斑はなく、胸から腹が白色の冬羽個体でした。(4/9訂正:肩羽に褐色の新羽が認められ、雨覆にサブターミナルバンドと思われる羽があり第一回冬羽と訂正させてもらいます)・タカブシギは眉斑が目の後方まで伸び、翼の羽縁か白い幼羽と思われる個体でした。(トビは昆虫類が好きな個体と魚が好きな個体を観察)トビは蓮田に隣接する電柱に上に止まり、昆虫類を捕獲していた個体と川の水面に設置されている工作物に止まり水中の魚を捕獲していた個体と両方を観察しました。(蓮田の隣接する水田脇の電柱にはサシバの姿)帰り道、水田脇の電柱にサシバが止まり、畦を移動する小動物を捕獲していた個体を観察しました。この界隈ではサシバは複数の姿があり、繁殖期は餌を採餌する姿をよく見かけます。(写真)2026年4月8日撮影
2026.04.08
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アトリ科のシメは、大きな嘴で地面で採食している姿を冬中観察できました。4月に入り渡去する時期を迎えますが、その嘴の色が変化すること、雌雄のコミュニケーションがどのようになっているかと鳥友から質問をもらいました。(嘴の色の変化)シメの嘴は冬はピンク色ですが、繁殖期になると雌雄共も鉛色に変化します。嘴は骨の表面をケラチン(皮膚の角質層)が覆ったもので、外皮がはがれて色に変化すると言われています。嘴の色に注目して記録写真を見返してみると、1月から3月初旬はまだピンク色(写真一枚目、二枚目)ですが、3月半ばを過ぎると嘴基部に近い部分が鉛色に変化(写真三枚目)、3月下旬ななると鉛色になっている面積が広い個体(写真四枚目)とピンク色の面積がかなり残っている個体(写真五枚目)を同じタイミングで見かけます。色の変化は、フェイスシールドのようにぺりっとはがれるわけではなさそうです。(シメの地鳴きと囀り)蒲谷(1996)が「越冬地の本州より南の地方では10月中旬から5月上旬まで見られその間地鳴きが聞かれる機会がある」と述べ、地鳴きの声について「チッと短い声を出すものやピチッというきつく聞こえるものなどがある」と報告しています。さらに、「囀ることは極めて稀」としながらも「チューピッピッピピィ、チィッチィッという声を1回だけ聞いたことがある」と記しています。(嘴の形状が似ているカエデチョウ科ブンチョウのコミュニケーション)カエデチョウ科ブンチョウは、紅色の嘴か太くシメと嘴の形状が似ている印象があります。相馬(2021)が「オスが歌とダンスを表出し、歌を持たないメスはダンスのみで応答する」と報告しています。さらに、求愛をはじめてからペアリングに至るまでを観察すると、「嘴で出す音でコミュニケーションを交わしている可能性が高い」と記しています。シメの雌雄のコミュニケーションがどのようにとられているかに関する研究は見当たらず、ブンチョウのように嘴で出す音でやりとりすることはないのかと興味は尽きません。(引用)蒲谷鶴彦.1996.日本野鳥大鑑.下巻.p133.小学館.相馬雅代.2021.鳥類の非発声音コミュニケーションの機能と進化.—求愛信号の多様性からの考察—.日本音響学会誌77巻10号.pp664-671.(写真)1枚目:2017年1月23日松戸市、2枚目:2026年3月2日柏市、3枚目:2026年3月19日柏市、4杭目、5枚目:2026年3月25日柏市で観察・撮影
2026.04.07
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先月27日にサシバを初認してその後の様子を見に出かけました。サシバの生活ステージは、求愛期(テリトリー誇示や求愛給餌)、造巣期(雄が巣材運びと造巣、雌は主に産座つぐりを担当)、抱卵期、巣内育雛期、巣外育雛期から構成されています。(求愛期の雌はなわばり内でたたずみ、雄がひたすらテリトリーを守り、餌探し)今日訪ねた谷津田では雌が例年巣作りしている一角の電柱小一時間以上止まっていたのに対して、雄はテリトリーに侵入してきたハヤブサ、トビを追い払い、雌への求愛給餌の餌探しに余念がありませんでした。電柱のてっぺんに止まり、水田の畦を動く小動物を捕食する光景を目撃しました。捕獲した餌は電柱に止まる雌に運搬し、さらにそのあとも餌探しをしていました。雌からすれば、雄の餌獲得の能力、テリトリー防衛の能力などを求愛期に見極めているのかもしれません。(サシバの雄、雌の特徴)雄は頭が灰色味があり、胸が茶色、対する雌は眉斑が雄に比べると目立つこと、胸が斑状となっています。(サシバが住む谷津田には食べ物のヘビ、カエルが豊富)水田が耕作されている谷津田ではサシバが餌とする両生類(カエルなど)、爬虫類(シマヘビ、ヤマカガシ)、哺乳類(ネズミ)、昆虫(カミキリなど)、その他(ムカデなど)が豊富です。これらにくわえて、草刈が行われているのでサシバが餌を捕獲しやすいということも大事に要素となっています。農家の営みとサシバの暮らしが結びついていることを表しています。(写真)2026年4月6日撮影1枚目から4枚目:雌成鳥個体、5枚目から7枚目:雄成鳥個体
2026.04.06
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ツミが飛来した林にでかけました。雌が枝にとまり周囲を見渡していましたが、雄の飛翔する姿が見えるとキーキーと鳴き声をあげて呼び寄せ、雄が降り立ちクウクウと声をだし雌を呼び寄せペアリング。そのあと、雄が上空を鳴きながら飛翔している姿を目撃しました。どうしてだろうと見上げていたら、ハイタカが飛翔しており追尾しているようでした、3月には2回姿を目撃していたものの、雌雄が同じ林にいるのは今日が初めてでした。ツミの繁殖ステージは、求愛期、造巣期、抱卵期、巣内育雛期、巣外育雛期に区分されます。今朝の行動は求愛期の段階と思われ今朝観察した林で造巣するかは今後注目です。(ハシブトガラスとの攻防)ツミの営巣に適した木はそれほど多くありません。しかし、近年、ハシブトガラスの営巣木が競合したり、近い状況が発生しています。ツミがシーズンになって姿を現すとカラスが生息している場合には林とその上空の制空権をカラスから奪取する光景を目撃します。奪取した後、造巣行動に入っています。ハシブトガラスは、人間が出すゴミに比例して個体数が増えることが知られています。カラスの個体数が増加しているエリアでは、ツミの造巣や産卵後の抱卵放棄となることが多い印象があります。今シーズンも造巣場所が決まったらその近隣住民の皆さんに協力をお願いしながら見守りをしていきます。(写真)2026年4月5日撮影
2026.04.05
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雨のやみ間にオフィス近くのコチドリ飛来地を訪ねました。畑地を動き回り活発に採餌していました。通りかかった市民の方に朝日新聞に「都会の鳥は人が近づいてもなかなか逃げないと掲載されていたが、この鳥(コチドリ)もこんなに近くに来る(最接近した時の距離は2m程度)んだね」とお話しを伺いました。(朝日新聞の掲載記事の概要)3月30日の朝日新聞に掲載されていたのは、東京都心と茨城県南部の農村で繁殖している7種(スズメ、ハシブトガラス、ムクドリ、キジバト、シジュウカラ、ヒヨドリ、ハクセキレイ)について逃避開始距離の測定を行った結果を報じたものでした。調査では、東京の個体の警戒性が顕著に低下している結果が得られ、一例としてスズメの逃避開始距離は、茨城の115個体の平均が11.1mで一部の個体は20mを超えていたのに対し、東京の82個体の平均は4.2mで10mを超えた例はほとんどなかった旨が記されていました。なお、東京における警戒性の低下は比較的短期間に起こったもので、世代を経て獲得された遺伝的な変化ではないことも添えられていました。なお、報道されたのは、2026年1月17日に独立行政法人国立科学博物館がプレースリリースに記載されていた内容の一部でした。(ヒトとトリの距離について)浅野ほか(1996)は、鳥類が人間の存在や干渉に対してストレスを感じない距離に関する知見を整理し報告しています。接近を許す距離について「種によって人間の接近を許す距離が異なってくる(中略)小型鳥類で30-50m、大型鳥類で100-250mほど」と述べています。あわせて、鳥類の人間に対する認識とその能力について、人間がまっすぐ巣に歩いているか、巣をそれで通り過ぎるか、馴れている周辺の人間を識別する旨を記しています。オフィス近くのコチドリが比較的近い距離まで接近してくるのは、区画された畑地で中には人が立ち入らないこと、買い物などで人が通過していくのみであることも関与しているものと思われます。(引用)浅野 文・島谷幸宏・渡辺裕二・渡辺昭彦.1996.ヒトとトリの距離-ヒトとトリの共存関係を求めて-土木計画学研究論文集.第13号.p303-312.国立科学博物館.2026.都市の鳥はリスクを回避しない傾向をもつ~大都市東京で野生鳥類の警戒性の低下を実証~.pp4.(写真)2026年4月4日撮影写真1枚目、3枚目:雄成鳥(嘴基部、過眼線、前頭は黒く、黒い前頭と褐色の頭頂の間に白い線があります)写真2枚目、4枚目:雌成鳥(過眼線の黒色に褐色味があります)
2026.04.04
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4月に入っても三郷市側の土手ぞいは菜の花が咲きほこっていました。平年3月から4月はイカルチドリ、コチドリ、タゲリといったシギ・チドリ類と出会えるので楽しみにしています。JR三郷駅から徒歩で土手下のグランド脇を北方向に向かって探索。(鷹匠の訓練の光景)人気のないグランドの一角で鷹匠が2羽のタカを訓練している光景を目撃しました。茶色と白の各1羽がトレーニングしていました。このうち、茶色のタカが鷹匠の方向からそれて地面に降り立った後にポールのとまる事態が起こり、その時に撮影したのが写真1枚目、2枚目です。肩や翼に茶色、風切がこげ茶、嘴は鉛色で基部が黄色でモモアカノスリ(Parabuteo unicinctus)の若鳥ではないかと思われました。(成鳥は肩や腿が鮮やかな赤褐色になり、白と黒のコントラストがはっきりした尾羽で、観察した個体には尾羽の白黒はない)この個体を観察していると、上空にトビ、ノスリが相次いで登場。(グランドには20羽をこえるハクセキレイが食事中)グランドの地面で採餌に余念のない小鳥が集まっていたので確認してみると、ハクセキレイでした。しかも、上面の黒さが目立つ雄成鳥夏羽、背か灰色で黒い羽が入る雌成鳥夏羽、頭に黄色味のある第一回冬羽の姿を観察できました。くわえて、地面にいる虫を採食するのに姿勢を低く突進していく個体を見かけました。先月訪ねた際には、タヒバリが集まっていましたが、ハクセキレイに置き換わっており、餌の豊富さが人気の的なのかもしれません。尚、タヒバリは1羽が縁を移動していたのみでした。(菜の花が咲き誇るエリア)菜の花が咲き誇っている土手下では巣に出入りするヒバリを複数目撃。巣材をくわえて戻る個体、餌をくわえて帰還する複数の個体といろいろでした。このほか、近くのビル屋上でイソヒヨドリ雌成鳥(上面に青色味があり、下面が鱗状)がピーチョヒと囀っていました。(写真)2026年4月3日撮影
2026.04.03
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4月に入ると水田にムナグロが飛来し、初夏到来を実感できます。胸が黒いチドリ科ムナグロとダイゼンの違いについて質問をもらうことがあります。違いについて整理してみました。(ムナグロとダイゼンの飛翔している場面の決定的な違い)決定的な違いは、ダイゼンの脇羽は黒く、ムナグロの脇羽は黒くないことにあります。飛翔している時にこの点を確認できれば遠距離であっても種類の同定が可能です。ダイゼンでは年齢に関係なく翼下面の大部分が白く黒い脇羽が目立ちます。対するムナグロは、翼下面は淡い灰褐色で、脇羽は淡褐色でありません、また、飛翔時に見えるムナグロの腰は褐色斑があり白く見えず、翼帯は不明瞭です。ダイゼンでは飛翔時に翼上面に明瞭な白帯が出て腰が白く見える点で違いがあります。(ムナグロ雄夏羽について)ダイゼン雄夏羽は、頭頂が白く、顔、腹が黒く、体上面は白く黒斑が散在します。ムナグロ雄夏羽では、頭頂には黄褐色斑と黒色斑があり、ダイゼン夏羽のように白くはありません。額から側頸、脇に続く白い帯は下尾筒まで続いていて体上面は黄褐色、黒色、白色の斑模様があります。(写真1枚目、2枚目のムナグロと7枚目のダイゼン成鳥をご覧ください)(ムナグロ夏羽、冬羽から夏羽に移行中の個体)写真3枚目から5枚目が冬羽から夏羽に移行の個体です。同じ水田に採餌しているムナグロを観察していると、実に羽衣はいろいろです。写真5枚目のような顔の黒色が不鮮明で下面の黒色斑がで始まった個体を見かけたと思ったら、換羽が進行して3枚目、4枚目のような顔や下面の黒さが濃くなっている個体と遭遇します。(ムナグロ幼羽)写真6枚目は手前が幼羽、奥が冬羽から夏羽の換羽が進行している個体です。幼羽は冬羽に似ていますが、眉斑の黄色味が強く、背や翼の黄色味が出ています。(ダイゼン雄夏羽について)写真7枚目はダイゼン成鳥夏羽です。頭上、背、翼に白斑が散在しています。くわえて、額から脇にかけての白い帯が目立ちます。ダイゼンの頭上は白色ですが、ムナグロの頭上は黄・黒・白の斑があります。このほか、ダイゼンは頚が太く、嘴も太い印象があります。(ダイゼンの冬羽から夏羽に移行中の個体)写真8枚目は、ダイゼンの冬羽から夏羽に移行中の個体です。顔と下面の黒色が濃くなりつつあります。(写真)1枚目:ムナグロ、2020年4月26日印西市、2枚目:ムナグロ、2022年5月4日手賀沼沿岸、3枚目:ムナグロ、2000年5月3日茨城県、4枚目:ムナグロ、2020年4月25日手賀沼沿岸、5枚目:ムナグロ、2019年4月24日手賀沼沿岸、6枚目:ダイゼン、2021年4月28日船橋市、7枚目:ダイゼン、2022年4月21日船橋市で観察・撮影
2026.04.02
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先月30日オフィス近郊の畑地でコチドリを見かけました。飛来しているのは雌雄合計4羽で、雄がピュオーと鳴きながら上空を旋回したり、畑地の地面を雌雄で並走し突進したり、雄がピピピッと雌を呼ぶ鳴き声を発していました。雌が体を水平に維持しているところに後ろから雄が接近しペアリングの光景も目撃しました。(足で畑地の土を小刻みに叩いて虫を追い出す)畑地を歩きながら突然突進し、急停止して地面のミミズのようなものを採食したと思ったら、土を小刻みに叩く動きを見せ小動物を追い出す光景を目撃しました。写真1枚目から4枚目がその光景です。(1枚目はミミズのようなのを捕食、2枚目と3枚目は地面を震わせるような動き、4枚目は地面を叩く動きを記録したものです)笠原(2020)がコチドリの採食行動について「歩きながら、もしくは突然走り出しては急に止まるなどして、地表面の食物をくわえとる。片足で泥の表面を小刻みに叩いたり揺すったりして、昆虫などを追いだして採食することもある」と報告しています。どこかでその行動を見てみたいと思っていましたが、身近な環境で遭遇できました。(公園の一角で嘴が鉛色になったシメと遭遇)冬羽ではピンク色の嘴だったシメの嘴が鉛色にかわっているのを観察しました。頭部はきれいな黄土色で、風切が濃紺で基部に白斑があり、一部先端が角張っている特徴をおさらいできました。(ツグミ雄の黒っぽい個体、赤褐色味のない雌を観察)ツグミは、頭上・胸から脇が真っ黒な個体から全体に褐色味が淡い個体までさまざまな個体が地面で採餌する姿がありました。(写真)2026年4月1日撮影(引用)笠原里恵.2020.コチドリ Bird Research News Vol.17 No.4.p1-2.
2026.04.01
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3月17日に環境省が公表した「第5次レッドリスト(鳥類及び爬虫類・両生類)」の解説版である第5次レッドデータブックに掲載されている種類について注目される種類について紹介します。アマサギは、今回はじめて掲載された1種です。手賀沼とその周辺地域での明治から令和までの動向などを整理してみました。(概要)環境省(2026)は、「全国の水辺に生息する種で主に留鳥だが、北日本では夏鳥。1970年代より継続的に減少しており、湿地の減少や水田の整備などによる生息環境の悪化が原因と考えられる」と報告しています。近年の状況として「1997-2002年に実施された全国鳥類繁殖分布調査、1993-1997年に実施された東京都鳥類繁殖分布調査がある。いずれも減少が示されている」、「2016-2021年に実施された全国鳥類繁殖分布調査および東京都繁殖分布調査がある。また2008-2022年の減少率を推定したモニタリングサイト1000里地調査でも-9.4%/年の減少が示されている」と記されています。(手賀沼とその周辺の状況)我孫子市(2012)は、標本と文献に報告のある鳥類について報告しています。(1)明治から昭和にかけての記録明治期ではクイナ類の正確な記録は認められないが、大正期ではクイナ、バン、オオバンの3種の記載があると記しています。ただし、大正期以降の文献以降にはクイナ、バンについて記録が認められず、1965年頃にそれ以前よりも減少傾向にあったとの記述があると述べています。(2)昭和から平成のかけての記録手賀沼の鳥(2004)に1973年以降毎年観察されているとの報告があり、あわせて1977年から2002年に行った個体数調査では季節による変動は少ないものの、6月に最も減少すると記されています。(3)令和においての記録昭和から平成にかけてと同様に季節による変動は少ないが、2020年頃より繁殖期では手賀沼以外で観察されることが増え、2025年8月には柏市内商業施設近くで幼鳥7羽が誕生しています。バンは水草の茂る静かな止水域を好むこと、水面に浮かぶ水草、小動物や水にむぐって水底の水草、水田の中の昆虫類を採食することが知られています。北千葉導水路導入以降手賀沼の水位が上昇し、水草が壊滅したこと水面で小動物が採食できなきなったために手賀沼から周辺地域に移動して繁殖をはじめたのではないかと考えられています。(引用)我孫子市.2012.我孫子市自然環境調査 鳥類調査報告書.p83-84.手賀沼の鳥.2004.手賀沼の鳥Ⅱ.p164.我孫子野鳥を守る会.(写真)1枚目:成鳥夏羽、2024年4月22日柏市内、2枚目:成鳥冬羽、2023年1月2日柏市内、3枚目:ヒナ、2025年9月7日柏市内、4枚目:幼羽、2025年9月7日柏市内、5枚目:幼羽、2024年7月26日柏市内、6枚目:幼羽、2024年9月23日柏市内で撮影5枚目のような個体はシロハラクイナに似ています。ただし、脇に白斑があること、下尾筒両脇が白い点がバンの特徴です。
2026.03.31
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水戸街道の宿場町として賑わった街の橋梁で長年チョウゲンボウが営巣・子育てをしています。今日、現地を訪ねましたら、チョウゲンボウは7羽に増えていました。うち2ペアが営巣場所を決めた模様で、ペアでディスプレーフライトを披露したり求愛給餌の光景が見られました。(チョウゲンボウの営巣場所は最終的には雌が決定)求愛給餌を行った後、雄が何回も営巣場所に出入りし中を整えてから、巣から近くの橋梁に止まっていた雌に鳴き声で合図し、ペアリング後に今度は雌が巣に入った後今度は雌が雄を呼びここでいいわよとばかりの返答の声を出していました。(写真3枚目から6枚目)(広大なグランドには多数のツグミ、でも雌は1羽広大なグランドでは複数のツグミが採餌する姿を見つけました。でもコントラストの淡い雌個体は1羽のみでした。多くの雄にガードされながら渡るのかしら。(下面が赤褐色のタヒバリは多数)グランドで採餌していたタヒバリは総勢20羽以上を数えました。大半の個体は下面が赤褐色となっており冬羽から夏羽に移行中の個体でした。ただし、1羽はホオアカのような胸に黒い帯が見えました。(川沿いの草地で複数のベニマシコを発見)草地でフィフィと鳴きながら移動する複数のベニマシコの姿を見つけました。羽毛の赤色が艶やかで、大雨覆、中雨覆の白斑が2本の翼帯となっているのを観察しました。(写真)2026年3月30日撮影
2026.03.30
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3月17日に環境省が公表した「第5次レッドリスト(鳥類及び爬虫類・両生類)」の解説版である第5次レッドデータブックに掲載されている種類について注目される種類について紹介します。アマサギは、今回はじめて掲載された1種です。手賀沼とその周辺地域での状況とあわせて紹介します。(概要)環境省(2026)は、「1990年代頃まで各地で多くの個体数が認められたが、その後、確認地点数や個体数が顕著に減少している」と報告しています。近年の状況として「1980年の全国アンケート調査では、37県・79ヶ所のコロニーで確認された集団繁殖性サギ類のうちアマサギは10%(約4,800個体)で、ゴイサギ、コサギに次いで3番目に個体数の多い種だった。1991~92年の全国調査でも、現地調査が行われた国内主要3地域のコロニーにおいてアマサギは22.1%を占めた。(中略)全国鳥類繁殖分布調査では1990年代と2010年代にほぼ同じコースを調査できた全国1,947地点のうち、アマサギの記録は117地点から38地点に大きく減った。茨城県のサギ類コロニーにおけるアマサギの推定個体数は2002〜2012年にかけて減少傾向で、約4,000個体から約2,000個体に半減」と述べています。(手賀沼とその周辺地域)1977年以降、継続して観察されているものの、2020年以降多くが10羽未満が観察されるのみとなっています。2020年以前では、2001年9月に手賀沼で82羽が沼の杭に止まっていた姿や2006年8月に水田で56羽が採餌していた姿、2007年8月に49羽が水田で採餌していた姿、2008年8月9日に水田で63羽が採餌していた姿など群れで観察されていました。その後2010年9月に50羽程度が観察されて以降は、大半は10羽未満が観察されるのみとなりました。(アマサギの羽色について)藤岡(2006)は、形態、分布、生息、食性などに関して知見を整理し報告しています。羽色について「雌雄同色。非繁殖羽はほぼ全身白色だが、前頭部がわずかにオレンジ色をおびる。繁殖羽では、頭部から首と背中の飾り羽がオレンジ色のほかは白色。嘴と虹彩、目先の裸出部は求愛期には朱色や赤紫色になるが、ペアになると色あせ始め抱卵期までには黄色に戻る」と記しています。(サギの婚姻色について)婚姻色について種類ごとに整理してみると、次の通りです。ダイサギ: 目先が青緑色、脚が黒っぽく変化します。チュウサギ: 目先が黄色(黄色が強くなります)コサギ: 目先がピンク色や橙色になりますアマサギ: 頭部から首、背がオレンジ色になり、嘴・目先が赤みを帯びます。アオサギ: 嘴と脚がピンク色〜オレンジ色になるササゴイ: 嘴や目先、脚が赤くなります。(写真)1枚目:2014年4月20日手賀沼沿岸、2枚目:2018年6月16日手賀沼沿岸、3枚目:2020年6月21日埼玉県で撮影(引用)藤岡正博.2006.アマサギ Bird Research News Vol.3 No.4.p4-5.環境省(編).2026.第5次レッドデータブック:絶滅のおそれのある日本の野生生物 鳥類.環境省.東京.911pp.
2026.03.29
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オフィス近くの学校法人内で咲く桜鑑賞と飛来している鳥たちを観察しに出かけました。敷地内には、ソメイヨシノ、淡墨桜、河津桜、枝垂桜、大島桜といろいろな品種が植えられています。このうち、鳥たちが花蜜を吸いに飛来しているのはソメイヨシノと淡墨桜でした。(小鳥と桜)淡墨桜は、つぼみが薄いピンクで、満開で白色となり、散際は薄墨色となります。毎年この桜はヒヨドリがお気に入りで今日は20羽前後が飛来し花蜜を吸っていました。ソメイヨシノに比べて早く開花するのでそれが人気の秘密なのかもしれません。このほか、園内の枝垂桜にはメジロが15羽が飛来し、花蜜を吸っている姿がありました。花のピンク色とメジロの黄緑がコラボするので大好きな光景です。(ツミの成鳥雌と若鳥)キィキィキィと鳴きながら上空を飛翔し、成鳥雌が枝に降り立ったのち、別の個体が降り立ちました。双眼鏡で姿を確認しましたら、下腹部にハート型の斑の見えるツミの若鳥でした。てっきり成鳥のペアと思っていたので驚きでした。(その他の小鳥たち)園内ではシジュウカラ、ハクセキレイ成鳥夏羽、オナガ、キジバト、シメの姿も見かけました。(写真)2026年3月28日撮影
2026.03.28
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1978年に手賀沼沿岸で姿が目撃されて以来、毎年観察されているのがタカ科のサシバです。サシバが渡来しているかを確認するために柏市から印西市にかけての沿岸を探索しました。複数の谷で合計3羽のサシバが飛来していました。(観察できた個体について)写真1枚目から3枚目は同じ谷で姿を観察した成鳥雄個体です。頭が灰色、喉に黒線があり、眉斑は認められず、胸全体は褐色でした。写真4枚目から5枚目は前記の谷とは別のエリアで成鳥個体です。電柱に止まり地面を凝視している姿は武者のような印象がありました。写真6枚目から8枚目は同じ谷に姿のあった成鳥雌個体です。眉斑があり、喉に黒線があり。胸は斑状で腹には横斑が認められました。(絶滅危惧Ⅱ類に区分されたサシバ)先日3月17日に環境省が公表した「第5次レッドリスト」の解説版である第5次レッドデータブックには絶滅危惧Ⅱ類(VU)と報告されています。環境省(2026)は、「生息数はまだ少なくないが、関東南部では生息数が激減」、「生息環境である里地環境に悪化傾向があり、今後も改善が難しい」くわえて「道路脇や水田の畔の除草剤使用により、繁殖期間中の草地環境の消失も起こっている。これらは、採食場所の消失や食物資源となる両生・爬虫類や昆虫類の減少を引き起こしている可能性が高い」と記しています。手賀沼沿岸に飛来しているサシバを見ていると、畔で獲物を捕らえている姿を見かけます。谷津にすむ生き物の住処を維持できるように農家のみなさんと取り組みを強めてゆく必要があります。(写真)2026年3月27日撮影
2026.03.27
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4月に入るとセッカ科のセッカが姿を見せるようになります。探鳥会の折、リーダーがセッカの雄は「ヒッ、ヒッ、ヒッ」と鳴きながら上昇し、下降しながら「チャチャッ、チャチャッと鳴く一夫多妻性の鳥です」と解説しているのを見かけます。「一夫多妻ということは、雌が多いのでしょうね」と聞かれることがありますので理解をすすめるために知見を整理してみます。(1)セッカの一夫多妻性について上田(2006)は、セッカの形態、生活史、生態についての知見を整理し報告しいます。一夫多妻制については、「一夫多妻だが、特にメスの数が多いわけではない。ヒナの性比は、判定ができていないので断定はできないが、おそらく性比は1:1だろうと思われる」と述べています。くわえて、一夫十一妻となった例を紹介し、「1羽の雄が同時に11羽ものメスとつがっているわけではなく、次々とつくった巣にメスを引き入れて、連続的に一夫多妻になる」と記しています。(参考:オオヨシキリの一夫多妻性)ヨシキリ科のオオヨシキリも一夫多妻性の小鳥です。西海(2007)がセッカについて「一夫多妻制。オスの20~30%が2~3羽のメスとつがう半面、なわばりを持っても1羽のメスともつがえないオスが15%前後いる。同一なわばり内で複数のメスが別々に順次営巣する」と報告しています。(2)セッカの雌雄a.頭部上面と尾羽先端部上田(2006)が「繁殖期のオスの頭部上面は一様な褐色であるのに対し、メスの頭部上面は淡い褐色の地に黒褐色の縦班が存在するため、一見してザクザクした感じになる。この縦斑はメス幼鳥ではよく目立つが、成鳥ではいくぶん不鮮明になるので注意が必要。またセッカでは中央の2枚を除く、10枚の尾羽の先端部に白色部があらわれるが、この白色部分がオスでは鮮明であるのに対し、メスではかすかに褐色がかっている」と報告しています。茨城県稲敷市浮島で2020年5月に観察した個体(一枚目の写真)を見ると、たしかに尾羽先端部に白色が現れています。これに対して、2016年7月に浮島で観察した個体(二枚目の写真)の尾羽先端部をみると褐色がかっています。b.口の中の色上田(2006)は、「繁殖期のセッカでは、オスの舌及び上下の嘴の内側(つまり口の中)が真っ黒になる。メスは普通舌の基部に舌に平行に2個の黒班が存在する以外は嘴の内側は肉色」と記しています。(引用文献)上田恵介.2006.セッカ.Bird Research News Vol.3 No.5.p2-3.
2026.03.26
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柏市のオフィス近くの公園には、カワヅザクラ、カンヒザクラ、エゾヒカンザクラ、ソメイヨシノが植林されています。花見を兼ねて探索しました。(アルビノのカワラバト、ツミと遭遇)スタート直後、草地をカワラバトのアルビノ個体が移動する姿を観察しました。羽、胸から腹にかけて少し黒い部分があり、虹彩は橙色、足は紅色でした。その後、複数のオナガが鳴いていたのでその方向を注目していると、ツミ成鳥雌が登場。下面に黒褐色の横斑、背中や翼のに白い斑点がある個体でした。(シメの雌雄と出会う)雄(頭部が褐色で目先から喉が黒く、大雨覆が白い)、雌(頭部は淡い褐色、次列風切外弁と初列風切一部が灰色、嘴は基部付近が鉛色)が地面で種子をついばんでいました。雌は眼先は淡色でないので成鳥と思われました。(上嘴と下嘴の長さが違うオナガを観察)木のてっぺんに止まって鳴いていたオナガの上嘴が長く下嘴が短いのに気がつきました。何らかの要因で上嘴が異常に伸びた(*)のではないかと思われます。(*)石田(1988)が飼育下のアカゲラ雄の上嘴が脱落し再成長する過程や同じキツツキ類のコゲラ雌若鳥で上嘴が異常に伸びた後に元に戻った事例を報告しています。(引用)石田健.1988.Two examples of Upper Bill Abnormality in Woodpeckers,Dendrocopos major and D. kizukiKen Ishida、Abstract Two observations of the woodpecker bill in captivity.山階鳥研報.第20巻.p111-115.(写真)2026年3月25日撮影
2026.03.25
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青空が広がり、本格的な春を実感する朝となりました。鎌倉時代から戦国時代にかけて築かれた城山内と鎌ケ谷市から柏市の手賀沼に注ぎこむ全長7.9kmの大津川沿いを探索して歩きました。(手賀沼の原風景と水鳥たち)城山近くの大津川ではコガモが水面を移動し、浅瀬でオオバンが採餌する姿、泥地の浅瀬で長い嘴を使って採餌していたタシギ、チーリーリーと鳴きながら堤防に降り立ったイソシギを観察しました。(イソシギは肩羽、雨覆に黒い横線がみえていた夏羽でした)シギ・チドリは、2000年以前では大津川が注ぎ込む手賀沼河口周辺や北柏近くの大堀川河口先に広がる干潟でその姿が見られたものでしたが、北千葉導水路運用開始以降では手賀沼の水位がアップしたために観察記録が途絶えてしまい、手賀沼の原風景が残る今日のコースで僅かな個体と出会えるのみとなっています。(チョウゲンボウの求愛給餌とディスプレーフライト)キィーキィーキィー,キッキッキッと鳴き声が聞こえたと思ったら頭上に2羽のチョウゲンボウが登場。2羽で上方向に上昇したと思ったら何回も降下を繰り返すディスプレーフライトを目撃しました。その後、電線の上に雌が移動した後に雄とペアリング、そして餌場の草地へ移動し地面に降りて採餌をしている姿を観察しました。(春の川沿いは縄張り争いが熾烈)大津川の堤防周辺の低木と草地が広がるエリアは、モズをはじめとする小鳥たちの絶好の営巣地です。縄張りを確保したモズの雄が低木の枝にとまり、接近してくるツグミ、ジョウビタキ、ホオジロ、アオジといった鳥たちを何度も追い払う光景を目にしました。(里山ではムクドリ、ヒヨドリが堆肥集積所に集合し採餌)城山に近いエリアには何軒かの農家があり、田んぼの畔には体上面がかなり黒っぽくなったツグミ、堆肥集積所には20羽前後のムクドリ、ヒヨドリが集合し、ミミズのような餌をついばんでいるのを目にしました。このほか、公園の一角にある柳の新芽をついばみにヒヨドリが集合していました。(写真)2026年3月24日撮影(参考:交通アクセス)駐車スペースがないのでJR柏駅から大津ケ丘団地行きなどのバスを利用し、刈込坂バス停下車。徒歩にて大津川にかかっている中の橋から手賀沼方向、または芝浦工大柏高校方面の遊歩道を散策。なお、トイレは近郊の増尾城址総合公園、コンビニエンス利用の上利用するしかありません。
2026.03.24
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昨日、水戸街道の宿場町でチョウゲンボウそしてタヒバリを観察してきました。鳥友から冬から春に林が隣接する田んぼでは、タヒバリ・ビンズイ共に好む環境であり、両方観察できるが識別のポイントを終えてほしいと質問をもらいました。写真と共に特徴を比較してみます。参考となったら幸いです。(1)眉斑についてタヒバリについて、五百沢(2000)は、夏羽では淡い眉斑、冬羽では目の後あたりから短い眉斑がある、永井(2014)は基本的に不明瞭だが短い眉斑が眼の後方にある個体が多いと報告しています。昨日観察した個体(写真1枚目)では比較的長めに見えました。ビンズイについて、五百沢(2000)は淡褐色で明瞭で上に黒い縁取りがある、永井(2014)は明瞭な眉斑と報告しています。写真2枚目は2014年1月に松戸市で観察・撮影した個体で、眉斑が明瞭で上に黒い縁取りが見えます。(2)頭上から背にかけての色タヒバリについて、五百沢(2000)は冬羽は頭上から耳羽、背にかけてオリーブ褐色、夏羽は頭上から背は灰褐色、永井(2014)は上面全体は暗色で縦斑は目立たないと報告しています。ビンズイについては、五百沢(2000)は頭上から背は緑褐色で褐色の不明瞭な縦斑がある、永井(2014)は成鳥は上面に緑色味があると報告しています。写真1枚目と2枚目を比べると色の違いがおわかりいただけると思います。(3)耳羽後方の小さな白斑と黒斑永井(2014)は、ビンズイは冬羽では頬に小さな白斑と黒斑がある。夏羽では耳羽後方に小さな白斑と黒斑があると報告しています。写真2枚目をご覧になると、おわかりいただけるものと思います。(4)下面について五百沢(2000)はタヒバリの冬羽は下面は白く褐色で細目の縦斑が密にある、夏羽は下面が淡赤褐色、永井(2014)は冬羽は五百沢と同様の特徴を図示し、夏羽は顔から下面がバフ色で下面の縦斑は冬羽より少ないと報告しています。写真5枚目と6枚目をご覧になるとおわかりいただると思います。なお、タヒバリり縦斑は丸味を帯びているのに対してビンズイは太くてつながっているように見えます。(5)後ろ姿写真3枚目がタヒバリ、写真4枚目がビンズイです。タヒバリの上面が黒褐色なのに対しビンズイは緑褐色なのがおわかりいただけると思います。あわせて、ビンズイには上面に縦斑があることがわかります。(引用)五百沢日丸.2000.日本の鳥550.山野の鳥.p137、p140.文一総合出版.永井真人.2014.比べて識別 野鳥図鑑670.p173、p175.文一総合出版.(写真)1枚目、3枚目、5枚目:2026年3月22日茨城県で観察・撮影2枚目、4枚目、6枚目:2014年1月3日千葉県で撮影
2026.03.23
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水戸街道の宿場町として賑わった街の橋梁で長年チョウゲンボウが営巣・子育てをしています。二週間ぶりに現地を訪ねました。(チョウゲンボウの求愛給餌)1番の雌雄は、真っ先に飛来して今シーズンの営巣場所を決定した模様です。巣の近くで雌雄の求愛給餌を観察できました。餌を受ける雌はキィーキィーという鳴き声を出し翼を下げ細かくふるわせながら口を開け、まるで雛が餌をねだるような姿勢をとっていました。(タヒバリの羽衣が別種と思えるような艶やかに)成鳥冬羽は頭から上面が灰褐色で体下面がバフ色、黒褐色の縦斑があります。それに対してこの時期から上面の灰色味が増し、下面が赤橙色を帯びてきます。別種のような雰囲気を楽しめます。(ハクセキレイも夏羽に換羽)広大なグランドの上を複数のハクセキレイが餌探しで移動していました。ハクセキレイ成鳥雄は頭上から背が黒く、胸の黒さと雨覆の白さが際立ちます。雌は背が灰色味が強く、胸の黒色はオスに比べると面積は狭いものの目立ちます。地面を移動した後、時折垂直に飛び上がって昆虫を捕食する姿はお見事です。(その他)グランドとその周辺地域では、ツグミが餌探しに余念のない姿やホオジロ、モズが枝に一旦止まり巣があると思われるポイントに出入りする姿を目撃しました。このほか、最寄り駅周辺では、ビル屋上でイソヒヨドリが囀っていました。雄の姿は捕捉できなかったものの、雌が姿を現したと思ったら巣のあるあたりに移動していきました。(写真)2026年3月22日撮影
2026.03.22
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エナガは、冬はシジュウカラ、ヤマガラ、メジロと混群で行動をしていましたが、今朝オフィス近くの公園で目撃したエナガは単独で近くに単独のシジュウカラの姿があるのみでした。冬の混群は早春に解消され、一夫一婦制に移行し繁殖活動に入ったものと思われます。(エナガの地鳴き、警戒の声、音階の声)春からの楽しみは、エナガのコミュニケーション・コールのいろいろを堪能できる点です。エナガマニアを自称している赤塚(2012)が、観察記録や知見を整理しエナガに関して報告しています。その中で「ジィール・ ジィールという特徴的な発声の他、地鳴き的なジッ・ジッやチョッ・チョッ,警戒発声のチリリリリリなどバリエーションが 多く,同じ発声でも、速さを変えたり,スタッカートさせて異なる場面で使う。また、造巣期に限って聞かれる音階のある長めのソングを持ち、これは主として巣内で鳴き,おそら くはオスの発声であるが,明確な判定はできていない」と記しています。このほか、蒲谷(1996)が研究者の報告を整理し紹介しています。中村(1959)が5系統に区分しており、「単音のチッ、ツッ、今までの行動をやめる意味の「ツリュリュ、これはジュルリとも聞こえ警戒の意味も持つ」、「移動を主張するピーピピ、結集を要求するチルルルル、争いを含めた自己主張のツピッである」と記してます。フィールドで聞こえるエナガのさまざまな声を聞き分けるには、集中して耳を傾ける必要があります。(エナガの造巣について)エナガは、てコケを絡めて編み上げた楕円形の袋状の巣を作ることが知られています。赤塚(2012)には「表面にはウメノキゴケなどの地衣類,あるいはチップ状の発泡スチロールやティッシュのような人工物を付ける。(中略)内側から細い枝や樹皮から裂いた繊維で補強される。内部には他の鳥類の羽毛を大量に運び込む」と記されています。今朝は移動しているのみでしたので、これからの観察で注目したいテーマです。(引用)蒲谷鶴彦.1996.日本野鳥大鑑.下巻.p90.小学館.赤塚隆幸.2012.Bird Research News Vol.9 No.7.p2-3.(写真)2026年3月11日茨城県、2025年12月6日茨城県、2024年2月20日千葉県で観察・撮影
2026.03.21
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鳥友から3月17日に環境省が公表した「第5次レッドリスト(鳥類及び爬虫類・両生類)」が公表されリストの解説板である第5次レッドデータブックについて質問をもらいました。質問は、ハヤブサについてレッドデータブックに「2000年代に入り、これまで生息や繁殖が確認されていなかった地域で、個体の目撃や生息の事例が増えていることから、個体数は回復してきていると思われる」と記載があるが、手賀沼とその周辺地域での状況はどうかというものでした。(手賀沼とその周辺地域におけるハヤブサの観察記録)(1)昭和中期以降の観察記録我孫子市(1995)は、鳥類の生息状況について文献に報告されている記録をもらいました整理し報告しています。報告には、「1959年-1969年の間にトビ・クマタカ・チュウヒ・ハヤブサの4種が記録」、1970年から1980年代になると、ハヤブサを含むワシタカ類の記録があると記されています。(2)手賀沼とその周辺地域の観察記録1973年から2000年の間では観察記録は見当たらないが、2001年12月に手賀沼沿岸で観察されて以来断続的に観察されています。その後、繁殖期である2008年5月、2009年4月に姿が観察され、2020年8月には柏市内で飛翔する姿が目撃されています。さらに、2024年6月、2025年4月に柏市内で姿が観察されています。このうち、2025年4月では高層住宅の一角で繁殖の可能性が考えられる行動が見られています。(3)全国的なハヤブサの繁殖状況バードリサーチ(2025)は、全国145地点におけるハヤブサの繁殖状況について収集した情報を整理し報告しています。報告には「繁殖成績を営巣地タイプ別に比較すると、と自然崖では繁殖成功率が高く,人工崖や人工構造物では繁殖成功率が低い」、「繁殖に成功した巣の巣立ちビナ数について見ると,自然崖では巣立ちヒナ数が少なく、人工構造物では多いという傾向が見られました」と記されています。(4)レッドデータブックが指摘している生息状況の悪化報告には、「レジャーの影響による営巣放棄と思われる事例が確認されており、その他の地域でも同様の影響が指摘されている」と記載されています。(写真)2021年12月4日茨城県、2025年4月11日千葉県で観察撮影(引用)我孫子市.1995.我孫子市自然環境調査 鳥類調査報告書.p81-82.バードリサーチ.2005.ハヤブサの繁殖状況調2025年 年次報告.pp2.環境省(編).2026.第5次レッドデータブック:絶滅のおそれのある日本の野生生物 鳥類.環境省.東京.911pp.
2026.03.20
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オフィス近くの小さな谷津田を訪ねました。珍しい鳥の姿があるわけでもありませんが、訪ねる度に発見があります。(カルガモの水かきを使った漁)今朝は、谷津田の一角にある田んぼの中でカルガモ2羽が人間でいえば中腰で水の中で水かきで底にある植物の根を浮かせてそれを採食するという光景を目撃しました。雌の三列風切には淡い褐色斑が見られ、非生殖羽との違いを学びました。(ヒヨドリの花とのかかわりを目撃)ヒヨドリがハクモクレンの白い花をついばむところ、桜の花蜜を吸う姿を観察しました。花は子孫を残すためのいわば遺産で、栄養が豊富と聞いていますので、ついばむのも納得。帰宅後調べてみると、モクレンの花被片は9枚、外側の3枚は萼片状、内側の6枚が花弁状となっていると記されていました。特に花の中心の長い花托(かたく)に、多数の雄しべと雌しべがらせん状に配置されている点は原始的な被子植物の特徴なのだとか。桜の花蜜をすっていたヒヨドリの姿は実に変幻自在、逆さになったり上方向に姿勢を変化させたり桜に含まれているサクラニンによる覚醒効果なのかもしれません。(シメは成鳥が幼鳥をエスコートして移動)2羽の成鳥が越冬していましたが、今朝は成鳥1羽に第一回冬羽の姿を観察しました。頭が雄成鳥に比べると淡く、喉が黒くて印象としてはコイカル雌のような感じでした。北海道、本州以北で局所的に繁殖すると聞いており、成鳥と共に移動していくのかと興味は尽きません。なお、成鳥の嘴の一部が銀色のように見えました。夏羽の嘴全体が銀色となるので一度は見てみたいと思っています。(写真)2026年3月19日撮影
2026.03.19
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柏の葉キャンパス駅近郊の湿地帯を訪ねました。彼岸を迎える時期でが、複数のカモを見かけますし、湿地では長い嘴で草の根の周りや浅瀬で食物の生き物を探す地タシギ、飾り羽を丹念に手入れをしているコサギの姿を観察したり、楽しい時間でした。(オカヨシガモ雌の非繁殖羽)この時期に注目したいのがオカヨシガモ雌の羽衣です。春だから生殖羽になってしますよねと聞かれることがありますが、オカヨシガモ雌を見ていると非繁殖羽はよく見かけるのに、生殖羽を見かけることは少ない印象です。非繁殖羽では三列風切に薄橙色の斑はありません。生殖羽では薄橙色の斑があります。この特徴さえ確認できれば、寝込んでいる姿でも非繁殖羽と判断が可能です。(写真2枚目、3枚目の写真がオカヨシガモ非生殖羽です)(コサギの飾り羽の手入れ)繁殖期のコサギには、長い数本の冠羽、首から上胸部、上背面に飾り羽があります。コサギは本羽、大羽と呼ばれる正羽と名付けられている羽毛で体が覆われています。特に背面の飾り羽はその美しさに目を奪われます。不思議なのが、サギは羽毛の手入れはこまめなのに、ほとんど水浴びをしないような印象があります。夏の暑い日に水浴びをしているのを見かけることから体温を下げる目的なのではと思っています。(地面で囀るヒバリが見上げる先)草地でヒバリの囀りが聞こえ、空を見上げましたがヒバリの姿が見当たらずでした。ところが草地の地面で囀りを披露しているのを見つけました。先日埼玉県で空を上昇しながら上空で囀る個体と地面で囀る個体の両方を観察しました。当地でも同様でした。近くには、ハクセキレイのペアの姿があり、ヒバリに接近しましたが何事もおこらずでした。(湿地で採餌していたタシギ)6cmから8cm程度あると言われている長い嘴を湿地に突き刺して、ミミズを挟みとっている姿を観察しました。嘴の先端は箸のような形状ですが、どうやら上下に曲がるような見えました。写真記録には至らずでしたが、そんな瞬間をぜひ観察してみたいと思います。(カモの換羽)今日観察したカモのうち、頭部や胸が茶色になっていたのが、カルガモ、コガモでした。1月後半には胸が少し茶色の個体がいると印象だったものが、頭部と胸が茶色となるのがこの時期です。換羽のピーク前の状態と言われ、次のステージではボロポロの状態に変化していきます。換羽がピークとなると風切羽が全て脱落します。こんな視点でカモの羽衣に注目するのも一興です。(写真)2026年3月18日撮影
2026.03.18
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鳥友からキレンジャクの繁殖地、成鳥、第一回冬羽の羽衣について質問をもらいました。整理したものを提供します。(キレンジャクの繁殖地について)キレンジャクは、吉井(1988)が「北アメリカとスカンジナビア北部からシベリアを経てカムチャッカ半島までのタイガ地帯で繁殖」と述べているレンジャク科の鳥類です。ヒレンジャクはアルダン川、マヤ川上流域からアムール川・ウスリー川下流域までのシベリア南東部といったツンドラ地帯が繁殖地と言われているレンジャク科の鳥類です。タイガ地帯は亜寒帯に広がる針葉樹林帯で、針葉樹の種がキレンジャクの主な餌です。ツンドラ地帯は寒帯で永久凍土が広がるエリアで、夏は白夜で餌は豊富で冬は極寒のため暖地に渡りをせざるを得ないところです。(キレンジャクとヒレンジャクの識別)キレンジャクは過眼線が後頭に及ばないのに、ヒレンジャクの過眼線は冠羽に達します。尾羽先端は黄色で、ヒレンジャクの尾羽先端が赤い点と異なります。さらに、キレンジャクの次列風切の蝋状突起物は幼鳥や第一回冬羽では2つから4つしかないとされています。(キレンジャクの初列風切)(1)雄成鳥成鳥雄は成鳥雌に比べて初列風切の白線が太く、最外側先端が白いのが特徴です。写真1枚目は2009年3月8日山梨県で撮影した個体です。少し距離がありわかりずらさがあるものと思いますがご容赦ください。(2)雄第一回冬羽第一冬羽の初列風切外縁の白色部は、I字で黄色味があります。写真2枚目、3枚目は2020年2月23日さいたま市で観察・撮影した個体です。2枚目の個体の次列風切には複数の蝋状突起物が見えますが、3枚目の個体は突起物は1つのみでした。(3)雌成鳥撮影した画像があいにく手元にないことをご容赦ください。雌は雄に比べて初列風切の白線が細く、最外側先端は白くありません。(引用)吉井 正.1988.コンサイス鳥名事典.p180.p437-438.三省堂.
2026.03.17
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朝方小雨が降っていましたので、小止みを待ちオフィス近くの谷津田を訪ねました。道すがら畑地で複数のツグミやシロハラが餌を物色している姿を見ながら到着。到着すると、谷津田の一角にある柳に芽(*)についばむ複数のヒヨドリ、キジバトの姿にくわえてキョーと鳴きながらアカゲラも登場し花芽をついばみ、幹をつついて虫を捕食していました。(*)柳は、透き通った萌黄色の若葉を次々と出します。柔らかくて小鳥たちの大好物と言われており、レンジャク、キジバト、キツツキ類などいろいろな小鳥たちが飛来しています。(アカゲラが今春も登場)谷津田とその近郊では、2006年9月に初めて観察して以来、春と秋に出会う鳥です。49件の観察記録のうち、9月から11月が19件、2月から4月が17件、その他が13件の内訳です。これまでの観察では、ついばんでいるのは柳の芽、他樹木をつついてイモムシやカミキリの幼虫を採食しているのを観察しています。今朝、観察した個体は頭頂部は黒、後頭部に赤色部があり、肩羽に大きな白斑、白い腹部、風切が黒く白斑が入っている成鳥雄個体でした。(婿入りしたモズ雄の細やかさ)3月4日にモズ成鳥雄が谷津田に登場して以来、成鳥雌が畑地で餌を捕食する際にはその背後に雄が一段高い枝やフェンスにとまり地面で餌を探す雌をガードしています。今朝は近くの桜に降り立ったヒヨドリや複数のハシブトガラスが接近したときに追い払うような仕草を見せたりしていました。(コサギのダイナミックな採食)コサギが小さな池を移動しながら、水面を振動させて波紋をつくりに近づいてくる魚をくわえとる漁法を披露していました。捕獲して嘴の中に放り込んだ後に嘴を大きく開けていたのにはびっくり。飲み込む際に喉の膨らみを見ていると大物だった模様です。翼を広げ羽繕いをした後、また移動しながら新たな餌さがしに余念がありませんでした。このほか、ハシブトガラが屋敷林の林の枝を折っている姿を観察。巣作り用に運搬しているようでした。(その他)谷津田の一角にある池と水田では2羽のカルガモの姿、畑地では採餌するツグミ、シロハラ、地面に落ちいてる種子を探すシメの姿を見つけました。(写真)2026年3月16日撮影
2026.03.16
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昨日、吉川市で観察したヒバリ、空中で囀る個体と地上で囀っている姿を観察しました。複雑な声で鳴きながら上昇し、空高く上がったあと降りてくるまで囀るというイメージを持っている方がほとんどと思います。ところが、空中での囀りは営巣初期で、その他の時期は地上での囀りの方が多いと記されている研究報告があります。(ヒバリの囀りについて)羽田・小淵(1967)は、長野県小諸市でヒバリについて行った調査結果を報告しています。報告では「雄のサエズリは、空中サエズリ、地上サエズリの二種類があり、またサエズリは常に防衛行動と関連してなされている」と記されています。(サエズリの種類)空中サエズリについて「ナワバリ内の地上から飛び立ち、強くはばたきながらどんどん上空へへのぼり、一点で静止したり、静かに輪を描いたりしてさえずる。降りるときは,ほとんど直角くらいのことが多い」と述べ、地上サエズリについて「小高いところ(石、土もり、ネギボウズ)で静止し、さえずるもの、歩きながら採食もかねて、つぶやくようにさえずるものの二通りある」「サエズリは♂ だけが行ない、♀は単声だけを発する」と記しています。(空中サエズリと地上サエズリの割合)報告では、「地上、空中両サエズリの割合をみると、巣造り初期だけ空中サエズリが多くなっているが、それ以後の各期も全期を通じてもすべて地上サエズリが多い」と述べています。石田(2015)が「上空を飛翔しながら長い時間にぎやかにさえずる」「さえずり飛翔が本種らしい」と記しているのに代表される解説が常識と思ってきた方にはびっくりなことです。(ヒバリの減少の原因)ヒバリが減少していると言われて久しいのですが、大方は原因は定かでないと終えている報告が多い印象があります。せいぜい、農地などの平坦な環境に建築物が建つことによって生息適地の分断化が進んでいるのが一因と指摘しているのを見かける程度です。しかし、囀りは小高い箇所で地上囀りを行うので、石、土もりなどの存在が必須であり、平坦な土で舗装されてしまうことが減少の要因となっていることを忘れてはならないと思います。(引用)羽田健三・小淵順子.1967.ヒバリの生活史に関する研究 1.繁殖生活.山階鳥研報.第5巻.第1号.p72-84.佐々木茂樹.2008.ヒバリ Bird Research News Vol.5 No.3.p4-5.石田光史.2015.野鳥図鑑.p270.ナツメ社.(写真)1枚目・2枚目:2011年6月12日柏市手賀沼沿岸、3枚目・4枚目:2026年3月14日吉川市吉川美南で観察・撮影
2026.03.15
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