全2204件 (2204件中 1-50件目)

3月17日に環境省が公表した「第5次レッドリスト(鳥類及び爬虫類・両生類)」の解説版である第5次レッドデータブックにケリは情報不足と区分され掲載されています。情報不足との区分となった理由について「生息状況をはじめとしてカテゴリーを判定するに足る情報が得られていない」と記されています。また、概要で「繁殖地として農耕地をよく利用するため、耕作方法や耕作時期の変化などが、繁殖成績に影響を与えている可能性がある」と報告しています。前記の「生息状況をはじめとしてカテゴリーを判定するに足る情報」について、鳥友とやりとりをしていたところ、採食行動やどのような環境を選択しているか掘り下げてみようと文献などの知見を復習してみました。(視覚に頼った採食と休耕田の存在)兼島ほか(2012)は、岐阜県岐阜市の水田地帯において採食行動や環境選択に関して調査を実施し、採食行動や捕食物について報告しています。(1)採食行動について獲物を見つけて立ち止まり、走り出して、嘴を突き出してくわえ採る、つつき採食を基本としていたと述べています。周囲をよく見て獲物に狙いを定めて捕獲することから視覚に依存した捕食である点が特徴と記しています。さらに、72%の確率で停止したあと4歩進んで捕食行為を行うことが判明したと述べています。歩行前から捕食地点までの距離、4歩あまり前方までの視界が開けていることが採食環境のひとつとして考えられると報告しています。(2)捕食物にについて調査ではカエル6回、ミミズ39回、カタツムリ11回、水124回、不明644回との結果だったと記していますが水については同時にプランクトンや小型の水生昆虫を捕食している可能性を上げてます。また、水田のステージ別にみると、田植え前はミミズやカタツムリ類、田植え後期から中干前には前者にくわえてカエル類を捕食、中干期には小さな餌生物、収穫期にはミミズ類、カタツムリ類などを捕食していたと述べています。なお、草丈が40cmをこえて採食が困難となる中干期以降で休耕田に分布が移動していたと記しています。(帰還性の強さ)私共が2009年秋に千葉県流山市に広がる水田地帯でケリ11羽の姿をみつけて以来、2026年2月までの17年にわたりほぼ同じエリアでその姿を見かけています。しかし、物流団地の建設が進行中で隣接する水田地帯も売却され、次から次に造成がされているため、越冬地が風前の灯です。ケリは帰還性が強いのかもしれないと思い、文献で同様のことが記されていないかを調べてみました。すると毎年定期的に同じ営巣場所に帰還すると記載されている文献を見つけました。新保ほか(1999)は、1998年に野田市今上でケリが繁殖した件を報告しています。2009年秋から2026年2月の間の冬期に観察しているケリは、前記繁殖地から2km程度の距離しかなく、ほぼ同一エリアとみて差し支えないと思われます。繁殖期、冬期ともに生息していることになります。一体に広がる水田地帯であることがその生息を支えているとも考えられます。このほか、次の文献が同じ営巣場所で営巣、帰還性の強さにふれていました。脇阪ほか(2018)は、京都府京都府の巨椋池干拓地でケリに関して寿命と繁殖能力の調査を行った結果を報告しいます。報告の中に「毎年定期的に同じ営巣場所で営巣する帰還性の強い個体がいる 一方で、必ずしも営巣場所に毎年戻らずに、空白年を経て帰還する個体も存在した」「早成性のヒナは親鳥から給餌を受けずに自ら採餌する 。そのため ヒナが成長に必要な餌量を確保するには、同一田面に留まるよりも隣接田面へ移動する方が有利なのかもしれない」と報告しています。河地(2018)は、栃木県北東部で行ったケリの調査結果を報告しています。報告では「ケリは、年を隔てても同じ営巣場所を利用し続ける帰還性の強い鳥であることが確認された。しかも、雌よりも雄にその傾向が強く見られた。同じ営巣場所を継続して利用した年数は,雌が平均2.4年に対して、雄は平均6.1年で有意差が認められた」と報告しています。(ケリの生息を可能にする環境)環境省(2026)の冒頭に「各地域で積極的な生息・生育地の保全活動等が展開され、対象種の保全が進むことが期待されます」と記されています。前進させていくためには、レッドデータブックが種の基礎的情報を提供する役割を果たすことが重要と考えています。(引用)新保國弘・柳沢朝江・片山真智子・北城道夫・柄澤保彦・桑原和之.1999.千葉県におけるケリの繁殖記録.Strix.第17巻.p93-99.日本野鳥の会.兼島香織・千家正照・伊藤健吾・大西健夫・平松 研.2012.水田地帯におけるケリの採食行動と採食環境の選択.農業農村工学会論文集.no279.pp81-88脇坂英弥・脇坂啓子・中川宗孝.2018.巨椋池干拓地におけるカラーリングをつけたケリの観察.pp1河地辰彦.2018.ケリ Vanellus cinereus のつがい関係の継続年数および離婚再婚の例.鳥類標識誌.第30巻.p71–79.環境省(編).2026.第5次レッドデータブック:絶滅のおそれのある日本の野生生物 鳥類.環境省.東京.911pp.(写真)1枚目:2019年11月17日、2枚目:2020年11月7日、3枚目:2021年12月16日、4枚目:2021年11月10日いずれも流山市(いずれの撮影地も物流団地造成工事中で立ち入りができないところがほとんど)
2026.09.07
コメント(0)

鳥友から干潟のシギ・チドリは満潮の時はどうしているかと質問をもらいました。文献に報告されている内容を紹介します。(1)水底に餌がある時間帯はどうしているか守屋(2023)は、「シギ・チドリはどうしているかというと、消化のために羽を休め、羽繕いをしたり、眠ったり、無駄なエネルギーを使わないようにジッとしたり(loaf)と休息する時間をとっています。この休息時間のために滞在する場所も実は重要です」と述べています。さらに、「利用されているのは、潮間帯上部の干潟から浜へ上がる移行帯部分、後背地にある塩性や淡水の湿地、マングローブの枝や根、岩礁などの自然のねぐらのほか、養殖池、水田やハス田などの耕作地、杭、海苔ヒビ、堤防などの港湾施設、塩田(国内にはほぼありません)、下水処理池などの人工的な場所もねぐらとして利用されます」と報告しています。千葉県船橋市潮見町のふなばし海浜公園先の三番瀬ではどうしているかを見てみると、満潮時には東突堤(ひがしとってい、緯度35.6、経度139.9)の堤防で休むシギ・チドリを多く見かけます。アップした写真は、東突堤と隣接する干潟の区画を仕切るパイプと網が設置されているエリアで観察・撮影したものです。(2)休息場の再生守屋(2023)は、福岡県博多湾東部の名島海岸、多々良川河口で2007年に休息場の再生が実現した事例を紹介しています。多々良川河口は、鳥類が満潮時に休息できる河川周辺の農地や荒れ地が人間により開発され住宅、倉庫、商業施設などに変化しました。状況を憂慮した住民が行政に働きかけを行い、川底に杭を打ち込み板や短管を横に渡した止まり木状のものを設置しました。設置後直ぐに利用したクロツラヘラサギを始め、シギ・チドリ類、カモメ類、ウ類、サギ類と言った多くの水鳥に利用されたと記されています。また、名島海岸では親水空間の造成と養浜が行われ餌場と休息場を再生しました。休息場は、海岸から少し離れた場所に、事業で使う石材を高さ2.4m、幅4.4mの島状に積み上げてのものと記されています。満潮時のねぐらとして利用され、渡り期や越冬期のハマシギなど利用され、複数種のシギ・チドリが利用していると報告されています。あわせて、習志野市谷津干潟での盛土の造成を紹介しています。2019年度に国指定谷津鳥獣保護区保全事業推進事業で浚渫土壌の活用の一環として盛土が造成されました。殻や土砂泥を盛土しましたが、土砂は流れて貝殻が主に基質として残り、通称「貝殻島」(約 10m×10m)と呼ばれています。満潮時に利用される場所が少なかったため、満 潮時の休息場所としてシギ・チドリ類に利用されてお り、定着の効果があるとのことです。また、越冬時のハ マシギ、渡り期のキアシシギ、チュウシャクシギは夜間のねぐらとしても利用しているとのこと。(引用)服部 卓朗.2023.博多湾東部におけるシギ・チドリ類の休息場再生.バードリサーチ水鳥通信.2023年9月号.p6-7.守屋 年史.2023.谷津干潟の盛土の利用.バードリサーチ水鳥通信.2023年9月号.p7.(写真)1枚目:ミヤコドリ(セグロカモメ、カワウ)2022年3月3日、2枚目:ダイゼン2021年8月6日、3枚目:オオソリハシシギ(ウミネコ、コアジサシ)2021年8月6日、4枚目:トウネン2023年9月13日、5枚目:ミユビシギ(コアジサシ)2021年8月6日、6枚目:ミユビシギ(ダイゼン)2023年9月13日、7枚目:ハマシギ(ダイゼン)2022年3月4日、8枚目:ソリハシシギ2023年9月13日、9枚目:オニアジサシ2020年1月13日、10枚目:コアジサシ2019年8月12日いずれも三番瀬(注意)立ち入り禁止エリアへの立ち入りと火器使用は厳禁です。
2026.09.06
コメント(0)

手賀沼の三大源泉地で現在も現存するこんぶくろ池は、台地の上に地下水がしみ出すタイプの湧水です。カワセミが餌の魚を捕食する大切なスポットです。ところが、今年に入りつい最近まで渇水状態が続いていました。今日、様子を見に出かけたところ、池に久しぶりに水が入っている状態でした。ツィーと鳴き声がしたと思ったらカワセミが登場し、複数回池にダイビングして魚を捕獲。幼鳥などの姿はなかったので、成鳥の捕食場所と思われますがうれしい復活です。(柏の葉公園内の野鳥情報)こんぶくろ池に立ち寄る前に柏の葉公園内を探索しました。秋は、カッコウ科ツツドリ、ヒタキ科エゾビタキ、キビタキが立ち寄る姿を目撃しますが、まだ姿は発見できす、次回のお楽しみとなりました。カルガモ、アオサギがボート池の縁に姿があったのにくわえてオオタカが広場上空に登場したのみでした。(商業施設前の池のヒドリガモ、バン幼鳥、成鳥の様子)越夏したヒドリガモ、頭部と脇に赤さがあり、三列風切に橙褐色の斑がないのですが、前回訪ねた3日では白い雨覆を確認できないままでした。今日、ようやく白い雨覆を確認することができ、ようやくエクリプス(雄)と同定できました。池で誕生したバンの幼鳥、独力で水面を移動し活発に採餌をしています。満腹になると、頑丈な脚と足指でえいと踏ん張って葦の茎をたどって葦原で休むのも一人前となってきました。バンには足に水かきがないので泳ぎは苦手で、尾羽を上げて頭を前後に振り前のめりで水面を泳ぎます。ところが込み入った葦の中をすすむのは得意です。スリムな体型が素早い動きを支えています。(キャンパス駅東口の調整池の近況)7月半ばに草刈りが行われましたが、再び草が繁茂していること、先月の豪雨の影響で水位が高く、水鳥の観察が困難な状況が続いています。鳥との出会いは、再び、草刈りが行われてからとなります。(参考)我孫子市.鳥の博物館企画展ガイド 第66回企画展 鳥の骨展-空飛ぶ鳥の骨組み.pp64.(写真)2026年9月5日撮影
2026.09.05
コメント(0)

昨日、柏の葉キャンパス駅近郊の調整池で越夏しているヒドリガモが藻に覆われている水中から嘴をびしゃびしゃとさせて微小生物を漉し取って食べている光景を目撃しました。鳥友からカモは嘴の縁にギザギザの構造になっていると聞いたことがあり、板歯(ばんし)と呼ばれているはずだが、哺乳類と同じ歯なのかと質問をもらいました。(水面採餌のカモの口器)松原(1996)が「水中の微小生物を漉し取って食べるという採餌様式を持つ生物は、それに適した形態の口器を発達させている」と報告しています。後述するハシビロガモについて「ほかのカモ類と比較して最大で先端が裾広がりになっている」と報告しています。(歯の字が入っているが歯ではない)広くカモに見られる嘴の板歯は、人間の爪と同様のタンパク質が変化したもので、食物を漉し取って水だけを外に排出しています。獣医師の鳥友によると、哺乳類の歯は、象牙質を主体として表面の歯冠部はエナメル質、歯根部はセメント質で覆われ、象牙質の内部には歯髄を入れる歯髄腔を持っているものです。(板歯が見えるカモ、なかなか見えないカモ)板歯が観察しやすいカモは、ハシビロガモです。平たくて幅広の嘴を横方向から見ていると、白いギザギザの板歯を見ることができます。これは、松原(1996)が報告しているハシビロガモの嘴の形状によるものではないかと思われます。同じ水面採餌型のカモであるヨシガモ、ヒドリガモ、コガモは同じ構造の口器を持っていますが、なかなか見る機会がありません。水面で餌を漉し取っていたら、今後も注目したいと思います。写真1枚目、2枚目のハシビロガモでは板歯がわかりますが、写真3枚目のハシビロガモは漉し取った水草が見えていますが板歯を見られず、写真4枚目のヨシガモ、6枚目のコガモも板歯は見られずでした。昨日、観察した写真5枚目、6枚目のヒドリガモは、漉し取った水草と思われるものは目に入りましたが板歯は確認できずでした。(ハシビロガモの水面での回転)ハシビロガモが群れで水面をぐるぐると回転している姿を見かけます。集団で回転することで渦を発生させ沈んでいる餌、水面の餌を集めて効率よく板歯で漉し取っています。(引用)松原健司.1996.ハシビロガモの嘴の形態と生息地選択性および食性との関係.我孫子市鳥の博物館調査研究報告.第5巻.p1-83.(写真)1枚目:ハシビロガモ、2025年1月1日柏市内、2枚目:ハシビロガモ、2019年12月28日成田市、3枚目:ハシビロガモ、2026年2月26日印西市、4枚目:ヨシガモ、2025年10月30日印旛沼、5枚目、6枚目:ヒドリガモ、2026年9月3日柏市、7枚目:コガモ、2020年1月1日印旛沼で撮影
2026.09.04
コメント(0)

昼過ぎから雨が降り出すとの予報でしたので遠出は避けて越夏したヒドリガモと今年誕生したバン家族の様子を見に柏の葉キャンパス駅近郊を探索しました。(ヒドリガモは雄エクリプス、それとも雌)頭部と脇に赤さがあり、三列風切に橙褐色の斑がないので雄エクリプスと考えています。ところが白い雨覆は今日になってもまだ確認できずです。その確認ができてはじめてエクリプスと同定できます。識別、なかなか奥の深いものです。(カルガモは成鳥か幼羽か)商業施設前にある調整池の小島周辺で見かけるカルガモ、脇と肩羽の淡色の羽縁は羽先で途切れていない点と三列風切に淡褐色の斑が見られないので成鳥とみてよいと思っています。(バン)今朝も複数のバンの姿を商業施設前の池で見かけました。成鳥2羽、額板と嘴が赤くほぼ成鳥と同じですが、脇の白斑が未完全に個体が1羽、遠目に見ると別種かと思うような個体ですが、嘴基部あたりに赤みがあり、その他が褐色で脇にベージュ色の斑のようなものが出ている若鳥(未成鳥)2羽の姿を見つけました。(そのほか)・商業施設前の池のふちでは餌探しをしていたアオサギ、ハクセキレイの姿を観察。・16号線をはさんで反対側にある調整池の縁の電柱に止まって、オオルリ似の鳴き声を披露していたイソヒヨドリは、雨覆先端が白色だったので雌幼羽または第一回冬羽と思われました。(写真)2026年9月3日撮影
2026.09.03
コメント(0)

ウミネコといえば、沿岸部や漁港に生息し、海面や地上で採食するというイメージがあります。これまでは、富田(2009)が述べているように「雑食性。海面採食によってイカナゴやカタクチイワシなどの小型魚、イカ類、オキアミなどの甲殻類、魚卵、陸上では投棄された魚、水産加工品、ゴミ、水田や河川では水生昆虫も採食する。さらに、人がばらまくパンや菓子類なども食べる」と理解していました。水谷ほか(2021)は、2018年5月から6月にかけて青森県蕪島で繁殖するウミネコにGPS 内蔵のビデオロガーを装着し、昆虫捕食の記録した結果を報告しています。撮影記録では、河口域を含む海洋上で捕食の成功および捕食の可能性があった場面が撮影されており、62回でそのうち捕食の成功と断定できた場面が25回記録できたこと、市街地や水田の上空でも捕食成功(海上での捕食の成功と同様に嘴に咥えられたことを確認できた行動)が 8回および捕食の可能性があった行動が17 回記録されたと述べています。また、捕食していた一部の昆虫類を同定したところ、ハチ目等を積極的に捕食していたと判明したと記しています。さらに、水谷ほか(2021)が「海上飛翔中に昆虫捕食が多数行われていたことから、時期によっては昆虫類も補助的な栄養源として機能している可能性がある」と指摘している点は、新たな知見です。なお、蕪島で繁殖するウミネコに関しては、従来の研究報告では、ゲンゴロウ科の幼虫やミズアブ科の幼虫などが雛へ給餌されたという記録や水田や河川などで水生昆虫を捕食したという件が報告されていますが、昆虫捕食が行われた回数や場所の記載および昆虫類の特定などを行い昆虫捕食について考察している点と時期により補助的な栄養源である可能性があると指摘しているのは画期的と思います。(引用)富田直樹.2009.ウミネコ Bird Research News Vol.6 No.7.p4-5.水谷友一・鈴木宏和・前川卓也・Joseph Korpela・宮竹貴久・越山洋三・依田 憲.2021.海上飛翔中のウミネコによる昆虫捕食とその同定.日本鳥学会誌.第70巻.第1号.p53-60.(写真)1枚目:2026年8月26日三番瀬、2枚目:2017年8月6日三番瀬で撮影
2026.09.02
コメント(0)

昨日、稲敷市浮島でシギ・チドリとの出会いを楽しみました。鳥友からウズラシギ成鳥と幼鳥との識別について質問をもらいました。(1)成鳥の胸から腹の密度と胸から脇のV字斑写真1枚目から3枚目が昨日観察したウズラシギ夏羽で、頭部と上面の赤茶色が淡く胸や脇にかけてV字型の斑がありました。春先の夏羽では頭部と上面の赤茶の色が強いのとは違っています。また、昨日観察していて発見したのが上尾筒にもV字斑があることです。(写真3枚目)なお、8月に見かける夏羽で羽縁が擦り切れ黒ずんて見える個体と遭遇することがあります。(2)幼羽写真4枚目から6枚目が幼鳥です。眉斑がはっきりとしており、胸は橙色味をおび、胸と腹の境界はぼやけています。胸や脇にはV字斑はありません。(近似種のアメリカウズラシギでは喉から胸まで密に縦斑があり、腹以下は斑はなく境界線ははっきりしています。なお、眉斑はウズラシギのような白さはありません)浮島では、幼鳥の姿は8月下旬から11月の間に姿を見かけます。(ウズラシギの越冬地と繁殖地)吉井(1988)が「繁殖地はシベリア北東部で局地的(中略)、ニューギニア、オーストラリア、ニュージーランドで越冬」と報告しています。また、近似種のアメリカウズラシギは「シベリア北部と北アメリカ北部で繁殖しオーストラリアや南アメリカで越冬」と記しています。(引用)吉井 正.1988.コンサイス鳥名事典.p66.(写真)1枚目から3枚目:2026年8月31日稲敷市、4枚目:2021年10月18日稲敷市、5枚目:2021年9月24日稲敷市、6枚目:2023年10月6日稲敷市、7枚目:2021年9月24日稲敷市、8枚目:2019年11月9日稲敷市
2026.09.01
コメント(0)

茨城県稲敷市浮島のシギ・チドリとの出会いを楽しみにして広大な蓮田を探索。その一角にウズラシギ8羽の姿を見つけました。くわえてアメリカウズラシギ1羽の姿もありました。喉から胸まで縦斑が密で腹以下には斑がない点でウズラシギと違いがありました。ただし、撮影はかなわずでした。ウズラシギでは体上面に赤褐色が残り、眉斑がはっきりしている個体、眉斑がぼんやりしている個体とじつにいろいろ。その近くには、体上面の各羽は黒褐色で羽縁が白いタカブシギ夏羽の姿や肩羽に赤褐色味があり、下面が白色のトウネン幼鳥の姿を見つけました。くわえて、タシギの姿も発見。(写真)2026年8月31日撮影
2026.08.31
コメント(0)

2024年7月にオグロシギは夜間も採食するとの文献内容を紹介しました。内容は、「春のオグロシギは主に水田で採食しており、夜間は採食せずに日中のみ落ち籾を採食していることがわかりました。そして日中で得られるエネルギー量だけで1日にとる必要のあるエネルギー量をみたしていました。それに対して秋の渡りの時期にはオグロシギは塩田でユスリカの幼虫を採食していました。そして春とは異なり夜間にも採食していました」「日中の採食で1分あたりに得られるエネルギー量は 0.27 ± 0.01 kJで,春の1.15 ± 0.03 kJと比べてかなり少ないことがわかり、そしてこの量は1日の必要エネルギー量より少ない」というものでした。(基礎代謝量の計算)この件で、鳥友からオグロシギが一日に必要とするカロリーはどう程度かと質問をもらいました。獣医師の鳥友に基礎代謝量(生命を維持するためのカロリー)の計算式を教わりました。オグロシギの体重は、RSPBによると280-340gとあります。この数値と計算式を使って基礎代謝量を算出してみます。(計算式:K=エネルギー係数で体重50gの鳥には256、200gを超える鳥には156を掛けます)基礎代謝量kcal=K×(体重)3/4体重30gの鳥:29kcal、40gの鳥:11.53kcal、50gの鳥:13.64kcal、60gの鳥:15.63kcal、100gの鳥:22.93kcal、200g・の鳥:23.41kcal、300gの鳥:31.73kcal、400gの鳥:39.38kcal、500gの鳥:46.55kcal、1kgの鳥:78.30kcal、1.5kgの鳥:106.12kcalと算出されます。オグロシギの体重は280-340gとすると、31kcalが基礎代謝量ということなります。(基礎代謝量31kcal=37000cal)報告にある秋の1分あたりに得られるエネルギー量0.27 ± 0.01 kJは0.06cal=60kcalです。また、春の1.15 ± 0.03 kJ=0.27cal=270kcalとなります。(1キロジュール=0.23988kcalですから、0.27ジュールは0.06cal)(引用)植田睦之.2014.野鳥の不思議解明最前線#106.夜ごはんよりも昼ごはん?~採食量が不十分な時に夜の採食をするオグロシギ~.オグロシギの体重280~340g https://www.rspb.org.uk/(写真)1枚目、2枚目:2018年9月22日稲敷市
2026.08.30
コメント(0)

2024年7月にオグロシギは夜間も採食するとの文献内容を紹介しました。内容は、「春のオグロシギは主に水田で採食しており、夜間は採食せずに日中のみ落ち籾を採食していることがわかりました。そして日中で得られるエネルギー量だけで1日にとる必要のあるエネルギー量をみたしていました。それに対して秋の渡りの時期にはオグロシギは塩田でユスリカの幼虫を採食していました。そして春とは異なり夜間にも採食していました」「日中の採食で1分あたりに得られるエネルギー量は 0.27 ± 0.01 kJで,春の1.15 ± 0.03 kJと比べてかなり少ないことがわかり、そしてこの量は1日の必要エネルギー量より少ない」というものでした。(基礎代謝量の計算)この件で、鳥友からオグロシギが一日に必要とするカロリーはどう程度かと質問をもらいました。獣医師の鳥友に基礎代謝量(生命を維持するためのカロリー)の計算式を教わりました。オグロシギの体重は、RSPBによると280-340gとあります。この数値と計算式を使って基礎代謝量を算出してみます。(計算式:K=エネルギー係数で体重50gの鳥には256、200gを超える鳥には156を掛けます)基礎代謝量kcal=K×(体重)3/4体重30gの鳥:29kcal、40gの鳥:11.53kcal、50gの鳥:13.64kcal、60gの鳥:15.63kcal、100gの鳥:22.93kcal、200g・の鳥:23.41kcal、300gの鳥:31.73kcal、400gの鳥:39.38kcal、500gの鳥:46.55kcal、1kgの鳥:78.30kcal、1.5kgの鳥:106.12kcalと算出されます。オグロシギの体重は280-340gとすると、31kcalが基礎代謝量ということなります。(基礎代謝量31kcal=37000cal)報告にある秋の1分あたりに得られるエネルギー量0.27 ± 0.01 kJは0.06cal=60kcalです。また、春の1.15 ± 0.03 kJ=0.27cal=270kcalとなります。(1キロジュール=0.23988kcalですから、0.27ジュールは0.06cal)(引用)植田睦之.2014.野鳥の不思議解明最前線#106.夜ごはんよりも昼ごはん?~採食量が不十分な時に夜の採食をするオグロシギ~.オグロシギの体重280~340g https://www.rspb.org.uk/(写真)1枚目、2枚目:2018年9月22日稲敷市
2026.08.30
コメント(0)

春と秋の渡りの時期に姿を見かけるムナグロ、個体数は、春に多く、秋は少ないと聞いています。その理由について疑問を持つ方もいらっしゃるものと思い、文献を紐解してみました。(1)渡りルートについて長嶋(2020)が、文献に報告されているムナグロの渡りルート、行動および日本列島を通過するムナグロの個体数などについて整理し、記しています。それによると、春の渡りは越冬地のフィジー諸島→マーシャル諸島→マリアナ諸島→ 日本→繁殖地の北極圏までのルートで移動し、秋の渡りは極北の繁殖地からクリスマス島→サモア諸島まで時計まわりで移動する大きな経路があると述べています。さらに、春と秋の渡りコースに違いがあり、成鳥と幼鳥で渡りの時期に差があると指摘しています。春は、2月から3月にかけて南の越冬地から渡りをスタートし、4月下旬から5月が渡りのピークとなると述べいます。成鳥は6月下旬から7月に繁殖に失敗した成鳥が繁殖地を飛び立ち、そのほかの成鳥は8月初旬に繁殖地をはなれ、成鳥の大半は7月下旬から9月にかけて米国西海岸からハワイ諸島に到着、10月にュージーランドに到着のルートをとると述べています。これに対して、その年に生まれた幼鳥は8月中下旬に繁殖地を旅立ち、9月中旬に日本に飛来する、発育の遅れた幼鳥は10月初旬に繁殖地を旅立つと記しています。(2)春と秋の個体数について渡辺(2015)は、環境省モニタリングサイト1000の調査結果をとりあげ、越冬地である南西諸島を除く各渡来地の2014年春期の最大渡来数合計が2938羽、秋期が408羽と述べています。環境省(2022)は、2022年度冬期調査結果によると、ムナグロの個体数は2021年冬1716羽、2022年冬は935羽と報告しています。渡辺 (2015)の記している秋期の408羽と比べると、2021年、2022年冬のいずれも増加しています。調査時期の違いがあるので、増減の評価はむずかしいのですが、発育の遅れた幼鳥の日本への飛来が増えているのか、繁殖時期がずれてきているのかと興味のあるところです。(3)千葉県北西部と茨城県で秋・冬に見かけるムナグロこれまで観察した記録を振り返ると、秋・冬でも30羽未満の群れを観察しています。千葉県北西部、茨城県で観察したムナグロの秋。冬の観察記録を整理すると次の通りです。1998//9/19我孫子市北新田(8)、1999/9/5稲敷市結佐(8)、1999/10/16我孫子市北新田(6)、2000/10/16稲敷市西の洲(3)若鳥、2001/9/30富津市富津岬(4)2003/10/19柏市大井(2)、2011/10/19稲敷市浮島(26)、2011/10/24柏市片山(5)、2011/12/18栄町矢口(1)、2013/12/23稲敷市浮島(22)、2014/10/12柏市泉村(7)、2020/1/2稲敷市甘田(20)、2020/1/13船橋市ふなばし海浜公園(2)、2021/2/13稲敷市稲波(1)、2021/11/13稲敷市浮島(10)、2022/1/28稲敷市浮島(2)、2023/11/8稲敷市浮島(7)、2024/1/10稲敷市浮島(9)、2024/9/20稲敷市浮島(17)、2025/2/25取手市取手(7)、2025/2/26取手市取手(6)・手賀沼とその周辺地域では、利根川南側の水田地帯、手賀沼美岸の水田が記録されています。・茨城県では稲敷市で30羽以下の群れ、取手市で10羽以下の群れが記録されています。・東京湾沿岸では、三番瀬で記録されています。(4)秋・冬に見かけるムナグロの羽衣写真1枚目、2枚目の個体は、同一個体で、眉斑があり、嘴が細めで短くて背や肩羽に横斑が多く、体下面に褐色味を帯びていることから第一回冬羽と思われます。写真3枚目は、上面が全体的に黄色味を帯びており成鳥夏羽から冬羽に移行中の個体と思われます。(写真)1枚目:2010/1/10稲敷市浮島、2枚目、3枚目2023年11月8日稲敷市浮島で撮影(引用)渡辺朝一.2015.ムナグロ Bird Research News Vol.12 No.5.p2-3.長嶋宏之.2020.ムナグロの生態と年齢識別の紹介.野鳥観察の部屋.日本野鳥の会埼玉.環境省.2022.モニタリングサイト1000シギ・チドリ類調査 2022年度冬期調査結果の概要.pp2.
2026.08.29
コメント(0)

越夏したヒドリガモと今年誕生したカイツブリ幼鳥、バン家族の様子を見に柏の葉キャンパス駅近郊の調整池を探索しました。いつもの年でしたら、そろそろクサシギ、タシギなどが降り立つ頃ですが、13日の千葉豪雨の影響で湿地には水がかなりあるのと繁茂した草で姿を見つけることができずでした。(西口調整池の越夏ヒドリガモ)写真1枚目、2枚目が今朝のヒドリガモです。頭部と脇の赤味の強さは前回(7/16)と同様ですが、白い雨覆は見られず、上背、肩羽あたりにグレーの羽、額にクリーム色がかっていました。越夏個体を観察していくと、換羽の様子がわかるので貴重な学びです。(カルガモの様子)前回姿を見かけた幼鳥の姿はなく、全体が暗色で上尾筒、下尾筒が黒色の雄成鳥、雄に比べると背、肩羽、脇り羽縁が目立つ雌成鳥を複数見かけました。(バン)今朝は、成鳥2羽と幼鳥の姿を見かけました。成鳥はそれぞれ別の水域で餌を探していました。(カイツブリ幼鳥)今年生まれカイツブリ幼鳥、頭から頚にまだら模様があるのを除けば、上面は成鳥と同様に変化していました。(写真)2026年8月28日撮影
2026.08.28
コメント(0)

3月17日に環境省が公表した「第5次レッドリスト(鳥類及び爬虫類・両生類)」の解説版である第5次レッドデータブックにシロチドリが準絶滅危惧と区分され掲載されています。(レッドデータブック概要)環境省(2026)は、「モニタリングサイト1000シギ・チドリ類調査2004-2017年度 とりまとめ報告(2020)では、Amano et al. 2010と同様の分析を行い、最大個体数指標を算出した。2000年を基準値1.00とし、2017年時点で、平均0.38(春期0.34、秋期0.36、冬期0.45)。継続して減少が確認されている」「繁殖状況を現地調査した全国鳥類繁殖分布調査(2021)でも1990年代と2010年代に調査された調査コースを比較すると、22地点から9地点へと減少している」と報告しています。(これまでの個体数の推移)守屋(2014)は、環境省生物多様性センターが報告しているデータを用い観察個体数の季節別変化を整理し報告しています。個体数の推移は、冬期、秋期、春期ともに減少傾向を示しており、2008年時点で春期、秋期とも1970年代から継続して減少していることが示されていると述べています。(1)冬期(1月中旬)最も個体数が多かったのは2004年で3000羽前後、最も少なかったのは2012年で1500羽前後(2)秋期(9月初旬)最も個体数が多かったのは2004年で2800羽前後、最も少なかったのは2012年で1000羽前後(3)春期(4月中旬)最も個体数が多かったのは2004年で1300羽前後、最も少なかったのは2013年で500羽前後あわせて、繁殖分布調査の結果に注目すると、繁殖の確認されたメッシュ数は1974~1978年の74メッシュから1997~2002年45メッシュに減少していると指摘しています。環境省(2026)が「1990年代と2010年代に調査された調査コースを比較すると、22地点から9地点へと減少」と報告していますから、繁殖地点は1974年から減少が継続していることとなります。(三番瀬のシロチドリ)千葉県(2026)は、三番瀬におけるシロチドリについて「三番瀬では最大300羽が確認されているが(1996年冬季)、通常は数十羽の規模が多い」と報告しています。(引用)守屋 年史.2014.シロチドリ Bird Research News Vol.11 No.1.p2-3.千葉県.2026.三番瀬における主な生物 三番瀬自然環境データベース.ttps://www.pref.chiba.lg.jp/環境省(編).2026.第5次レッドデータブック:絶滅のおそれのある日本の野生生物 鳥類.環境省.東京.911pp.(写真)2026年8月26日撮影
2026.08.27
コメント(0)

8月終盤に入り、船橋市三番瀬を訪ねました。大潮で船橋港の干潮は10時02分、小型のシギ・チドリの姿をまじかでみようと思い潮が上がってくる13時頃に現地に到着し、探索をスタートしました。(貴重種シロチドリの姿)最初に目に入ってきたのがチドリ科ダイゼン、上面の白黒のまだら模様で黒が目立つ個体と夏羽から冬羽に移行がはじまった下面の黒色が褪せてきた個体でした。続いて、近年は個体数が減少しているシロチドリを複数発見。背と頭の境が白帯で分かれ、足が繁殖期の名残のピンク色の雌成鳥と思われる個体でした。(オオソリハシシギ雌夏羽、トウネン)続いて出会ったのが、雨覆の1枚ずつが垂れ下がったように見え、下面に褐色斑のある雌成鳥夏羽、肩羽が赤褐色となっていたトウネン幼鳥でした。(ミユビシギが波打ち際で、ハマシギは水たまりで採餌)水際を群れで移動していたミユビシギ、ずんぐりとした体型と上面が灰色に変化し、雨覆が黒色の個体と出会いました。ハマシギは、背と肩羽に黒褐色の軸斑があり胸から腹に黒色が残っている夏羽から冬羽に移行中と思われる個体を観察できました。(カラーリングを装着したキアシシギ)ミユビシギ、ハマシギと少し離れたところで餌を物色していたキアシシギ、左脚にX03のリングが見えました。(写真)2026年8月26日撮影
2026.08.26
コメント(0)

海上に多数飛来すると言われているシギ科アカエリヒレアシシギ、マスコミで野球場に乱入したと報じられることがあります。天候が小雨または雨でしかも海に近い野球場で飛来することが多い印象があります。(スクラップブックから)過去10年内に新聞・webニュースなどで取り上げられたアカエリヒレアシシギの野球場への乱入の一部を紹介するとつぎの通りです。2017/08/30:仙台市・Koboパーク宮城楽天-西武戦で雨による試合中断の間に鳥の群れがグラウンドへ飛来し、雨が弱まった後もさらに約40分間試合が再開できない事態が起きた。2021/9/20千葉市ZOZOマリンスタジアム千葉県は曇りか小雨で、渡りの途中のアカエリヒレアシシギが飛来。2022/09/01楽天生命パーク宮城楽天vsオリックスの試合中に鳥の群れが乱入して一時中断するというハプニングがありました。映像を見る限り、アカエリヒレアシシギのようです。(人工照明が渡り鳥を迷わせている)神山(2017)は、米国ニューヨークのライトアップ行事の調査で、人工照明が夜間に空を渡る野鳥の行動に強い影響を与えていることが明らかになった件を紹介しいます。調査は、2008年から2016年に行われ、ライトアップされた夜の間に照明から半径5kmの範囲で110万羽の渡り鳥の行動に影響が出ていたと推定される。ライトアップされている時間帯は上空を野鳥の大群が旋回して飛ぶようになり、周囲20kmの鳥の密度と比べると平均でその20倍となった。くわえて、地上の照明が上空4kmまで影響を及ぼしていることが明らかになったと記されています。(引用)神山和夫.2017.人工照明が渡り鳥を迷わせている.バードリーチニュース.2017年12月.(写真)Ⅰ枚目、2枚目:2020年10月3日稲敷市で撮影頭上と眼の周囲に黒斑があり、上面の灰色は濃い印象がありました。嘴は近似種ハイイロヒレアシシギと比べて細いものでした。
2026.08.25
コメント(0)

習志野市谷津干潟を訪ねました、船橋港の潮汐は中潮で干潮が8時44分と2時間程度の時間差で到着となりますので到着した10時30分では一面に干潟が広がっていました。津田沼高校前のエリアではダイゼン、メダイチドリ、キアシシギ、アオサギ、ダイサギ、コサギが餌探しに余念がありませんでした。また、水路沿いの土手にイソヒヨドリ雌が登場し、出会いを楽しみました。(ダイゼンの腋羽を観察)今日の観察の目玉は、ダイゼンの腋羽を観察できたこと。成鳥では脇羽が黒色で、翼下面の大部分が白い、腰が白いのが特徴です。第一回夏羽では腋羽が褐色ですが、それ以外は年齢に関係なく黒色です。このほか、遠目に黄色味があるよように見えたダイゼンの姿を見つけました。各羽の羽縁が白色で、胸に細かい縦斑があったので第一回冬羽ではないかと思われました。(ダイサギの収縮にびっくり)水路で魚が移動していくのを凝視していたダイサギは全長が90cmありますから、どうやって魚を捕食するのだろうと思っていましたが、眼下に接近してくると腰をかがめてコサギ並の低姿勢になり捕食。(コサギの体の大きさ)浅瀬で羽をやすめていた2羽のコサギ、1羽が頭ひとつ分程度小さい個体を見つけました。全長55-65cmの幅はこうした個体を織り込んだものなのでしょう。(その他)目先が黒色で胸が橙色のメダイチドリ成鳥雄、目先が褐色で胸の橙色が淡いメダイチドリ成鳥雌、キアシシギは体下面の横縞が目立つ成鳥夏羽、帰り道、船橋競馬場近くの浅瀬で餌探しをしていたソリハシシギの姿も見つけました。(写真)2026年8月24日撮影
2026.08.24
コメント(0)

飛翔して降り立った直後に尾を上下に振るのがクサシギ属のシギの特徴です。タカブシギ、クサシギ、イソシギは似たような姿と環境で見かけます。遭遇した時の着眼点を整理してみました。(1)尾羽の違い3種の尾羽は模様に違いがあります。・タカブシギとクサシギは腰が白くで両種を見分けることができます。尾羽の横帯はタカブシギは5-6 本、クサシギは2-3本です。・イソシギは腰が褐色で尾羽は外縁だけが白いので、タカブシギとクサシギと違いがあります。(写真)1枚目:クサシギ、2018年5月3日柏市、2枚目:クサシギ、2019年9月9日稲敷市、3枚目:タカブシギ、2018年9月8日稲敷市、4枚目:イソシギ、2008年7月20日谷津干潟で撮影(2)翼を広げた時の違い・タカブシギの翼下面には褐色斑があり、全体的に白い印象があります。・クサシギの翼下面は全体が黒く見えます。・イソシギは翼上面に白い翼帯があり、翼下面は褐色の帯が見え、白い翼帯があります。(3)全長の違いクサシギの全長は21-24㎝、タカブシギの全長は19-21cm、イソシギの全長は19-21cmです。全長で見ると、タカブシギとイソシギは同サイズですが、タカブシギは足が長い個体が多いので背が高くイソシギよりも大きく見えることが多い印象です。(ただし、タカブシギの足は個体差があります)(4)成鳥冬羽の違い・タカブシギ冬羽は、夏羽に比べて上面の白斑が小さく羽縁になり、頭部から胸の縦斑も弱くなります。・クサシギ冬羽は白斑が夏羽より小さくなり、上面が一様な灰褐色に見えます。・イソシギ冬羽は夏羽に比べ羽縁が白く、雨覆の羽縁に比べて肩羽の白い羽縁は少ないのが特徴です。(写真5枚目:クサシギ、2018年9月12日柏市内撮影)
2026.08.23
コメント(0)

鳥友からスズメが減少していると聞き、調べてみたが、個体数を示しているものが見当たらないと質問をもらいました。(スズメがどれくらい減少したか)三上(2023)は、第2回(1997-2002)と第3回(2016-2021)の全国鳥類繁殖分布調査の記録を用いてスズメがどういう環境でどれくらい減少しているかを推定し報告しています。(1)全国鳥類繁殖分布調査の結果三上(2023)は、「全調査地点 2,344 の調査地点のうち、スズメは 1194の調査地点で観察された。ルート変更された調査地点を除くと 933 調査地点となった。気温が高いほど,水田面積が大きいほど,他農地面積が大きいほど、スズメ個体数の減少が大きいことを示していた。個体数推定の結果、第2回の最小値・中央値・最大値は、それぞれ 3,767,051・3,828,536.5・3,895,734 で、第3回のそれは、2,341,077・2,378,689.5・2,421,619であった。平均値で見れば 第2回から第3回の間にスズメの個体数は 62.1%になったと推測された」と述べています。中央値で第2回と第3回を比較すると、第2回382.8万羽が第3回では237.8万羽となり、約150万羽弱の減少があったということになります。(2)温暖化の影響三上(2023)は、「スズメの分布を世界的に見ると温帯域の鳥であり、温暖化の影響によって気温が高い場所では生息しづらくなっている可能性がある。とくに営巣環境の不足と関係している可能性がある」と指摘しています。ただし、スズメの主要な繁殖環境である都市部や住宅地が調査地点にあまり入っていないと指摘し、普通種までも減少しているという観点を当てはめるのには懸念があると記しています。(引用)三上修.2023.鳥類繁殖分布調査の第2回(1997-2002)と第3回(2016-2021)の間にみられるスズメの減少 Bird Research Vol. 19.pp. A21-A30.(写真)1枚目:2026年7月19日柏市内、2枚目:2026年8月18日柏市内、3枚目:2026年4月22日吉川市、4枚目:2025年10月24日吉川市で撮影
2026.08.22
コメント(0)

鳥友の住まいのある最寄り駅、JR馬橋駅西口から北松戸方向に向い新坂川沿いを探索しました。新坂川は人工的に掘って作られ、昭和30年代から生活排水と工場排水で汚染が進行し、昭和45年にはBODが136と日本で最も汚染が進んだ川でした。様々な対策が講じられ、近年には水鳥たちの姿がみられるようになっています。鳥友が青ちゃんに会えるフィールドと自慢の場所です。(青ちゃんはアオサギ、カワセミ、イソヒヨドリ)今朝、お天気が崩れる前に現地を訪ねました。(アオサギとカワセミの共生関係)川を餌場としているアオサギは、小魚を追い詰めて捕食するのが得意です。見ていると、堤防沿いに魚を追い詰めると魚が捕食されまいと逃げ回ります。そこを堤防に生えている草に止まったカワセミが捕獲する光景が複数回見られました。所謂「片利共生」関係です。尚、イソヒヨドリの姿は見つけられずでした。(写真)2026年8月21日撮影(参考:片利共生関係が見られる鳥たち)片利共生関係が見られる鳥の例を記しておきます。(1)カワウとアオサギ植村(2022)が報告しているカワウとアオサギの関係です。サギのコロニーの近くで繁殖しているカワウについて報告しています。カワウはモビングはしないけれど捕食者を追い払ってくれるアオサギのそばで繁殖することで、捕食者が自分や巣に近づきにくくなるという利益を得ていると述べています。(2)イノシシとルリビタキイノシシが掘り返した地面の穴などでルリビタキなどの小鳥が効率よく餌を探す行動をとると文献で目にしたことがあります。((引用)植村慎吾.2022.カワウとアオサギの混合コロニーにおける対捕食者行動の違いカワウはアオサギに片利共生しているかもしれない.バードリサーチニュース2022年3月.
2026.08.21
コメント(0)

13日の豪雨の影響で印旛沼の鳥たちはどうしているかと現地を訪ねました。探索をスタートした10時時点ですでに気温30℃をこえ、じりじりとお日様が照り付けていました。(カモ類)漁船の船着き場には、カルガモ、越夏したマガモの姿を見つけました。カルガモは沼の水面を吹いている微風のむかい翼を広げたので脇の羽や翼下面を観察できました。マガモは黄色の嘴、赤茶の色味の強い胸が特徴の雄エクリプス個体でした。(魅惑的に色のゴイサギ成鳥の虹彩)沼の浅瀬、周囲の水田にはアオサギ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、ゴイサギの姿を見つけました。コサギは水面を吹き抜けている風で涼をとっているようなポーズをとっている姿、ゴイサギは葦の中を移動し水面を動く魚をねらっている様子でした。ゴイサギは幼鳥の虹彩は黄色、第一回夏羽の虹彩は橙色、今日観察した成鳥では虹彩が赤く、猛禽類ツミの雄幼鳥が成長に伴って黄色-橙色-赤色と変化するのと一緒でした。太陽の光が強い暑い条件下ではメラニン色素が大蓄積されて黒や茶色などの虹彩となると聞いています。(写真5枚目はゴイサギ幼鳥、6枚目は成鳥した幼鳥)(モモイロペリカンのダイナミックに採餌)船着き場の船の先端に止まっていたモモイロペリカンは、何度も水面に嘴を突っ込み小動物をとっているようでした。大きさが確認できませんでしたが、サイズの割に嘴の開け方のダイナミックさにびっくり。(印旛沼沿岸では複数のホオジロが囀り、テリトリーを主張)印西市吉高、和、下井までの印旛沼遊歩道脇の電線にはあちこちにホオジロが止まり、囀りを披露。ホオジロは、春は地上に巣を作り産卵・子育てをしますが、季節を追うごとに巣高が上がることが知られています。あちこちに雄が囀っているのを見ると、樹上巣で最後の子育てをしており、テリトリーを防衛しているのではと思います。(写真)2026年8月20日撮影(5枚目は2020年6月土浦市、6枚目は2018年6月30日土浦市で撮影)
2026.08.20
コメント(0)

3月17日に環境省が公表した「第5次レッドリスト(鳥類及び爬虫類・両生類)」の解説版である第5次レッドデータブックにハマシギが絶滅危惧Ⅱ類と区分され掲載されています。身近な探鳥地、谷津干潟でのハマシギの個体数を整理してみました。(1)ハマシギの個体数守屋(2018)およびモニタリングサイト1000(2025)にハマシギについての報告があります。モニタリングサイト1000の2016年冬期の個体数は約30,000羽と最も多く、越冬種の60-70%を占めていたと述べています。あわせて、「谷津干潟周辺にはかつて3000~4000羽のハマシギが飛来しており、谷津干潟が保護区に指定されるきっかけともなった鳥」と記しています。モニタリングサイト(2025)の報告には、2023年冬期のハマシギの個体数は5196羽とあります。2つの報告を比較すると、2023年冬期の個体数は2016年に比べ50.6%となります。(2)谷津干潟のハマシギに着目すると石川(1993)は、谷津干潟で1988年5月3日と8月22日のに行った調査では、ハマシギの個体数が5月は3457羽、8月は3羽と報告しています。モニタリングサイト(2025)に報告されている谷津干潟のハマシギの個体数は2023年春が1500、秋が5羽、冬が305羽と記されています。単純に比較すると、1998年に比較して2023年春43.6%とやはり激減とみることができます。(参考:レッドデータブック概要)環境省(2026)は、「モニタリングサイト1000シギ・チドリ類調査2004-2017年度とりまとめ報告(2020)では、(中略)最大個体数指標を算出し、2000年を基準値1.00とし、2007年時点で、平均1.18(春期1.08、秋期1.32、冬期1.15)、2017年時点で、平均0.60(春期0.39、秋期0.83、冬期0.57)。継続して春期・秋期とも減少傾向が見られている」と報告しています。(引用)石川 勉.1998.東京湾の渡り鳥.pp246.守屋年史.2018.極北のハマシギ訪ねて三千里ハマシギの現状と保全のためにできること.バードリサーチニュース2018年3月.環境省自然環境局生物多様性センター.2025.2024年モニタリングサイト1000 シギ・チドリ類調査2023年度総括報告書.環境省(編).2026.第5次レッドデータブック:絶滅のおそれのある日本の野生生物 鳥類.環境省.東京.911pp.(写真)1枚目:成鳥夏羽、2014年5月4日谷津干潟2枚目:夏羽から冬羽に移行中、2016年9月3日三番瀬3枚目:第一回冬羽に移行中と思われる個体、2015年9月19日三番瀬4枚目:第一回冬羽に移行中と思われる個体、2016年10月30日浦安市
2026.08.19
コメント(0)

先週13日に千葉県を襲った豪雨によって千葉県柏市ではあちこち氾濫がおこりました。定期に足を運んでいる柏の葉キャンパス駅近郊でも集中豪雨が発生しましたが、複数の調整池の働きのお陰で大きな被害は発生せずに済みました。調整池で誕生したカイツブリ、バンの幼鳥たちはどうしているだろうと思い、現地を訪ねました。(カイツブリとバンの幼鳥たち)営巣していたエリアを確かめると、カイツブリ幼鳥が自立し単独で採餌をしている光景とバンの幼鳥が親鳥と一緒に水面を移動する姿を確認でき、ほっとしました。カイツブリ幼鳥は、水中にいるイトミミズのようなものを嘴でとらえ嘴にくわえて直して食している光景を観察しました。先月29日に観察した(写真4枚目)際には頭から頚が白黒のまだら模様で額のあたりが赤かったのが変化していました。上面だけを見れば、第一回冬羽と同様の羽衣ですが、嘴には幼鳥独特の縞模様が残っていました。(カルガモの様子)昨日よりは青空が広がり、直射日光が注ぎ込む朝でした。調整池には10羽前後のカルガモが過ごしていますが、直射日光を避けて小島の草地の影で休む個体、日光浴を兼ねて小島の草地に座り寝込んでいる個体といろいろでした。この時期のカルガモは、肩羽が暗色に見え上尾筒や下尾筒が角度により艶のある黒色になります。(ハクセキレイペアの様子)調整池沿岸で営巣し子育てをしていたハクセキレイペアも健在でした。雄の上面の黒色は艶のするもの、雌の上面は灰色で黒い羽がまじっているのを観察。幼鳥が遊歩道沿いを移動しながら餌探しを活発に行っているのも目撃しました。(調整池を移動し餌探しをしていたダイサギ、アオサギ)豪雨の影響で調整池全体に水位が上昇しているため、シギ・チドリの姿はみつからずでした。それでもアオサギ、ダイサギは小魚などを探す姿を観察出来ました。(写真)2026年8月18日撮影(写真8枚目は7月29日撮影)
2026.08.18
コメント(0)

三週間ぶりに茨城県稲敷市浮島を訪ねました。隣の千葉県では13日の豪雨であちこちに冠水した道路脇に放置車両が目立ちましたが、茨城県側は大雨の痕跡は見受けられるものの、特段の被害は出ていない模様でした。さて、霞ヶ浦に注ぎ込む新利根川脇から広がる蓮田を探索しました。前回訪ねた時と同様で休耕している蓮田がないので、一見するとシギ・チドリの姿はないように見えます。しかし、サギ類が群れているエリアに隣接した中にシギ・チドリが羽を休めるポイントがありました。セイタカシギ成鳥、上面が褐色で足の色が成鳥より淡い幼鳥、蓮田の日陰を探すように移動していたコチドリ幼鳥(アイリングは成鳥に比べて目立ちませんがほんのり黄色)、トウネン夏羽から冬羽に移行中(嘴基部が太く、上面が赤味がかります)、ピョヒョと鳴きながら飛翔していたタカブシギ(尾に黒帯がありました)、チョリッと鳴き移動していたクサシギ(腰から尾が白い)の姿を見つけました。このほか、チュウサギか群れになっていて餌のザリガニ、水生昆虫などを見つけては捕食していました。その近くには、コサギの姿を見つけました。全長はチュウサギが65-72cm、コサギが55-65cmですからあまり違いがないと思いきや、コサギ立ち姿はチュウサギの半分程度。また、蓮田にかかつている網に複数のツバメが降り立つ姿を観察しました。うち1羽が下面が赤褐色の亜種アカハラツバメでした。(写真)2026年8月17日撮影
2026.08.17
コメント(0)

6月20日以降、ツミの子育てを見守ってきました。幼鳥4羽はすべて営巣林を離れ、自立しています。7月28日に営巣林近くの高圧線に雄成鳥が止まっていた姿を観察して以来、成鳥、幼鳥ともに姿を見かけていなかったので移動したのかと思っていました。ところが、雄成鳥が今月4日に近くにある果樹園の地面近くの幹に止まっているのを観察しました。獲物の小鳥を探して移動してきたものと思われます。所有者や市民が通行しているため、頻繁に訪ねるのを避けています。今後もその動向を注目していきます。(今朝出会った鳥たち)成鳥に餌をねだるオナガ幼鳥が林の中を何度も移動していました。ツミが姿を消してからハシブトガラス、ハシボソガラスが接近してきた時には、オナガ成鳥は鳴き声をあげ追い払い行動をとっています。いかにツミの防衛されていたかがよくわかりました。隣接する人家の屋根に頭と胴体が赤茶で翼が黒いハシボソガラス幼鳥の姿を見つけました。どこかで捕食したミミズのようなものをぶら下げて降り立ったものと思われます。ハシボソガラス幼鳥の口の中が赤いのは知られていますが、今朝のようなツートンの色の個体を目の当たりにしたのは初めてでした。別の人家にテレビアンテナには、ヒヨドリが止まり翼を丁寧に羽繕いをする姿を観察したり、地面で餌探しに余念のないムクドリ幼鳥を観察しました。他地域では台風15号の短時間豪雨で木の中に休んでいた多数のムクドリの命が奪われましたが、当地では落鳥も見かけなかったのでほっとしました。(写真)2026年8月16日撮影(ツミ雄成鳥は2026年7月28日撮影)
2026.08.16
コメント(0)

日本鳥学会が2024年に発表した日本産鳥類目録第8版でカモ類の分類に大きな変更がありました。鳥友たちと勉強会を開きました。テキストは、神山(2025)を使用しました。内容の一部を紹介します。(新しい分類)(1)従来と変更がないAnas属(水面採餌ガモと呼ばれ、足が体の中央にあるりバランスが良く陸に上がり歩きながら餌もとる)オナガガモ、コガモ、マガモ、カルガモ(2)状来のAnas属からMareca属に変更アメリカヒドリ、ヨシガモ、ヒドリガモ、オカヨシガモ(3)従来のAnas属からSpatula属に変更ミカヅキシマアジ、ハシビロガモ、シマアジ(4)従来のAnas属からSibirionetta属に変更トモエガモ(神山(2025)が解説しているMarecaとSpatula属の特徴)(A)Mareca属について「草食性が強いカモの仲間です。水草はもちろん、ヨシガモとヒドリガモは群れで陸に上がり草を食べていることもよくあります。いずれも額からくちばちまでの傾斜が急で、ヨシガモとヒドリガモの雌は目の周囲が黒んでいます。オカヨシガモの雌はマガモの雌と似ていますが、白い翼鏡(次列風切)があること、そしてマガモの雌のような大きな三列風切りがないことで識別できます。大きな三列風切りがないことはマガモとの違いで一番見やすい特徴」と述べています。(B)Spatula 属について「先端が広がった大きなくちばしを持つことが特徴です。シマアジのメスはコガモに似ていますが、頭頂部が平たく見えますから、それに気付いたらくちばしの形に注意してください。」と記しています。(C)Sibirionetta属について神山(2025)には「コガモサイズですが、体の上面に長く黒い羽が多いことが特徴です」と記しています。(引用)神山和夫.2025.鳥類目録第8版でのカモの分類変更.Bird Research Water Bird News.2025年3月号.p3-4.(写真)#Mereca属ヨシガモ:2021年3月6日印旛沼で撮影ヒドリガモ:2021年11月23日水元公園で撮影オカヨシガモ:2022年12月18日柏市で撮影#Spatula属シマアジ:2020年4月4日我孫子市ハシビロガモ:2024年4月8日習志野市で撮影#Sibirionetta属トモエガモ:2025年1月2日印旛沼で撮影
2026.08.15
コメント(0)

飛翔時に白い翼帯と腰の白さが目立つオグロシギは、秋にかけて蓮田、干潟などに飛来し目を楽しませてくれます。叶内(2011)が述べているように、春は日本海側に多く秋は太平洋側に多い傾向にあります。秋に出会う個体は、多くが幼鳥です。その特徴をおさらいしてみました。(1)頭部から背、頸から胸・腹部の色、肩羽の軸斑オグロシギ幼鳥は、頭部から背、頸から胸・腹部が橙色味を帯びています。(写真1枚目から4枚目を参照)また、肩羽が黒褐色で軸斑がオオソリハシシギに比べて黒く、軸斑の先が丸みを帯びています。(2)雌雄の羽色の違い叶内(2011)は、雄の頚は雌よりも橙色味が強く、体は小さいと報告しています。過去に撮影した画像を見ていくと、2016年8月29日に三番瀬で観察した2羽がこれに該当します。(写真1枚目を参照)(3)オグロシギ幼鳥は第一回冬羽への換羽が早い?写真4枚目は、2018年9月22日に稲敷市で観察・撮影した個体です。雨覆から風切がグレーに変化しています。幼羽から冬羽に移行がはじまったのではと思っています。オグロシギは10月頃には冬羽に換羽していると話しを聞いたことがあり、オオソリハシシギが11月でも冬羽が少ないのでオグロシギの換羽が早いのではと思います。(4)年齢に関係なく白い翼帯叶内(2011)が述べいるように、年齢に関係なく翼上面に白い翼帯があり、上尾筒の中央の数枚は基部が白いのが特徴です。(オオソリハシシギでは飛翔時に上面は一様に灰褐色)(引用)叶内拓哉.2011.山渓ハンディ図鑑日本の野鳥.p252.山と渓谷社.(写真)1枚目:2016年8月29日三番瀬で撮影、2枚目、3枚目、4枚目、5枚目:2018年9月22日稲敷市で撮影、6枚目、7枚目:2018年10月28日稲敷市で撮影、8枚目:2022年10月8日稲敷市で撮影
2026.08.14
コメント(0)

シギ類はゴカイやカニなどの小動物のみを食べていると図鑑類に解説があったり、探鳥会リーダーから説明を受けた方がいらっしゃると思います。ところが、日本・イギリス・カナダの国際共同研究グループが、2012年に日本、カナダの干潟における調査や鳥糞や餌の分析をした結果、小型シギ類が最大餌全体の78%を微細藻類、バクテリア、およびそれらが細胞外に放出する多糖類粘液で構成された薄い層から構成されるバイオフィルム(以下、バイオフィルムと略)でまかなっていたと発表しています。(シギとバイオフィルムについて)桑江(2012)が、前記に記した調査結果を整理し、バイオフィルムに関する内容について報告しています。(1)小型シギ類は棘毛(きょくもう)にバイオフィルムを絡めて食べる体が小型のシギ類ほど棘毛が発達し、バイオフィルムを食べるのに適合した形態を持っていると述べています。舌先に存在するブラシのような棘毛にバイオフィルムを巧みに絡めて食べていることが判明したと記しています。また、チドリ類やクサシギ類にも棘毛が存在しているが、大型のチュウシャクシギには見られないと報告しています。(2)バイオフィルムの発達しやすい環境波や流れの穏やかな泥干潟の方が、泥表面にバイオフィルムが発達しやすく、多く利用されている可能性があると報告しています。泥干潟に飛来するトウネンにおいてバイオフィルムへの依存度が高い一方、砂干潟に飛来するハマシギでは依存度が低かったと紹介しています。(3)シギとチドリの餌の取り方は見直す必要あり餌をめぐる他の鳥類との競争で、小型シギは干潟泥表面のバイオフィルムを食べるように進化したのではないかと考えられますと記し、シギは長い嘴を用いて泥深くの餌をとり、チドリは泥表面の餌をとる」という説明は、見直しが必要で、むしろ、小型シギとチドリ類、中大型シギの食い分けと理解できる旨を述べています。(これまでのシギ・チドリ類の嘴と餌について)百瀬(2024)が、シギ・チドリ類の嘴は種類によって変化に富んでいると述べ、体が大きく湾曲した嘴を持ったダイシャクシギ、ホウロクシギは深い巣穴に潜んでいるカニを引っ張り出して食べ、小型のソリハシシギは柔らかく繊維な嘴を使い浅い巣穴にいるゴカイや小型のカニをとらえ、最も小型のトウネンは比較的短い嘴でミシン針のように素早く地面をつつきながらごく小さな餌を食べていると述べています。このうち、舌先に棘毛をもつシギ・チドリ類は、桑江(2012)がウズラシギ、ソリハシシギ、トウネン、メダイチドリを例にあげています。つついて餌をとっているとの表現は、棘毛にバイオフィルムを巧みに絡めて食べていると表現するのが適切ということになります。(引用)桑江 朝比呂.2012.トウネンもハマシギもバイオフィルムを食する.Bird Research News Vol.9 No.3.p2-3.百瀬邦和.2024.餌が違えば嘴の形も違う.おもしろくてためになる鳥の教科書.山階鳥類研究所著.p61-65.山と渓谷社.(写真)1枚目:メタイチドリ2017年8月27日三番瀬で撮影2枚目:ウズラシギ2013年8月24日三番瀬で撮影3枚目:ミユビシギ2021年8月21日三番瀬で撮影4枚目:トウネン2020年8月10日三番瀬で撮影5枚目:ハマシギ2022年4月29日谷津干潟で撮影
2026.08.13
コメント(0)

台風の影響で朝から雨が降ったりやんだりを繰り返しているので、過去に録音したアオアシシギの鳴き声を復習。鳴き声は「キョウ、キョウ、キョウ、キョウ」とか「チョー、チヨーチョー」と3音で構成されている諸先輩から教えてもらってきたし、自分でもそう聞いていました。ところが、三番瀬で録音したデータを復習するとキョウ、キョウ、キョウと8音から構成されていました。調べてみると、蒲谷(1996)が「キョウ、キョウ、キョウと人間の耳には4-5回鳴いているように聞こえるのだが、声紋を見ると2秒弱の間に8回もキョウ、キョウ、キョウという声を出していることが読み取れる。(中略)私たちが聞いているよりも実際にはもっと数多くの声を出している場合が多い」と報告していました。収録のCDを聞いてみると、1秒強の間に8回鳴いている声が確認できました。鳴き声、おさらいしてみると、新しい発見があるものだと痛感しました。(引用)蒲谷鶴彦.日本野鳥大鑑鳴き声333.(上)1996.p121.小学館.(写真)1枚目:2021年8月28日茨城県稲敷市、2枚目2019年10月21日稲敷市、3枚目:2017年8月20日千葉県習志野市、4枚目:2016年9月10日稲敷市
2026.08.12
コメント(0)

打ち寄せる波と引く波に対し走りながら採食するミユビシギ、いろいろな羽衣を観察します。8月から9月に見かける羽衣と近似種トウネンとの違いを整理してみました。(1)夏羽と夏羽から冬羽に移行中の個体春先に見かける夏羽は、頭・胸・体上面が赤褐色で黒い斑があります。8月に見かける夏羽(写真1枚目)は、頭・胸に赤褐色が残りますが、上面に灰白色の羽が混じるので白黒模様に見えます。同じ8月に見かける個体でも写真2枚目のような頭・胸に赤褐色が薄れ、上面に灰色の冬羽が混じるものも見かけます。写真2枚目の個体を観察していたすぐ近くには写真3枚目のような個体も見かけました。上面に黒色と灰白色の羽が入っていました。(2)ミユビシギとトウネンミユビシギは全長20-21cm、トウネンは全長13-16cmと一回りトウネンのほうが小さいです。(写真4枚目参照)しかし、波打ち際を移動する姿を遠目に観察している時、どちらかわからないという場面に遭遇します。そんな時には、翼角(*)に注目します。ミユビシギは翼角が黒いのに、トウネンでは翼角は黒くありません。(*翼の前縁にある、角のように曲がっている部分です)このほか、ミユビシギの換羽中の個体では眼下が白いものが多い傾向にあります。(3)ミユビシギに近いハマシギサイズではハマシギ(全長16-22cm)に近い種類です。ミユビシギの体形はずんくりとしており、嘴はハマシギより短いのが特徴です。(写真)1枚目:2020年8月10日三番瀬、2枚目:2018年8月11日三番瀬、3枚目:2018年8月11日三番瀬4枚目:2013年8月4日三番瀬(画像中央右がミユビシギ、左がトウネン)5枚目:トウネン、2016年7月25日三番瀬、6枚目:トウネン、2025年8月21日谷津干潟で撮影
2026.08.11
コメント(0)

フライイングキャッチ行動を繰り返し空中の昆虫を捕食するツバメチドリは、細長く先端の尖った翼をもち、多くのファンのいるツバメチドリ科の鳥類です。3月17日に環境省が公表した「第5次レッドリスト(鳥類及び爬虫類・両生類)」の解説版である第5次レッドデータブックに絶滅危惧Ⅱ類と区分され掲載されています。その内容の一部を紹介すると共に過去の観察記録を整理してみました。(1)レッドデータブック(概要)環境省(2026)は、「モニタリングサイト1000シギ・チドリ類調査2004-2017年度 とりまとめ報告(2020)では、Amano et al. 2010と同様の分析を行い、最大個体数指標を算出した。2000年を基準値1.00とし、2017年時点で、平均0.90(春期0.79、秋期1.01)。継続して春期・秋期とも減少傾向が見られている。特に春期の減少が著しい」と報告しています。(存続を脅かす要因)環境省(2026)は、「本種は河川敷や埋立地など、被植率の低い環境で営巣するが、ダム建設によって河川が氾濫しにくくなったため被植率の低い河川敷は減少している。また、河川敷はレジャー等による人の影響もある。そして埋立地などの人工的な環境は開発が進むため安定しない。渡りの際にも利用される荒れ地状の草原や耕作地も全国的に減少傾向にある」と述べています。(2)過去の観察・繁殖記録についてa.観察記録環境省(2026)には「1970年代および1990年代では本州での繁殖記録があったが、2010年代では観察記録のみで、繁殖記録は南西諸島の記録のみとなっている」と記されています。蜂須賀(1953)は、ツバメチドリの観察記録を整理し報告しています。報告では、1889年9月28日茨城県にて幼鳥1羽採集、年月日不明、神奈川県(相模)酒匂(松平頼孝氏のコレクシヨン)、1927,黒田長礼が山城国採集の幼鳥1羽を購入したもののほか、1930年5月19日-21日北硫黄島石野村、1930年9月23日東京都洲崎の埋立地で繁殖、1931,年7月中旬-下旬に大阪湾住吉で20数羽の飛翔を観察(以下省略)したなど11件を記しています。このほか、日本野鳥の会(1993)には、1992年4月24日埼玉県本庄市、1993年5月1日埼玉県本庄市の観察記録が報告されています。b.繁殖記録環境省(2026)には繁殖記録は南西諸島の記録のみと断言されていますが、遠藤ほか(1987)が1986年6月12日に成鳥2羽とふ化直後のヒナ3羽の報告をしており、大阪市立自然史博物館に1986年7月28日堺2区埋立地での繁殖、1990年8月26日幼鳥を含む10羽以上の記録、1992年7月5日守口市淀川での巣立ちビナ2羽の記録が寄せられています。(引用)蜂須賀正.ツバメチドリの記録.日本鳥学会誌.第13巻.第62号.p52-55.遠藤孝一・高橋英樹・藤田幸子.栃木県におけるッバメチドリの繁殖記録.日本鳥学会誌.第35巻.p166-168.環境省(編).2026.第5次レッドデータブック:絶滅のおそれのある日本の野生生物 鳥類.環境省.東京.911pp.(写真)1枚目、3枚目:2020年8月24日稲敷市、2枚目:2014年8月18日茨城県稲敷市、4枚目:2014年7月20日稲敷市で撮影
2026.08.10
コメント(0)

ズグロカモメ第一回夏羽が8月2日に葛西臨海公園東渚を飛翔していたと情報をもらいました。冬に九州で姿が観察されていますが、8月の観察はとても珍しいと思います。レッドデータブックに掲載されている内容とあわせて紹介します。(ズグロカモメ、第一回夏羽と第一回冬羽)氏原(2010)が「第一回冬羽は頭が黒くなるが成鳥のような完全な頭巾状になることは少ない」、「第一回冬羽は雨覆、三列風切に褐色斑があるが早い時期に灰色の羽毛に変る個体が多い」と報告しています。(レッドデータブックの掲載概要)3月17日に環境省が公表した「第5次レッドリスト(鳥類及び爬虫類・両生類)」の解説版である第5次レッドデータブックにズグロカモメが準絶滅危惧と区分され掲載されています。(概要)環境省(2026)は「世界的にも局地的な分布であり、個体数も限られている。繁殖地、越冬地ともに生息環境の悪化および減少が深刻である」、「繁殖地の中国遼寧省で標識放鳥したものが、日本の九州各地、四国、本州西部および韓国南西部で発見されたことにより、これら繁殖個体群と越冬個体群との関係が明確になった」と報告しています。(個体数について)環境省(2026)は、「世界全体の個体数は14400羽で近年やや増加の傾向がある(中略)2023-2024年の冬季調査で確認された本種の個体数は、6007羽」と報告しています。(引用)環境省(編).2026.第5次レッドデータブック:絶滅のおそれのある日本の野生生物 鳥類.環境省.東京.911pp.氏原巨雄・氏原道昭.2010.カモメ識別ハンドブック.p22.文一総合出版.(写真)1枚目:2022年3月21日習志野市谷津干潟(成鳥夏羽)2枚目:2023年3月11日船橋市三番瀬(成鳥冬羽)3枚目:2023年3月11日船橋市三番瀬(成鳥夏羽)
2026.08.09
コメント(0)

印西市と柏市の境にある水路と水田地帯から柏市柏下までの8kmの範囲で真夏を生き抜いている鳥たちの生活を探索。スタート地点の水面に41羽のコブハクチョウ、穂が出そろった田んぼの中では餌探しに余念のないチュウサギの姿、谷津田に入ると電線にツバメ成鳥と幼鳥が横一線に止まっていた姿、複数のスズメの幼鳥、ハクセキレイの親子、カワラヒワ成鳥と幼鳥、ホオジロが芋虫と思われる餌を捕獲した光景とじつにいろいろな生活を垣間見ることができました。(嘴が淡色のスズメは一見するとニュウナイスズメ似)頭頂が赤茶で頬が白っぽく見えたスズメ大の鳥が登場。頬に注目していたら黒斑があり、スズメ幼鳥と判明。気になってスズメを丁寧に見ていくと、嘴と喉が黒色の成鳥、黄色から淡色までいろいろな色の幼鳥といろいろな個体を発見しました。(ハクセキレイ若鳥の微妙な色合い)電線に白い三列風切が目立ち、耳羽を囲む周辺に帯のようなものが見え、口角が黄色のセキレイ類の姿を発見。頭が淡い頭巾状ではないのでハクセキレイ幼鳥とわかりました。近くにはハクセキレイ成鳥が餌探しに余念のない姿を見つけました。(カワラヒワ若鳥の姿)電線に頭部の黄緑色が強いのに下面に縦斑のある幼鳥の姿を観察しました。先月16日柏の葉キャンパス駅近くで観察したカワラヒワ幼鳥とは頭部の色に違いがありました。(写真12枚目が7月16日に観察した個体)カワラヒワは頭部、周辺から抜け始め、翼から抜け始め、背中、翼、尾羽の順番で換羽し全部で90日程度かかると聞いています。(ハシボソガラスは体表に暑さが伝わらないの?)沿岸ではあちこちにハシボソガラスが木の上に止まり、嘴を開けて熱を放出していました。帰宅後、鳥友の獣医に聞いてみたら、羽毛が作り出す空気の層で体表の暑さが直接伝わらないと教えてもらい、体温は約41度程度なので外気とのギャップは感じていないと思うと教えてもらいました。(写真)2026年8月8日撮影(12枚目は2026年7月16日柏の葉キャンパス駅近郊で撮影)
2026.08.08
コメント(0)

渡来したツバメ夫婦が造巣、産卵、子育てをし幼鳥たちと行動している姿を見かけるのもあと少しの時期となりました。来年もまた飛来してくれるといいのにと思います。先日、コウノトリの里を訪ねた折、来訪者の方と毎年同じペアが帰還するのでしょうかと会話をしました。オスとメスの繁殖地への到着する日の差で同じ夫婦が維持されるか、離婚する分岐点となる論文の内容を神山(2010)が紹介しています。くわえて、繁殖地への帰還率について水田(2024)が報告している一部を紹介します。(新潟県での追跡調査の結果から)神山(2010)は、新潟県上越市で2005~07年の3年間に168組のツバメ夫婦を捕獲してカラーリングを付けて追跡調査をした論文を紹介しています。「越冬のために南へ去ったツバメが翌年また戻ってくる帰還率はオスが47.0%、メスが33.3%で、統計的には両者に差はありませんでした」、「オス・メスともに翌年も生存していたのは168組のうち26組で、その中で離婚した夫婦は65.4%(17組)もいました」記しています。また、原因は、オスとメスが繁殖地に到着する日の差にあったと報告しています。つまり、オスがメスより早く到着してい て、オス・メスの到着日の差が10日以内なら両者はふたたび夫婦になる場合が多いのに対して、オスの到着がメスより1日でも遅れれば、メスは別のオスと夫婦になってしまっていたと記し、離婚するのは両性の到着日の差が原因であると紹介しています。なお、夫婦そろって同じ巣に帰還したかついては、記述が見当たりませんでした。(ツバメの帰還率について)前記の神山(2010)は、繁殖地への帰還率がオス47.0%、メス33.3%と紹介しています。これに対して、水田(2024)は1954年から1959年に東京都多摩地方で成鳥240羽、幼鳥1300羽に足環をつけて調査したデータがあることを紹介し、成鳥240羽のうち翌年も多摩地方に戻ってきたのは54羽(約23%)、幼鳥1300羽のうち戻ってきたのは34羽(約3%)だったと述べています。幼鳥の死亡率が高いのとともに生まれ故郷に戻らず新しい場所で暮らす傾向があると考えられると記しています。さらに、夫婦そろって同じ巣に戻ってくるのは単純に計算しても120番のうち3番、わずか2.5%と述べています。この帰還率の差は、里山環境が残っている差、餌となる昆虫の差、越冬地の違いによる差などいろいろな要因が考えられるので評価がむずかしいところです。(引用)神山和夫.2010.ツバメの離婚と雌雄の到着時期の差~なにがツバメの夫婦を別れさせるの?~.原典:Arai, E., Hasegawa, M. & Nakamura, M. 2009. Divorce andasynchronous arrival in Barn Swallows Hirundo rustica. Bird Study 56: 411-413. Bird Research News Vol.7 No.3.p2.水田 拓.2024.毎年来るツバメは同じツバメか.足環をつけた鳥が教えてくれること.山階鳥類研究所 著.p72-75.山と渓谷社.(写真)1枚目:2026年7月27日手賀沼沿岸、2枚目:2026年6月19日柏市内、3枚目:2011年7月2日柏市内、4枚目:2026年8月3日野田市内で撮影
2026.08.07
コメント(0)

スマートな体形で多くのファンを持つとされるアオアシシギ、8月から9月にかけてその姿を見かけます。ところが、その羽衣は同じ種類とは思えないほどバリエーションがあり、観察者を悩ませます。幼鳥、第一回冬羽、第一回夏羽などのポイントを整理してみました。(1)8月から9月にかけて渡来する幼鳥よく見かけるのが上面の褐色味が強く、白い羽縁がある幼鳥(写真1枚目)です。各羽に丸みがなく先端が尖り気味です。幼鳥は4か月ほど経過すると第一回冬羽の羽衣(写真2枚目)になります。(2)第一回冬羽肩羽は灰褐色で先端に丸みがあり、白い羽縁が目立ちます。第一回冬羽では部分換羽で、雨覆・三列風切に褐色の幼羽が残っています。(写真2枚目)(3)第一回夏羽頭から胸にかけて黒い縦斑があり、肩羽には黒い軸斑と白い羽縁の夏羽が出てきます。このほか、冬羽と摩耗した幼羽(褐色)が残っています。第一回冬羽と同様に部分換羽です。(4)成鳥冬羽上面が灰褐色で羽縁が白く丸みがあります。下面の白さも目立ちます。(写真4枚目)(5)その他8月から9月にかけて写真5枚目や写真6枚目のような個体を見かけます。写真5枚目は、頭から胸にかげて斑があった痕跡があり、摩耗した褐色の幼羽があることから第一回夏羽と考えた個体です、また、写真6枚目は、各羽に丸みがなく先端が尖り気味であり、上面の褐色味が強いことから幼羽であることがわかります。(写真)1枚目:2021年8月28日茨城県稲敷市、2枚目:2019年10月21日、茨城県稲敷市、3枚目:2017年8月20日千葉県習志野市、4枚目:2016年9月10日茨城県稲敷市で撮影5枚目:2014年8月24日東京都葛西、6枚目:2024年9月20日茨城県稲敷市で撮影
2026.08.06
コメント(0)

天気予報は曇りでしたが午前中早い時間から晴れ間が出てきたので船橋市三番瀬を訪ねました。小潮ながら干潮は14時30分前後で、公園に近い干潟に鳥の姿がありました。お目当ては、2026年3月に公表のレッドデータブックで絶滅危惧ⅠB類に区分されたコアジサシとの出会い、シギ・チドリとの出会いです。コアジサシについては、草地化による裸地の消失、卵や雛の捕食、造成工事やレジャーにより人為的攪乱を受けるなどで繁殖成功率は高くなく、姿を観察できるフィールドが激減しています。(コアジサシ親子の姿と再会)コアジサシの姿は、船橋港よりの干潟にありました。成鳥8羽、ヒナ3羽。キリィキリィと鳴き声が聞こえたので移動していくと、水たまりの縁で幼羽個体が餌を待ち焦がれている姿があり、成鳥が何とも餌の小魚を運搬していました。幼羽は。背、翼に褐色の斑があり、足と嘴が橙色に見えました。(シギ・チドリ)シギ・チドリは、ミヤコドリ、ダイゼン、ミユビシギ、キアシシギ、オオソリハシシギの姿を見つけました。ダイゼンは下面に白黒が混在している夏羽から冬羽に移行中の個体、ミユビシギは上面の軸斑を除くと冬羽とあまり変わらず、上面は黒色が目立ち羽色の地が白色の若鳥でした。キアシシギは、下面の横縞が目立ち、腹中央に横縞がない夏羽個体でした。(ウミネコの羽衣のいろいろ)ウミネコは、成鳥、幼鳥の羽衣のいろいろを観察しました。嘴が成鳥と同様の赤・黒・赤・黄色、虹彩が黄色で雨覆に褐色部のある幼鳥など、実にいろいろで見ごたえがありました。(写真)2026年8月5日撮影
2026.08.05
コメント(0)

先月まで見守りをしてきた林と別の場所にツミが営巣し、幼鳥が4羽誕生しました。先月22日には幼鳥は2羽、27日には幼鳥は1羽の姿が観察できるのみとなっています。ただし、28日には雄成鳥が近くの高圧線に止まり、カラスが林に接近すると鳴き声を出しながら追い払い行動を目撃しています。林のどこかに幼鳥が存在しているものと考えらます。(今朝は幼鳥2羽が餌を自力で捕獲・解体)今朝は、鳴き声を3回聞いたほか、自力で小鳥を捕獲し、高い枝に止まり解体をしていました。止まっていた位置が高く、葉に隠れてしまい私の方向をむいていましたが、思うように記録はかないませんでした。このため、脛毛の黒褐色の横斑や雨覆の色や模様から同一個体と思われる個体の写真をアップしました。(写真2枚目、3枚目)(いつ頃まで林の滞在するか)畑(2000)が「幼鳥のハンティング行動が見られてから1週間後には営巣林とその周辺では姿が確認できなくなった」と報告しているものもあれば、森岡ほか(1995)のように「8月末までに見かけなくなった例と春先までいて親鳥が繁殖行動をとるようになってから見かけなくなった」と報告しているものもあります。観察地の環境などの影響で幼鳥の行動を把握できる場合としにくい場合があること、採餌する場所が近郊にある場合と遠い場合など影響しているのではないかと思われます。見守りをつづいているツミを引き続き、注視していきます。(引用)森岡照明・叶内拓哉・川田隆・山形則男.1995.日本のワシタカ類.p118.文一総合出版.畑 隆弘.2000.東京都西部におけるツミの繁殖生態について.スタディレポートVOL6.pp32.(株)フレック研究所.(写真)2026年8月4日撮影(1枚目)、2枚目、3枚目は2026年7月23日撮影
2026.08.04
コメント(0)

3月17日に環境省が公表した「第5次レッドリスト(鳥類及び爬虫類・両生類)」の解説版である第5次レッドデータブックにコジュリンが絶滅危惧ⅠB類と区分され掲載されています。(レッドデータブック概要)環境省(2026)は、「本亜種は繁殖を可能とする生息地の条件が非常に限られていて、東北地方の岩木川流域、仏沼周辺、八郎潟、最上川下流域、新潟県福島潟、利根川下流域に個体群が分断化されている」「北日本(青森県、秋田県、新潟県)の個体群は夏鳥として繁殖し、関東以南から西日本の地域で越冬している。利根川下流域に分布する個体群は留鳥である。かつて存在した長野県霧ヶ峰、富士山麓、佐渡島の繁殖個体群は消失した。北海道では確実な繁殖記録がない」と報告しています。(存続を脅かす要因)環境省(2026)は、「河川敷などにおける撹乱の減少による丈の低い草原の減少。放牧・野焼きの中止、採草地の放棄等により草原から灌木林への植生遷移。また、メガソーラー建設による草地開発や耕作放棄により生息地が減少している」と述べています。(絶滅危惧種でありながら越冬地も把握されていない)第5次レッドデータブックには、コジュリンの繁殖地に関する記述はありますが、越冬地についてはまったく記述がありません。絶滅危惧ⅠB類に区分される種類でありながら、越冬地に関する知見を紹介するなど基礎情報の提供をすべきだと思います。次回のレッドデータブックに情報が盛り込まれるように期待したいと思います。(標識調査員のみなさんが明らかにした越冬地)環境省自然環境局(2020)に鳥類標識調査のメンバーによって確認された繁殖地は、7県、18地点、地点は8地域にまとめられると報告されています。また、山階鳥類研究所・環境省生物多様性センター(2023)に「主な越冬地は関東の太平洋側から九州にかけて広い範囲で確認され、主要な繁殖地である北日本の大半では越冬していない」と記されています。(引用)環境省自然環境局 生物多様性センター. 2022.2020年鳥類標識調査報告書.p39-40.山階鳥類研究所・環境省生物多様性センター.2023.バンディングかわら版(第6号).pp1-2環境省(編).2026.第5次レッドデータブック:絶滅のおそれのある日本の野生生物 鳥類.環境省.東京.911pp.(写真)2026年8月1日茨城県稲敷市で撮影
2026.08.03
コメント(0)

昨日、茨城県浮島でオオハシシギ夏羽を観察しました。復習をしていて気がついたことがあります。それは、夏羽でも春先と夏では細かい部分で違いがあることです。(春先の夏羽と8月の夏羽の違い)春先の個体は下面の各羽に横斑と白い羽縁が目立つのに、昨日の個体は各羽の横斑と白い羽縁がなく下面は一様赤褐色でした。調べてみると、氏原(2004)がこの点を報告していました。写真1枚目と2枚目は昨日の観察した個体、写真3枚目と4枚目は2013年4月28日に観察した夏羽個体です。(夏羽から冬羽への換羽)8月から9月にかけて換羽をします。写真6枚目は2018年10月6日に同地で観察した夏羽から冬羽に移行中の個体です。肩羽周辺に夏羽の名残がありますが、翼の大方が冬羽に移行しています。翼が最初に換羽し、他の部分はその後ということとみることができます。(上嘴が少し長く、案外しなやか)嘴で蓮田の土をつついていた際、上嘴が下嘴に比べて少し長くて、上嘴が上方向に反っているのを目撃しました。決定的瞬間を記録するにはかないませんでしたが、2018年10月にも同様のことを観察したことがあります。写真2枚目の個体の嘴に注目すると、上嘴が下嘴に比べて長いことがわかります。写真には記録できなかったのですが、嘴を開けていると上嘴が上方向に反りあがっていました写真4枚目は、2018年10月に同地で観察した上嘴が反り返っていた時のものです。以前、獣医の鳥友に嘴に関して教えてもらったことがあります。シギの仲間の嘴は、先端だけが硬い非常に特殊な構造をしているのが特徴で、嘴の先端部にはひだ状の真皮があり、神経が通った機能を持っています。この先端部(ヘルプスト小体)を触覚にして採餌します。先端部は振動に対して敏感で採餌する時に役立つものと教わりました。(尾羽)オオハシシギは腰から尾羽に褐色の横斑がありますが、下面が赤褐色で黒っぽい横斑があるのに気が付きました。近似種シベリアオオハシシギは腰から尾に黒褐色の横斑がありますが、脇から下尾筒は白く、黒褐色斑があり違いがありました。この点は、今井(2019)が同じ点を報告していました。オオハシシギは写真1枚目と2枚目、シベリアオオハシシギは2013年7月7日葛西臨海公園で観察した個体です。(引用)氏原巨雄・氏原道昭.2004.シギ・チドリ類ハンドブック.p37.文一総合出版.今井光昌.シギ・チドリ類の年齢・季節による羽衣の変化 ―連載第17 回 シベリアオオハシシギ―.日本野鳥の会三重会報.第110号.p10.
2026.08.02
コメント(0)

いよいよ、8月に入り、茨城県稲敷市浮島のシギ・チドリを探索する時期が到来しました。霞ヶ浦に注ぎ込む新利根川脇から広がる蓮田を甘田干拓地近く野田奈川の間を探索しました。例年と違って休耕している蓮田がほとんどなく、一見するとシギ・チドリが降り立つところがないように見えましたが、それでも昨シーズンタカブシギ、コアオアシシギが羽をやすめていたポイントに立ち寄ると、コチドリ、タカブシギ、コアオアシシギ、オオハシシギの姿を発見。(タカブシギ)タカブシギは胸と脇に縦斑があり、上面の淡色部が増えている成鳥夏羽と上面の白斑が擦れて白斑が小さい成鳥夏羽後期の個体の姿がありました。(クサシギ)頭から胸に縦斑があり、上面は暗褐色に見え、尾羽の横帯が3本見えました。嘴はタカブシギと比べるとやや細い印象でした。(コアオアシシギ)コアオアシシギは、幼羽から第一回冬羽に移行中と思われる個体を観察しました。(オオハシシギ)オオハシシギは、頭上が褐色色で眉斑があり、まっすぐ伸びた嘴、上面が黒味がかった褐色で、白い羽縁と横斑が擦り切れて下面が一様な赤褐色となっている夏羽後期の個体でした。(甘田観察地のコジュリン、オオセッカ)帰り道に甘田干拓に立ち寄り、コジュリン、オオセッカの姿を観察。複数の個体が生息し、見ごたえがありました。(備考)新利根川よりには蓮田の休耕田はほとんどない状態です。野田奈川沿いに限られた休耕田があるのみです。ただし、農作業の関係で農道への車両の乗り入れは厳禁、また。大人数で入るとシギ・チドリを飛ばしてしまいますので注意が必要です(写真)2026年8月1日撮影
2026.08.01
コメント(0)

アカハラツバメ、コムクドリの姿を求めて手賀沼沿岸の谷津田を中心に探索しました。以前、コムクドリの群れと遭遇したエリアの農地で高原モズの姿を見つけました。(どこから来たの、高原モズ)高原モズは、羽縁の摩耗と退色によって全体が灰色味の強いモズのことで高原型モズと呼ばれます。モスの亜種ではなく標高の高い場所、北方で繁殖した個体が平地に移動すると言われています。手賀沼沿岸では6月から8月頃に姿を時折、見かけます。今日見かけた個体は、初列風切基部に白斑がある雄個体(写真6枚目と7枚目)でした。ちなみに8枚目の写真は雌個体で、背中が灰色で、翼の白斑はありません。(水辺の鳥たちの近況)印西市と柏市の境界を流れる河川沿いではコブハクチョウの群れが羽をやすめ、水田ではアオサギ、ダイサギ、チュウサギが餌探しに余念がない姿を披露。(谷津田のツバメ幼鳥は第一陣が渡去し、わずかな個体が残留)27日には複数の谷津田の電線にツバメ幼鳥の姿がありましたが、今朝は限られた個体のみでした。南の国を目指して移動したものと思われました。それでも、電線に止まって親鳥から給餌を受けていた幼鳥の姿を観察出来ました。(写真)2026年7月31日撮影
2026.07.31
コメント(0)

3月17日に環境省が公表した「第5次レッドリスト(鳥類及び爬虫類・両生類)」の解説版である第5次レッドデータブックにトウネンが準絶滅危惧と区分され掲載されています。かつて数千から万単位で姿が目撃された種類ですが、その激変ぶりに驚くばかりです。(レッドデータブック概要)環境省(2026)は、「モニタリングサイト1000シギ・チドリ類調査2004-2017年度 とりまとめ報告(2020)では、Amano et al. 2010と同様の分析を行い、最大個体数指標を算出した。2000年を基準値1.00とし、2007年時点で、平均1.09(春期0.84、秋期1.34)、2017年時点で、平均0.85(春期0.79、秋期0.90)。春期・秋期とも減少傾向が見られている。特に秋期は増加傾向が見られたのちに減少している」と報告しています。(存続を脅かす要因)環境省(2026)は、「河口、干潟などの浅海域、水田に生息するため、河川や海岸開発、圃場整備による生息環境の減少や変化」と述べています。(トウネンの個体数が最小値を示した)環境省(2015)は、2014年秋に実施したモニタリングサイト1000シギ・チドリ類調査の結果を報告しています。報告では「トウネン、メダイチドリ、コチドリ、キョウジョシギ、オオソリハシシギ(環境省RL Ⅱ類)、イカルチドリも11年間で最小値を示していました」と述べています。バードリサーチ(2025)は、シギ・チドリ類調査 2004-2022年度 とりまとめ報告書の内容について報告しています。2022年までの結果では、「どこかのシーズンで減少傾向にある種が多く、(中略)ホウロクシギ、タカブシギ、ウズラシギなど、環境省やIUCNの絶滅危惧種に指定されている種も、依然として減少傾向にあります。減少傾向にある種は、タマシギ、ケリ、シロチドリのような国内で繁殖する種、国内を中継地として利用する渡り鳥であるメダイチドリ、トウネン、キアシシギのような種、国内で冬越するハマシギ、ミユビシギなど、様々な生活型の種が含まれています」と述べています。くわえて、「秋期(南下)では、オオソリハシシギ、ダイシャクシギ、トウネンなどの秋期の初認が遅くなっている傾向が見られました」と記しています。その背景には、生息地の物理的消失、中継地の干潟劣化、気候変動による餌資源ミスマッチや洪水増加による繁殖適地の縮小があげられる旨を述べています。(引用)環境省.2015.モニタリングサイト1000シギ・チドリ類調査ニュースレター.pp1-2.バードリサーチ.2025.長期モニタリングからみる日本のシギ・チドリ類.https://db3.bird-research.jp/news/202510-no1/環境省(編).2026.第5次レッドデータブック:絶滅のおそれのある日本の野生生物 鳥類.環境省.東京.911pp.(写真)1枚目:2016年7月25日茨城県稲敷市(夏羽から冬羽に移行中)、2枚目:2021年8月28日稲敷市、3枚目:2016年9月3日千葉県船橋市、4枚目:2021年9月24日稲敷市で撮影(いずれも幼鳥と思われる個体)
2026.07.30
コメント(0)

イワツバメは夏鳥として九州以北に渡来し、西日本で一部が越冬するとされている鳥類です。ホームグランド千葉県柏市内では、2025年5月まで見かけていましたが、今シーズンは観察できないままでいます。さて、イワツバメのコロニーと生存期間に関する話題を提供します。(1)北部九州ではイワツバメの繁殖コロニーが冬の塒になる武下(2004)は日本鳥類標識協会全国大会で「北部九州では繁殖コロニーが冬期は越冬塒となる。繁殖期に成鳥、ヒナにリングを装着した個体が、同一塒で数多く捕獲されることから、これらは同一集団と考えられるが繁殖の終了した8月上旬より12月上旬迄コロニーから姿が消えてしまう」と報告しています。短期間であれば、飛びながら寝ているとも考えられますが、一定期間不在とすると放浪の旅に出るのか、成鳥と成長したヒナが餌をとるエリアに移動し、狩りを教え会得して塒に帰還するのか等、興味が尽きません。(2)イワツバメの生存期間武下(2004)は、イワツバメの年齢に関して「巣内ヒナにリングを装着した個体の6年目の回収例が極めて多い。成鳥では1990年放鳥、1996年再捕獲の6齢+が1例あるだけで、6年目の回収例は無く、5年目回収が5例、4年目回収が非常に多いことから、イワツバメの生存期間は6年とも考えられる」と述べています。同じツバメ科ツバメが標識調査の結果、初放鳥から回収された日まで最長で8年11か月という記録が見受けられますから、それと比べて生存期間は短いということになります。ただし、調査期間が長くデータの多いツバメの方が記録が伸びやすい側面があります。ちなみに水田(2024)が1954年から1959年に東京多摩地区でツバメに足環を装着した調査の結果を紹介しも平均すると幼鳥で1.6年、成鳥で2.3年と見積もられていると述べています。(引用)武下雅文.2004.イワツバメの減少化と年齢.第19回日本鳥類標識協会全国大会.報告集.p10西 教生.2013.イワツバメ Bird Research News Vol.10 No.9.p4-5.水田 拓.2024.毎年来るツバメは同じツバメか.足環をつけた鳥が教えてくれること.山階鳥類研究所著.p72-75.山と渓谷社.(写真)1枚目、2枚目:2025年5月27日柏市内で撮影、3枚目:2023年5月18日柏市内で撮影
2026.07.29
コメント(0)

先月まで見守りをしてきた林と別の場所にツミが営巣し、幼鳥が4羽誕生しました。見守り活動を続けています。23日に姿を幼鳥2羽が昨日は1羽となり、今朝は幼鳥の姿は観察できなくなりました。しかし、雄成鳥が林の近くの高圧線にとまり、ハシブトガラスとオナガの壮絶なバトルが展開されていた様子を監視し、一度だけ急降下をして林に帰還する姿を目撃。雄成鳥と別の鳴き声がしたことから幼鳥が飛来し、防衛のための飛来ではないかと思われます。(営巣林外生活期)幼鳥が自力でスズメを捕獲し、解体し自ら食べていた姿を観察したのが19日のことでした。ハンティング行動が見られて1週間程度で営巣林を離れると他地域での観察報告を耳にしていましたが、私共のところでも同様でした。(幼鳥同士の声のコミュニケーション)林に幼鳥2羽となってから、別々の枝に止まっていると、頻繁にピーピーピーと3声の抑揚のない平坦な鳴き声を出していました。お互いの位置関係を鳴き声で確認しているようでした。ツミの鳴き声に関しては、平野(1994)が栃木県宇都宮市で1993年から1994年に行った調査結果を整理し報告しており、、その中で成鳥雌雄の鳴き声に関して「クウ、クウ、ピョーピョピョピョ、ケーケーケーまたはケッケッケッ、キッの4つ」に大別されることを報告しています。しかし、幼鳥の鳴き声に関しては、記されておらずその意味あい、3声以外の鳴き声を発するか等観察記録を蓄積していく必要があります。(写真)1枚目:2026年7月28日撮影、2枚目から4枚目2026年7月25日撮影(引用)平野敏明.1994.繁殖期におけるツミの鳴き声活動と空中ディスプレイについて.Strix.第13巻.pp31-39.日本野鳥の会.(これまでの観察まとめ)6/20:5/12まで姿が見られていた林から姿を消していたツミ成鳥ペアと同一個体かどうか特定ができませんが、巣がするのを観察。6/21:雌成鳥が電柱に止まり日光浴をする姿を観察。6/23:巣の中で動いている第二綿羽のヒナを観察。誕生後10日前後経過していると思われました。6/28:オナガがツミに複数羽で接近し、ツミが何度も鳴きながら追い払う。7/4:誕生した4羽の幼鳥のうち2羽が巣立ち。ただし、1羽は巣立ちしていない2羽と給餌を受ける時には巣に帰還。7/9:幼鳥3羽が成鳥から給餌を受ける。餌はすべてスズメと判明。7/13:営巣林にのこる幼鳥がセミを自力で捕獲。日光浴をする光景も観察。7/19幼鳥が自力でスズメを捕獲し、解体して自力で食べる光景を目撃。7/23:幼鳥が営巣林の枝に止まり、獲物のスズメをねらう仕草を観察。
2026.07.28
コメント(0)

手賀沼沿岸をコムクドリ、サギ類、ツバメ類の姿を求めて探索しました。柏市と印西市の境で複数のコブハクチョウの姿、水田地帯ではダイサギ、チュウダイサギ、チュウサギ、コサギの姿を見つけました。また、複数の谷津田の電線には50羽未満のツバメが羽を休めていました。(悩ましいチュウダイサギ)広大な水田地帯の一角で、一見するとダイサギなのですが、嘴の先が黒く、口角の食い込みが眼の下を超えない、足は黒味のある個体を発見。近くに姿があったチュウサギに比べると嘴が長めで違いがありました。帰宅後、撮影画像を復習してみると、頸が長く、首の曲げている具合も深く、口角の食い込みとあわせて考えると、亜種チュウダイサギと思われました。(写真2枚目)なお、写真3枚目にダイサギの画像(2016年7月25日)をアップしました。(見上げると亜種ツバメ成鳥、幼鳥の識別が悩ましい)最初に訪ねた谷津田の一角で70羽弱のツバメの中に亜種アカハラツバメ(Hirundo rustica saturata)1羽を発見。6年連続の観察となりました。電線に止まっているツバメを1羽ずつ観察していると、いろいろな羽衣を発見。胸から下面が真っ白な成鳥(写真4枚目)、腹は白いのですが下尾筒が褐色の幼鳥(写真5枚目、6枚目)、胸から下尾筒に褐色味のあるアカハラツバメ(写真7枚目、8枚目)と実にいろいろな羽衣でした。(写真)2026年7月27日撮影
2026.07.27
コメント(0)

手賀沼沿岸には、7月下旬になるとコムクドリ20羽前後が姿が現すエリアがあります。注目したいのがコムクドリ雄の頭部の栗色斑です。竹中(2005)は、2005年日本鳥学会でコムクドリ雄の変異と繁殖行動と題して報告をしています。コムクドリの頭部羽色の追跡調査を行ったところ、頭部の栗色斑は個体の加齢や頭部の栗色の部分が大きくなるといった年齢のindicatorである可能性は低く、頭部の栗色斑の大きさ形態は雄の繁殖行動の特徴を示すflagの役割を果たしている可能性が高いと述べています。2004年までの調査結果によると、頭部栗色斑が最も小さく両頬に斑状に分布するタイプの方が一夫二妻になる個体が多く、逆に頬斑の面積が広く頭全体をえりまきのようにとりまいているタイプの雄では一夫二妻となる個体は観察されなかったと報告しています。あわせて、雄成鳥の頭部栗色斑が最も小さく両頬に斑状に分布するタイプの方が営巣への貢献が低く、第一雌に抱卵を任せ、第2雌を得るために時間を割いている可能性があることから雄頭部羽色パターンは子育ての協力の度合いを示すflagの役割を果たしている可能性があると指摘しています。(引用)竹中万紀子.2005.コムクドリ雄の変異と繁殖行動.2005年日本鳥学会口頭報告.pp1.(写真)1枚目、3枚目、5枚目:2023年7月29日、2枚目2025年4月28日、4枚目:2025年4月28日、6枚目:2023年7月31日いずれも手賀沼沿岸で撮影1枚目が頬斑の面積が広く頭全体をえりまきのようにとりまいているタイプの雄2枚目が頭部栗色斑が最も小さく両頬に斑状に分布するタイプの雄3枚目は頭部栗色斑が最も小さく両頬に斑状に分布するタイプの雄を下方向から見たもの4枚目は、雌で、背が灰褐色、嘴が黒く、中雨覆に白色部があります。5枚目、6枚目は若鳥で、6枚目の個体には頬に栗色部があるので雄の可能性があります
2026.07.26
コメント(0)

柏の葉キャンパス駅近郊で2018年からヒメアマツバメの姿を観察しています。2024年11月を最後に観察記録が途切れていましたか、7月16日2羽を目撃しました。まだ何を食べているかまでを把握できないままです。どんな虫を食べているかについて文献や知見を調べてみました。(フンに含まれていた昆虫破片)高野ほか(2024)は、東京都千代田区および神奈川県真鶴町において2021年秋にヒメアマツバメのフンを採取し、内容を調査し結果を報告し、カメムシ、甲虫、アリが多かったと述べています。以前は、堀田(2012)が「空中を飛びながら、上昇気流に吹き上げられたカやハエ、羽アリなどの飛翔性昆虫を捕る」との報告を目にしていたので、カメムシ、甲虫、アリが多かったとの報告は新鮮でした。(飛翔性昆虫の多さが魅力?)こんぶくろ池公園と周辺では、蛾、蝶、トンボなどの飛翔性昆虫が多いと言われています。くわえて、柏の葉キャンバス駅近郊には、高層住宅が多く風に乗って昆虫が巻き上げられ、外壁の暖かさや明るさに引き寄せられカメムシが多くなるとされています。(引用)堀田昌伸.2012.ヒメアマツバメ 食性と採食行動.Bird Research News Vol.9 No.6.p4-5.髙野丈・守屋博文・神山和夫.2024.ヒメアマツバメのフンに含まれていた昆虫破片.バードリサーチニュース.2024年11月9日.(写真)1枚目:2023年5月30日柏市、2枚目:2020年9月19日柏市で撮影
2026.07.25
コメント(0)

鳥友から書籍をみていたら、北海道のほとんどの地域にホトトギスはいない旨が記されていた。(北海道のホトトギスに関する記述)樋口(1985)が「函館周辺を除く北海道の大部分の地域ではホトトギスが繁殖しない」と報告し、石田(2015)も「夏鳥として全国に渡来するが北海道では南部のみ」と述べています。(北海道におけるホトトギスの観察記録を紐解いてみると)藤巻(2017)が、ホトトギスについて1976~2016年の4月下旬~7月上旬に行った調査結果や文献に報告されているものを整理し報告しています。調査結果によると、「ホトトギスが記録された区画は渡島半島の桧山地方と渡島地方のほか,胆振地方中部の伊達市,室蘭市,登別市,苫小牧市に多く見られ,それ以外の地域では非常に少なかった。調査・観察の記録のある1519区画のうちホトトギスが記録されたのは75区画,4.9%であったが、桧山地方,渡島地方,胆振地方中部に限ってみると、調査・観察の記録のある150区画のうちホトトギスが記録されたのは55 区画(36.7%)であった」と記しています。文献に報告されているものでは、「胆振地方中部ではホトトギスが記録された区画がまとまって見られ、登別市では1992年以降ほぼ毎年声が聞かれているので、胆振地方中部も繁殖期の分布域に含めるべきであろ」と述べ、さらに「後志地方の仁木町銀山も小樽市、北広島市、札幌市、江別市野幌、十勝地方の新得町、帯広市、、根室地方の根室市別当賀、川口、東梅、別海町野付、羅臼町松法、留萌地方の天売島,上川地方の当麻町、、上川町大雪ダム、網走地方の網走市能取で稀に記録されている」、繁殖期における大陸、サハリン、北海道での観察記録は、北緯45~46度と報告しています。(ウグイスがたくさんいるのにホトトギスの分布が拡大しない理由)バードリサーチ(2023)が、全国鳥類繁殖分布調査の整理した結果から、大陸側の分布北限も日本とほぼ同じ緯度まででそれより北には分布しておらず、気温やこれまでの分布の歴史や北海道ではツツドリがウグイスに託卵しておりホトトギスの託卵相手のウグイスと競合していることが影響しているのではないかと報告しています。(引用)樋口広芳.1985.赤い卵の謎.鳥の生活をめぐる17章.p3-21.思索社.石田光史.2015.野鳥図鑑.p119.ナツメ社.バードリサーチ.2023.日本の森の鳥の変化:ホトトギス.https://db3.bird-research.jp/new s/202304-no2/
2026.07.24
コメント(0)

暑い毎日が続ていますが、7月終わりから9月にかけて、蓮田や水路などで姿を見かけるタカブシギ、夏羽個体の摩耗が進んだ個体と遭遇することがあります。体上面に細かい白斑が目立つと覚えている方にとっては珍鳥としてしまう場面があります。その場合に、観察しておきたいポイントを紹介します。夏羽の摩耗が進んだ個体では上面の白斑が擦れて小さくなります。こういった場面で観察しておきたいポイントとして、(1)足の色と長さ、(2)眉斑、(3)嘴があげられます。(1)足の色と長さタカブシギはクサシギより体がやや小さく、足は長くて黄色味が強いのが特徴です。クサシギは足色は普通は緑色がかった黒色です。(2)眉斑タカブシギ夏羽個体は眉斑がぼやけ気味で眼の後方まで続いているのに、クサシギの眉斑は眼の所で止まっています。(3)嘴タカブシギの嘴は細くてまっすぐで短いのに対して、クサシギの方がやや細く長いです。(写真)タカブシギ:1枚目:2021年7月31日稲敷市、2枚目:2018年8月19日稲敷市、クサシギ:3枚目:2019年9月9日稲敷市、4枚目:2021年8月18日柏市で撮影
2026.07.23
コメント(0)

先月まで見守りをしてきた林と別の場所にツミが営巣し、幼鳥が4羽誕生しました。見守り活動を続けています。(幼鳥が独力でスズメを捕獲)今朝は、幼鳥2羽の姿が林の中にあるのみとなりました。20日に幼鳥が自力で獲物のスズメを捕獲し、枝に移動し解体し食べている姿を観察、今朝も同様で2羽とも自力でスズメを捕獲し、羽根をむしり解体し自ら食べていました。林の中での飛翔術はかなり向上し、スズメの捕獲する回数も多くなってきました。写真1枚目は地面でスズメを押さえつけている光景、2枚目は枝に移動しついばんでいる姿、3枚目から5枚目の写真は、スズメを解体している姿、6枚目は獲物を食べた後の嘴についた肉片をしごいてとっていた姿です。(獲物をねらう姿に精悍さも)7枚目から9枚目の写真は、枝にとまり、飛翔するスズメがいないか待伏せしている姿です。虹彩に黄色味が出てきており、顔つきも精悍さが出てきました。(写真)2026年7月22日撮影(1枚目、6枚目、10枚目は2026年7月20日撮影)
2026.07.22
コメント(0)

真夏の松戸市千駄堀池を訪ね、水辺の鳥の生態を学んできました。(カイツブリが蹴立てて水面を飛ぶ)潜水の名人なのに飛ぶことは大の苦手なのが、カイツブリ。水面を移動して走っているような感じの姿勢をとりました。蹴立てて水面を飛ぶ姿が見られるかと思ったらかなわず。植物を集めて浮き巣を作り、産卵・子育てをしています。ヒナの姿は確認できなかったものの、巣のある方向に戻ってきましたので、次の機会のお楽しみ。(ダイサギの波紋漁法を目撃)葦原の縁に止まっていたダイサギが嘴の先端を水中に入れた状態で細かく開閉させ水面に波紋を起こし、見事に魚を捕獲する波紋漁法を目撃しました。波紋漁法は、コサギ、ゴイサギも行うといった研究者の報告があります。(コサギの足探り漁法、虫の通り道で嘴を開け虫を捕獲)コサギが水面下で足先をゆっくり揺らす行動を行うことが知られています。今朝は浮いていた木片の一角で足を揺らすような仕草としていた個体が1羽、もう1羽は空中にむけて嘴を開きっぱなしにして小さな虫を捕獲する光景も観察出来ました。濱尾ほか(2005)が、コサギは種々の魚類の他、カエル類・甲殻類・昆虫、時としてはトカゲ類、ヘビ類、小型哺乳動物や貝類など様々な生物を食う、餌生物の種類やサイズが異なると採食の方法も異なる。(中略)立って待つ<ゆっくり歩く、空中停飛、足ゆすりなど10種類もの採食行動をとり、微小な動物を含む多様な餌生物を多様な採食方法をもちいて捕らえると記しています。(ハシボソガラスは地上がお好き)ハシボソガラスは、ハシブトガラスに比べて長時間地上を歩きながら餌探しをします。ハシブトガラスが水路で水浴びをしている間も、ハシボソガラスは花畑の中に姿がありました。(引用)濱尾章二・井田俊明・渡辺 浩・樋口広芳.2005.サギ類の餌生物を誘引・撹乱する採食行動 -波紋をつくる漁法を中心に.Strix Vol. 23.pp. 91-104.日本野鳥の会.(写真)2026年7月21日撮影
2026.07.21
コメント(0)
全2204件 (2204件中 1-50件目)
![]()
