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2022年02月04日
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テーマ: 楽しい俳句(373)
カテゴリ: 句会

22 回鴎座通信句会 選句結果のお知らせ


22 回鴎座通信句会は 39 195 でした。選句と講評は作者名を伏せて鴎座代表、編集長・副編集長・顧問などに依頼しました。また投句された方の互選(任意・5句選)も行いました。句番号はランダムに変換されたものです。結果は「鴎座」に発表するとともにFACEBOOKなどにも発表します。毎月開催(締切 26 日)。       鴎座俳句会 代表 松田ひろむ

●画像は「節分おばけ」(京都祇園の舞妓)フリー素材より


〈第22回鴎座通信句会結果〉 作者名は特選のみ追加記入しました。他は一覧をご覧ください。
石口  榮(編集長)選
11 虎落笛最後に眠る耳二つ
特選35駄句駄作崩しきれない宝船/宮沢子
116寄鍋のやがていつかは一人鍋
124雪だるま都会生まれのやせっぽち
127レシートの日毎伸び行く春隣
176禁酒黙食我慢限界春隣
184土竜打研修生の出勤簿
(選評)特選にいただいた35「駄句駄作」の句。宝船には米俵、宝貨が山と積まれて七福神も乗っている新年の目出度い季語。駄句駄作は謙遜であろうか。船には沢山の句も積んでいる。その一句一句に思いが込められており捨てきれないと言うことであろう。崩しきれないは捨て切れないと解した。今年も沢山の秀句を詠まれるであろう作者に惹かれた。

116「寄鍋の」句。円満なご夫婦であろう。しかし何時か死別を迎えることになる。作者の年齢は分からないがそんな事を案ずる齢になった、ちょっと寂しい句である。
124「雪だるま」の句。都会の降雪量は少なく雪だるまを作るのは大変である。都会生まれといって諧謔性のある独自の句となった。
127「レシートの」の句。コロナ禍にあって買い物も毎日でなくなった。そのため買い溜めをするので自然とレシートも長くなると読んだ。季語「春隣」が動きそうであるが生活感たっぷりである。
176「禁酒」の句。全て漢字表記した所に惹かれた。春隣に早く収束を願う作者の気持ちが込められている。

小髙沙羅(副編集長)選
11虎落笛最後に眠る耳二つ
15初競の大間の鮪ここ豊洲
特選30肉うどんの肉減ってゆく春隣/木野俊子
60合格を決め奔放なスリットよ
112黙食の学び舎の窓日脚伸ぶ
167郵休二日病妻とても春めくに
195相性のいまさらどうの鰤大根

11「虎落笛」の句。横になれば目はつぶる。最後の「耳二つ」に納得。
15「初競の」の句。豊洲市場での大間の鮪の初競は毎年話題になる。いかにも正月らしい句。
60「合格を」の句。合格は大学か。まだまだ子供と思っていたら、もう大胆なスリットとはと驚く。娘らしくなるのはいいのだが、それはそれでまた心配の種である。
112「黙食の」の句。黙食というコロナ禍の学校。学び舎とちょっとすましているものの、思いは複雑であろう。「日脚伸ぶ」が希望でもある。
167「郵休二日」の句。創作四字熟語をさっそく一句。すっかり元気になった妻と春。


小平 湖(Ⅰ欄同人)選
5冬銀河我も宇宙のひとしずく
9肉じゃがのほどよき崩れ夫の留守
15姫はじめ核戦争に勝者なし
34落とし穴にはまった夫に福は内
特選51蝋梅を囲んでマスク依存症/鈴木砂紅
71滅入る日も会えば元気に冬菫
167郵休二日病妻とても春めくに
(選評)特選にいただいた51「蝋梅を」の句。芳しい蝋梅の季節になった。コロナ禍でマスクを外せないまま三年目の春が来る。変異したオミクロン株は重症化しづらいと聞くが私も後期高齢者、日に日に感染者増と先の見え一臨い不安の中でひたすら嗽、手洗い、そしてマスク依存症である。今はマスク依存症位が丁度いい。
5「冬銀河」の句。季語の冬銀河を生かして壮大な宇宙の中で、しっかり生きている存在感が窺える。
9「肉じゃが」の句。「亭主元気で留守がいい」これもいいけれど、美味しい肉じゃがをつくり夫の帰りを待つ、平凡な暮らしを大事にしたいものだ。
15「姫はじめ」の句。まったく同感である。核の怖さを一番知っているのは日本のはずだが。ただ「姫はじめ」という季語との取り合わせとしてはどうだろうか。
34「落とし穴に」の句。なぜか笑える句だ。何時もいじられ役のお父さんを中心に底抜けに明るい家族が浮かんでくる。
71「滅入る日」の句。冬菫と言えば可憐でひ弱なイメージではあるが、そんな冬菫にも落ち込んでいる自分を励まし元気にしてくる力強さがある。(菫ほどなちさき人に生まれたし)夏目漱石
167「郵休二日」の句。昨年十月より手紙やハガキは土曜配達が無くなり月曜日に届くことになった。春も近づき花便りを心待ちしている奥様に良いお便りが届きますように。

白石みずき(Ⅰ欄同人)選
60合格を決め奔放なスリットよ
65寝乱れてフリンジ咲きのシクラメン
特選69両腕でオーケーの丸息白し/古川塔子
139いくたびも絵踏のごとく接種せり
149着ぶくれてゴム跳び石蹴りいつもビリ
185冬満月命の果は突然に
186半分にできぬ愛情シクラメン
(選評)特選にいただいた69「両腕で」の句。なにがオーケーかは読者が想像すればいい事。良い事には間違いないのだから。オーケーの丸が明るく楽しく、息白しで作者の弾んだ笑顔がハッキリと見えてくる。
60「合格を」の句。採用試験に受かったのだろう。今までは黒か紺のスーツばかりだったが合格と決まり、待ってましたとばかりに大胆な服装になったのだ。スリットが効いている。
65「寝乱れて」の句。フリンジとは毛糸や布端を束ねた房飾りのこと、シクラメンの縮れた花をフリンジと見立てたのだろう。寝乱れとの取り合わせが微妙である。
139「いくたびも」の句。心境が良くわかる。私事だが前の二回はファイザーだったが今度はモデルナなのでまさに絵踏の心境である。
149「着ぶくれて」の句。作者は着ぶくれているからビリなのではなく運動神経があまり良くないのでは、と思い取らしていただいた。
185「冬満月」の句。その通り。だからその日まで希望や夢を持って生きていられるのである。
186「半分に」の句。愛情を半分にできたらさぞや楽だろう。加減ができないから男女の仲は難しい。シクラメンが成り行きを見守っている。

鈴木 砂紅(招待)選
6大綿や老婆老爺はいつからか
9肉じゃがのほどよき崩れ夫の留守
38冬晴やついで参りといふもよし
54春北風空飛ぶ記憶ペンギンに
124雪だるま都会生まれのやせっぽち
162日脚伸ぶ胎動の子に手でこたえ
特選192口覆うものもたざりし福達磨/後藤よしみ
(選評)特選に頂いた192「口覆う」の句。達磨はマスクはしないが、無駄なおしゃべりもしない。飲食も無用。への字に結んだ口はウイルスとは無縁で、どっしりと人間の福を受け止めてくれる。災厄の時こその有難さ。
6「大綿や」の句。老婆老爺なんて言葉はアンチエイジングに消される時代。老いを認めず屈服しなければ死ぬことはない、という錯覚の滑稽さ。
9「肉じゃがの」の句。中七の「ほどよき崩れ」がいかにも食欲をそそる。それに夫が留守なら、尚更美味しいご飯が頂けるというもの。
38「冬晴や」の句。作者は信心の篤い人で、お参りを欠かさず、時には散歩のついで参りもする。神様に失礼だが、そのゆるさが愉しい。
54「春北風」の句。春の強い風の中、ペンギンは身を躍らして水中に入る。壮大な進化の記憶が宿る翼は鰭になり、飛ぶように泳ぐ。
124「雪だるま」の句。やせっぽちは雪だるまであり、都会の子どもでもある。痩せ我慢、痩せの大食いを連想させ、何だか可笑しい。
162「日脚伸ぶ」の句。妊婦のやさしい姿が過不足なく詠まれていて、共感を呼ぶ。「手でこたえ」が秀逸。

松田ひろむ(代表)選
9肉じゃがのほどよき崩れ夫の留守
70「ただいま」の声玄関に雪女
特選74断捨離の途方にくれて冬薔薇/森谷路子
凖特選90寒北斗さくらトラムの鐘二つ/田辺 花
94寒茜私をどこまで連れて行く
104長女二女姓をたがえて小正月 
112黙食の学び舎の窓日脚伸ぶ
113千両へおはようコーヒーはブラック
174富士山を乗せてふらここ漕いでいる
178元旦に 届くや珠洲のつきたて餅
凖特選186半分にできぬ愛情シクラメン/吉村きら
194田遊びの子らの控える銀河系
(選評)特選にいただいた74「断捨離の」の句。一時流行語となった「断捨離」だが、いざ捨てようとすると、いろいろな思い出が交差して捨てるに捨てられないのだ。「途方にくれて」がその思い。それが冬薔薇に託されている。
凖特選90「寒北斗」の句。「さくらトラム」は都電のこと。その命名には賛否があるが、ここでは寒北斗とサクラの対比の良さ。さらに「鐘二つ」が上手い。名句には音がする。
同じく準特選にいただいた186「半分に」の句。この対象は男女か、あるいは子供か。子供なら平等にと思うので、ここは恋のもつれだろう。シクラメンがここでは妖しい。
9「肉じゃがの」の句。夫の帰りを待ちわびているのだろうか。ちょうどいいい加減の煮上がりなのだ。炊事をもっぱら女性がするという古き良き?姿かもしれない。
70「「ただいま」の」の句。まさに虚実の句。元気な声は高校生の娘のようでもあるが、それが雪女とは。もっとも女性は七変化である。
94「寒茜」夕焼は幻想的であるが、寒中のそれは厳しく美しい。「どこまでも連れて行く」の情感が心に沁みる。
104「長女二女」の句。長女も次女も嫁いで夫の姓になったそんな娘を誇らしくも思っているのかも。小正月に集う家族の幸であろう。ただ底辺には夫婦別姓への問題意識もあるのかも知れない。
112「黙食の」の句。「学び舎」とは、いかにも古風な表現であるが、ここはコロナ禍下の「黙食」といって現代の一句となった。
113「千両へ」の句。庭の千両へのご挨拶。コーヒーのブラックが好みとは、私にはきりっと自立した女性の姿のように思える。
174「富士山を」の句。やはりブランコはいくつになっても楽しい。古沢太穂先生に〈ブランコをもう漕がぬ齢桜の夜〉がある。句は富士山までも乗せてと大柄な句となった。
178「元旦に」の句。地名の良さ。珠洲は能登半島先端の町。なんといっても「すず」の音感が元旦に響く。
194「田遊びの」の句。田遊びは稲作の予祝の行事。子供は豊作の象徴。それが銀河系を結びついて生命の起源にまで遡る句となった。

(互選高点句)○数字は点数  3点以上
一位9 肉じゃがのほどよき崩れ夫の留守 ⑨ 増田萌子
二位16 姫はじめ核戦争に勝者なし ⑥ 川崎果連
二位167郵休二日病妻とても春めくに ⑥ 松田ひろむ
二位195相性のいまさらどうの鰤大根 ⑥ 石口りんご
五位177芹なずな鳴子こけしと微笑んで ⑤ 宮 沢子
六位11 虎落笛最後に眠る耳二つ ④ 白石みずき
六位124雪だるま都会生まれのやせっぽち ④ 岩渕純子
六位139いくたびも絵踏のごとく接種せり ④ 川崎果連
六位162日脚伸ぶ胎動の子に手でこたえ ④ 後藤よしみ
十位21 鯛焼きや人を恋しくなりました③翠雲母
十位60 合格を決め奔放なスリットよ③増田萌子
十位69 両腕でオーケーの丸息白し③古川塔子
十位112黙食の学び舎の窓日脚伸ぶ③望月のぞみ
十位120寒紅や意地と意気地は紙一重③川目智子
十位172ガラス屋が寒夕焼を嵌めて去る③石口榮
十位176禁酒黙食我慢限界春隣③百目鬼英明
十位186半分にできぬ愛情シクラメン③吉村きら

(第22回全句データ)掲載番号・作品・点数・作者の順
1寝たふりのマグマだまりや山眠る 1 荒井 類
2水温の上がり切れずに初泳ぎ 0 高良和子
3ファシズムへデジタルの嘘冴え返る 2 木野俊子
4屠蘇やめていつものやうに一人酒 0 中村ふみ
5冬銀河我も宇宙のひとしずく 2 岩渕純子
6大綿や老婆老爺はいつからか 1  松田ひろむ
7耳慣れぬ言葉の氾濫去年今年 0 郡楽清子
8冬枯や掻痒症の背にゆく手 0 高良和子
9肉じゃがのほどよき崩れ夫の留守 9 増田萌子
10好奇心捨てずに飛べよ三十三歳  1  望月のぞみ
11虎落笛最後に眠る耳二つ  4  白石みずき
12冬夕焼翁像までならいける 0  石口りんご
13工場のラジオ体操野水仙     1 川崎果連
14老いらくはグリコのおまけ冬菫 1 吉村きら
15初競の大間の鮪ここ豊洲     1 古川和美
16姫はじめ核戦争に勝者なし 6 川崎果連
17白兎ことりと夫のころびけり 0 増田萌子
18掬っても掬っても綿虫の坂 0 岡崎久子
19寒紅の指遊ばせて観世音     0 小平 湖
20大甘のごまめに歯軋り微調整 0  行成佳代子
21鯛焼きや人を恋しくなりました 3 翠 雲母
22寂しさを反転させる枯葎     0   望月のぞみ
23氷垂れる鶴の噴水火の記憶 0 安藤利亮
24温室の蝶卵産む吾俳句うむ 0   翠 雲母
25着ぶくれてコンコースぬけ南口 0  安原南海子
26地熱列島狼はきっといる     1 木野俊子
27春風や印象派へと付け黒子 0  信岡さすけ
28感染者増万策尽きてマスクして 0 小平 湖
29日向ぼこ時計の針は大股に 2 金丸菜斗
30肉うどんの肉減ってゆく春隣 1 木野俊子
31四字熟語踊る紙面の苦笑い 0 郡楽清子
32日脚伸ぶ増えるばかりの診察券 1  安原南海子
33寒空の遠慮がちにや昼の月 0 郡楽清子
34落し穴にはまった夫に福は内 1 増田萌子
35駄句駄作崩しきれない宝船 2 宮 沢子
36校庭に蜜をわずかに帰り花 0 岡崎久子
37雛の客年の差婚にあこがれて 1  松田ひろむ
38冬晴やついで参りといふもよし 1 中村ふみ
39雪しまく交換列車待つ車内 1 安藤利亮
40善人のつもり冬日に全身を 0 岡崎久子
41人日や胃カメラ鼻を通り抜け 0 高良和子
42新雪の大地穢土ごとふみしめる 0  後藤よしみ
43時さえも枝に絡まる凍てる朝 1 石黒宏志
44繋がらぬワクチン予約寒晴るる 0   白石みずき
45寒夕焼踏切の音もその仲間 0 木野俊子
46嘴太は巨にしなやかに寒晴れを 0 森谷路子
47鉢植の梅の赤さや久女の忌 0 斎藤 藍
48落款の朱のひかり置く筆初 1 宮 沢子
49初日浴び老いも若きももう笑顔 0 古川和美
50甘味噌の鍋肌重く寒に入る 0 田辺 花
51蝋梅を囲んでマスク依存症 1 鈴木砂紅
52春を待つ郵便受の一間かな 0 川目智子
53運針のしのぶしのばる冬薔薇 0 田辺 花
54春北風空飛ぶ記憶ペンギンに 1   信岡さすけ
55円盤を回して探す寒昴     0 近田吉幸
56追焚きを中止しますか久女の忌 0 小平 湖
57笹鳴の夕べ津波の注意報     0 増田萌子
58大根やビスクドールの貌の色 0 荒井 類
59命名は親のみゆるす犬ふぐり 0   信岡さすけ
60合格を決め奔放なスリットよ 3 増田萌子
61風花をのせる器やたなごころ 1 石黒宏志
62捨てられぬ彼の最後の年賀状 0 小髙沙羅
63三日間外出控え根深汁     0   安原南海子
64安否尋ねし母今は亡く阪神忌 0  行成佳代子
65寝乱れてフリンジ咲きのシクラメン1  高良和子
66雪の朝極まる空よ水色よ     0   白石みずき
67年逝く雨いつもの鴉二羽そこに 0  はまつばさ
68雪女すれ違うときウインクす 0 石口 榮
69両腕でオーケーの丸息白し 3 古川塔子
70「ただいま」の声玄関に雪女 2 岩渕純子
71滅入る日も会えば元気に冬菫 1 小柳 梓
72こつこつの一日一句竜の玉 0 金丸菜斗
73探梅の道だんだんと細くなる 0 斎藤 藍
74断捨離の途方にくれて冬薔薇 1 森谷路子
75冬枯や鍋焼うどんで抵抗す 0 斎藤 藍
76焼くほどに失(う)する潤目鰯の海の色0  荒井 類
77一滴を大河のように寒の水 1 川目智子
78探梅行一枝ごとに粒を立て 0   白石みずき
79見てしまう冬満月の青白さ 0 小髙沙羅
80老いの冬に馴染まぬあれこれブースター0行成佳代子
81これよりはうつつの枯野十二色 0 古川塔子
82瓶詰があれば冬眠オミクロン 0   小髙沙羅
83鼻っから見て見ぬふりの初鴉 1 小柳 梓
84そばにいて笑ってくれる冬メダカ 0 翠 雲母
85鎌鼬「パパ活」などがあったとは 0  石口りんご
86梅の花家の明かりを消さないで 1 小柳 梓
87松過と雨にせかれてしまい酒 0 石黒宏志
88七種粥快復の兆しありやこの食べっぷり0 郡楽清子
89金縷梅やモンロー映画見た夜の  0   金丸菜斗
90寒北斗さくらトラムの鐘二つ 2 田辺 花
91初富士の夕映えに落ち波の音 0 磯部薫子
92春寒やゆ党蔓延防止措置  0  松田ひろむ
93乳飲み児の拳のひらく初明り 2 磯部薫子
94寒茜私をどこまで連れて行く 2   安原南海子
95春節に関の孫六使い初め   0 斎藤 藍
96力尽き崩れ散りゆく冬牡丹 0   望月のぞみ
97寒鱈の湯気の向こうに在りし顔 0 荻野樹美
98初明り新宿歌舞伎町の黙     0 磯部薫子
99いまだから言える話よ女正月 1  安原南海子
100初雪やびっくりまなこの一歳児 1 岩渕純子
101大北風魔女の箒はカラフルに 0 鈴木砂紅
102マスクでは隠せぬ本音修行僧 2 岡崎久子
103メル友は王子の狐まだ八十路 2   松田ひろむ
104長女二女姓をたがえて小正月  2 宮 沢子
105膝掛を「め組の人」に滑らせる 0 田辺 花
106見舞いには「クッキングパパ」寒卵1  森谷路子
107ふるさとのさざめきと会うのっぺ汁0  金丸菜斗
108修司の郷(くに)の香満つるや冬林檎0  荒井 類
109非接触体温計の凍る朝     0 森谷路子
110墨濃くて一気に運ぶ年賀状 0 古川和美
111直立の僧の誦経や鐘冴ゆる 0 荻野樹美
112黙食の学び舎の窓日脚伸ぶ 3   望月のぞみ
113千両へおはようコーヒーはブラック2 はまつばさ
114葉牡丹の渦物忘れものわすれ 0 古川塔子
115蒲団干し掃除洗濯そして風呂 0 小髙沙羅
116寄鍋のやがていつかは一人鍋 2 吉村きら
117リモート会議電気あんかに足を乗せ0  鈴木砂紅
118大寒や息ゆっくりとメール身を巡る0  荻野樹美
119凍星にルイのペットのあの曲を 0 近田吉幸
120寒紅や意地と意気地は紙一重 3 川目智子
121幸願いお薬手帳変えてみる 0 斎藤 藍
122ライオンの瞬き一つ寒の入り 1 荻野樹美
123寒風やパラパラ漫画を歩く人 1 鈴木砂紅
124雪だるま都会生まれのやせっぽち 4 岩渕純子
125冬木の芽健康寿命より長し 0   白石みずき
126霜の声演奏すればピアニシモ 1 荒井 類
127レシートの日毎伸び行く春隣 2 川目智子
128突然の口づけ紅椿ぽとり 1 翠 雲母
129臘梅や金子兜太の洩瓶談 1 金丸菜斗
130名ばかりの店長あえぐ雪おろし 1 川崎果連
131風疼く痛くないとこまるでなし 0 中村ふみ
132信濃には理屈屋育つ春炬燵 2   信岡さすけ
133シーサーに花びら餅を咥えさす 0 田辺 花
134秘手紙の灰文字潰し冬桜 0 安藤利亮
135大寒や郷より届く乾燥芋 0 岩渕純子
136初雪の未踏の余白歩みゆく 1   後藤よしみ
137初詣鈴木ばやしの列にいて 0 古川和美
138失恋の嘆きの涙西行忌     1 近田吉幸
139いくたびも絵踏のごとく接種せり 4 川崎果連
140梯子乗つま先天に届かんと 0 磯部薫子
141湯豆腐ゆらり今日も無事ですありがとう1吉村きら
142丸釜に若水を汲むめでたさよ 0 石口りん
143氏子いうお札あるから初詣 0 宮 沢子
144去年今年もう一年がたちました 0 中村ふみ
145曼荼羅の梵字は髪ぞ伊豆の春 0   百目鬼英明
146寒禽の声や細枝しならせて 0 荻野樹美
147女正月不要不急とオミクロン 0 古川塔子
148補助輪の自転車をこぐ毛糸帽 1 小柳 梓
149着ぶくれてゴム跳び石蹴りいつもビリ1 鈴木砂紅
150雪女途中下車していいですか 1 石口 榮
151初場所や稽古そのまま勝ち名乗り 0   百目鬼英明
152いい人は誰も愛せず水仙花 1 吉村きら
153うらじろを折って行くなり今日の風0  古川和美
154書初や墨は徳利の水で磨る 0 石黒宏志
155善玉で体内埋める冬鷗     0 岡崎久子
156三度目のコロナワクチン寒卵 1 小平 湖
157初夢を見たか見ないか空青し 0 石黒宏志
158焦げ目ある護摩札受けて梅一輪 0 安藤利亮
159鷽替や入れ替りたるオミクロン 2   行成佳代子
160立春や感染許容へ舵を切る 0   百目鬼英明
161仏壇寒し金子みすゞを読みきかす 1 木野俊子
162日脚伸ぶ胎動の子に手でこたえ 4   後藤よしみ
163瞳孔の縦一文字竈猫(かまどねこ)0   石口 榮
164枯れるなか胃の腑よろこぶ草という0 はまつばさ
165とりあえず花びら餅の愛ひとつ 0 古川塔子
166飛び込んでくる狐火や再稼働 0 翠 雲母
167郵休二日病妻とても春めくに 6   松田ひろむ
168ふらここや脆い男の無精髭 0  信岡さすけ
169変異せるCOVID19花八手 0 安藤利亮
170雪女と来る越中の薬売   0   石口りんご
171元旦や縁すれすれの猫の水 0 高良和子
172ガラス屋が寒夕焼を嵌めて去る 3 石口 榮
173まぶた重し疫病退散卵酒 0   行成佳代子
174富士山を乗せてふらここ漕いでいる1  小髙沙羅
175駅弁で津々浦々へ春近し 0 川目智子
176禁酒黙食我慢限界春隣     3   百目鬼英明
177芹なずな鳴子こけしと微笑んで 5 宮 沢子
178元旦に 届くや珠洲のつきたて餅 1 郡楽清子
179巫女装束清しき手より破魔矢享く 0 磯部薫子
180着脹れてマスク二重の囲碁の会 0 近田吉幸
181鰤大根デビュー置物猫といて 0   はまつばさ
182踏切の矢印左右息白し     1 森谷路子
183冬日浴ぶスマホいきなりフォルテシモ0 近田吉幸
184土竜打研修生の出勤簿     2 川崎果連
185冬満月命の果は突然に     1 中村ふみ
186半分にできぬ愛情シクラメン 3 吉村きら
187濡れ羽さらに壮年からす寒の雨 0   はまつばさ
188水仙や倒れようとも美は巡り 0 小柳 梓
189温度差のオミクロン株桃の花 0 小平 湖
190着膨れや押して押されてあらぬ方 1   百目鬼英明
191初雀わが庭に来よ肩に来よ 0   望月のぞみ
192口覆うものもたざりし福達磨 1   後藤よしみ
193こだわりのひとつやふたつ竜の玉 2 石口 榮
194田遊びの子らの控える銀河系 1 後藤よしみ
195相性のいまさらどうの鰤大根 6 石口りんご
(第23回鴎座通信句会)投句締切=2月26日。自作未発表5句まで。参加費500円。その他要綱は従来通り。通信句会はどなたでも参加できます。





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Last updated  2022年02月04日 16時56分07秒
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