2005年12月01日
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25年間都会に暮らしてみて、都会に対する疑問を書いてみた。

都会の物件は高い。いったい誰が買うのか、という値がついている。


3LDKのマンションでは4000万~5000万はする。
子供は2人が限度だろう。管理費は1万5千円。別途車庫代を取るマンションもある。


先日、30代の夫婦がウチの近所に家を買った。価格は7000万円。

65歳までローンを組んで買ったという。


そうまでして、都会に住むメリットとはなんなのだろう?と思い、考えてみた。


都会には一流があふれている。


地方で名を上げた企業は東京に進出する。お笑い芸人だって、歌手だって、東京で売れたいと思って上京する。



服のセンスだっていい。品数が多いから選びやすい。


上野に行けば、年中、美術展が開かれている。
オペラ鑑賞、スポーツ観戦にしても行こうと思えばいつでもやってる。

さて、果たして、それらのメリットを享受できる時間とお金を持て余した人がどれだけいるか、ということだ。

給料が700万円の人がいたとしよう。

身を粉にして働いた金は、住宅ローン、生活費、育児費、税金に当てられる。生きてためだけ以外にも、交際費、カルチャースクール、スポーツ施設への費用、車の維持費。他にもたくさんの費用がかかる。

子供が大学に行くとなれば、その費用を捻出しなくてはならない。塾の費用もかかるだろう。


このような状況の中で、観劇などを楽しむ時間とお金と体力があるだろうか?


時間とお金を持ち、都会を生活を満喫しているのは、ごく一部の層の話である。


都会というところは、働く場所であり、住むところではない、というのが僕の意見だ。農作業のできない冬に出稼ぎにくるのが東京の使い方として正しいと思う。


主な放送局は東京にある。NHKもフジテレビも日本テレビもだ。


IT企業の社長が今、持てはやされているが、六本木に住み、ヒルズ族と呼ばれている。いかにもステータスがありそうだ。

一流の人、物の集まる場所が東京。

僕は、そういうイメージが、異常なまでに東京を憧れの対象に仕立て上げている、と考える。

僕は、東京に対して、疑問を抱き続けていた。

「東大を出て一生働いても家一つ立たない。」



これでも「世の中は金ではない」と言えるであろうか?金だけではないが、金はかなり重要な位置についていることは紛れもない事実。


金、金というのは品位のない、下賎な人間と思われる。僕自信、そういう人間は好きではない。

しかし、現実をよく見据えてみれば、お金というものの力は絶大であることがわかる。資金力があれば、テレビ局を乗っ取ることだってできる。それが資本主義社会というものだ。資本主義社会においては金は神様である。

カネカネいうのは下賎な人間だと言ったが、もし、その彼に一生使っても余りあるほどのお金を与えたら、二度とカネのことをクチにしないで済むだろう。無いから執拗なまでに求めるのである。


都会においては、「上品だ、ゆとりがある」というのは、お金がある、ということの指標にはなれど、このことから人間性までを評価することはできないのである。


「世の中はお金ではない」というのは危険である。そう考えると、現実との食い違いから、損や失敗をすることは免れない。

「世の中を動かしているのは、金であるが、それを踏まえた上で、欲望に惑わされず、お金じゃない部分も大切にしていきたいね。」と考えるのが賢明だと僕は考える。


さて、都会の悪い点についてもう一つ。

人間関係が希薄、ということ。

我が家の近所では、向う三軒両隣くらいは、面識はある。20年くらい住んでいてこのくらいである。面識があると言っても、行ったり来たりするようなことはない。ゴミ出しの時くらいに顔を合わせて、会釈する程度のものだ。

どの家もいかめしく門を構え、不審者の進入を許さない。

都会には雑多に人間が往来するためセキュリティーが厳しい。その結果、不審者どころか、ご近所さんも容易受け付けない様相を呈すのである。


電車では、毎日、すし詰めに押し込まれたサラリーマンとOLが神経質そうな面持ちで目を閉じたり、音楽を聴いたりしている。

僕はこういう状況に遭うたびに、貨物車にすし詰めにされた家畜か奴隷船を思い浮かべる。これは人間の扱いではない、と思いながら。

そもそも、人間には相手との一定の距離が必要だ。自分の尊厳を示すとともに、相手への敬意を示すものである。その距離は国によって違うらしい。何かの文章でよんだ。人間も動物であるため、テリトリーというものがある。「これ以上他者を近づけると身の安全が確保できない」というボーダーラインである。満員電車を極度に嫌う人の話を耳にするが、その人は、きっと防衛本能の強い人に違いない。こう感じる人の方がむしろ正常だ、と思う。

満員電車の椅子に座り、無防備に顔を上げて寝ている人がいるが、いきなり殴りかかられたらどうするのだろうか。

僕も顔を下げて眠ることがあるが、いきなりアッパーカットが飛んできたら、対処する自信はない。

僕はそれほど防衛本能が強いわけではないが、駅のホームでは背後に気をつける。後ろからタックルされてホームに落とされることを懸念してのことだ。自殺者と心中はごめんだ。

つまりだ。

人と人の間には一定の距離が必要なのだ。その距離が人間を人間たらしめる。しかし、都会ではその距離が守られないので、トラブルも発生するということだ。

都会には人が多い。満員電車に乗ると人だらけ。だが、知り合いは1人もいない。

都会はお金がかかる。生きているだけでお金がかかるのである。

すべての場所は誰かのものであり、そこに留まっているにはお金を払わなくてはならない。都会においては、止まっているのは悪である。路上に車を置くのは悪である。駅に自転車を置くのは悪である。スーパーマーケットで長い時間売り物の前で立ち止まっているのは悪である。他の人の買い物の邪魔になるからである。

常に動いてなくてはならない。止まるならお金を払わなくてはならない。払うために稼がなくてはならない。

ニュータウンという、同じ棟が林立したアパート群を見るとゾッとする。通勤時間1時間以上もかけ、一生懸命都心に向かう必要などこにあろうか。先日、事件で女子高生が殺された事件があったのは町田のニュータウンである。


次に、都会で1人暮らしをすることを考える。

新入社員の給料は20万。1人暮らしをしようとしたら、アパート家賃が7万。食費、被服費、交際費を含めると、20万なんて一瞬で吹き飛んでしまう。貯金もできなければ、ただ生きているだけ、という状況だ。そんな人生に対しては疑問を感じてしまう。

親元から通勤するのはどうか。

まず、カッコ悪い。マザコンかと思われてしまう。彼女も家に呼べない。実家に車を余剰に置くスペースがなければ、車は持てない。駐車場を借りたら月2~3万円かかる。

こういった状況の中、都会で晩婚化、少子化が進むのは当然である。女性の平均結婚年齢が29歳と聞いた。就学前の児童の医療費負担が3割から2割に引き下げられたとあったが、そんなものは気休めにもならない。

友達と遊ぶにしても、都会にはカラオケと飲みとボーリングしかやることがない。趣味が合えば、美術館めぐりや、美食の食べ歩き、スポーツ観戦、音楽鑑賞などもできるが、誰もが楽しめるものではないし、それぞれお金がかかる。

遊ぶためにはお金が要るため、お金を稼がなくてはならない。だからみなバイトに明け暮れる。2人が会うのは比較的容易だが、3人以上になると予定の調整に大変な苦労を要する。

都会砂漠。人が多いゆえに、人は警戒心を増し、容易に他者を受け入れない。非常識なことをしても、同じ人と二度と会わなければ、その行いは後を引かない。嫌な人とは、携帯から番号を消去し、着信拒否するだけで、他人になれる。代わりはいくらでもいる。

友達になるには、ある逃げられない環境が必要とする。都会にはいい意味でも悪い意味でもいくらでも逃げる場所があるので、「いやになった。別れる」ということになる。家族は嫌になっても逃げられない。だから、喧嘩する。しかし、大人になればなるほど、親、兄弟というものが掛けがえのないもののように感じられる。友達とは喧嘩することが必要であり、喧嘩することでお互いを理解していくことができる。一度嫌な思いをしただけで、「はい終了」というのでは、人間関係はサイの瓦である。好き勝手した果てに、手元には何一つ残らないのである。





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最終更新日  2005年12月02日 00時58分49秒
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Re:「都会で暮らす」ということ(12/01)  
+Orange+  さん
私も、都会には住めない派だね。物価が高いのもあるけど、みんなが急ぎ足でせかせか働いてイライラしてる。その中では住めないよ。
何事も余裕な時間、お金、場所・気持ちが必要だよね。
うなずきながら日記を読ませてもらいました。そのとおりでございますね。
しかも、財産のほとんどを叩いて外見立派なマンションを買っても違法建築・・・なんて事もあるしね。でも、これだけ高層マンションをぼんぼん建てて、いつかこういう問題が出てくると思ったよ。あれだけ安心だった一軒家だって欠陥住宅が見つかってたほどだからね。やっぱり、儲けを増やすには裏工作が当たり前ってことかね。
私の考えでは、最新マンションは耐震設計されてるって言っても、やっぱり軽量化されてたり、柱が前より減ってたりして不安定だと思うんだけどね。。。。どうなんだろうね。 (2005年12月02日 21時51分52秒)

Re:「都会で暮らす」ということ(12/01)  
僕も都会に近いベットタウンに住んでいるのでこの日記はすごく同調しながら読ませていただきました。ほんとその通りですね!
今は都会だけでなく日本人の心がなんかイライラしてるっていうか温かみが無くなってきているような気がします。自分だけでもそういう人間にならないように気をつけたいものですね! (2005年12月25日 17時31分16秒)

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