Multi Reed奏者の草分け的存在でJazzの歴史の中で極めて大きな存在であるEric Dolphyのレコードを久しぶりに聴いてみました。1964年6月2日にオランダで録音された音源です。Eric Dolphyはその27日後の1964年6月29日に糖尿病による心臓発作のため36歳の若さで西ベルリンの病院で亡くなってしまった。 Jazz Manには50歳くらいまでに亡くなる人が少なくないが、ヤク中(Junky)で身体を蝕んだ結果てなことが多いような気がします。データを調べたわけではないので、私の個人的印象に過ぎませんが・・・。 Eric Dolphyは私の知る限りヤク中だったことはないように思います。糖尿病の悪化ということですが、彼が金銭的に恵まれていて適切な治療を早くからちゃんと受けていれば助かっていた命ではないのか、と残念な思いがします。
この「Last Date」の音楽なんですが、Eric Dolphyはどの曲でも非常に素晴らしいです。特に名演奏との誉れ高いB面2曲目の「You Don't Know What Love Is」は私の知る限りJazz Fluteの至高の到達点、天上の音楽と言っても過言ではないです。神がかった名演奏だと思いますよ。このレコードを純粋に音楽として評価すると、Dolphy以外のサイドメンの演奏が私にはしっくりこない面があるので、★★★★☆となります。だけど、歴史的価値を含めて評価すれば★★★★★ですね。勿論のこと。
オーディオマニアさんのブログでは「B2 You Don't Know What Love Is」のみは疑似でないまともなstero録音ではないか?と考察されている人もいますた。先述した妙な残響音(or 反響音)とか、Drumsのシンバル音が妙にシャリシャリ、チリチリして歪っぽい、安っぽい音質なのは疑似stero化するために位相操作をしたためではなか、との考察も書いてありました。はは~~~ん。そう言われればそうなんか、とは思います。
上記のEric Dolphyの有名な言葉については、私の所有盤の油井正一氏のジャケット裏面記載の解説文でもネットで見たいくつかのブログ記事でも it's gone in the air を「音楽は消えてしまう」という訳文が書いてあります。何も考えずに、私はその訳文に引っ張られて、上の文章を書いています。
そうじゃないんですよ。Eric Dolphyは「音楽は消えてしまう」とは言ってないんですね!。 it's gone in the air と言ってるんですね。聴衆の貴方の耳の横を通り過ぎてどんどん gone in the air していくと言ってるんですね。音楽は消えてないけど、貴方の耳の横を通り過ぎていってしまうので、貴方は never capture it again と言ってるんですね。物理的に極めて正確な言葉なんですね。凄いですね。
Eric Dolphyは毒舌家で知られる高名なJazz BassistのCharles Mingusをして
収録曲 A1 Epistrophy Written-By - K. Clark*, T. Monk* 11:15 A2 South Street Exit Written-By - E. Dolphy* 7:10 A3 The Madrig Speaks, The Panther Walks Written-By - E. Dolphy* 4:50 B1 Hypochristmutreefuzz Written-By - M. Mengelberg* 5:25 B2 You Don't Know What Love Is Written-By - D. Raye*, G. DePaul* 11:20 B3 Miss Ann Written-By - E. Dolphy* 5:25
クレジット Bass - Jacques Schols Drums - Han Bennink Flute, Bass Clarinet, Alto Saxophone - Eric Dolphy Illustration - Z. Jastrzebski* Liner Notes - 油井正一* Piano - Misja Mengelberg*
ノート Limited Reissue With Obi. Full Description On Cover Back.
Recorded June 2, 1964, Hilversum, Holland.
"Producer: Radio Jazz Club, Co-producer: Jazz Magazine"
ジャズを聴き慣れていない方、多少Jazzを聴いてはいるが「馬のいななき」のようなDolphyのバスクラリネットはちょっと聴けないなぁ~~、勘弁して欲しい、って方に是非とも聴いていただきたいフルートの至極の名演奏が「You Don't Know What Love Is」です。
名古屋のジャズ喫茶のマスターが少しだけ解説している動画は↓ "ジャズ喫茶バリレラ オススメの1曲 No.692 Eric Dolphy 「You Don't Know What Love Is」"
純粋に音楽だけに浸り人はこちらをお薦めします。 "You Don't Know What Love Is - Eric Dolphy"
フルアルバムは↓ "Last Date"
"Last Recordings"からニ曲↓
"Springtime"
"GW"
Monaural盤の「B3 Miss Ann」↓だけど動画アップ主さんの再生装置の音色、部屋の音響特性が加味された音なので、聴いても音の善し悪しを判断することは全くできません(苦笑)。JBLの中型ブックシェルフSPは床へのほぼ直置きですが、50~100センチ程度のスタンドを利用して床から離す方がよかと思いますけどね~~。よう知らんけど・・・😅😓
""Miss Ann", Eric Dolphy / Last Date, 1964, Fontana 681 008 ZL, 1st press, Mono"