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おやつはチョコパイ。 こえめ
です![]()
にきび、え? もう吹き出物と呼べって?
どっちでもいいけど、気をつけなくちゃー(笑)
大きなおうちの秘密の部屋。( 前のお話 )
一度わかってしまえば、
秘密でもなんでもなくなってしまうのです。
( 総合目次 )
―7―実夏
お化けだと思っていたのが、
実は真矛のママの、ウエディングドレスだった訳だけど、
それ以来、鬼ごっこは、しばらくしなかった。
その部屋はそれ以来、
カギが掛けられることはなくなり、いつでも入れた。
でも、あたしは真矛と一緒の時しか、その部屋には入らなかった。
なんだか、人の秘密をだまって覗き見するみたいなに思えて。
この家にはまだ他にも、
カギが掛かっている部屋がいくつかあったけれど、
開けてみたいとは思わなかった。
あたしがもっと寂しくなるようなものが、
それらの部屋には、ありそうな気がしたから。
あれは確か、真矛の部屋で、
真矛のパパから航空便で届けられてきた、
珍しいしかけの飛び出す絵本を、
夢中になって見ていたときだった。
彼女が急に、真面目な声で、
「あたしね、本当は魔法使いかもしれない」って言ったの。
あたしはもう少しで、動く白鳥の翼を
もぎ取ってしまいそうになったわ。
もちろん本気で魔法使いがいるとは、思ってなかったけど、
その声があまりに真剣で、大人びて聞こえたから。
あたしも「いつか絶対、宇宙で大活躍するヒロインになるんだ」
って決めて、息を止める練習をしたりしていたわ。
だから真矛が、
「これから毎日二人で、魔法使いになる修行をしない?」
って聞いてきたときに、すぐ賛成したの。
だって魔法使って空をとんだり、欲しいものがなんでも出せるのって、
宇宙のヒロインの次に、魅力的でしょ?
それから真矛が、夢の話をしてくれた。
それはずうっと小さいから、時々見ていた夢で、
顔が見えない綺麗な女の人が出てきて、
あなたは本当は魔法使いだ、
早く魔法を使えるようになって、こっちの世界に来て欲しい、
って言うんだって。
もしも他の子が、同じこと話したら、
このうそつき、て思ったに違いないけど。
それどころか私、
なんだかとっても真矛が羨ましくなっちゃった。
だってそれって、本物の魔女ってことじゃない? すごいよ。
もしかしたら彼女、魔法の国の王女様だったりして。
なんて、あたしも結構本気になりかけてた。
真矛の、青っぽく光る瞳を見ていると、
真矛だったら、そういうのが似合うな、なんてね。
それから、どうして顔が見えないのに
綺麗かどうかがわかるのかって聞いたら、
その声や、その時の感じで、綺麗に違いない、って。
その声はママとは違うけど、
差し出される手が、
おぼろげに覚えているママの手に似てるって。
なんか説得力無いけど、分かるような気もする。
「信じる?」って聞かれたから
「うん」って答えた。
読みかけの絵本を放り出して、
さっそくあたしたちは、森に入っていったの。
(つづく) ( 次のお話 )
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。
後ほどお伺いいたしますね
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