気がつけば、思い出し笑い

January 7, 2006
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実家に帰るたび、どうしようかとため息をつくことがある。

もう何年も調律もしていないので 音階もあやしい。
キーを叩いても、でない音もある。
すっかり 居間のもの置き場と化しており、パピヨンオス5歳
「げんちゃん」のサークルの屋根となっており、元気すぎる
ヤツがジャンプすると ゴッツンと頭をぶつける音が時折響く。

「処分するべきか・・・」

piano

10年くらいピアノのレッスンに通っていた。

エレクトーン、カスタネット、リコーダーそして教室の中央に
おいてあったグランドピアノ。
小さかった子供には 馬鹿でかく感じた。

おそらく、ではあるが 母が「ピアノ習いたい?」と
聞いたのだろう。その当時は クラスの1/3ぐらいの女の子が
ピアノを習っていた。お稽古事のスタンダードだったんだろうな。

個人レッスンになって、わかったことであるが私には才能がなかった。
まず。躓いてしまう箇所を 何回か練習すると弾けるようになると
いうことが理解できなかった。
レッスンのある曜日を中心に1週間がまわる。
あっという間なんである。


向上心ってものが なかったんだな。
ただただ、エキセントリックなピアノの先生が怖かった。
リズムをとるために、私の背中を叩いたり、間違うと
「ほらっ、また、そこ!」と
いうカナキリ声が何よりも嫌だった。


べきだったのかもしれない。もっと音楽の楽しさや自分の好みが
わかり、物事の仕組みを理解してからのほうが、
ピアノと上手に向き合えたかもしれない。

誰も弾かなくなったピアノを「えいやっ!」と処分できないのは
7回の引っ越しを私たち家族とともに 乗り越えたこの楽器は
ずっと私の成長を見守ってくれたものだからである。
気持ちが昂ぶったり、悲しかったり、嬉しかった日々、感情を
ピアノを弾くことで解消した時もある。
そして 家族みなが一緒に暮らし、もしかすると一番幸せだった頃を
知っていてくれてるような気がするからだろうか。

楽器の音はいつでも心を癒してくれる。
まだ、決めなくてもいいかな。
やはり私は優柔不断なのだ。





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最終更新日  January 7, 2006 11:58:30 PM
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