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『初恋』

(2)

カテゴリ：好きな映画

「心の傷に　時効はないのだろうか…。
永遠に続くものなど　ありはしないのに…」

★

きのうと同じタイトルですが、今日は映画の『初恋』
宮崎あおい主演の作品。

タイトルからすれば、センチメンタルな恋愛映画かと思いきや、そうではなく、けっこう硬派。
なぜなら、日本史上最大のミステリーともいわれる「府中三億円強奪事件」を、犯罪者の側から、大胆な推理でもって構築した作品だからです。

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日本犯罪史上最大のミステリーとされた“府中三億円強奪事件”をモチーフに、全く新しい解釈で描いたミステリー映画。

ある日、彼女はジャズ喫茶Ｂの前にいた。煙草の煙が立ち込めるフロアの奥に、兄の亮、そしてその友人たちがいた。
その中でも異彩を放つ男、東大生の岸(小出恵介)。彼らと仲間になり変化を始めるみすずの生活。
そして岸に対して生まれた、切ない感情…。
そんなある日、岸がみすずに相談を持ちかける。

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主演の宮崎あおいは、個人的には好きな女優です。
つい最近、電撃的に結婚してしまい、個人的には、大変ショックを受けているわけですが（^^；、まあともかく、これからも女優としてがんばってほしいものです。

娘の葵（あおい）と同じ名前なので、それだけでも親近感があり、応援したくなるわけです。

娘と同じ名前だから、応援してあげなきゃね！と妻に言うと、「何言ってるんだこのおっさんは…。ただ好きなだけでしょう…？」という顔で見られたわけです。

★

仲間が連行されたとき、みすず（宮崎あおい）に、ある重大な相談をもちかけるのが、ジャズ喫茶Ｂに集う東大生の岸（小出恵介）です。

彼は抑えがききすぎているのかもしれませんが、クールな役どころをまずまず好演しています。

そして、個人的には「小嶺麗奈」が脇役ですが、出ていてうれしかったです。
『ユメノ銀河』という夢野久作の原作を映画化した、個人的には大好きな映画に出ている女優さんで、あの映画では存在感抜群でした。

★

この作品、府中三億円強奪事件を描いているという点や、全体的に抑えた演技のため、一見すると地味で硬質な作品であるとの印象を受けますが、表面にでてこない深い部分で、人の抑えた感情や、あの時代の閉塞感が逆に、叙情性をたっぷりと感じます。

そして、「初恋」というタイトルに秘められた、もうひとつの想いが露わになったとき、深く心揺さぶられるものがありました。

宮崎あおいの演技のすばらしさが際立った作品となりました。
彼女の存在なくしてはやはり成立しない映画でしょう。

彼女の中に湧いてきた切ない感情。

その切ない感情を抑えたなかだからこそ、彼女の演技のすばらしさが伝わってきました。

この映画を見て、副次的に散文詩『初恋』ができました。

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