閑古鳥の巣箱

閑古鳥の巣箱

PR

Profile

小市民伯爵

小市民伯爵

Favorite Blog

このところ、自転車… New! alex99さん

『18歳、新妻、不倫… New! 嘘つきな太陽さん

トリプルパンデミッ… はおめい1542さん

”おま毛屋敷” まきろん★さん
せんぷりちぇ♪ AAKOさん

Comments

シナモン畑 @ お久しぶりですね。 今晩は。 お元気でしたか? 久しぶりに…
おかいもの君 @ Re:ニコニコ動画にいろいろアップしてみた(08/06) ニコ動は僕も観ています 『神曲』とか言…
cishivonne @ こんにちは 長いこと、ブログのリンクをありがとう。 …
おかいもの君 @ Re[2]:シイナと麻美(06/08) 小市民伯爵さん >しかし久々に日記書こ…

Keyword Search

▼キーワード検索

2006.02.04
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
さて、また語るとしよう(反省の色がないね)。

児童が「主体」となり、児童一人一人の個性や多様性を認めた
教育を実現していくことにある。確かに聞こえは良いが、
1クラス辺りの生徒数の改善、教員の指導力やモラルの向上、
学校教育の投資額の問題といったインフラが整備されていないから
具体性を欠く絵空事になっているのが現状だ。

大体、教え込み主義のどこに問題があったのかという論者も多い。
日本の学校は日本独自の「掃除当番」「給食当番」「班別行動」

勤勉性、協調性、平等主義といったものを培ってきた。
その教育的インフラが高度経済成長を支えてきたというのだ。
そういえば阪神大震災の時に暴動も起きず、配給をちゃんと列に
並んで受け取っているという光景は世界を驚嘆させたが、
それも日本の教育の素晴らしさを立証しているのかも知れない。

IEAの授業評価でも日本の教育は思考力養成という点で、
世界最高水準と評価されている。では誰が騒いでいたかというと、
マスコミだったわけだ。曰く「独創的な人材が育たない」
「いじめが深刻化している」「不登校児が多い」
しかし、では日本に独創的な人材がいないのかといえばそうでもなく
いじめや不登校と教え込み主義との因果関係もよく分からず、


とはいえ、前にも書いているけど私は「ゆとり教育」賛成の立場だ。
「3割カット」も大いに歓迎している。私は彼らが標榜する
「多様性」や「個性化」は時代のニーズにあっていると
思っているからだ。そのためなら勉強などこの際後回しで良い。

学力低下と騒ぐが、それでも依然日本は先進国ではトップクラスだ。

だが、優秀なリーダーや科学者の数が多く、ビジネスでも
科学技術でもアメリカが優位である。

アメリカのように教育コストを考えるなら
全国民の学力を底上げするよりも、一部の優秀な人材のみに
集中的に投資する方が効率が良いのだ。
勉強をしたくない人、苦手な人は無理して机に向かうことはない。
耳と目を閉じ口を噤んで率直にエリートに従えばいいだけだ。
乱暴な言い方だが、実際ゆとり教育をすすめている人たちは
このように考えているのだ。

また「多様性」「個性化」を認めるということは、
明瞭明確な「ルール」が形成されるということを意味する。
というのもただ個性や多様性を認めるというだけでは、
無法地帯になってしまうからだ。そこで「これだけはダメだ」という
ルールが出来、それ以外はモラルの問題で自由にして良いという
欧米風の契約社会になるだろうと思われるからだ。

日本は欧米のように「個人」と「社会」が二元論になっている
社会ではない。お互いがお互いの行動を監視しあうという
「世間」に根ざした社会だ。きわめて高い同質性の中で
お互いを察しあい、思いやりをもって生活してきた。
この甘えの構造が日本を支えてきた。
これが実はなかなか優秀な秩序維持の方法なのだ。

おかげで日本の凶悪犯罪率の低さは先進国では
ぶっちぎりの一位で世界中から羨望の目で見られている。
しかも日本には思想がない。宗教もない。
皮肉だが、本来平和を目指しているはずの思想や宗教が
重要視されていないため深刻な対立もなく平和に過ごせているのだ。

そう・・・この制度は大多数の日本人にとっては大変素晴らしい。
しかしこの「世間」システムは
「この人は私と同じ考えを持っている」というドクサ(臆見)に
よって成り立っている。ところが、見渡してみると
それが通用しない「得たいの知れない人」が散見される。

例えば外国人やオタクだ。外国人は確かに表向き受け入れてはいる。
しかしほとんどの場合「世間」システムには組み込まれない。
「でも結局外国人には日本の○○の良さは分かんないだろうね」
というように、究極的には相互理解は出来ないとして
あくまで世間の外部であり続けるのだ。
オタクも「電車男」までは犯罪者予備軍として
完全に「世間」から排除されてきた。しかし「電車男」以降は
「世間」システムの最下層に置かれ「嘲笑」あるいは「同情」の
対象として存在している。

「ゆとり教育」は成功すれば私にとって迷惑な「世間」システムを
じわじわと破壊することが出来る。すなわち
「みんなが同じ心を持つことは出来ない」
「世界は得体の知れない人たちで溢れているのだ」と気づかせ、
この「世間」システムのピラミッドを破壊していくのだ。
(尚、この頂点にかつて君臨していたのは「天皇」だったが、
既にこれは薄れてきている)

西欧は歴史上、何度も民族・宗教・倫理観・価値観などで争っており、
「世の中には理解出来ない人たちばかりだ。
こんなむちゃくちゃな人たちを国家として一つにまとめるには
誰がやっても崩れないようなシステムを作る必要があるな」と
「はなから人なんて信じてないんだからっ!」という制度を
作り上げてしまった。この手のものを作るのは天才的だ。

一方日本の制度は穴だらけである。なぜなら性善説を信じ
「うちにそんな悪いことをする人はいませんよ」といい、
結局「まさか穴を突かれるとは!」とびっくりする。
延々と繰り返しているのになかなか懲りない。

ゆとり教育によってそれを気付かせることが出来れば、
システム作りが上手くなるだろうし、私も救われる。
しかしどうすれば気付かせることが出来るのか。

手っ取り早いのは日本に大量に外国人を連れてくることだ。
しかしそれは面倒なことを嫌う日本人が賛成するわけがないので
私は小さい頃からひたすらディベートをさせれば良いと思う。
生ぬるい方法ではなれ合いの話し合いになってしまうから、
「真剣勝負」であることを強調しよう。
こうして意見を日常的にぶつからせていたら
「あぁ、だめだ。みんな考えていることがこんなに違うのか」と
思い知らされる。大人が同じことをやっても
「いや、話し合えばいつか分かる」と思ってしまうが、
「世間」システムにまだ毒されていない子供なら
「そうか、みんな違うんだ。話し合っても価値観が
ヘーゲル的な弁証法的発展を遂げることはないんだ」と
思ってくれるに違いない。

小市民伯爵は「ゆとり教育」を応援しています。


――――――――――――――――――――――――
■ウェブ拍手■ ←一言コメントをどうぞ








お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2006.02.10 22:40:26
コメント(8) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: