わたしのこだわりブログ(仮)

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2012年06月09日
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星 最新の「アントニ・ガウディ(Antonio Gaudí) 」シリーズのリンク先をラストに載せました。

夏と冬の色の違いについて・・
いつも写真の選択時に思うのですが、夏と冬の日差しでは写真の写り方、はえ方がかなり違うのです。

夏は緑が美しいけど、木々かジャマしたり、空が青すぎてジャマになる時がある。
逆に冬の緑は暗色で、空は灰色で街もさみしそう。

もっとも自然をメインにした景観撮影と建築物の撮影では当然違うし、美しくアートとして撮影する時とリアルを紹介する為の撮影では当然違います。

用途によって変わるので、一概にどちらが良いとはいいきれないのですが個人的にはさみしい木々を除けば、冬の日中の晴天が一番キレイに見える「ほど良い色」かも・・。

そう言えば、クロード・モネの連作ルーアン大聖堂は、そんな季節折々の色の違いを抽象的に示した連作でしたね。
日本の木造建築では気がつきにくいけど、欧州の教会などの石壁は本当に夏と冬の色が違って見えるのです スマイル


さて、今回は
​グ エル公園のファサードを飾るガウディが置いた公園のシンボルとなる意匠。ドラゴンとサラマンダーについて解説した章です。

グエル公園(Parc Guell) 2 (ファサードのサラマンダー)


グエル公園のファサード(正面大階段)
サンジョルディ(聖ゲオルギウス)のドラゴン
ファイアサラマンダー(Fire salamander)

グエル公園のゲートを入ると正面に見えるのが中央の大階段とドーリア式の列柱のならぶ市場の前部。
これがこのグエル公園の顔。すなわちファサード(façade)
となる。
今回はその大階段にある噴水の紹介です。

正面の大階段
pict-パークグエル 23.jpg

ファサード(façade)
建物の正面デザイン。全体の顔となる部分。
西欧では建物の格式を示す意味でもとても重要な場所で、特に力を入れるそうです。

pict-パークグエル 22.jpg

このファーサードの美しさはデザインのみならず、それらを飾るタイルの使い方にある。
また、階段に並ぶ噴水のオブシェがとても面白い。

下の写真2枚でこの階段の噴水のオブジェが一度にわかるようにしてあります。
pict-パークグエル 25.jpg

pict-パークグエル 24.jpg
4つの噴水のオブジェからなっている。

因みに階段の左奥、洞窟状にえぐられた所の奥はトイレで、その奥にティー・テラスがある。

サンジョルディ(聖ゲオルギウス)のドラゴン
pict-パークグエル 26.jpg

下から2つめの噴水のオブジェは一見エリマキトカゲに見えるが・・。

カタルーニャの紋章から顔を出すサン・ジョルディのドラゴン・・の噴水
pict-パークグエル 27.jpg
カタルーニャの守護聖人であるサン・ジョルディ(Sant Jordi)の伝説に由来する噴水ですが、実はサン・ジョルディとは、聖ゲオルギウスのカタルーニャ語名 だそうです。

聖ゲオルギウス(Saint Georgius)・・・・・(Sant Jordi)
キリスト教の聖人に連なる聖ゲオルギウスは、カッパドキアの名門出身の騎士だったようです。
殉教の年代は紀元287年頃、帝政ローマ後期に即位した皇帝ディオクレティアヌスの時代です。

伝説は加色されているので真実はどこまでかわかりませんが 、シリアでのドラゴン退治でパレスチナにおけるキリスト教徒を大量に獲得した事と、布教の過程で殉教した事により聖人列伝でも特に黄金伝説の中に加えられている聖人 です。

とりわけそのドラゴン退治のエピソードが絵画にもよくテーマにされていますが、このドラゴン退治の伝説(サン・ジョルディの伝説)は尾ひれがついて、地方でも多少内容が異なるようです。(今回は薔薇と本については触れません。)

ドラゴンを退治して、改宗した王が建てた教会から泉が湧いた・・と言うエピソードをガウディが使ったのかもしれません。


下から3つ目の噴水
グエル公園と言えば必ず紹介される目立つ ファイアサラマンダーの噴水
pict-パークグエル 28.jpg
トカゲだ、イグアナだ、サンショウウオだ・・と、いろいろ言われてきましたが・・。

実は
実際、種もサンショウウオに近いですが、ファイアサラマンダーはイモリ亜目
なのです。
訳の関係でサンショウウオと言う名が出たのかもしれませんね。


ファイアサラマンダー(Fire salamander)
ヨーロッパに生息するこの種は俗に火蜥蜴(火トカゲ)と言われる本種 です。

体色は黒地に警戒色として鮮やかな黄色(まれにオレンジ色)や赤色の斑点や縞。
背中の正中線にそって2列に並んで 顆粒状の毒腺 があり毒液を撃ち出す と言う恐ろしい両生類です。
その毒液を出す姿が火を噴いているように見えた所からこの名がついたのでは? と言われています。

分布が広いので、生態もいろいろあるようで、
半地中生の種や水辺で暮らす半水生、あるいは水の中だけの種など洞窟内や地下水流で生活したり、中には樹上で生活繁殖するも種もいるらしい 。(ウィキペディアより簡略)

下の写真を見たら納得でしょう スマイル 顆粒状の毒腺はガウディの作品にもあるのです。

ウキメディアから借りてきました。

これまた私の想像の域ですが、 もしかしたら ガウディはこのモンターニャ・ペラダの造成中に彼らをたくさん見つけたのではないか?
ここの最初の住人がファイアサラマンダー
だったのではないか?
そして、 彼らを主(ぬし)として敬意を示して彼らの好む場所を作ったのではないか?


さて、このファイアサラマンダーの階段右側の向こうは公園です。
pict-パークグエル 30.jpg

このファイアサラマンダーの左階段側の向こうは旧グエル邸であり、現在は小学校となっていて、その校庭の門が見えています。
pict-パークグエル 29.jpg
現在も使われているこの門はガウディの作品でダリが牛の肝臓・・と揶揄(やゆ)した門です。

何の斑点かと思ったらこれが毒腺なのね・・。
pict-パークグエル 31.jpg
よくよく考えたらかなりリアルな作品ではないか?

噴水も長くなったので最後のは次回につづく。
リンク ​​ グエル公園(Parc Guell) 3 (大階段のタイル)


Back number​
リンク  アントニ・ガウディ(Antonio Gaudí) 1 高級住宅
リンク ​ アントニ・ガウディ(Antonio Gaudí) 2 コロニア・グエル教会とカテナリー曲線


リンク ​ グエル公園(Parc Guell) 1 (2つのパビリオン)
    グエル公園(Parc Guell) 2 (ファサードのサラマンダー)
リンク ​​ グエル公園(Parc Guell) 3 (大階段のタイル) ​​
リンク ​ グエル公園(Parc Guell) 4 (列柱ホール)
リンク ​ グエル公園(Parc Guell) 5 (ギリシャ劇場)
リンク ​ グエル公園(Parc Guell) 6 (擁壁と柱廊)
リンク ​ グエル公園(Parc Guell) 7 (テクスチャーにこだわった柱廊と陸橋)

リンク ​ ガウディ博物館 1 (グエル公園)
リンク ​ ガウディ博物館 2 (ラ・トーレ・ローザ・la Torre Rosa)
リンク ​ ガウディ博物館 3 (ガウディ家の人々)
リンク ​ ガウディ博物館  4 (ガウディの病気)

​リンク ​​ アントニ・ガウディ カサ・ミラ 1 (外観) ​​
リンク ​​ アントニ・ガウディ カサ・ミラ 2 (パティオ) ​​
リンク ​​ アントニ・ガウディ カサ・ミラ 3 (屋上1) ​​
リンク ​ アントニ・ガウディ カサ・ミラ 4 (屋上2) ​​​
リンク ​ アントニ・ガウディ カサ・ミラ 5 (屋根裏の梁)

関連
リンク ​ コミーリャス(Comillas)エル・カプリーチョ(El Capricho)
リンク ​ ガウディの椅子
リンク ​ モンセラート(Montserrat)






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Last updated  2024年05月25日 17時39分59秒
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