わたしのこだわりブログ(仮)

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2012年07月28日
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星 最新の「アントニ・ガウディ(Antonio Gaudí) 」シリーズのリンク先をラストに載せました。​


グエル公園(Parc Guell)  7 (テクスチャーにこだわった柱廊と陸橋)

テクスチャーにこだわった柱廊と陸橋
テクスチャー(texture)


写真ではよく見かけるけどどのあたりかわかりかねた斜めに走る柱廊は旧グエル邸(現小学校)を囲む形で据えられています。

写真はちょうど旧グエル邸のま裏。裏庭?
pict-パークグエル 79.jpg
擁壁を兼ねた柱廊は上部の中央通り拡張の為に造られたと言う。
写真右に一体の女神の柱があります。

再びグエル公園内ロードマップ
pict-パークグエル 64.jpg
今回写真は黄色の部分、斜面を支える擁壁がわりの柱廊を中心に紹介します。
追加で緑と青の陸橋の写真も紹介。

テクスチャー(texture)にこだわった柱廊と陸橋
ガウディは 彫刻家のように建築と言う造形の中でもテクスチャー(texture)にこだわった建築家 のようです。
特にグエル公園の陸橋は現在のエコにも通じる最たる傑作の1つです。

上の写真の回廊の内部の写真です。
pict-パークグエル 74.jpg

pict-パークグエル 75.jpg
一見洞窟のようなこの柱廊は 垂直の中柱と両側の内転び柱の3列構成 によりできている。
テクスチャーは中央広場の擁壁同様にこのモンターニャ・ペラダの丘陵を削った時に排出された岩 で覆ってできている。

が、こう見えて、 内部は鉄骨リブアーチがしっかり格子状に掛け渡されている そうです。

pict-パークグエル 76.jpg

テクスチャー(texture)
造形の 素材や、また 造形の表面などを覆う 素材、仕上げなど、その材質感にこだわった視覚的、触覚的効果をもねらった手法

簡単に言えば壁の材質とか、色とか表面の状態をどう仕上げるか? と言う見た目にこだわった加工。

テクスチャーは 美術的には造形の重要な要素の1つ なので、 テクスチャー効果による造形美として意図的に狙った作品はたくさんあります
が、 建築では 本来中身が主体だから、外観は大事 ではあるけどそこまでテクスチャーにこだわった作品はなかなか見かけないような気がします

エッフェル塔や東京タワーも確かに鉄骨と言うテクスチャーのアートではありますが、鉄骨でなければ造れなかったタワーとするなら、あえてこだわったわけではないですし・・。

予断ですが、テクスチャー効果の最たるアートを2009年10月15日「モダンアートの材料は・・」で写真を載せているので良かったら見てね。(きっと驚くから・・。)
リンク ​ モダンアートの材料は・・・


pict-パークグエル 77.jpg
4月


以前夏と冬では欧州では特に建築物の写真の色が違う・・と言う事を書きましたが、実際比べて見るとかなりの印象の違いを感じるはずです。

太陽の日差しなど季節による光の効果も計算していたのではないか? とも言われています。

11月
pict-パークグエル 78.jpg

経済的と言うより合理的
ガウディはこのグエル公園内で、擁壁や柱廊、陸橋にこの丘から切り出した石を砕いてその造形の表面をあえて覆い、 付近の景観との一体化を図った作品 を造り上げています。

経済的理由もさる事ながら、もとの景観を破壊しないよう最新の注意 を払っている事がうかがえます。
が、それは環境とかエコと言った行為では無く、むしろガウディは 自然から与えられたものを最大限ナチュラルに活用して人に有益な物を造ろうとしていた事のあらわれ だったようでもあります。

例えばガウディが度々使った 破砕タイル(トレンカディス)のテクスチャー(texture)効果 はただ美しいだけでなく、 地中海からの強い日差しがあるバルセロナではタイルを破砕するする事で光の乱反射による拡散を狙った のでは? とも考えられ、偶然と言うよりは綿密な試行錯誤の結果に思えるからです。

pict-パークグエル 80.jpg
時間と金銭的な問題がなければもしかしたら女神像はもっとあったのかもしれない。

pict-パークグエル 81.jpg
斜めの柱の回廊は旧グエル邸にそって曲がっている。

さらにその先はらせん状にねじられた転び柱の陸橋がある。ロードマップ写真緑の部分。
pict-パークグエル 82.jpg
材質はレンガ造石貼りで、前もって他で造ってきたブレキャスト工法による取り付けだそうです。

中は入れないのですが、上の道路に抜けられるようなスロープになっているのでは?
pict-パークグエル 83.jpg

ロードマップ写真青の部分、ガウディ邸近くの陸橋
pict-パークグエル 84.jpg
上段が車用道路。奧に見えるのはバルコニーのようなベンチ付き待避スペース。

pict-パークグエル 85.jpg
穴の部分は鳥の巣になっていた。

下は前に一度紹介している写真ですが、同じ陸橋です。
pict-パークグエル 9.jpg
何とも言えないナチュラル感ですが、柱もヴオールトもレンガ造り石張り。


さて、今回は建築家ガウディの作品と言う事もあり、建築よりのブログになってしまった感がありますが、個人的にも少し建築にはまってしまいました。

今までは見て好きな建築物、と言うのがはっきりしていましたが、構造などいろいろ見ているとそれなりに気になる部分やこれの何が面白いのか? 等がわかるにつれ素人ながらその面白さや深さが少し解って来たような気がします。
今後、ちょっと建築の分野をひいき目にブログに取り上げようかな・・と思っています スマイル

実は来月久しぶりに欧州に行く事になり、どうしても見て来たい建築家の作品をメインに旅程を組みました。しっかり調べて写真を撮ってきます ウィンク
内容については旅行から戻って9月に入ってからの紹介になると思いますが、「ここはどこでしょう? クイズ」をあちらから発信しながらできれば・・と思っています。
(旅行に行くまでに何本か書けるかな?)

グエル公園おわり

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リンク  アントニ・ガウディ(Antonio Gaudí) 1 高級住宅
リンク ​ アントニ・ガウディ(Antonio Gaudí) 2 コロニア・グエル教会とカテナリー曲線


リンク ​ グエル公園(Parc Guell) 1 (2つのパビリオン)
リンク ​ グエル公園(Parc Guell) 2 (ファサードのサラマンダー)
リンク ​​ グエル公園(Parc Guell) 3 (大階段のタイル) ​​
リンク ​ グエル公園(Parc Guell) 4 (列柱ホール)
リンク ​ グエル公園(Parc Guell) 5 (ギリシャ劇場)
リンク ​ グエル公園(Parc Guell) 6 (擁壁と柱廊)
    グエル公園(Parc Guell)  7 (テクスチャーにこだわった柱廊と陸橋)

リンク ​ ガウディ博物館 1 (グエル公園)
リンク ​ ガウディ博物館 2 (ラ・トーレ・ローザ・la Torre Rosa)
リンク ​ ガウディ博物館 3 (ガウディ家の人々)
リンク ​ ガウディ博物館  4 (ガウディの病気)

​リンク ​​ アントニ・ガウディ カサ・ミラ 1 (外観) ​​
リンク ​​ アントニ・ガウディ カサ・ミラ 2 (パティオ) ​​
リンク ​​ アントニ・ガウディ カサ・ミラ 3 (屋上1) ​​
リンク ​ アントニ・ガウディ カサ・ミラ 4 (屋上2) ​​​
リンク ​ アントニ・ガウディ カサ・ミラ 5 (屋根裏の梁)

関連
リンク ​ コミーリャス(Comillas)エル・カプリーチョ(El Capricho)
リンク ​ ガウディの椅子
リンク ​ モンセラート(Montserrat)







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Last updated  2024年05月25日 17時48分31秒
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