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「民主政治は最悪だ。他に過去に現れたすべての統治形態を除いては。」という名言を残したのは、イギリスのチャーチル元首相でしたね。週末に行われたイラクの議会選挙。予想以上の投票率だった上、大きな混乱無く終了したことは、イラク安定化へ向けての大きなハードルを一つクリアしたと言っていいのではないでしょうか。ところで、議会制民主主義の発祥の地であるイギリスでも、もうすぐ総選挙があることは日本ではまだあまり知られていないのではないでしょうか。5月5日にも、実に4年ぶりの下院総選挙が行われる見込みとなっています。ここは、しっかりと民主主義発祥の地としてのお手本を見せて欲しいところです。実は、すでに選挙活動はスタートしています。紳士の国でもあり、マニフェスト発祥の地でもあるイギリスでは、さぞかし高尚かつ上品な選挙活動が行われているに違いありません。では、さっそく与党労働党(Labour)が発表したばかりの選挙ポスターを見てみることにしましょう。・・・・・・。な、なんだこれは・・・?下のキャッチコピーの文字がつぶれてしまって見えませんが、良く見るとここには、「Britain is working.Don’t let The Tories wreck it again. Labour」(イギリスはうまくいっています。再び保守党によってめちゃくちゃにさせてはなりません。労働党)とあります。ちなみに、写真左は野党・保守党党首のマイケル・ハワード氏、右は「影の内閣・財務大臣」のレトウィン氏です。ここで出てくる表現で、TORY=英保守党、ADD UP=話のつじつまが合う、そして、Pigs might fly=ありえないこと、です。ここまでやるか、というほどの思いっきりネガティブキャンペーンです。日本で言えば、「お笑いマンガ道場」で、富永一郎氏が描いた土管で眠る鈴木義司氏なみの著しい人権侵害とも言えるのではないでしょうか。聞いた話では、こういった合成写真(?)を使ったネガティブキャンペーンは、過去の選挙戦でも登場したそうで、もちろん日本ではありえませんが、イギリスでは普通のことのようです。しかし、今回はさすがに世論の猛反発を浴びました。というのも、写真の両氏は実は2人ともブタを不浄な動物とするユダヤ人です。このポスターは「反ユダヤ的である」として問題にされているのです。そして、労働党はあわてて昨日になってこのポスターをホームページから削除してしまいました。さすがに、アウシュビッツ開放60周年の式典を終えたばかりのこの時期に、なんとも軽率すぎたようです。というわけで、早くもヒートアップ気味の選挙戦の今後がちょっと楽しみですが、やっぱりある意味「民主政治は最悪」なのかもしれません。
2005年01月31日
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イギリスは言わずと知れた動物愛護の国ですが、過激な動物愛護活動家が多いことでも有名で、世界中のバイオ系の研究者から恐れられています。昨年7月には、びっくりするようなニュースがありました。新薬開発のためにオックスフォード大学が建設中の実験施設が、反対派の妨害活動にあい工事中断。軍隊が出動して警備に当たるという騒ぎになったのです。BBCニュースによると、当局は、今後、動物愛護活動家に対しテロリストと同様に厳しく対応する方針を示しているとか。動物実験問題については、ニュースにたびたび登場し、BBCのウェブサイトでもホットトピックとして取り上げられるなど、イギリスでは強い関心を集めています。筆者は一応ロンドンでも割と大きな医学系の研究所に在籍しているので、イギリスの動物実験施設が様々な点で日本と大きく異なっていることが実感できます。たとえば、動物実験施設はとある建物の中に内包されており、どこにあるのか部外者からはまったく分からないようになっています。これはもちろん過激な活動家対策です。そしてスタッフは動物施設の入り口がどこにあるのかを外部者に口外してはならず、また研究所の中で誰が実際に動物実験に従事しているのかも口外してはならない、という厳しい規則があります。 また、動物に対する扱いが日本に比べるとずっと丁寧であることも確かです。動物福祉について厳格な規準があり、たとえば麻酔一つにしても、日本で一般的なエーテル麻酔は動物の死亡事故や引火の危険があることを理由に禁じられていて、イソフルレンによる吸入麻酔を行うといった具合です。実験動物への福祉が重要視されるのはもちろん良いことですが、一方で実験を行うために内務省(Home Office)による審査やライセンス取得など多くの手続きを経なければならず、研究の進行に支障をきたしていることも事実で、なかなかバランスの難しい問題であることを考えさせられます。ちなみに、筆者の研究所には下の写真のような印象的なポスターが貼ってあります。これを見ただけでも、いかに動物実験問題がこの国で大きな論争となっているかがお分かりいただけるのではないでしょうか。動物実験の件数はピーク時より大きく減っているものの、遺伝子改変動物の開発などの新たな技術によりその重要性が増していることも確かで、この10年ほどの件数はほぼ横ばいです(BBCニュース)。今でも世界一厳しい倫理基準がさらに厳格化するような事態になれば、イギリスの医学研究発展の足かせとなるのではないかと心配になります。
2005年01月24日
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「イギリスに居るとなかなか日本の情報が入ってこないでしょう?」などと良く聞かれます。確かに、日本の最新の音楽やお笑いなどを楽しむことは無くなってしまいますが、インターネットのおかげで、皆さんの想像以上に日本の情報は逐一入ってくるものです。それに、最近は日本の流行がイギリスに紹介されることもかなり多くなったように感じます。MUJI(無印良品)やUNIQLOなどは、もはやロンドンでも定着しつつあるように見受けられますし、北野武や宮崎駿監督の映画ポスターも町でよく見かけます。筆者のオフィスでも、日本のアニメファンという人が結構いて、筆者の知らないような日本のアニメについて詳しく語りだすのでびっくりしてしまいます。ところで、少し前にも、METRO紙やBBCニュースで、この冬の「東京の最新流行グッズ」が大きく紹介されていました。今、東京で飛ぶように売れているというそのグッズとは、ずばりコレです!・・・。あれれ、おかしいな?今、幻が見えたような・・・。・・・。ちょっと日本に帰りたくなくなってきました・・・。
2005年01月17日
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みなさま、お久しぶりです。もうすっかり明けすぎてしまったような気がしますが、今年もどうぞよろしくお願いいたします☆筆者はというと、年末年始のハードスケジュールがたたったのか、このところすっかり風邪をひいてしまいました。ところで、前にも書きましたが、年末年始は日本で過ごしました。日本への年末の帰国の際は、ファンによる混乱を避けるため、ヨン様のように、とある田舎の地方空港に極秘で降り立ちました。その空港とは、千葉県、といっても茨城に程近い某N空港です。ちなみに、最近は帰国の際にはもっぱらアムステルダム経由にしています。というのも、アムステルダムのスキポール空港は、大きな空港の割にターミナルが一つにつながっているから乗り継ぎが簡単な上、入国審査もイギリスと違ってスタンプを押すだけで一瞬で終了。そして入国審査を出ると、下の写真のように大きなショッピングモールや展望ラウンジがあるし、ヒースローと違って人も少ないので、待ち時間もゆったりと過ごせてなかなかお奨めなのです。またKLMオランダ航空の機内エンタテイメントが充実しているのも見逃せません。そしてアムステルダムを出発して、いよいよ東京へ向かいます。ちなみに、筆者は帰国時の飛行機では、必ず窓側の席をとってもらっています。それは、断じて筆者が根っからの窓際族だからという理由からではありません。下の写真を見ればお分かりかと思いますが、日本ー欧州線では、ロシア上空からの眺めがとっても綺麗なのです。また、今回は見られませんでしたが、昨冬に帰国したときには、機内の左方向に緑色にゆらゆらと明るく輝くオーロラを見ることができました。そのときは、はじめて目にするそのあまりの美しさに心を打たれ、写真を撮ることも忘れて見入ってしまいました。というのは実は嘘で、写真を撮ろうとしたらデジカメのバッテリーが切れていて撮れなかった、なんてことはみっともなくて、とてもいえません(号泣)さて、日本では関西から東北まであちこち飛び回っていましたが、2005年の元旦を迎えたのは岩手県のAスキー場でした。スキー場は特に日本らしいところというわけではないかもしれないけど、普段どんよりとしたイギリスの冬を過ごしていると、白銀の広がる世界は明るく開放感があってとても新鮮に映り、楽しく過ごせました。
2005年01月10日
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