レジャーサービス研究所(東京&上海)

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2003/10/04
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カテゴリ: カテゴリ未分類
同行したNくんがどうしても故宮が見たい…というから行ってみた。


国慶節の真っ最中の故宮は凄まじいものがあった。
普段、人が賑わう施設の仕事をしているので、多少の混雑には免疫が十分にあるつもりだった。

ところが、こちらのキャパシティを遥かに凌ぐ混雑ぶりで、チケットを買う前に心が萎えそうになった。

チケットを買う午門前の広場(エントランス広場)にいる人出だけで、優に1万人くらいいた。思わず腰が引けた。午門を取り囲む高さ8mの壁が一層混雑振りを引き立てる。

「こんなに大混雑した日でなくても、また半年以内に来るのだからその時にじっくり見た方がいいのかも…」と、弱気な心が顔を出す。

しかし、「国慶節の期間の視察だからこそ意義がある…」という、満場一致(といっても2人だが)で、いざ入場!

太和門をくぐるとそこにはラストエンペラーや英雄のあのシーンが蘇るほどの光景が飛び込んできた。



そして、映画に限りなく近いほどの群衆?の数も…。
このままエキストラで撮影できるのではないか?というほどの迫力に圧倒された。それで、またまた尻込みする。

●故宮の概要

◎敷地面積:約72㎡
ということは、ほぼ東京ディズニーランドくらいの広さである。

これを1406年に建造して、その後24人の皇帝が約500年もの間、中国全土を支配したとのこと。

◎建築面積:約15万㎡
◎殿堂の数:890棟
◎部屋の数:約9000間

…どれをとっても当時の世界最大級だ。

1400年代にこんなスケールのものを作ってしまうのだから、何を考えていたのか?聞いてみたいものだ。


しかし、ここで成功尽き果てた。

中の混雑振りは、
「朝の<山手線>の駅構内がそのまま17万㎡続いている…」
と思って頂いてよい。

それに比べればディズニーランドの混雑なんて可愛らしいものである。



中には食堂が申し訳ない程度にしかなく、当然、この人数を収容できるものでない。だから、要所要所に屋台が出ていて、ペットボトルやパンが売っている。このパンがメインディッシュになった。

4元で買える上に、コンビにで売っているメロンパンの6倍くらいの大きさ。半日は十分にもつ。これをデイバックに入れて巡る…というのが故宮スタンダード?な感じだった。

棒になった足を引きずるように来た道を引き返す。人並みに流されるように退場して、ふと気がつけば天安門に出た。

そして、その光景は生まれてから一度も見たことのない人数である。
(テレビではあっても、実際にいたことはない)

ちなみに、翌日の新聞をみると約120万人の人出だったとのこと。
(120万人ですよ。信じられますか?)
新聞によると「大いに賑わった」とあるが、そんなのん気なものではなかった。

「もう、これ以上は無理だ」と十分な挫折感を味わい、王府井を目指して歩く。本当は地下鉄にで移動しようと思ったが、構内をのぞいて見て「………」止めた。朝の小田急線も空いている部類に入りそうだった。

この日の故宮は、地方からの来場者でごった返していた。そこで気がついたことは、

「みんな、でかい!」
ということである。

自分も174cmだから日本にいる分には「チビ」ではなく普通の部類だ。
しかし、当日の故宮では、大人の中では明らかにチビだった。

だから、各殿堂にやっとたどり着いても何も見えない。皆、背が高いから。そういう感覚を久しぶりに味わった。

もう、前田日明と大林素子みたいな夫婦がゴロゴロいる。この人たちが皆、スポーツの参加のチャンスを与えられたらもう中国には永遠に勝てないような気がしてくる。

しかも、電車にバス、それに<車通勤>で退化した僕たちとは違って足腰がしっかりしているからタフである。

日本にいる時は、自分よりも元気がある人に会ったりするとこちらも元気になって楽しい…と思っていたが、レベルが違いすぎるとやはり落ち込む。

彼らから比べれば大阪人も大したことはない。

よく講演会やセミナーで
「みなさん元気がありませんねぇ。今の日本人は…」と元気を売りものにしている方々を見かけるが、そんなに元気が好きならば、元気のない人にかまっていないで、もっと元気のある国に行って暮らせばいいのに…と思った。

元気がありませんねぇ…と言われても、当の本人が本当は「質素で落ち着いた生活が好き」な場合もあるから、元気を強制するのは場合によっては大きなお世話である。

もっとも、講演会の時だけ元気で、普段は「電池切れ」みたいなニセ元気もいるから、そういうことを続けているのは可哀想になることもあるが…。

ここで考えた「元気」とは、楽しいうれしいレベルではなく、生きようとする圧倒的なエネルギーのことなんだろうなぁと。

当日の故宮は、俗に聞いている「地方の貧しい人々」が大挙押し寄せているらしいが、混雑をともにしてみると、家族で、夫婦で、おじいちゃんと、恋人と…それぞれが「愛」できちんとつながっているんだなぁ…という方々がたくさんいらっしゃった。そばで行動をしているとそういうのは感じることができる。透けて見えるものである。

たまに「所長さん。中国人にはまだまだ遊びに行く場所がないからこれからは中国の仕事がいいんじゃない?」と声をかけられることがある。もちろんそうしたことは十分にあり得るかと思うが、反面、皆が皆そうなるとも思っていない。

家庭や親戚、あるいは近所で十分に楽しい人々は、相変わらず「村祭り」が一番楽しいのかもしれないし、それはある意味でとても羨ましいことでもある。そういう人々には人工的な遊び場所は、あまり関係ない。まぁ数年に一回くらい行こうかな?程度のものでしかない。

だから、中国でも沿岸部で経済の活性化が激しい都市部の人々が対象になる。都市に出て、仕事をバリバリやってお金持ちになる。しかし、意外に寂しい。これが本音で、だから人工的なレジャー施設が必要になるのである。

そのうちにたまには○○地方のお祭りが見たくなる。田舎料理が懐かしくなる。家族が恋しくなる。だから、どっちかだけが栄えるという図式にはならないと思う。

レジャー産業というのは、こうして相互の立場が両方いて成立つ産業だからそれでよい。行ったり来たりである。

それなのに80年代から90年代は「全国一斉リゾート化」みたいなことをやって、たくさん失敗した。

もっと裕福になりたい…と思っているのには違いないとは思うが、だからといって今が「不幸せ」な人ばかりではない。「自分サイズでしっかり幸せ」だったらそれでよいのかもしれない。

逆に、どんなにお金持ちになっても、あるいは有名になっても不幸せそうな人もいるし…。

講演会やらセミナーやらで元気であるより、まずは「家庭内で元気!」「親戚と元気!」「近所で元気!」の方が価値があるのかもしれないと。
(自分の過去の反省を含めて)

家庭がうまくいっている人は仕事も自然に元気になる…という図式も十分に成立つはず。

「家庭が日本を元気にする!」
「家族がうまくいくと年収が2倍!」
「親族で起業!」

MBAやらマーケティングやらのスキルは世の中に溢れかえっている。けれど、なかなかうまく実施されないのは家庭がつまらないから、うまくいっていないから…という視点は誰も指摘しない。

もしかしたら原因はこっちかもしれない。

このままだと、
「会社は幸福、個人は不幸」
「仕事中は元気、家庭では無口」
「OFF会は楽しいけど夫婦の食事はつまらない」
…と、だんだん逆になっていってしまうかもしれない。

今後は誰かがそういう切り口で活動するようになっていくのではないだろうか?と考えた。






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Last updated  2003/10/05 03:31:59 PM
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