| |
|
|---|---|
| |
|
| |
|
Crushu !into the rolling Nacci
開設26周年にあたる日なので
科学による世界征服 再掲
科学による世界征服Ⅱ
手を握れ悪魔の手先、たたきつぶせ正義の味方
正義などというのは、
権力者が自らの行為を正当化するときに使いたがる言葉だ。
歴史を振り返ってみても、
数え切れないほどの大量虐殺が正義の名のもとに繰り返されてきた。
戦争をやる場合,、どちらも自分のほうに正義がある
と思っているわけで、敵国は常に悪というわけだ。
勧善懲悪のストーリーはわかりやすいし、人気もあるが
何が善で何が悪かなんて簡単に決められるもんじゃない。
歴史の本なんてものは大体勝った側が書くわけで、
負けたほうは悪ということになる。
これを称して勝てば官軍、という。
だから戦争は負けちゃいけない。
負けたほうは後の世にボロクソに書かれることになる。
不思議なことに世の人々は、
書かれたものに対してあまり考えずに受け入れてしまうようで、
歴史イコール事実イコール真実ってことになってしまう。
科学技術の進歩と戦争の形の変化
ところが、時代が進むにつれて兵器はどんどん進歩する。
一対一の格闘や
白兵戦だったころに比べると、
一瞬にして大量の敵を倒すことができるように
なってきた。
それとともに戦闘員と非戦闘員の区別がなくなってしまった。
差別と無差別ってことに関して考えてみると。
よく差別だ差別だって騒ぐやつ
いるけど、無差別のほうがたちわるいんで、
ミサイル一発で戦闘員も非戦闘員も
虐殺しちまう
ってのはどうかと思うぞ。
やっぱり戦闘員と非戦闘員は
差別しなくちゃいけない。
それが戦争の美学ってもんだ。
よく、科学者の倫理 みたいなことが言われるけれど、
何に使われるか
なんてことを考えていたら、
なにも開発できないし、技術の進歩なんてないんだ。
科学者は知欲だけにしばられるべきだし、
それをどう使うかはべつの人たち
だろうね。
それでも軍人には軍人の立場があるし、
政治家には政治家の立場がある。
こういうことは、国家の体制とかを抜きにしては語れないんだけど、
難しくなるんで
今日はちょっとやめとこう。
サイエンスとテクノロジー
ちょっと話はかわるけど、
この問題はサイエンスとテクノロジーの問題でもあるんだ。
この2つ、同じようにみえるけど、実は全然違うんだ。
わかりやすくいうと
腹が減ったとき、
どうして腹が減るのか と考えるのがサイエンスで、
どうすれば腹がふくれるか と考えるのがテクノロジーなんだ。
いわゆる
英語のwhyとhowの違いなんだけど、
あまりわかってる人いないね。
でもって、科学って言葉よく聞くんだけど、
いったい何。サイエンスともちょっと違う
理科ともちょっと違う。わかって使ってるやついるんかいな。
たぶん
ひとによって意味が違うと思うよ。
ナチュラルサイエンス(自然科学)って言葉はあるけど
これに近いかな。ちなみに俺の専門は化学であって科学ではない。
この講座も
”化学による世界征服”として申し込んだのに、
こういうタイトルになっていたんだ
だから内容も変更して97年の夏に第一回をやったんだけど、
守備範囲がムチャクチャ広くなったね。
こっちははっきりしてるよ、
もともと錬金術からはじまった学問だから。
いわゆる通常兵器〔銃砲や爆弾など)は、
ほとんど化学反応を利用している
わけだし、
刀剣や槍の材料である金属は化学反応でつくるわけだ。
生物の
いとなみだって化学反応だし、料理だって化学反応だ。
ただ化学兵器といった場合、毒ガスなどをさす場合が多いけどね。
それと区別する意味で、化学的兵器といわせてもらおう。
人類の歴史と化学的兵器
人類がはじめて手にした化学的兵器といえば、何と言っても火だよな。
これを手に入れることによって、物理的には非力としかいえない人類が
屈強な動物たちを征服できたんだ。そして金属。物理的兵器である
刀、剣、槍などをつくるには、硬い金属が必要だ。銃砲、飛行機,戦艦、
爆弾、ミサイル、すべて金属がなくちゃできないだろ。そして爆薬や毒ガス
ということになるんだが、地下鉄なんかで使うなよ。
化学的兵器によって戦争はどう変わったか
これはなんといっても、
大量破壊、大量殺戮が可能になったことだろう。
格闘や剣、槍、弓矢などによる戦闘は、
基本的に一対一の白兵戦で
多くの場合、兵の数で勝敗が決まることが多い。
しかし火薬の発明により
戦争そのもののやり方が大きく変わったし、
19世紀以降になると、次々と
現れる近代兵器の登場によって、
戦闘員と非戦闘員の区別がなくなってしまった。
核兵器の登場
化学反応というのは、原子そのものが変化するのではなく、
原子と原子の結合が
変化するものだ。
そのとき物質そのものの質量は決して変化しない。まあ
これは、質量保存の法則といって、
中学校2年生くらいで習うんだけど、
18世紀の
終わりころ、フランスのラボアジェという人が発見して以来、
化学の根本原則みたいに
なってたんだ。ところが究極の粒子と思われた原子ですら、壊れることがある
ということがわかって大騒ぎになった。
そのときにほんのちょっとだけど
質量が消滅してエネルギーに変わるってんで、
そりゃもう大変。ケタが違うんだ。
よく原爆の大きさを何メガトンとかいうけれど、
実際に1メガトン(100万トン)も
あったら飛行機に積めないし、ミサイルで飛ばせない。
あれは TNT火薬1メガトンぶんの
威力があるという意味だ。
ようするに原爆一発でナミの爆弾100万発ぶんってことだ。
こんなのが世界中にゴロゴロしてる。
うかつに戦争はじめようもんなら即人類の
歴史が終わっちまう。核の抑止力ってよくいわれるけど、
使ったらジエンドの
使えない兵器になっちまった。
そこで登場するのが、細菌兵器ってことになる。
なんせ生き物だからかってに
増殖して 広がっていってくれるから、
多大なダメージを敵に与えることができて
コストもかからない。貧者の核ともいわれているな。
開発にしたって学校の実験室に
毛がはえたような施設でも開発できてしまう。
もちろん敵味方関係なく感染するから
味方にはあらかじめワクチンをうっておくとかしなけりゃいかんが。
何よりも、細菌兵器の場合、だれがやったかわかりにくい。
相手がわからなければ
報復もしようがない。
***************************。
(この部分は誤解を招く恐れがあるので削除しますが
要は細菌兵器の実験台にされたんじゃないかってこと)
その他の兵器、未来の兵器
(気象兵器、地震兵器、マインド兵器、高出力電磁波など)
ちょっとナマ臭い話になってきたので、
話題をかえて未来の兵器について考えてみよう。
まあSFなどではしょっちゅう出てくる割には、
なかなか実用化されなかったり
原理的に不可能なものも多いみたいだ。
古典的なSFから、コミック、アニメ、ゲームなどに
実に多くの兵器がでてくるし、
そういったものについては、たぶんみんなのほうが
詳しいと思う。
これらの登場人物(人でないばあいもあるが)には
よく世界征服を
めざすやつがいる。
だが世界征服とはいったいどういうことだろう。
これらのキャラクター
には、大きくわけて2つのタイプがあるように思う。
1つは世界を支配したい、世界を
自分の傘下にしたいというもので、
歴史上にもこのような人物は多くいたが、
当然の
ことながら実現したためしはない。
もう1つは、人類もしくは生物そのものの
存在自体
が悪であり、人類の滅亡を目的とするもので、
最近よく見かけるようになった。
ストーリー
の中で、この2つが対立するものも多い。
かつては世界とは自分が認識できる範囲で
空間的に限られた範囲であった。
しかし1つの世界を征服すれば、
その外の世界が見えてくる。
いま世界とはどのような範囲なのか、
宇宙全体なのか、宇宙のそとには何が
あるのか。それとも自身が死ねば世界は消滅するのか。
あたりまえの話だが、
生物が生きるということは他の生物を殺すことである。
好むと好まざると、これは避けて通れぬ。
すべての争いや殺戮を否定する人は
そこのところをよく考えてほしい。
人類が本当に幸せになるためには、
科学を
どのように利用すればよいのか、
これまで多くの人たちが投げかけてきた問題である
国とか政府とかは本当に必要なものなのか。
すべての答えは、ひとりひとりが
賢くなること。
科学を本当に理解すること。
そのようにしてはじめて
科学による世界征服は人類に真の幸福と平和をもたらすはずである。
これは99年3月に名古屋市のある中学校で講義したものとほぼ同じです。
PR
Freepage List
Category
Keyword Search