メートル・ド・テル徒然草

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エルネスト1969

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Jun 25, 2005
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「メートル・ド・テルって何やねん?」
 私が名刺を差し出すと決まって口にされる言葉である。これがこの飲食業界の人だったりすると、大体分かってももらえるのだが、学生時代の古い友人だとか、親兄弟親戚にはもひとつピンと来ないようである。いちいち説明するのが、面倒くさくなったりすると、

「フランス語で『男前!』ていう意味ですわ。」

などと答えたりするようにしている。

 何しろいかんせん「メートル・ド・テル」という言葉は「ソムリエ」に比べてマイナー過ぎる。私の名刺には「メートル・ド・テル 某」と、肩書きには記載されており、私自身、自慢じゃァないがシニアソムリエの資格も持っているのだが、あえて、「メートル・ド・テル」の名称だけ記載してもらっている。そうすると、冒頭のような質問を毎回受けるのである。

 「メートル・ド・テル」と言う言葉そのものは、「給仕長」などと訳されることが一番多いのではないだろうか?しかし、どうもこれは古めかしいし、言葉の響きももうひとつよくない様に思う。
 また、「支配人」などと大層な名称もあるにはあるが、一体何を支配しているのだろうか?大体、私自身、家に帰るとヨメと子供達に支配されているのというのが現実である。

 ただ、自分が「メートル・ド・テル」であるのかどうかははななだ疑問のままである。


 そんなコトを疑問に感じていたことがあったのだが、ある人から、「それは間違った認識だ。」と指摘された。指揮者というのは、そのオーケストラの中で、他の誰よりも最も演奏される曲を理解していなければならないのだと。作曲家の心情を理解し、時代背景の知識もあり、オーケストラの演奏者の力量を把握し、なお、その曲を表現する力と、観客に伝えたいとするホスピタリティを備えていなければ、つとまらないものだそうである。

 メートル・ド・テルにも同様の事が言えるのではないだろうか。

 中谷彰弘氏の著書に「ホテル王になろう」なる本があって、その中にこんな一文がある。


「メートル・ドテルはレストランにいらっしゃるのお客様についてはもちろんの事、料理、ワインその他の什器設備、また当日のスタッフの力量などすべてを把握していなければならない。そしてメートル・ド・テルはレストランの空気を支配しているのだ…」
と。メートルが支配人と呼ばれる所以がここにあった。
 レストランの「空気」が「支配」出来ていなければ、それは、「店長」であっても、「メートル・ド・テル」ではないのである。

 これからも、「メートル・ド・テル」の「レゾン・デートル=存在理由」を探していこうと思う。





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Last updated  Jul 11, 2005 04:48:25 PM
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背番号のないエースG @ チョコレート 「風の子サッちゃん」 ~ Tiny Poem ~…
坂東太郎G @ 「辛味調味料」そして考察(01/16) 「石垣の塩」に、上記の内容について記載…
エルネスト1969@ Re[1]:ホスピタリティは「人」ありき(10/04) はな。さんへ コメントありがとうございま…

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