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エルネスト1969

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Sep 1, 2005
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 9月7日号の「日本版ニューズウィーク」、トップ記事は「グルメ食材が危ない」というテーマです。

 キャビア、マグロ、トリュフ、フランスワインなど様々なグルメ食材が窮地に追い込まれているとの事で、フランス料理界における「三大珍味」のうちのひとつ、フォアグラも取り上げられていました。
「三大なんとか」と謳うのが好きなのは日本人なので、海外で得に「三大珍味」と呼ばれているわけでは無いのですが、 「三大珍味」のうち他の二つ、トリュフとキャビアは自然界から採ってくるものです。しかし 唯一、人の手で造られているのが、この「フォア・グラ」です。

 アメリカ・カルフォルニア州では昨年、フォア・グラの製造、販売を2012年から禁止する法律が制定されました。ガチョウや鴨に強制的に餌を与えて、肝臓を肥大させるという行為は動物虐待以外の何ものでも無いと、アメリカの動物愛護団体が抗議した事に端を発したそうです。

 「フォア・グラ」には大きく分けて2つの種類があり、ガチョウの肝臓を 肥大させて造る、「フォア・グラ・ド・オワ」と鴨の肝臓を肥大させた 「フォア・グラ・ド・キャナ-ル」の二つがあります。 鴨のフォアグラとガチョウの フォアグラを比較してみると、鴨の方がやや小さく、風味と油脂分が強いとされているの ですが、日本のレストランで主に使用されているのは生産量の多いガチョウの肝臓の方です。

 フォアグラは肝臓が肥大したものなのですが、肥大させる為にガバージュ(強制肥育) という方法が取られます。ガチョウにトウモロコシなどエネルギー価の高い餌を強制的に食べさせて、お腹が地面に着く位太らせるのです。本来なら80~100gの肝臓を600~800g、10倍近くにまで肥大させる事が特色です。

「それって脂肪肝!?病気の鳥やんか!?」

と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、 鴨やガチョウの場合はやや事情が違いまして、 そもそも本来渡り鳥であった鴨やガチョウは 体にエネルギーを 蓄えやすい体質なのです。

 この、フォアグラの歴史は実は非常に古く、古代エジプト王朝においても、 当時から残る壁画に フォアグラを食していたらしい様子が残っています。その様子は、フランスの有名なフォアグラの産地、ペリゴール地方で現在も行われている方法とよく似ているそうです。 さらに言えば人間が太らせた肝臓を食する元祖は鴨やガチョウで無く、実は豚が最初だったという事も記述が残っています。


 アメリカではニューヨーク州にも生産量の最も多いフォアグラ農場があるのですが、こちらでも現在、製造を禁じる法案が検討中だそうです。






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Last updated  Sep 2, 2005 03:14:39 AM
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背番号のないエースG @ チョコレート 「風の子サッちゃん」 ~ Tiny Poem ~…
坂東太郎G @ 「辛味調味料」そして考察(01/16) 「石垣の塩」に、上記の内容について記載…
エルネスト1969@ Re[1]:ホスピタリティは「人」ありき(10/04) はな。さんへ コメントありがとうございま…

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