メートル・ド・テル徒然草

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エルネスト1969

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Jan 15, 2006
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 フランス料理においてスパイスといえば、まず筆頭に挙げられるのがコショウ。


 コショウという「種子」は他の諸々のスパイスよりも歴史が古く、紀元前ローマ帝国発祥の折りには、すでにエジプトから後にヨーロッパと呼ばれる地域へ輸入されていまいした。

 このコショウの普及が、現代にいたる西洋料理の肉食文化を支えてきたのだともいえます。 しかし、フランスはおろかヨーロッパにはコショウを含むスパイスは生えてはいません。そのため、古くスパイスはその価値は金銀などの貴金属と同じ価値があるといわれてきました。

 現代では非常に身近な食材のひとつですが、流通事情が悪かった昔のヨーロッパにおいて、スパイスは防腐効果の目的や肉などの臭み消しの要素が強かったのです。
 ヴァスコ・ダ・ガマやマゼラン、マルコ・ポーロやコロンブスが危険を省みず冒険に乗り出したのはこのスパイスを求めてと言う説もあります。また多くのヨーロッパの戦争がスパイス生産地での利権争いであったことも歴史上明らかになっています。

 スパイスは現代ではヨーロッパだけでなく、世界各地に流通するようになりました。最も消費量の多いのはアメリカなのですが、次いでドイツ、日本と続きその次にフランスが来るのだそうです。意外に日本の消費量は多く、日本の食事習慣がアメリカナイズされるに連れてこの傾向は強くなった模様です。

 コショウには、黒、白、緑の3種類があります。3種類と言ったのは製造の過程での変化による分類で、同じ1品種、おなじ一本の木から製造されます

 コショウはあまりその栽培の様子は知られていません。


 黒コショウは緑色の実が色づき始めた頃、摘みとって発酵天日干しします。皮は黒くなりますが、中身は白いままです。
 白コショウは緑色の実が熟すのを待って黒く熟してから摘み取り、水に漬けて軟らかくなった皮を取り除くといった方法で作られます。
 緑コショウはまだまだ白黒コショウに比べると日本で流通している量はぐっと少なくなります。緑コショウは未熟なままの状態の実を収穫し、塩漬けあるいはフリーズドライにしたものが多いようです。

 コショウが英語で「ペッパー」なのはポピュラーなのですが、西洋諸国の言葉では「辛い食物」を指してペッパーと呼んでいるようです。唐辛子も「ペッパー」。ホットペッパーとは「辛い唐辛子」のこと、ピンクレディーの代表曲「ペッパー警部」のペッパーもこの唐辛子のことですな。

 ピーマンも唐辛子の一種ですのでその形状から、英語で「ベル・ペッパー」。パプリカ、いわゆる赤ピーマンや黄ピーマンになると甘味が増してきますので、「スゥイート・ベル・ペッパー」になります。ベルペッパーを粉にした物で辛口なのがカイエンヌペッパー、辛くないのがパプリカです。パプリカはハンガリーの発祥で、この「パプリカ」、実は古くモンゴル帝国時代の名残を残す名前で「ペッパー」の語がモンゴル語訛りになったものが「パプリカ」だということです。








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Last updated  Jan 17, 2006 12:41:25 AM
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背番号のないエースG @ チョコレート 「風の子サッちゃん」 ~ Tiny Poem ~…
坂東太郎G @ 「辛味調味料」そして考察(01/16) 「石垣の塩」に、上記の内容について記載…
エルネスト1969@ Re[1]:ホスピタリティは「人」ありき(10/04) はな。さんへ コメントありがとうございま…

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