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歴史とは単に過去におこった出来事ではなく、現在のあり方に深く関係している出来事です。本書を読んでいると、そのことがよくわかります。そして、本書は西洋音楽、つまり西欧の「クラシック」の歴史をたどるわけですが、クラシックという歴史(も含めた西洋の歴史です)が、いかに現在の私達にとっての音楽だけでなく、生き方や考え方に大きな影響を与えているかがわかります。本書が提示していることはたくさんあるのですが、以下のようなポイントを挙げておきます。・芸術音楽は「書かれたもの(エクリチュール)」=楽譜によって成立した。・楽譜を出版する(本に署名する)ことにより、作曲家が誕生した。・中世においては音楽は楽しむものではなかった。音楽とは世界を調律している秩序のことだった。(音楽は旋律が主体ではなかった)・聴衆が誕生した古典派時代に、音楽において、個人の情感と意志の表現が主役となった。・19世紀の西洋音楽の影響が、現代の音楽に強く影響している。・宗教なき現代という時代において、感動を求める人にとって音楽は重要になっている。ほかにもいろいろあるのですが、以上をピックアップしただけでも、クラシックとは何か、音楽とは何か? を追求し、著者なりの見方を提示していることがわかるのではないでしょうか。最初のページを読んだだけでも、かなりノリノリで書いていることは、著者があとがきに書いていることを読まなくても、伝わってきます。そして、読み進めると、音楽史的にも、バロックにおいてバッハは異端であったなど、普通の人が持っている常識とは異なる見解が示されていたり、最初から最後まで、内容は濃いし、おもしろいし、刺激的です。クラシック好き、音楽好きならずとも、読んでおきたい本になっています。★5つ ★★★★★【楽天ブックスならいつでも送料無料】西洋音楽史 [ 岡田暁生 ]価格:842円(税込、送料込)**********************************有限会社リレーションメイク 羽切 徳行企画書・提案書作成代行サービス入札企画書・入札提案書作成サービス羽切のtwitter
2014.09.22
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『月3万円ビジネス』というタイトルだけ読めば、陳腐な感じしか受けませんが、本書『月3万円ビジネス』は、新しい地域社会のあり方、人の生き方を提示している、社会改革の本であるといえます。カタチとしては、月3万円では生きていけないので、月3万円ビジネスを5個やれば15万円、10個やれば30万円になるので、住居費などが安くすむ地方では生きていけるでしょうということです。長いこと、自分でビジネスをしている私からすると、月30万円稼ぐのなら、30万円の仕事1個のほうがよいのですが、30万という金額の仕事になると手間や時間がかかることが多いので、実際は10万円の仕事を3つやるほうが効率的にはよくなる傾向になります。逆に、3万円の仕事というのは、手間がかかる割に身入りが悪く、月に10個もこなさないといけないので、割のよくない仕事ということになります。ビジネスでは効率をよくしていかないといけませんが、個人で仕事をしていても、当然それはいえていて、月3万円にこだわるなら、それなりのしくみを構築しないといけないといえます。本書の月3万円ビジネスの1つめのポイントは、月3万円以上になったら、ほかの人にその仕事を譲りましょうということにあります。譲らなくてもいいわけではなく、譲らないといけないそうです。それを「分かち合い」といっています。普通の仕事の考え方であれば、3万円になったら、5万、10万、20万、30万にしていかないといけませんが、自分の取り分を増やすのではなく、人に譲るのです。それによって、他人の仕事が増えます。これは、ほかの人の月3万円ビジネスが自分に譲られることを意味します。こうして、仲間同士で仕事を分けあい、地域の仕事が増えていくのです。これを本書では「分かち合い」ビジネスと言っています。2つめのポイントは、月3万円という小さな仕事であっても、ほかの月3万円ビジネスと組み合わせることで成立するということです。だから、本来なら成り立たないビジネスでも、仕事としてやっていけるということになります。1つだけの仕事が5万、10万になっていかなければ、本来なら廃業になってしまいますが、そういうことがないということです。というように、本書の月3万円「分かち合い」ビジネスは、信頼できる仲間が増え、地域での仕事が増えていくという、社会のあり方、人の生き方を変えるものとして提示されているのです。基本は、支出を抑えれば、収入は少なくてすみます。だから、非電化製品を活用したり、家をだれでも安く持てるように、仲間で共同で作るなども提案しています。月3万円ビジネスの実際のやり方も、アイデア段階のものもあるようですが、いろいろ紹介されています。本書の趣旨は以上のようなものですが、それは、現代社会が直面している、グローバル、競争、奪い合いといった価値観に対して、本書は、ローカル、仲間、分かち合いといった価値観を提示するものです。人口が減少傾向になり、経済活動が停滞する中、個々人ががんばるというだけでは、乗り切れないところまで来ています。そのとき、今のように個人ではなく、仲間とやっていく、地域でやっていくという発想は、当然志向されてもよいでしょう。ただ、スマホに代表されるような人のパーソナル化はますます進んでいますし、共有より所有といった、私有や自我にこだわる人間の本質は、「分かち合い」ビジネスとは素直にリンクしないでしょう。「分かち合い」は一部の人に受け入れられる価値観ではありますが、大勢にはなりにくく、さらに浸透させるには、大きなきっかけが必要かもしれません。ともあれ、現代、さまざま局面でほころびが生じている中、新たな価値観、生き方、働き方を提示する本書は、一読しておきたい本になっています。★5つ ★★★★★【楽天ブックスならいつでも送料無料】月3万円ビジネス [ 藤村靖之 ]価格:1,620円(税込、送料込)**********************************有限会社リレーションメイク 羽切 徳行企画書・提案書作成代行サービス入札企画書・入札提案書作成サービス羽切のtwitter
2014.09.16
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著者は、マーケティング誌『アクロス』の編集長を務め、以前は「マーケティングアナリスト」という肩書でした。しかし、この本の経歴紹介には「マーケティングアナリスト」という記述はありませんし、肩書もないので、どういう立場から書かれたのかというのが、わかりません。「マーケティングアナリスト」という立場から書かれたにしては、主観的な判断が多いですし、社会調査にしては、調査データのサンプル数が少ないようです。調査データを活用した社会評論というあたりが妥当かもしれません。マーケティング調査と社会調査は、同じ調査という言葉がつきますし調査内容自体も似ています。一般の人ならあまり気になることはないでしょうが、調査データを頻繁にビジネスで使う私のようなプロからみると、実際は性質は大きく異なるものであり、どういう立場から本を書かれているかは、とても重要なことなのです。簡単に説明すると、マーケティング調査は個別企業がある特定の目的を達成するために仮説を立てそれを検証するものであり、公的な性質の強い組織が社会の現状を知るのが社会調査です。中間的な立場に、マーケティング調査会社が実施するある業界などの範囲だけ使える調査があります。ですから、調査データに基づく本書の場合、どういう立場から本を書いてるのか-「マーケティングアナリスト」なのか、社会評論家なのか、それとももっと違う立場から書いてるのか、とても気になるというか、前提としてチェックしておく必要があるのです。著者は、今は「マーケティングアナリスト」という肩書から離れているようですから、社会評論と考えるのが妥当なのでしょうが、肩書は明確にしてほしいところです。ちょっと前置きが長くなりましたが、著者の最近の本を読むとき、いつも気になってしまう問題なので、触れておきました。本書ですが、非婚化、離婚が増え、孤立化が進む中高年男性の現状について分析した本です。主に、「離婚願望ない」「離婚願望強い」「離婚願望弱い」「すでに離婚」という層に分けて、その傾向を述べています。印象的だったのは、家事が得意な男性のほうが、離婚願望が強かったり、すでに離婚しているということです。家事ができる男性は、離婚しても困らないからという、当然の理由ですが、妻が希望する夫への家事協力は、離婚に結びつきやすいとは、皮肉なものです。で、著者のまとめとしては、以下の文章だと思われます。「離婚願望が強い男性や離婚した男性のほうが、新しい柔軟な価値観を持っているように私には思えるのである。その価値観は、人間を、仕事、業績、所得、地位などによって測る男性原理社会から開放しようとしているのである」いろいろなメディアでもいわれていますが、サービス社会が進展し、「男性不況」という状況に追い込まれているオトコたち。オトコが男性原理社会からの開放というか、離脱していくのは、必然の流れなのかもしれません。新しい価値観、生き方、仕事のやり方、女性との付き合い方が求められるオトコは、転換期にきているといえそうです。★★★☆☆【楽天ブックスならいつでも送料無料】妻と別れたい男たち [ 三浦展 ]価格:777円(税込、送料込)**********************************有限会社リレーションメイク 羽切 徳行企画書・提案書作成代行サービス入札企画書・入札提案書作成サービス羽切のtwitter
2014.09.11
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