全5件 (5件中 1-5件目)
1
![]()
いまだ大きな存在感があるのに、「さよなら」と言われてしまうのは、とても切ないものがあります。「さよなら」に感嘆符と「僕らのソニー」をつけているので、さらに切ないタイトルですが、実際、本書を読んでいると、どんどん切なさが込み上げてきます。著者は、小学生の頃の自分とソニー商品との個人的な関わりから話を始めます。家電商品は生活に密着しますし、その中で、とりわけAVというのは感情的な部分とリンクするだけに、いろいろな思い入れをしてしまうものですが、そこにあったのが特徴的なソニー商品となると、思いも一層つのるのかもしれません。私も、初めてのボーナスで初めて買ったミニコンポはリバティだったし(今だから言いますけど、当時、ビクターのミニコンポ・クリエーションV5の仕事をしていたにもかかわらず)、その後、CDウォークマンや8ミリビデオデッキなども購入したりしています。私は、ソニーファンではないのですが、強く惹き付けられてしまったのでしょう。著者は、私より格段とソニーに個人的に思い入れがあるようです。であるだけに、出井体制以降のソニーのあり方に対して、切ない感情を持ちながら書いているような本になっています。本来、プロの物書きであれば、冷静な目線で書くべきなのでしょうが、著者は感情的な部分を交えながら書いてみたかったという意図を感じる、そんな本になっています。本書の記述に従って、一言で出井体制以降のソニーを分析してしまうと、ソニーの強みを活かしながら、ネットワーク時代に乗れなかったということでしょう。ネットワーク社会におけるソニーの「エレキ」のあり方を提示し、強みを活かし、実行しながら、ネットワークに乗るというやり方ができなかったのです。大賀はネットワーク時代を読みきれず、出井はネットワークにこだわりすぎてソニーの本分であるエレキの強みを忘れ、ストリンガーにいたっては、モノづくりを軽視しているということが本書からは読み取れます。ソニーの本分はメーカーであり、いくらネットワーク時代とはいえ、モノづくりに軸足をおいた事業を展開すべきであって、その軸がぶれ続け、現在に至っているということです。会社の規模が大きくなりすぎてしまったという原因もあるようです。「ほかの人と同じことをしない」という独創性への志向は薄れ、多くの社員が食べていける売れる商品を作るという考え方への変化。そうなってしまうと、もはやソニーではありません。トリニトロンで一世を風靡したテレビ事業も影が薄れ、ウォークマンが開拓した携帯音楽市場も、今やアップルに奪われてしまいましたが(今は、アップルの音楽ビジネスも定額ストリーミングサービスにおされていますが)、そうなった原因も本書を読むとわかるように思います。製品、市場がどんどん失われ、そして、優秀な技術者たちまでが続々とソニーを離れていってしまいました。いろいろな意味で、本書の『さよなら! 僕らのソニー』というタイトルとおりになってしまったのです。ソニーの社員や元社員、関係者、ソニーファンは本書をどう読むのでしょうか?感情的にならず、ソニーをもっと客観的に見れる人にとって本書は、後継者選びの難しさ、時代を読み戦略を立てることの難しさ、そして、優秀な人の能力の限界という、いろいろなことを考えさせられるものになっています。★4つ ★★★★☆【楽天ブックスならいつでも送料無料】さよなら!僕らのソニー [ 立石泰則 ]価格:896円(税込、送料込)**********************************有限会社リレーションメイク 羽切 徳行企画書・提案書作成代行サービス入札企画書・入札提案書作成サービス羽切のtwitter
2014.10.30
コメント(0)
![]()
火(バーベキューで焼く)、水(スープを煮る)、空気(パンを作る)、土(ビールを醸造する)という4つのテーマに分けて、それぞれの料理の意味や意義に深く入り込んでいく本です。著者は、食、農を専門とするジャーナリストですが、著者が実際にその道の料理のプロに教わりながらノウハウや技術を獲得し、あるいは自らこだわって料理していきます。そして、さまざまな学者の知見を動員しながら料理することを考察しているので、奥深く料理の本質に迫っていきます。仮説も含めてですが、私的には、以下のような記述に興味をもちました。・鍋で煮ると、料理は柔らかくなり、子供の離乳時期が早くなり、出生率を高めた。同じ理由で老人の寿命を伸ばした。水を使う鍋は、狩猟生活から定住生活への移行を助けた。鍋の発明は、料理における最大の革命である。・複数の文化の比較で、肥満率は、料理する時間の長さに反比例する。つまり、料理の時間が長くなると、肥満率は下がる。・健康であるためには、多くの微生物と接触する必要がある。発酵食品は、人間の体内に棲む膨大な数の微生物群を育てる上できわめて重要。・欧米型の食事の大きな問題は、栄養を腸に与えず、胃にばかりに与えていること。大腸で起きる発酵こそが、健康の鍵。・人類が狩猟採集から農耕生活へ移行したのは、食糧ではなくアルコールの安定供給を求めるがためだった。・アルコールは飲み過ぎると攻撃的になったり、反社会的行動に走ったりしがちなので、多くの文化圏で厳しく規制されている。アルコールは、そのようなルールを必要とするからこそ、人間の社会化に貢献した。いつも何気なく行っている料理ですが、料理するということ、料理したものを食べるという行為の間には、いろいろな現象が起こっているのが、上記の見解を読んだだけでもわかります。本書を読んでいると、著者が作っている料理を、自分でも作ってみたくなります。豚の丸焼きなど、なかなか作れないでしょうけど。日本で、豚まるごと一頭どうやったら手に入るのでしょうね?★4つ ★★★★☆【楽天ブックスならいつでも送料無料】人間は料理をする(上) [ マイケル・ポーラン ]価格:2,808円(税込、送料込)**********************************有限会社リレーションメイク 羽切 徳行企画書・提案書作成代行サービス入札企画書・入札提案書作成サービス羽切のtwitter
2014.10.23
コメント(0)
![]()
人類学の本を読んだのは久しぶりですが、人類学はおもしろいなと改めて思わせてくれる本です。読んでいると、人類700万年の歴史は、決して過去のものではなく、今の私たちに深く関係していることだと思えます。著者は読売新聞で生命科学や古生物学を担当をされているようですが、これぞ新聞記者の文章という感じで、素人にも理解できるように、わかりやすく書かれているのもよいです。本の中でも述べられていますが、人類学も、私が学校で習ったときの歴史とはかなり異なっていて、人類学の進歩を感じます。例えば、私が学校で勉強したときの最古の人類は、アウストラロピテクスだったように記憶していますが、アウストラロピテクスは族になっていて、今は「サヘラントロプス・チャデンシス」という、とても覚えられそうもない呼び名がついてる約700年の人類が最古らしいです。ほかにも、いろいろな新しい人類が発見されているようですが、今の私たちであるホモ・サピエンスのほかに、滅んでいった人類は20種類以上とのこと。人類は一直線にここまできたのではないのです。700万年の歴史の中で、体力より知力が圧倒してきた人類の進化とか、間違いこそが人類の進化など興味深い歴史観が提示されています。ビジネス書を読んでいると、ビジネスに失敗はつきものという記述をよく見ますが、間違いこそが人類の進化という見方とは、深いつながりがあるのではないかと思いました。あと、年代測定の進化もおもしろかったです。素人にはただの石にしかみえない化石から、万年単位で年代を測定するのですから、すごいです。科学の進化も人類学の進歩に貢献しているということですね。地球45億年の歴史を1年にたとえると、人類700万年の歴史は、12月末に始まったにすぎず、人類700万年を1年にたとえると、私たちホモ・サピエンスの歴史もまた12月末に始まったにすぎないそうです。なんという人類の歴史の短さでしょう。そんなスパンで人類の歴史に思いを馳せると、ちょっと違った視点から、自分や物事を眺めることができるかもしれません。たまには、人類学もいいものですが、この本自体2005年、10年前に書かれているので、人類の研究も、今ではもっと進歩しているかもしれません。★4つ ★★★★☆【楽天ブックスならいつでも送料無料】人類進化の700万年 [ 三井誠 ]価格:820円(税込、送料込)**********************************有限会社リレーションメイク 羽切 徳行企画書・提案書作成代行サービス入札企画書・入札提案書作成サービス羽切のtwitter
2014.10.14
コメント(0)
![]()
ありそうでない本です。IT業界の著名人約40人が、デジタルマーケターが読むべき本を紹介しています。一人ひとりに割り当てられているのは数ページ、紹介されている本は数冊ですが、結構力入ってます。多分、紹介者自身、厳選しているし、思い入れの深い本なので、自ずと力が入ってしまうのでしょう。自分のおすすめ本を紹介するというのは、その人のあり方やバックボーンみたいなものを見せてしまうことで、なんとなく気恥ずかしいものがありますが、そんなこと気にせず、デジタルの世界を盛り上げたいという意気込みを感じます。そういうふうにして集まった本が全部で100冊ちょっとです。これだけ充実した内容の本が現在あるのですから、デジタルマーケティングの世界も広く、深くなっていることを感じさせます。異なる人から何回も紹介されている本などは必読かもしれません。特に気になった本だけ読むか、はじから全部読んでいくか。網羅的に読みたいなら、特に気になった本を最初に読んで、あとは最初のほうから、あるいは最後から読んでいくのがやりやすいかもしれません。100冊ちょっと読むのに、仕事しながらだと、読書時間が取りやすい人で約1年といったところでしょうか。他にも読む本があるので、数年かけて読んでみるのもありですが、足のはやいデジタルの世界は変貌してしまっているかもしれません。中には、何年経っても、読んでおきたい本というのも含まれていそうです。★5つ ★★★★★【楽天ブックスならいつでも送料無料】デジタルマーケターが読むべき100冊+α [ MarkeZine編集...価格:1,944円(税込、送料込)**********************************有限会社リレーションメイク 羽切 徳行企画書・提案書作成代行サービス入札企画書・入札提案書作成サービス羽切のtwitter
2014.10.07
コメント(1)
![]()
ヒトをヒトたらしめたものとして、歴史の教科書では、言葉、火、道具などが挙げられていましたが、本書では、料理に着眼してヒトの進化を説明しています。簡単にまとめると、以下のような要旨になるでしょう。・生食では、十分なエネルギーを得ることができない(生食主義者は痩せている)。・料理したものは、生のものより消化しやすい(それは、ヒトだけに限らず、豚、牛、羊などでも同様だし、それらの動物も料理したものを与えると早く育つ)。・消化しやすいということは、消化という重労働を軽減し、エネルギーの節約になる(もし、大型類人猿と同じように食物を生で食べると、ヒトは1日5時間あまりを咀嚼していることになる)。・エネルギーを咀嚼に費やさなくてもよくなったので、女性は食料の採集と料理に、男性は生産的あるいは非生産的な労働に取り組むことができるようになった。つまり、料理した食物に頼ることで、性別による分業が起こり、男女間において協力の機会が生まれた。・料理には時間がかかるし、腹をすかせた男性が料理を盗もうとする危険性があれば、男女がペアを組めば問題は解決する。料理は、簡単な結婚制度を生み出した。・類人猿と比較して、人体の特徴は口が小さく消化器官も効率的にできていて、料理されたものを効率よくエネルギーとして取り込めるようになっている。その効率的なエネルギー供給システムにより、脳は大きくなった。学術的にも今まであまり着目されていなかった料理したものを食べるということの意味や意義を、ほとんど仮説レベルとはいえ、歴史的、生物的、文化的に深くいろいろ探っていきながらヒトの本質せまる、興味深い本になっています。★5つ ★★★★★【楽天ブックスならいつでも送料無料】火の賜物 [ リチャ-ド・ランガム ]価格:2,592円(税込、送料込)**********************************有限会社リレーションメイク 羽切 徳行企画書・提案書作成代行サービス入札企画書・入札提案書作成サービス羽切のtwitter
2014.10.01
コメント(0)
全5件 (5件中 1-5件目)
1