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「楽しさ」を意識し… New! かめおか ゆみこさん

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森の声

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2007.09.12
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カテゴリ: カテゴリ未分類
私は、10才までの子どもたちには多様な体験が必要だと思っています。(但し、受動的な体験ではなく、能動的な体験です。)

それは、この時期の子どもたちが体験を通して脳の働きを育てているからです。多様な(能動的な)体験が脳の多様な働きを育ててくれるのです。

その多様な脳の働きが物事を様々な側面から見る能力を育ててくれるのです。それがつまり「頭(思考)の柔らかさ」です。

でも、今の子どもたちを見ていると一面的な見方しかできません。別の角度から物事を見ることが出来ないのです。ですから、他の人の言葉を理解することが出来ません。自分の思い込みでしか言葉を聞き取れないからです。そして、相手の立場に立つことが出来ません。

また、たった一つの価値観しか受けいれません。だから、別の価値観で生きている人たちは“おかしな人たち”ということになってしまいます。
イジメの問題もこのことと関係しているでしょう。

そして、違う価値観の人を受けいれることが出来ないので話し合いを通して一緒に何か活動をするということもできません。話し合いの意味自体が理解できないのです。

それと、自分の思い込み通りに物事が進んでいる時には自信満々なのですが、ちょっと思い通りにいかない壁に当たったり、予想外のことが起きると混乱してすぐ諦めたり、短絡的な結論につなげてしまいます。
一つの視点しか持っていないので、試行錯誤したり、やり直してみたりということが出来ないのです。



また、そのような多視点思考が出来ない、また楽しむことが出来ないということは学力低下の問題ともつながっているでしょう。それは応用問題が苦手という日本の子ども達の状態をうまく説明することができます。

また、同時に科学離れの問題ともつながっているでしょう。
多視点思考が出来ない子が科学に興味を持つことは期待できません。
そこには“不思議”や“驚き”が存在しないからです。

国際的に見たら、日本人の異常なほどの自殺の多さの背景にもそういう単一思考しかできなくなってしまった日本人の姿があるのではないでしょうか。すぐに結論を出してしまうのです。

また、それは国際舞台での日本の政治能力の低さの原因でもあるでしょう。
多様な思考力、視点、感性はバランス感覚の基礎なんですが、日本人はそれが非常に弱いのです。危機管理能力の低さもそこから来ています。
ちなみに本当のユーモアはそのバランス感覚から生まれます。ですから、 ユーモア上手な人はバランス感覚にも優れています。 でも、そういうユーモアが(文化としては)日本にありません。

多様性を持たない文化、思考、制度は管理がしやすい反面非常にもろいのです。
それは心の教育ではどうしようもないのです。

でも、そういうことをしないと新しい解決策を探すことなどできないのです。

また、多様な体験を持たず、多様な視点、多様な考え方を持っていない人は簡単に洗脳されてしまいます。今の日本の状況から言えばマスメディアを操作すればアッという間に大部分の日本人を操作できてしまうでしょう。そして、実際操作されています。

そういうことが起きないように、裁判には弁護士と検事の全く別の立場の人がいて、政治の世界には様々な野党がいるわけです。

でも、彼らは意見は違っていても共通の土台の上に乗っています。共通の土台の上に乗っていないと議論が出来ないからです。ですから、実は対立して、違っているように見えてもその両者は本質的な違いがない同じ仲間なんです。
だから、簡単に意見がひっくり返ってしまうこともあるのです。そこで提示されているのは多様な価値観ではなく、同じ価値観に基づいたバリエーションに過ぎないのです。



その選択肢そのものを自由に創り出すことができる能力、そしてその状態こそが自由で、多様性が存在している状態なんです。
そして、その能力がないと道を誤ります。


私は、変な癖があってここにアフリカのサバンナで暮らしている人を連れてきたらどう感じるだろう、アマゾンのジャングルで暮らしている人ならどうするだろうということを時々考えてしまうのです。

また、道を歩いていて見かけた人を、この人をアフリカのサバンナ、アマゾンのジャングルに連れて行ったらどれだけのことができるのだろうかなどとも考えます。

また、宇宙人が今のこの人類の状態をどう判断するだろうということも考えます。

さらには、このまま進んだら100年後、200年後にはどうなるのだろうか、ということも考えます。

そして、一万年前の人類はどんな風景を見ていたのだろうか、ということも考えます。

そして、本当の賢さって何だろうということをいつも考えるのです。

そんなことを考えても意味がないと考える人も多いと思います。
でも、物事を枠の中だけで考える人には意味がなくても、その枠の未来を考える時には意味があるのです。


では、子どもの育ちに必要な多様な体験とは一体どのようなものなんでしょう。
実は、それがからだを使った遊びであり、仲間との遊びであり、様々な芸術的な活動なんです。
特に芸術には嘘を暴く力があるのです。
だから、戦争の時や、共産国などでは芸術家は迫害されるのです。

そして、だから日本では芸術が大切にされていないのです。


ということで、明日に続きます。





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Last updated  2007.09.12 12:45:12
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