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「楽しさ」を意識し… New! かめおか ゆみこさん

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森の声

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2007.09.13
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カテゴリ: カテゴリ未分類
牧野さんから頂いたコメントにお答えするために、多様性ということについてもう少し説明します。
私が使っている多様性という言葉と、世間一般の多様性という言葉とでは微妙に意味が違うからです。

色には3原色というものがあります。それに明暗というものを加えると全ての色を表現できます。
つまり、色の世界は四つの次元で構成されているわけです。

色にはそれこそ色々あってその種類は無数です。
でも、その中には赤だけの世界、黄色だけの世界も、緑だけの世界も、明暗だけの世界もあるでしょう。
そして、赤だけの世界にも無数の色があり、黄色だけの世界にも無数の色があり、緑だけの世界にも無数の色があります。

でも、私が子どもに色の多様性を体験させたいと思った時には、その様々なバリエーションだけでなる、そのエッセンスとしての四つの次元がうまく体験できるようなサンプルを選ぶでしょう。それが私が子どもの育ちに必要な多様性と呼んでいるものです。

つまり、私が多様性という言葉で呼んでいるものは、単なる種類や変化の量ではなく、全体を構成するために必要なエッセンスのことなんです。


今西先生は津久井の方で「農業小学校」というものを運営されていて、子どもたちに農業体験をさせていました。

その想いは「農業小学校のうた」今西祐行 ・作
長野ヒデ子・絵/木魂社

のあとがきに

「耕す、種をまく、収穫するという行動の奥には、
人間を作る究極的な何かがあります。
その何かが文化をつくってきたのです。
だからカルチャー(耕すこと)ということばができたのです。
幼い日に、自分の食べるものをはじめから
自分の手で作って食べてみるというのが、
農業小学校の学習のすべてです。」

菅井農業小学校校長  今西祐行


と書いてあります。

そして、その時のお話しの中で、“大学の先生達が来て農作業をやっている人の脳波を調べたことがある”という話題が出てきました。
すると、脳の全体が活動していたというのです。
でも、椅子に座って勉強をしている人の脳では、部分だけが使われていて全体が使われてはいなかったということです。
(正確な記憶ではありませんけど、こういうお話しだったと思います。)

これはつまり、椅子に座って勉強するより、実際にからだを動かしながら学ぶことの方が脳にとってはより多様性に富んでいると言うことです。

そして、子育てや教育という視点でそのエッセンスを見ていった時、手がかりとなるのが感覚なんです。


人間の人間としての学びというものは全てこの感覚を通して人間の内側へと入っていきます。
そして、その内側から外側へと何かを表現する時にも必ずこの感覚を通します。

ですから、子どもの成長に必要な多様性というものはこれらの感覚がそれぞれの必要性に応じて、バランスよく満たされることを意味しています。

つまり、聞くだけでなく、見るだけでなく、走るだけでなく、手だけでなく、足だけでなく、肌で感じることも、舌で味わうことも、笑うことも、泣くことも、怒ることも、そういうもの全てが子どもの育ちには必要だと言うことです。
これが私が以前書いた“まるごと”ということです。


自転車の乗り方、逆上がりの仕方を本で読んでも運動神経系は育ちません。
スナック菓子や、サプリばかりを食べているだけでは味覚は育ちません。
部屋の中にこもっているばかりでは聴覚も、触覚も、視覚も育ちません。

そして、それらの五感は全て脳の働きと直結しています。
実は、鼻が匂いをかぎ分けているのでも、耳が音を聞き分けているのでもないのです。それらは皆、脳が処理しているのです。
ものを見ているのは目ではなく、脳なんです。(養老さんの本を読むとそういうことも書いてあります。)

感覚器官はただデータを入力しているだけで、実際にそれを処理して意識化させてく入れるのは脳の働きなんです。
そして、そのような感覚の働きが脳の働きと密接につながっているのです。
だから、感覚がうまく働かなくなると、思考力が低下します。
お酒を飲んだ時、麻薬をやった時などがそういう状態です。

痴呆の人も同じです。
ですから、逆に感覚に働きかけることで思考力を取り戻すことができるわけです。

そして、感覚の種類としては一般的には「五感」として五つの感覚があげられますが、その五感は肉体的な感覚器官が存在しているものだけであって実際の人間の感覚はもっともっと複雑です。
“違和感を感じる”というような、脳が処理している感覚の働きもあるのです。

ちなみに、シュタイナー教育では12の感覚をあげています。
それは、
触覚、嗅覚、味覚、視覚、聴覚、
熱感覚、生命感覚、言語感覚、
思考感覚、自我感覚、均衡(平衡)感覚、運動感覚

の12です。

それぞれの詳しい説明は本やネットなどで調べてみてください。
例えば、こんなものがあります。

http://higuchi08.exblog.jp/i10/

私が、“子どもの育ちには多様な体験が必要だ”と言う時には、これらの全ての感覚に響く体験が必要だということです。





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Last updated  2007.09.13 18:51:48
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