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「楽しさ」を意識し… New! かめおか ゆみこさん

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森の声

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2008.07.23
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カテゴリ: カテゴリ未分類
大人たちは子どもを“いい子”にしたがりますが、“いい子”になりたい子なんていないのです。まず、このことをしっかりと認識しておく必要があります。



じゃあ、子どもは何を望んでいるのだと思いますか。

それは“自由になりたい”ということなんです。
寝たままだった赤ちゃんがハイハイするようになった時、自由になります。
“ハイハイ”しか出来なかった赤ちゃんが歩くことが出来るようになった時、自由になります。
お話が出来なかった子がお話が出来るようになった時、自由になります。
木登りが出来なかった子が木登りが出来るようになった時、自由になります。
けん玉が出来なかった子がけん玉が出来るようになった時、自由になります。
1+1=2が分からなかった子がその意味が分かるようになった時、自由になります。

昨日、今日のことしか考えることが出来なかった子どもが、何億年も昔のことや未来のことを考えることが出来るようになった時、自由になります。

子どもたちが自由になるためには能力と知識が必要なんです。そしてその自由を得ることで子どもたちは“人間らしい人間”に成長していくのです。そして、 “自由になりたい”というのは、人間としての本能なんです。

この本能があるから、人間は文化や文明を創り出してきたのです。
言葉を得ることで自由を手に入れました。
道具を作ることで自由を手に入れました。
考える力を得ることで自由を手に入れました。
様々な機械を発明することで自由を手に入れました。
そうして、人類はここまでやってきたのです。 人類は自由を求める生き物なんです。 それは“可能性を手に入れるための自由”です。

子どもの成長は人類の歴史と同じです。
ただし、上に書いたようなことでも押しつけられたら子どもたちは拒否します。不自由を感じるからです。子どもたちはあくまでも自分の力で学びたいのです。人間はそういう意味では子どもの頃から自立しているのです。その自立を支えているのが“意志”の働きです。そして、“遊び”はその意志の現れです。 子どもの意志は自由な活動の中でないと働くことが出来ないからです。

その“意志”があるから子どもは自由を手に入れながら成長していくことが出来るのです。でも、その意志があるからその自由を束縛してくるような親の言葉は無視するのです。

というより、正確に言うと“親の言っている言葉の意味”が分からないのです。 子どもは自分が知りたいこと、もしくは自分で発見したことでないと理解することが出来ないのです。そして、それを無視した働きかけに対しては“押しつけ”だけを感じます。

これは大人でも同じなのではないですか。人は誰でも自分が知りたいこと、自分が体験したことしか理解することが出来ないのです。

ですから、子育てや教育ではその子どもの意志に寄り添えばいいのです。そうすれば子どもの意志は強化されます。そうして子どもはますます自由になっていきます。でも、大人がその意志を無視して大人に都合のよいことばかり押しつけていると子どもの意志の働きは弱まってしまいます。そして、不自由になっていきます。

ちなみに、お分かりだと思いますが、“自由な子どもを育てる”ということは“好き勝手に行動する子を育てる”ということではありませんからね。
けん玉を一生懸命に練習する子は自由を得るために不自由を乗り越えるのです。この自分の意志で不自由を乗り越える体験が自由な子どもの成長には不可欠なんです。
子どもはそうやってやがて親から離れて生きていくための準備をしているのです。

でも、今の子どもたちは親から離れて生きていくための準備ができないまま大人になっていきます。 自由を与えられていても、自由に生きるための能力を育てることが出来ないまま大人になっていきます。そして、親はいつまでも子どもを束縛しようとします。

自由に生きるための能力が充分に育った子なら思春期になってからだにエネルギーが満ちてきた時、自然な形でその親からの束縛をはねのけることが出来ます。でも、その能力が充分でない子は必要以上に暴力的になったり閉じこもったりします。そして時には親を殺します。
親の束縛から自由になりたいからです。

親が憎いわけじゃないのです。ただ、自分が自由になるためには邪魔だったのです。あの中3の女の子もお父さんが目の前に立ちふさがって、自分が自由になる邪魔をしていたので取り除いただけのことです。

でも、実際にはそれで自由になることが出来るわけではないのです。
束縛は保護でもあるわけですから束縛を排除することは保護を排除することになってしまうからです。

そして、 ずーっと束縛されてきた来た子は、保護がないと生きていけないのです。
この、矛盾が子どもを苦しめるのです。束縛は苦しい、逃げ出したい。でも、保護がないと生きていくことが出来ない・・・。

こういう事件が起きると識者は親と子の間の恨みやトラブルを探ります。
でも、そんなところに原因はないのです。





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Last updated  2008.07.23 08:42:42
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