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「楽しさ」を意識し… New! かめおか ゆみこさん

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森の声

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2022.10.07
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カテゴリ: カテゴリ未分類
人と人のつながりの中で生まれ、人と人とのつながりの中で育ち、人と人のつながりの中で生活している人間という生き物にとって、「顔」は非常に重要な働きをしています。
なぜなら、その「人と人のつながり」を支えているつながりの中でも一番根本的な所にあるのが「顔」だからです。

子どもはお母さんの顔を見ると安心します。声さえ聞いていれば「何を言っているのか」は分かりますが、「何を言いたいのか」は顔を見ないと分かりません。顔を知らない相手と信頼関係を築くのは難しいです。
子どもは自分がやっていることの是非をお母さんの顔色を見て判断しています。

言葉を交わさなくても、顔を合わせているだけでそこにつながりが生まれます。毎朝同じ電車に乗っている同じ顔を見るだけで安心したり、親近感を持ったりします。
毎日メールでやり取りしていても、顔を知らない相手とはリアルな世界ではつながれません。

また、顔を合わせることで一緒に遊ぶことも出来ます。言葉が通じない外国に行っても、お互いの顔が見える状態なら一緒に遊べます。相手が「何を考えているか」、「何を言いたいのか」、「何を感じているのか」、「どういう人なのか」ということが分かるからです。

ある意味で「顔」はその人そのものでさえあります。
心の状態も、知的な状態も、からだの状態も、個性も、その人の顔に現れます。数日前に「声はそのままで言葉なんです」ということを書きましたが、顔もまた人と人がやり取りするときの大切な「言葉」の一部なんです。

文字化できるものだけが言葉ではないのです。「何を言っているのか」ということと、声や、仕草や、表情がセットになって「人間としての言葉」を形成しているのです。



でもそれは、人間が「人間らしい関わり合いをするための方法」を失うことでもあるのです。その結果、人間がどんどん「リアルが存在している現実の世界」ではなく「リアルが存在していない観念の世界」で生きるようになってしまいました。

「何を言ったか」は気にしても、「どういう声や表情で言ったのか」ということには関心を持たなくなりました。

その流れの中で、現代人は「からだ」も失いました。健康は大切にしていますが、その健康の土台となる「からだ」には関心を持たなくなりました。

ですから、病気になったときも「自分のからだとの対話」を通してからだの状態を整えようとはせずに、すぐに、薬やお医者さんに自分のからだを預けてしまいます。

でもそのくせ、「人からどう見えるか」は非常に気にします。ですからスタイルやファッションも気にします。整形もその感覚の中で使われています。

子育てでも、「目の前にいるリアルな我が子」のことよりも、「他の人からどう見えるか」とか「成績」のことばかり考えている人がいっぱいいます。

「どう育っているか」には関心があるのですが、「どう育てるのか」という所には関心がないのです。
ですから「うちの子は優しくない」と言う人に「じゃあ、優しい子に育つためにどのようなことを心がけているのですか」と聞いてもまともな返事が返ってきません。

子どもの成績は気にしていますが、だからといって「子どもの学びを支えるためにどのようなことを大切にしていますか」と聞いても答えが返ってきません。せいぜい、「塾に通わせています」程度です。
結果は求めるのに、その結果を支えるような努力やサポートはしていないのです。

優しさも、知的な状態も「心やからだの状態」の表れなのですが、その心やからだの状態自体に関心がないため、子どもの育ちをサポートすることが出来ないのです。
でも、結果だけはちゃんと要求するのです。

作り方も教えてくれず、材料も与えてくれないのに、結果としての製品はちゃんと作れと要求してくるのです。これでは子どもはたまったものではありません。



マスクは、そんな「自分に自信がない人」にとっては救世主のような存在です。自分に自信がない人ほど人に自分の顔を見せたくないのですから。
人は本能的に「顔には自分の心の状態や本音が表れる」ということを知っているのでしょう。

でも、マスクで顔を隠すということは、他者との関わり合いを拒否し、自分の成長を諦めるということでもあるのです。

もちろん、マスクが必要な状況でマスクをすることには何の問題もありません。でも、マスクが必要がない状況でもマスクをするのは「顔を隠したい」とか、「他者との関わり合いを拒否したい」という心の表れなんです。「マスクを外す事への不安」は「自分の顔を見せる事への不安」でもあるのです。(冬場は「暖かいから」という理由もあるでしょうけど・・・)

また、マスクは自分の顔を他者から見えないようにするだけでなく、自分の意識を自分の内側に閉じ込める働きをするため、外側の世界への興味や関心を低下させます。

これは簡単に自分で確認(実験)出来ます。マスクをした状態で見る景色と、マスクを外した状態で見る景色は、心への響き方が全く違いますから。


そして、このようなことは子どもの成長に対して、非常に大きな影響を与えます。幼ければ幼いほどその影響は大きいです。もちろん悪い影響です。

まず、言葉の学びが遅れます。「音としての言葉」は覚えることが出来ても、その音の中味が分からなくなってしまうからです。
「楽しい」という言葉を覚えても、その「楽しい」が笑顔とつながらなければ、「楽しい」という言葉の意味が分かった事にはならないのです。

第二外国語を覚えるときには母国語を基準にします。でも、その母国語を学んでいる時期の子どもは相手の表情を基準にして母国語を学んでいるのです。
だから、その表情が見えない状態で育っている子は母国語の習得に遅れが出てしまうのです。





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Last updated  2022.10.07 09:48:39
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