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森の声

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2025.02.26
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カテゴリ: カテゴリ未分類
うちの造形教室は、始めた時から「自由に作る」というやり方でやってきました。何を作るのか、どう作るのかも自由です。何を作ったらいいのか、どう作ったらいいのかが分からない子にはアイデアを出し、出来ない所は手伝ったりもしますが、それも本人が望んだ場合だけです。

そして、教室を始めた30数年前から20年位前までは、子ども達は、各自思い思いに、生き生きと作っていました。「ここは自由に作れるから楽しい」と言ってくれた子もいました。困っているように見えたので、ちょっと手伝ったら「これは僕の作品だから手を出さないで」と叱られたこともあります。

その頃の子ども達の作品はみんな本当に素敵でした。それで、その素敵な作品をみんなに見てもらいたくて作品展もやりました。
また、あそびの場でも子どもたちは生き生きと遊んでいました。群れて遊ぶことも出来ました。

でも、子ども達のゲームでの遊びが一般的になる頃から、その「自由」を喜ばない子や、「自由」に戸惑う子が増えてきました。ただし、「ゲームが原因だ」と言いたわけではありません。私が言っているのは「ゲームでの遊びが一般的になった頃から」ということです。

これは私が住んでいる茅ヶ崎での状況ですが、その頃、それまで子ども達の「遊び」を支えていた「遊ぶ場」、「遊ぶ仲間」、「遊ぶ時間」が急速に消えたのです。
そしてそれにリンクするように、ゲームでの遊びが一般的になりました。「遊ぶ場」、「遊ぶ仲間」、「遊ぶ時間」が消えた穴埋めに、「いつでも、どこでも、一人でも出来るゲーム」が使われるようになったのでしょう。

でも、「仲間とのリアルな遊び」は、子どもの成長に大きな働きかけをしていましたが、「ゲームでの遊び」には「強い刺激で退屈を忘れさせてくれる」とういう働きしかありません。少なくとも私にはそう思えます。
実際、その頃から子ども達の様々な能力が低下し始めましたから。



造形などでも簡単便利を求める子が増えました。「何か簡単に出来るものない?」と聞いてくる子も多いです。新しいことに挑戦せず、一度やってうまく行ったことばかりを繰り返そうとする子も多いです。

ノコギリも使えないのに、作りたいものを具体的に説明することもできないのに「すごいもの」を作りたがる子も多いです。技術は幼稚園以下なのに、作りたいものは大人並みなんです。

また、これは今時の子ども達の特徴でもあるのですが、「考えたことや、感じたことを言葉化する能力」がかなり低いです。そもそも「言葉」を知りません。知識としては色々な言葉を大量に知っているのですが、それが現実とつながっていないのです。

例えば、「縦、横、高さ」という言葉は知っていても、実際にものを見せて、「どれが縦?」「どれが横?」「どれが高さ?」と聞いても、答えられない子が多いのです。
「真ん中」という言葉は知っていても、棒を渡して「どこが真ん中だと思う?」と聞いても分からない子もいます。(いつも折り紙なんかで遊んでいる子は簡単に分かると思います。)

また、「なんか作りたい」と言う子も多いです。それで「〝なんか〟ってなあに」と聞くのですが、答えられません。「なんか」としか言わないのに、「何で分かってくれないの」などと文句を言ってくる子もいます。
それで「ごめんね、先生テレパシー使えないから」などと言ったりもします。

感じ、考え、イメージしたことを言葉化するためには、それを聞いてくれる相手が必要になります。聞いてくれる相手がいなければ言葉化する必要がないのですから。

また、友だちが遊びの場で、感じ、考え、イメージしたことを伝えようとしてくれば、その言葉に耳を傾けます。そして、そのような言葉を理解する能力も育ちます。

これは家庭の中でも同じです。
でも今、生活の場でも、遊びの場でも「言葉」がドンドン消えています。生活の場でも、遊びの場でも、便利な機械の登場で「言葉」を必要としなくなったからです。


家族や仲間とのリアルな体験や遊びには、「子ども達の言葉を育てる働き」もあったのですが、それを失うことで言葉を使えない子が増えて来たのです。
そして人は、言葉を失うことで本能的な欲求に支配されやすくなります。





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Last updated  2025.02.26 09:10:52
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