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森の声

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2025.08.21
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カテゴリ: カテゴリ未分類
世の中には「善悪が分からない人たち」が一定数います。そのような人たちは感覚も、考え方も、「善悪が分かる人たち」とは異なっています。

その原因は「育ち」の場合もあれば、「生まれつき」の場合もあります。いつもお母さんにぶたれて育った子は、人をぶつことに罪悪感を感じなくなるでしょう。なにしろ「大好きなお母さん」がやっていることなんですから。

他の子をぶってしまった子どもを教育するために、「ぶたれたらこんなに痛いんだよ」よ、我が子をぶつお母さんがいますが、それは人をぶつことを肯定しているだけです。子どもは「お母さんが言っていること」よりも「やっていること」を真似するように出来ているからです。

ただ、「育ち」が原因の場合は、色々な学びや体験を通して、自分の考え方や行為の間違いに気づき、改めることも可能です。

でも、生まれつきの場合は周囲の人がどんなに働きかけても自分の間違いに気づくことはありません。確かに「生まれつきの悪人」はいません。「生まれつきの悪人」はいないのですが、「生まれつき人の心を感じる能力が弱い人」はいます。因果関係で物事を見たり、感じたりする能力が低い人もいます。そのような人は「見て学ぶ能力」「聞いて学ぶ能力」「やって学ぶ能力」も低いです。そのような「生まれつき」の場合は、脳の個性であり、障害でもあります。

先日ネットの記事を読んでいたら、「生まれつき、音楽を聴いても何も感じない人が居る」というようなことが書いてありました。色々と調べたら、「聴覚と喜びを感じる脳の部位とをつなぐ回路がない人がいることが分かった」というのです。そのため、耳は正常なんですが、聞こえた音や音楽が心に届かないのです。

それと同じように「他の人の心が分からない人」もいます。そのような人は、「自分の心と相手の心をつなげて考える経路」が欠如しているのでしょう。

そのような状態の原因が「育ち」の場合は「心の問題」なんですが、「生まれつき」の場合は「脳の問題」なんです。「脳の問題」の場合は、悩みも苦しみも悪意もないのに、他の人が困るようなことを平気でしてしまうのです。そして、周囲が怒っても、「なんでみんなが怒っているのか」を理解することが出来ません。

そして「僕は何にも悪いことをしていないのに、みんなが僕をいじめる」と感じてしまいます。



「大きな声を出したらみんなが迷惑するからやめなさい」とか、「嘘をつくのは悪いことだよ」とか、「もっと他の人のことを考えなさい」とか、様々な道徳的な言葉を使ってその子の考え方や行動を改めさせようとしますが、「言葉や体験を理解する感覚や思考回路」自体が歪んでしまっているので、その意図が伝わらないのです。

「二度と悲惨な戦争が起きて欲しくない」と戦争の悲惨さを訴える活動をしている人がいますが、悲惨な話を聞き、悲惨な映像を見て「戦争は嫌だ」と感じ、考えるようになる子どももいますが、「戦争って面白そう、楽しそう」などと、伝えたいこととは正反対のことを感じてしまう子どももいるのです。

「人を殺すことは悪いことなんだ」と伝えることで「人を殺すこと」に興味を持ってしまう子もいます。

「この部屋には絶対に入ってはいけないよ」とか「このボタンは絶対に押してはいけないよ」と伝えると、逆に入ってみたくなったり、押してみたくなったりする子もいるのです。

実際、ご主人がそういう状態なので困っている人がいました。お店にある警報ブザーを「押したらどうなるんだろう」という好奇心で押してしまうというのです。そのたびごとに大騒ぎになるのですが、それもまた面白がってしまうのです。このような人に「みんなが迷惑をするからやめなさい」と言っても無意味です。

人が目の前で苦しんでいたり、困ったりしていても、何にも感じないし、何にもしようとしない人もいます。トラブルに巻き込まれるのを恐れて関わろうとしないのではなく、それ以前の問題として見えてはいても何にも感じないのです。

自閉症傾向の子は視覚に惑わされることが少ないという話を聞いたことがあります。そのため、だまし絵にだまされにくいのです。怖い絵を見ても怖がりません。

町中に時々「みんなが迷惑するから暴走行為はやめなさい」という看板が貼ってあることがありますが、「みんなが迷惑するから暴走行為がやりたい子」にはその言葉は無意味です。そして暴走行為を繰り返す子の多くは、そのような感性を持っているのではないかと思います。

ゲーム感覚で万引きをする子も多いです。数人のお母さんから相談を受けたこともあります。相談を受けた子どもたちは仲間に誘われて万引きをしていただけで主犯ではなかったですが、主犯の子どもの子どもに道徳を説いても無意味でしょうね。

あと、親から放置されて育っている子も、常識が通用しない考え方をしたり、理解不能な行動をしたりします。

独りぼっちで「かわいそう」と感じたお母さんが「うちに遊びに来ない」と、一度、家に上げたら、毎日来るようになって、冷蔵庫を勝手に開け、テレビを勝手につけて、まるで自分の家のように振る舞うようになってしまって困ってしまったお母さんから相談を受けたこともあります。子どものオモチャも勝手に持って帰ってしまうので、それをとがめても「僕じゃないよ」と言い張るのです。



困った行為を繰り返す子どもに、「言葉で言っても分からないのなら」と体罰を与えたりする場合もありますが、「体罰」という方法では状態を悪化させるだけです。

「じゃあどうしたらいいのか」ということですが、簡単な解決策があるわけではありません。でも、その人が善人であるとか悪人であるとか、そういう事とは無関係に、「道徳的な説得や、体罰や、社会的懲罰が何の意味も持たない子や大人が存在する」ということは知っておいた方がいいと思います。

そのような子や大人には、その人の症状に合わせた対応が必要になると思います。





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Last updated  2025.08.21 08:11:50
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