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2009/11/08

「どちらとも判断がつかないまゝ」高村薫の数行「太陽を曳く馬」

テーマ： ★つ・ぶ・や・き★(566468)

カテゴリ：酸素消費の平等

下巻、最後の方は高村さんの言いたいことで埋め尽くされている感じがした

その中の一つ
巨大アメリカとテロ勢力への思い

「秋道君
昨夜は颱風のために山へ帰ることが出来ず、本寺に泊まったところ、夜半に母屋のテレビでアメリカの同時多発テロの光景を見、言葉を失いました。（中略）地上四百メートルの高さに鐵とガラスのタワーを築いて人が住み、當たり前のやうに飛行機で移動する文明のほうが行き過ぎてゐるのか、あるいは神の名の下にそれを破壊する行為のはうがやはり行き過ぎてゐるのか、どちらとも判断がつかないまゝ、多くの人々が墜落し、吹き飛び、消えてゆくのを見ました。崩落する高層タワーの下で市民の泣き叫ぶ聲が聞こえました。（後略）」

行き過ぎている、われわれの生活

アメリカとおんなじサイド、過剰側に僕たちはいる

遠くの海でカツオを捕って山のように冷凍したり

冷蔵庫で凍らせたモノをチンして食卓にのせたり

いいのか、わるいのかの二極では、判断は、やはり、つかないのだろうか