アサギマダラは渡りをする蝶の代表とされています。秋には南下の旅をし、春には北上の旅をします。もちろん、寿命は5か月~長くても7か月ですので、その間に世代交代が起こります。
一方で愛知県でもアサギマダラは越冬をしています。豊橋には食草のひとつ、キジョランが冬でも枯れずにあり、そこでは全てのステージを見ることが出来ます。
アサギマダラの卵(豊橋市)
posted by
(C)ドクターT
アサギマダラ1齢幼虫 (4)
posted by
(C)ドクターT
アサギマダラ2齢幼虫-001
posted by
(C)ドクターT
アサギマダラ3齢幼虫
posted by
(C)ドクターT
アサギマダラ終齢幼虫
posted by
(C)ドクターT
これらは、今の時期、愛知県でも見ることが出来ます。ならば、何故渡りをする必要があるのでしょうか?
それはやはり温度に敏感なためと、食草の量であると思われます。
アサギマダラの活動に適した気温は22℃から26℃と言われています。特に、暑さには弱いようです。活動は出来なくなりますが、冬の低温には比較的強く、雪が積もらないところでは越冬することが出来ます。
食草はガガイモ科のつる性植物で、ガガイモ、イケマ、オオカモメヅル、キジョラン、サクララン、ツルモウリンカなどで南西諸島ではツルモウリンカが主な食草となっており、本州では高原地帯に多いイケマが主な食草と考えられますがこれも冬には枯れてしまいます。そして、愛知県ではガガイモが食草になりますが、それほど多くはなく、冬は枯れてしまいます。キジョランは常緑で冬でも枯れませんので、冬の間の食草とすることが出来ますが、そんなに多くはなく、私は愛知県では2か所しか自生地を知りません。
南西諸島では秋に北から渡ってきた個体と春に発生した新鮮個体が多くなりますが、気温が30℃を超える日が続く夏には激減し、北へ渡って行くようです。その時期には、食草のツルモウリンカもアフリカマイマイやモンクロキシタアツバと言う蛾の幼虫の食害で少なくなってしまいます。
渡りをする動機はやはり、気温と食草の量であろうと思いますが、それでは愛知県で越冬しているのは渡りをしないアサギマダラなのでしょうか
私はアサギマダラに渡りをするグループと渡りをしないグループがいると考えるよりも、渡りをするという性質はアサギマダラに共通の性質と考える方が自然だと思います。と言うことは、愛知県で越冬するアサギマダラはもっと北の東北や北海道で生まれた個体が南下して愛知県に来たところで、食草のキジョランを見つけてそこに産卵したものではないかと思います。
そのことを実証するには、マーキング調査をする必要があると思います。すなわち、春に羽化した個体にマーキングをして放して、それが東北や北海道で再捕獲されれば、愛知県で越冬したアサギマダラも同じように渡りをしているということになります。
レジン包埋標本作製( ^)o(^ ) 2020年12月20日
後天性サバン症候群になって、・・・。( ^… 2020年12月14日
越冬集団その2( ^)o(^ ) 2020年12月13日
PR
フリーページ
コメント新着
New!
隠居人はせじぃさん
New!
mogurax000さん
putimimiyaさんキーワードサーチ
カテゴリ
カレンダー