創生陸玖の『Learning Journey』

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2022/12/09
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カテゴリ: 生き方・人生論

「自分の存在価値を見失ってしまった人」

「自分自身の存在意義に疑問を抱く人」

「人に合わせてばかりで自分がカラッポだと気づく人」

このような悩みを持っている人もいるのではないでしょうか。どうやら、これらの悩みは昔から続く人間の悩みのようです。社会の中にある幻想に惑わされて、自分の軸を見失ってしまうのです。

さて今回は、哲学者ハイデガーの言葉を借りながら、人々の悩みや幻想についてひも解いていきたいと思います。

人が目覚めるときとは?

人間は、物心ついたとき(気づいたとき)には、すでに存在しています。そのため人間は、自分自身から自分の存在を始めることはできません。

人間は自分自身に気づいたとき、すでに世界の中に投げ込まれているのです。

このすべての人に共通する状態の中で、「自分の死と真剣に向き合ったとき、人は自分の可能性である『自分の進む道』に自分を投げ入れる」とドイツの哲学者、マルティン・ハイデガー( 1889 1976 )は言います。

人は「いつかは死ぬこと」を自覚すると、決意をします。その決意とは、「死ぬまでの限られた時間の中で、自分の道を進む」ということです。

しかし、日々のルーティーンの渦の中にいると、気づけば死の不安から目を背けている状態になってしまいます。死は、恐怖以外の何物でもありません。自分に残された時間の有限性に自覚すると、「自分の使命をまっとうしよう!」と人は目覚めるのです。

「本来性」と「非本来性」

ハイデガーは、人間のあり方を「本来性」と「非本来性」の 2 つに分けました。

・「本来性」=いつかはやってくる自分の死を自覚している人。そしてその日が来るまで、自分らしい生き方をする決意をしている人。

・「非本来性」=日常の出来事に気を奪われ、世間の中に埋没している人。みんなと同じ意見を言い、同じ行動をする「誰でもない人」。非本来性を生きる人間を世人(ダス・マン)と呼ぶ。

人間は幻想にとらわれます。ここでいう幻想とは、「他人との無意味な比較」「人の目、反応を気にしすぎる」「べき・ねばならないに縛られる」「他人のせいにしたり、他人軸で生きる」などです。

ハイデガーのいう「非本来性」の人とは、幻想に惑わされている人でもあります。「誰でもない人」というのは、人の目を気にし、固定観念に縛られ、無意味な争いをし、自分の人生に責任を持たない人なのです。

幸せの状態とは?

幻想とは、その人の成長のために存在しているのだと思います。悩みというのは、その人が前進するためのエネルギーとして存在しているのです。

幸せとは、「幸せになろうと決めたことが、もう幸せの状態」です。つまり、幸せに向かっているプロセスの状態が、幸せの状態であるゴールの状態でもあるのです。

「幸せに向かっている=幸せの状態」

セルフイメージ(内側のステイト)によって、現実が創造されます。幻想と上手に折り合いをつけて、前に進むことが大切なのです。

いかがでしたでしょうか? 今回は、哲学者ハイデガーの言葉を借りながら、人生について考えてきました。

「自分の使命をまっとうしよう!!」という生き方は素晴らしいものです。けれども、みんなと同じ意見を言い、同じ行動をする誰でもない人、というのも、また一つの生き方なのかもしれません。

どちらが良くて、どちらが悪い、という考え方ではないのかもしれませんね。人の数だけ、人生の考え方、捉え方があっていいのだと思います。そしてもしかしたら、幻想がある、と思っていること自体が幻想なのかもしれませんね。

それでは読んでいただき、ありがとうございます。

【参考文献】

・「能動的な生き方」か「受動的な生き方」か(2021年10月8日記事)

・「幸福・幸運」を引き寄せるために必要なこと(2021年10月22日記事)










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Last updated  2022/12/09 07:30:07 AM
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