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2014年02月17日
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カテゴリ: 食事

またしても、糖質制限のお話し。

もう、いい加減にしろって、声が聞こえますが、これで、もう、暫らく、難しい事は書きませんから、これだけは、暇な方は読んでください

北里研究所病院糖尿病センター長 山田 悟先生が、日本糖尿病学会に真っ向勝負のような論文を出されました

山田先生の論文は、日本内科学会の英文誌なんで、頭の毛の足りないじさんには読めませんので、他から、訳を拝借してきました。

米国糖尿病学会は、食事療法に関するガイドラインでも、2002年版では"糖質制限食はすべきでない"としています。

それが、2008年版では"糖質制限食は体重減量に有効"としながらも脂質プロファイルや腎機能に対するモニタリングが必要という条件を設定しました。

でも、2013年版では、そうした必要条件を外し,さまざまな受容可能な食事法の1つという形で取り入れた

アメリカの糖尿学会は、ちゃんとその時代時代の研究成果を見極めて、科学的に正しい証拠が増えるに従い、ソレまでとは異なる意見でも有益なら、患者さんへ還元していく姿勢が在ると言う事です。

糖質制限食以外にも、、患者ごとにさまざまな食事パターンとして、地中海食,ベジタリアン食,低脂質食,DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食〕が受容可能 であるとしています。

翻って、日本では、カロリー制限に決まっとるんだ。唯一無二だ!と言いながら糖尿病学会は、ちゃんとした研究をしてこないで、権威者と呼ばれるおっさんの意見(研究ではなく、おっさん達のの考え)を指針として、ず~~~~っと同じ事を言ってました。このことは、山田先生が後の方で述べています。

きっと、山田先生は、アメリカの糖尿病学会の言うことが正しいと思うけど、日本の糖尿病学会から、「日本人は外人とは体が違うんだから、アメリカ人の言う事を信じる訳にはイカン。」と言われないように、少人数の試験では在りますが、日本人の糖尿病患者さんに、糖質制限食と、カロリー制限食を食べてもらい、結果を比較するという、ランダム化比較試験をされたんだと思います。

何故、ランダム化比較試験というものをされたかと言いますと・・・

エビデンスって聞いた事が有りますか?

大雑把ですが、エビデンスとは科学的根拠をさしています。

研究には、色んな方法があり、その方法によって「エビデンスレベル」が違います。

「エビデンスレベル」とは、エビデンスの信頼度と思ってください。

論文の信頼度は、「その論文のエビデンスは、どのような研究方法から出されたのか」で、異なると言う事です。

著名な雑誌に載る論文が、信頼度の高いエビデンスが在るとは、一概には言えないです。

(1) ひとつ以上のランダム化比較試験

(2) ひとつ以上の非ランダム化比較試験

(3) ひとつ以上の分析疫学的研究(コホート研究や症例対照研究)

(4) 症例報告などの記述的研究

(5) 患者データに基づかない専門家・委員会の報告や意見

(1)から(5)に行くに従い、信頼度は下がります。

山田先生の研究報告は、(1)です。これがとっても重要な事なんです。

結果は、24例(平均年齢63.2歳,男性12例,平均BMI 25.8,平均HbA1c 7.6%)の患者が登録され,12例ずつ2群に割り付けられた。HbA1cは糖質制限群においてのみ有意に改善し(7.6±0.4%→7.0±0.7%,P=0.03),その改善の変化量はカロリー制限群(7.7±0.6%→7.5±1.0% ,n.s.)より有意に大きかった(P=0.03)。

体重,脂質,血圧,腎機能,肝機能の6カ月での変化量は両群に有意差はなかったが,トリグリセライド(TG)については糖質制限群においてのみ有意に改善した。

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山田先生の 考察:日本の(糖尿病)栄養学の新時代の幕開けを期待したい

昨年,アメリカ糖尿病学会が栄養療法のガイドラインを改訂し、糖質制限食を第一選択肢の1つとしたことは以前に報告した。

幸い,本研究でも( 山田先生の研究 )腎機能や脂質プロファイルは改善することはあっても悪化は全くなく,かつてアメリカ糖尿病学会が糖質制限食に寄せていた"(蛋白摂取過剰に伴う)腎機能の悪化"や,"(脂質摂取過剰に伴う)血中脂質プロファイルの悪化"といった懸念)が杞憂であることが日本人でも確認された。

また,本研究における糖質制限群の平均BMIは24.5であり,"肥満の欧米人と同様に非肥満の日本人においても糖質制限食は有効"ということが証明された。

現時点で,"カロリー制限食に対する副次的食事療法として糖質制限食は安全で有効だ"ということは断言できよう。

ここのカロリー制限食に対する副次的食事療法として・・・云々の部分が、大人の対応ですよね。おじさんのように、鬼の首を取ったかのように、書かない奥ゆかしさが、紳士的で素晴らしいです。

私たちから、糖質制限食に関するランダム化比較試験の最初の報告をすることとなった。ミイラ取りがミイラになったような気分である。そして,ミイラになって見えてきたことは,現在の日本の(糖尿病)栄養学が停滞しているということである。

ミイラ取り云々は、山田先生は、糖尿病学会側の人間ですから、糖質制限には、一応、反対側の立場なんです。糖質制限が正しいと言うのなら、そちら側の先生が、ちゃんとした研究をしなさいと言っていたんです。

例えば,日本糖尿病学会の『科学的根拠に基づく診療ガイドライン2013』の、食事療法の項で引用されている、27件の参考文献および3件の参考資料,合わせて30件の論文のうち、日本人が筆頭著者になっているものは6件である。

そのうち2件は日本人が実施したメタ解析であり、日本人の糖尿病患者を扱った論文ではない。

よって、日本人の糖尿病患者を扱った論文は4件である。その内容をまとめると、 の通りである。

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一方,日本糖尿病学会2013の食事療法の勧告文は,(1)早食いするな、(2)野菜から先に食べよ、(3)咀嚼能力を付けよ、(4)1型糖尿病患者にはカーボカウントを指導せよ-とはなっていない。

記載されているのは、(1)25〜35kcal/kg標準体重でカロリー制限せよ、(2)炭水化物50~60%,蛋白質1.0~1.2g/kg,残りを脂質という三大栄養素比率にせよ、である。

さかのぼって,最初の2004年の『科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン』をひも解いても、ほぼ同じ内容が記述され、一貫してこの記述のエビデンスレベルはコンセンサスである。

私たちは"科学的根拠に基づかない(コンセンサスに基づく)食事療法"を"科学的根拠に基づく診療ガイドライン"に記載させたまま、10年を無為に過ごしてきてしまったのである。

ちょっと判り辛いかもしれませんが、上記のお話しは、日本糖尿病学会の『科学的根拠に基づく診療ガイドライン2013』の食事療法の項で、参考にした論文30編のうち、日本人が書いた論文は6編で、あとは、外人の論文ですよ。そして、その内、糖尿病のガイドラインなのに、日本人の糖尿病患者を扱った論文はたったの4編しかなかった!!

しかも、その日本人の糖尿病の患者さんを使った、科学的根拠の在る研究成果がちゃんと書いてあるのに、ソレを無視して、エビデンスレベル(5)の、偉いさんたちの意見をガイドラインにしてるのは、おかしいだろうバカモンと言っているんです。

一方、アメリカ糖尿病学会は、糖尿病患者に理想的な三大栄養素比率など存在しないと断言しているが( Diabetes Care 2013; 36: 3821-3842 )、それは数多くの米国人を対象とした臨床試験のデータがあって初めて言ってきたことである( Diabetes Care 2012; 35: 434-445 )。

今回の私たちの論文が、初めて日本人を対象にして、三大栄養素比率に正面切って取り組んだランダム化比較試験ということになるが、これを契機として,さまざまな日本人を対象とした三大栄養素比率についての研究がなされ、日本人での理想的な三大栄養素比率も存在しないのか、それとも存在するのか、存在するとすれば、それはどのような比率なのか、についての議論が今年から発展していくことを期待したい。

おじさんが、時々、誰が、三大栄養素って言い始めたのか教えて下さい。って聞いているのは、これなんです。実際は二大栄養素なんじゃないか?必須アミノ酸と、必須脂肪酸はあるけど、必須炭水化物って無いから、炭水化物は必須じゃないんじゃないの?ってことなんです。

山田先生は、ソレを、日本糖尿病学会が、率先して研究しましょうと言っているんですね。

これで、おじさんが実践してる糖質制限って、只の与太話じゃない事、判っていただけたでしょうか?

今回は、読み応え有りすぎましたね~

今回のお話を纏めるのに、一週間かかって、おじさんの脳味噌、爆発しちゃいました







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最終更新日  2014年02月17日 10時00分20秒
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