能登の手染め日記

能登の手染め日記

Jun 4, 2019
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カテゴリ: 染色
輪島『いろは蔵』展示中のウルシ染め、会場へ行けない方から染めの詳細を教えて欲しいと連絡があったけど・・・ネット上での詳細説明はパクリの誘因になるので躊躇するが(^^;)

ただ、草木染めは手抜きをしたら堅牢度は出ない!ということを理解して貰うために詳細を書きます。当工房の染め方による耐光堅牢度の試験結果は参考にして貰うこととして、それぞれの人が自分で染めた色を試験に出してください。





色はモニターによって異なるし、プリントも印刷上がりは正確ではないので参考

黄色マーカーは3級、オレンジマーカーは3級以上

工房の染めを試験に出して、他の植物液でコレほどの良い結果が出たことは無い!そして、アルミ媒染の黄色の耐光堅牢度は3級未満だが、乾燥後に新たな鉄媒染と染めを繰り返すことによって、美しく良い緑色を染めることができる。

当工房の草木染めは原則として、染め4工程プラス2~4工程
1.媒染1回目(常温20分以上)→水洗い
2.染め1回目(常温から繊維を入れて加熱し80℃以上30分)→水洗い
3.媒染2回目(常温20分以上)→水洗い
4.染め2回目(常温から繊維を入れて加熱し80℃以上30分)→水洗い
濃い色の摩擦堅牢度が低い場合は、更に媒染と染めを2~4工程重ねると改善される場合が多い。

合成染料でも天然染料でも、濃い色を1回で染めると摩擦も耐光堅牢度も良くないのは同じ。水洗いを行い不純物を流してから更に染め重ねることによって良い染めになる。

ウルシ染めの魅力をまとめると
1.  木綿、麻、絹に良く染まる(多くの草木染めは木綿、麻に染まりにくい)
2. 水道水で煮出して良く染まる(多くの草木染めは水道水では染まりにくい)
3. ウルシ染めの色の耐光堅牢度が良い
4. 酸性水抽出、アルカリ水抽出でも良く染まる   
5. 酸性水抽出のアルミ媒染は耐光堅牢度が低いが、染めと鉄媒染を重ねると良い緑色に染まる
6. アルミ媒染、銅媒染、鉄媒染によって、黄色~緑色~赤褐色~黒など多様な発色を得られる
7. ウルシ液を単独媒染で染めても良いし、他の媒染を染め重ねても良い
8. ウルシ液の染めの上に他の植物液を染め重ねても良いし、その逆も良い
9. 他の多くの植物液と混合して染めることもできる
10. 染料抽出液の繊維染着濃度が高いので、ウルシチップの費用対効果が良い

1.2.3.は特筆すべき内容!!!これは家庭でも学校でも良く染まるということです。
実際にウルシを染めてみると、もっと魅力が分かります。ぜひ試してみてください(^^

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Last updated  Jun 6, 2019 11:37:54 AM
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