仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2015.04.25
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カテゴリ: 宮城
かつては出産期の女性は穢れと結びつけられ、家族や産婦を見舞った者は、たとえば神社に行くことや神事を控えた。

産婦や月事の女性が、家の裏口だけで出入りしたり、家族と別の小屋で生活するなどの習俗もあった。こうした小屋や月事そのものを、産屋、ヒマヤ(信州)、ヒゴヤ(火小屋)(三河)、カド(三宅島)、カリヤ(仮屋)(三河)、タヤ、オリタヤ(降り田屋)(諏訪)、ベツヤ(別屋)(隠岐)、ツリヤ(讃岐)、不浄小屋(大隅半島)、汚れ屋(伊豆)、アサゴヤ(敦賀)などと称した。

敦賀のばあい、月々の忌みでアサゴヤに入るのは明治まで続き、その後は家にはいるが、戸口の敷居に腰を掛けて食べ、食後は水か湯で浄める。出産はアサゴヤとは別にコヤと謂い、産後3日から男児23日、女児24日間いる。産小屋の習俗は重視され、かなり後にまで続いた。

産屋の習俗は昭和40年代まで、敦賀市あたりでは残っていた。東京の世田谷区の以前の大字のうち8つに、山谷の小地名があったが、産屋に由来するらしい。涌谷町にある「のの岳字産仮小屋」は間違いない。

■参考 柳田国男『禁忌習俗事典 タブーの民俗学手帳』河出書房新社、2014年
 同書は、柳田国男『葬送習俗語彙』(岩波書店、1937年)を改題したもの。
 巻末の筒井功氏による解題も参考にした(上記の昭和40年代の記述以降の部分)。





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最終更新日  2015.04.25 14:03:26
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