私訳・源氏物語

私訳・源氏物語

PR

プロフィール

佐久耶此花4989

佐久耶此花4989

カレンダー

バックナンバー

November , 2025
October , 2025
September , 2025
August , 2025
July , 2025
June , 2025
May , 2025
April , 2025
March , 2025
February , 2025

キーワードサーチ

▼キーワード検索

August 4, 2006
XML
ある日、思いもかけぬことに「近づきまいり給へる」折がありました。


ただならぬお苦しみように、まわりの人々も慌て惑い、源氏の君も塗籠めに押し込められるのですが、ようやく落ち着きをとりもどした日暮れ、男君はそっと塗籠めを出て中宮の御張台にお入りになります。

そのときさっと男君の御衣の薫物が漂い、その香りですべてをお感じになった女君は、浅ましくも恐ろしく、なすすべもなくうつ伏してしまいます。
男君が引き寄せますと、御衣をするりと脱ぎ捨ててお逃げになろうとするご様子。
ところが、あろうことか長い御髪が衣とともに、男君の手の中に掴まれてしまったではありませんか。

追いすがる男君と、髪を絡め取られて「あっ」とのけぞる女君の白いのどもと・・・そんな悲劇的な場面を平安朝の作者は、むせるような濃い薫物の香りに包み、うつくしく官能的に描写しています。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  March 9, 2017 07:11:02 PM
[源氏物語の女性たち] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: