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そうなりますと、あの『噛みつき女』というものは、
実直な故に思い出すことが多く忘れがたいのですが、
妻として見るにはどうも煩わしい、
下手すると飽き飽きするということもあるのではないでしょうか。
琴の音が良かったとかいう才気走った『じゃれつき女』は、
浮気なところが許し難いですね。
この『嫉妬しない女』にしましても、他に男がいて
示し合わせて失踪したのではないかといった疑いもありますし、
頼りになるべき女というものはなかなか思い定まるものではありませんな。
しかし男女の仲というものは、ただもうそんなものかもしれませんね。
それぞれに違いがあって、比べるのは難しいものです。
この長所だけを身に備えて、短所のない人などいるはずがありませんね。
とはいえ、吉祥天女に思いを掛けるなど、抹香くさくなって
これもまたつまらないものでしょうしね」
と言っては、皆で笑うのでした。