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「たまにお口を開くと、ひどい事をおっしゃる。
見舞う、見舞わぬは、夫婦の仲での言葉ではありませんよ。
情けないことをおっしゃるのですね。
もしやお思い直しくださることもあろうかと、あれやこれやと試み申し上げておりましたが、
私をたいそうお嫌いになられたようですね。
わかりました。長生きしなければあなたさまの御心も、直らないようですね」
とて、御帳台に入ってしまわれました。
けれど女君は、すぐにはお入りにならないのです。
源氏の君はお声をかける術もなく、ため息をつきながら臥しておいでになるのも、
半分は面白くない御心からなのでしょうか。
眠たげなご様子をしながらも、内心では夫婦関係で煩悶なさる事が多いのです