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それはともかく、あの若草の姫の成長を見たいものとお思いになるのですが、
尼君たちがまだ結婚にふさわしい年齢ではないとお思いになるのも道理なのです。
『あれでは、姫に直接言い寄る事も難しかろう。どんな工夫をすれば気兼ねなく迎えて、
明け暮れの慰めとして世話することができるだろうか。
それなのにあの姫は父・兵部卿の一族とは思えない香り立つような気品がある。
兵部卿の宮と藤壺の宮は同じ后腹の兄妹だから、叔母上に似たのだろうか』
など、お思いになります。
先帝の姫宮であらせられる恋しい藤壺の宮とは叔母と姪の関係になりますので、
その血筋からもたいそう身近にお感じになり、
『何とかして手に入れたいもの』と、心に深くお思いになるのでした。