PR
カレンダー
キーワードサーチ
「だが好きずきしい行いで、あちらこちらの女人と並々ならぬ仲になっているとも見えず、
またそのような噂も聞かぬが。
どのように隠れ歩いて、人の恨みを受けるものやら」
と仰せになります。
帝は御年を召していらっしゃるのですが、好色の面では見過ごすことがおできにならず、
采女
や 女蔵人
といった身分の低い女房たちでも、
見目形や風情のある者は特にお引き立てあそばすので、
教養ある宮仕え人が多いのです。
相手の女が無関心でいることなど滅多にありませんので馴れておいでなのでしょうか、
『本当に源氏の中将は好色めいた事をなさらないようだ』と、
試しに戯れ事を申し上げたりするのですが、無愛想にならぬほどのお愛想をなさっても、
それ以上乱れ給う事がありませんので、生真面目で面白くないと
、思い申し上げる女房もあるのです。